第三章 見学
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夕食の仕込みをしていた名無しさんに、オーナーである父が近づいてきてこう言った。
「名無しさん。仕込みはお父さんがやっておくから、お前はテニスの見学でもして、少し休憩してきなさい。」
優しい物言いで言う父に、少し戸惑いながらも承知した。
「う、うん。ありがとう、お父さん。」
父にその場を任せて、名無しさんはテニスコートへ向かった。
「…ん?何だか名無しさん、嬉しそうだったな…?」
名無しさんの後ろ姿を見送った父は、小さく呟いた。
テニスコートでは、日が西に傾きかけているにもかかわらず、相変わらず激しい動きで練習している。
「うわ~…!」
レギュラー陣の練習を一目見て、思わず歓喜の声を上げた。
それに気づいたのは越前だった。
「どうしたの、名無しさん。見学?」
「あっ!////リ、リョーマくん…。うん。お父さんが見学でもして休憩してこいって…。」
越前の声に気づいて、少し顔を赤くして名無しさんが言った。
「ふ~ん。飛んでくるボールにだけ気をつけて見てろよ。」
少し嬉しそうに越前が言った。
「うん。ありがとう//////」
ベンチにちょこんと座って練習風景を見るが、名無しさんの目は自然に越前を追っている。
「オチビのやつ、あの子が来たとたんにやる気になったぞ~!」
ラケットを回しながら菊丸が言った。
「…越前の興味深いデータが取れそうだ…。」
眼鏡を押し上げて、乾がノートに何やら書き出した。
そんな先輩たちの思いなど知らずに、練習に励む越前と、そんな越前に見とれている名無しさんだった。
続く