ポッキー【不ジロ】
青学、氷帝共にオフの日曜日。
恋人同士の不二とジローはデートのため、駅前で待ち合わせ。
先に着いたジローは、駅の近くにある噴水の上に座って眠っていた。
「ジロー!遅れてゴメンね!…?」
「グーグー…」
不二が駅に着くと、ジローは気持ちよさそうに夢の中にいた。
「…ジロー!起きて!」
不二がユサユサとジローをゆらして起こす。
「ん、ん~…。…あっ!周助!おはよーう!」
急に元気になり、ジローの目はパッチリ。
「クスッ…おはよう。じゃあ行こうか。」
「OK~!」
デートの内容は、街を歩き回ること。
ウインドウショップや、お花屋さん、とにかくいろいろ回るのだった。
お花屋さんで不二が見つけたものは、もうすぐ花が開きそうな小さなサボテンだった。
「あっ!このサボテン、奇麗だね。」
「うわ!すっげぇ~!!かわE~!」
二人はしばらくサボテンに見とれていた。
それから5分がたち、お花屋さんを出ることにした。
二人が歩いていると、ふと不二が言った。
「ジロー、さっきまで寝てたのに、今はすごく元気だね。」
「ん?だってだって!周助と一緒だと嬉しいC~!!眠気も覚めるんだも~ん!」
いつものように陽気に返してくる芥川に、周助はクスッと笑った。
「ありがとう。」
「あーーーーーーー!!!!!あれ、ポッキーの新商品じゃん!!!」
芥川は興奮して、コンビニに入っていった。
「あ、待ってよ!ジロー!」
不二もその後を追いかけた。
「美味そうだな~!このポッキー!!!」
今にもレジ袋からポッキーを取り出そうとしている芥川を、急に不二が止めた。
「待って!ジロー…開ける前に公園に行かない?」
「え?いいけど?」
不二は芥川の手を引いて、公園に向かった。
「ねぇ?どうしたの?」
「ジロー、目を閉じて口を開けて。」
不二がポッキーを出しながら言った。
「ん?いいよ~!」
芥川が口を開けたのを確認して、不二は自分の口にポッキーを入れ、その反対側をジローの口の中に入れた。
「んっ!ホッヒーら(ポッキーだ)!」
と思っているのもつかの間、芥川の唇に不二の唇が当たった。
「んっ!?」
芥川はビックリして目をパチクリさせた。
不二は唇を離すとクスッと笑った。
「美味しかった?僕のキス。」
「うわうわ!!マジ恥ずかC~/////」
芥川の顔は、夕日と同じ色をしていて、色鮮やかだった。
END