俺のキモチ【キルゴン】



最近の俺は、妙にゴンを意識してしまう。

ナゼダ?

そっと俺の心に聞いてみた。

『俺は何でゴンを意識するんだ?』

『それはもう気づいてるハズだ。』

『わからないんだ!教えてくれよ!』

『…それは…お前がゴンのことが好きだからだ…』

……えっ…?俺がゴンのことを…?

…ウソだ!だって俺…おと…


「キルア!キルアってば!!」

「…?あっ!ゴンか…。」

気がつくと、ゴンが俺を呼んでいた。

「どうしたの?ボーッとして…。」

「いや…何でもない…。」

俺はゴンの顔も見ないで立ち上がり、寝室に向かった。

「キルア!どこいくの?」

「…ちょっと昼寝!」

「あ…うん…。」

後ろもふり返らず、手を振って寝室へ向かった。


ベッドに寝転び目を閉じた。




―俺は夢を見た。―

『ここは…どこだ?』

すごく暗い所に俺はいた。

すると目の前に人が立っていた。

『…!ゴン!!』

目の前にいる奴はゴンだ。

だがゴンは黙ってこっちを見ていた。

『ゴン!どうしたんだよ?何かしゃべれよ!』

するとゴンは黙ったまま後ろを向き、ゆっくりと向こう側へ歩いていった。

『おい!ゴン!どこ行くんだよ!!』

俺がいくら呼んでも返事がない。

『ゴン!ゴン!俺を置いて行くなよ!!ゴーーーーーーーン!!!』



…気がつくと、辺りが明るくなっていた。

すっげー悪い夢だった…。

体は汗でびっしょりぬれていた。


ドタドタドタ!

バンッ!!!

「キルア!大丈夫?オレの事呼んだよね?」

ゴンが心配そうな顔で俺の側まで来た。

「…ゴン…。」

「どうしたの?悪い夢でも見たの?」

「…っ!ゴン!」

俺はこらえ切れず、ゴンに抱きついた。

「キ、キルア/////?」

「ゴン…俺…俺…」

気がついたら涙が止まらなくなっていた。

「…。キルア。落ち着いて、オレに話してみて?」

ゴンは優しく俺の頭をなでてくれた。

それでも俺は、落ち着けなかった。

ゴンが俺から離れることを考えると、自然と涙が止まらない。

「…っ!ゴンッ!!俺の側から離れんな!!俺を置いて行くな!!!」

さっきの夢を思い出して、余計に怖くなった。

「大丈夫。オレはキルアを置いて行かないよ。」

脅えている俺を安心させてくれた。

「…マジ…?」

「うん!マジ!!だって、キルアを置いてなんかどこにも行けないよ!」

ゴンは笑って俺を見た。

「…何で?」

「そんなの!もしキルアがどっかで暴れたら、止めるのオレしかいないからに決まってんじゃん!」(二コッ)

歯を見せて無邪気に笑ったゴンを見て、さっきよりもっと元気になった。

「なっ!何でだよ!逆だろ!逆!!俺がゴンの面倒見んの!」

「え~~~~!」

「プッ!アッハハハハ!!!」

この会話のやり取りに思わず笑ってしまった。

「やっと笑ったね!キルア!」

「…えっ?あぁ…。…サンキューな!ゴン!」

とりあえず恥ずいけど感謝の気持ちを言葉にした。

「もう変なこと考えちゃだめだよ!」

「あぁ!」

そして俺たちは、ゴンの親父さん探しに出掛けた。







END
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