ドリームランド【リョ桜】



今日は、リョーマくんと遊園地に来ています。

夢と魔法の遊園地、ドリームランド。

ずっとリョーマくんと行きたかったけど、多分リョーマくんは苦手なのかな?と思って誘えずにいました。

でもまさかリョーマくんから誘ってくれるとは思っても見ませんでした!

何でも、リョーマくんが大好きな炭酸飲料のキャンペーンでペアチケットが当たったみたいです。

初めての遊園地デート、凄く楽しみです!!









ドリームランドまでは電車での移動。

リョーマくんと一緒に電車に乗って向かった。

入場ゲートに着くと既に人がたくさんいて、簡単な手荷物検査が行われていた。

私たちも手荷物検査を済ませて入場ゲートまで行った。

「あ、ごめんなさい…!」

たくさんの人だかりのせいで色んな人にぶつかる。

するとリョーマくんが私の手をギュッと掴んで先頭を歩いてくれた。

「ぁ……//////」

手を引いてスタスタと人だかりを抜けるリョーマくん。

少し人が落ち着く場所に着いた頃、リョーマくんが掴んでいた手は次第に恋人繋ぎに変わっていった。

「やっぱこっちの方がいい。」

口元を少しだけ緩ませてリョーマくんが言う。

「ありがとう…!」

リョーマくんの握る手が暖かくて、私もギュッと握り返した。

「まずどこ行く?」

「えっと……ちょっと待ってね」

道の端に寄って地図を広げる。

「ここはどう?」

地図を指差してリョーマくんに聞く。

「宇宙の3Dアトラクションか。いいね。行こう。」

そう言ってリョーマくんは地図を見て位置を確認する。

「あの道を右に行けばあるみたいだね。」

「うん!」

地図を鞄にしまって再び手を繋いで歩いた。

アトラクションの建物に着いて早速並ぶ。

そんなに混んでなく、すいすい進んであっという間に乗り場まで着いた。

3Dメガネを乗り場の手前で受け取って、二人してかけてみる。

「あはは!リョーマくん何だか格好いい!」

サングラスみたいに見えるメガネ姿のリョーマくんを見る私。

「桜乃は全然似合わないね」

ニヤッとしながらリョーマくんが言う。

「もぅ…!意地悪だよぉ…!」

そんなこと言ってる間にいよいよ乗り物に乗る。

鞄を座席の下に入れてシートベルトをすると、キャストさんがドアを閉めた。

すると目の前のシャッターが開き、左側には金色のロボットが動きながら喋っていた。

スクリーンの画面と座席が連動してガタガタと動く。

「キャー!」

その動きと同時に私の体も揺られ、自然と楽しい声が漏れた。

まるで本当にその空間にいるかのように錯覚するアトラクション。

最後まで声を上げっぱなしだった。







「面白かったね!」

アトラクションを降りて再び手を繋いで歩き出す。

リョーマくんは何も言わないけど、表情を見てわかる。

「リョーマくんも楽しかったなら良かった!」

「…別に……。」

それもリョーマくんなりの照れ隠し。

最初はわからなかったけど、一緒にいると少しずつわかってきた。

「次、ここ行きたい」

地図を見ながらリョーマくんが指差す。

そこは今いるエリアから2つほど離れた所にある水辺のエリア。

丸太のボートに乗って最後には勢いよく落ちるアトラクション。

「じゃあここに行こうか。」

私たちはアトラクションに向かって歩き出した。

その途中、大きな古びた洋館のアトラクションの前を通った。

「あ、リョーマくん!ここのアトラクション、後で並ばなくてもいいように優先チケット取っておこうよ!」

「ここはどんなアトラクションなの?」

「えっと…999人の亡霊がこのマンションにいて、私たちを1000人目として迎えるライド型アトラクションだよ!」

「ふ~ん…。そうやって地図に書いてあるんだ」

ニヤリとしながら私を見る。

「もー、リョーマくん…!笑わなくてもいいでしょー…!私も小さい頃に来ただけで覚えてないんだもん…」

そんなやり取りをしながら先に優先チケットを発行するために機械のある場所に向かった。





無事優先チケットを発行し終え、再び目的のアトラクションまで歩いた。






優先チケットのおかげでスイスイ列は進み、あっという間に乗り場。

カッパを着ていなかったことに少し後悔しつつも、最初はゆっくり水の上を進んでいく。

するとだんだん上に登っていき……

『キャーーー!!!!』

急降下独特の浮遊感が私を襲っていき、それと同時に私の身体が濡れて…



いなかった…。

「あれ…?」


ふと気が付くと、リョーマくんが私を自分の方へ抱き寄せて、水から私を守ってくれていた。

「リョ…リョーマくん!?/////」

突然のことに驚いて顔が真っ赤になる。

リョーマくんの髪からは少し水滴が垂れていた。

「桜乃、濡れてない?」

私のことを心配してそう聞く。

「う、うん!大丈夫!!ありがとう!////でもリョーマくんが濡れてるよ…!」

「別に平気。すぐ乾くし。」

私が濡れてないことに安心してか、ホッと息をついたのがわかった。





本当に、頼もしい素敵な彼氏です!










それから私たちは色んな乗り物に乗ったり、ポップコーンやチュロスの食べ歩きをしたり、パレードを見たりした。






あっという間に夜になり、少しずつ周りは帰る人たちも増えていった。

私たちもあまり遅くまではいられないから、最後にずっと憧れていたことをリョーマくんにお願いしてみた。

「ねぇ、リョーマくん…。お願いがあるんだけど…」

「ん?何?」

手を繋いで歩いている足を止めて言った。

「あのね…あのお城の所で一緒に写真撮ってほしいな…/////」

ドリームランドのシンボルであるドリームキャッスルを指差してポツリと言った。

「いいね。撮ろう。」

そう言ってリョーマくんはドリームキャッスルの方へ歩いていった。

断られるかと思ってたから内心ビックリしつつも、嬉しさが大きかった。






スマホのカメラをインカメラにして、ドリームキャッスルが上手く写るように高さを合わせる。

でもなかなか上手くいかなくて、四苦八苦していると、リョーマくんが手を貸してくれた。

「これでいい?」

「あ、うん!!ありがとう!」

角度を確認してシャッターを押した。

カシャッ

「もう一枚撮ろう。」

そう言ってリョーマくんは角度を変えた。

下から私たちを眺めるアングルにして、スマホは私の後ろへ持っていき、もう片方の腕で私をリョーマくんの方へ引き寄せた。

「えっ…!//////」

「こっち向いて。」

小さく囁くリョーマくんの声に導かれて、私は自然とリョーマくんの方を向いた。

……けど恥ずかしいよぉ…!!//////

カメラからは私の表情は見えない角度だけど、きっと凄く顔が真っ赤になってるんだと思う。

リョーマくんはそのまま私を見つめながらシャッターを押した。

そして今度は…

チュ…

「!?/////////」

リョーマくんが私の唇に自分の唇を重ねた。

そしてそのままシャッターを押した。

私を解放するリョーマくんの表情はニヤリとしていた。

私は何が起こったのかわからず固まっていた。

「暗いのに顔真っ赤なのわかりやすすぎ。」

私にスマホを渡してリョーマくんは私の手を引いて出口の方へ歩きだした。













家に帰ってリョーマくんに写真を送るためにフォルダを開いた。

一番最初に撮った、私たちがドリームキャッスルの前で笑って写っている写真。

そしてリョーマくんが撮ってくれた、私たちが見つめあっている写真。

その次は……///////

背景には上手くドリームキャッスルが写っていて、その手前では私たちがキスをしていた。

「///////リョーマくん、強引だよぉ…」









ベッドに転がりながら思い出してまた顔を真っ赤にした。














END
1/2ページ
スキ