キスの意味【キルゴン】










「ねぇキルア、キスって何の意味があるの?」




「………はぁ?」







ベッドに寝転んで本を読んでいると、急にゴンが変なことを聞いてきた。

「この間借りてきた本で、やたらとキスしてるシーンがあったんだけど……」

大きな瞳で俺を見つめる。

「お前…どんな本を借りてきたんだよ……」

溜息を吐きながらベッドから起き上がり、ゴンの隣に腰掛けた。

「キスの意味って言われてもな~…キスは場所によって意味が違ってくるからな~。」

「えっ!?そうなの!?」

俺の言葉にゴンは驚いた顔をした。

「…まぁな……」

ゴンを横目でチラッと見る。

「教えて!!」

キラキラした目で俺にすがりつくゴンを見つめて、俺はあることを思いついた。

「……いいぜ?」

俺が頷くと、ゴンは無邪気に喜んだ。

……純粋って怖いな…………

俺はゴンに近づいて基本から教えた。

もちろん“行動”で!

ゴンに近づいたところで、まず最初に額にキスをした。

「え…キルア?//////」

驚くゴンを見つめて説明した。

「額、つまりおでこにするキスは『友情』っていう意味があるんだ。」

「へ~!そうなんだ!!」

額を触りながら頷くゴン。

「よし、じゃあ次な?……次は……」

そう呟きながらゴンの手をとって、手の甲にキスをした。

「手の甲にするキスは『尊敬』っていう意味だ。」

「あ、このキスならよく本で見たことある!」

おとぎ話でも思い出したのか、ゴンの顔が少し明るくなる。

「で、次が……」

今度はゴンの頬にキスをした。

「頬にするキスは『親愛』っていう意味があるんだ。」

「へ~~!!」

無邪気な顔をしながら頷く。

「次は……」

俺はゴンの髪にキスをした。

「髪にするキスは『思慕』っていう意味があるんだ。」

「しぼ?」

小首を傾げて問う。

「“恋しい”っていう意味。」

「ふ~ん…」

またこくこくと頷きながら嬉しそうな顔をする。

さて……そろそろ応用いくか!

そう思いながら次にキスしたところは耳。

「うわっ…!//////」

「耳にするキスは『誘惑』っていう意味だ。」

少しだけニヤリと笑い、ゴンの反応を楽しんだ。

「びっくりしたよ……//////」

顔を真っ赤にしながらゴンが俺を見つめる。

そんなゴンを見ると、ますますいじめたくなった。

「次は……」

俺はゴンの服を少し捲くらせ、腰にキスをした。

「ははは!くすぐったいよキルア~!!」

ジタバタと足を動かしてくすぐったがるゴン。

「腰にするキスは『束縛』っていう意味。」

「そ、そんなところにもキスするんだね…」

ゴンは少し慌てて捲くれた服を戻した。

「で、次が……」

ゴンの後ろに回って、俺はゴンの首にキスをした。

「…んっ……!」

急なことに、ゴンは体をビクッとさせた。

「首にするキスは『欲望』っていう意味がある。」

耳元で囁くと、ゴンは顔を真っ赤にして固まった。

その隙に俺はゴンの前に行き、こう言った。

「そして最後は………」

「んっ……///////」

固まるゴンを余所に、俺はゴンの唇にキスをした。

「……『愛情』」

唇を離してニッコリと笑う。

ゴンはタコのように顔を真っ赤にする。

「ま、いろいろ説明したけど、俺の好きなキスの場所は…ココだな!」

ゴンの唇を人差し指で押さえる。

すると、ゴンが言い出した。

「……俺も、この場所が一番好き。」

「ん……」

そう言いながらゴンは俺の唇と自分の唇を重ねた。

「だって…キルアの温もりが一番わかるから…!」

「…そうだな。」

ゴンは幸せそうな表情で、俺の腕に抱かれていた。





















END
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