私の王子様【リョ桜】



テニスが強くてかっこいいリョーマくんは、私の彼氏です。

普段は少し素っ気なくて冷めているけど、とても優しい。

そんなリョーマくんを見てると、いつの間にか私はリョーマくんのことが大好きになりました。

リョーマくんも同じ気持ちでいてくれたことが凄く嬉しくてつい泣いちゃったけど、リョーマくんはそんな私を優しく抱き締めてくれました。










今日はテスト期間で部活が無い日。

いつもは部活で忙しいリョーマくんが放課後にデートに誘ってくれた。

校門の前で待ち合わせして二人で出掛ける。

ギュ…

私の手を繋いでくれる手がとても暖かくて、でも内心ドキドキした。

私もそっと握り返す。

「ようやく慣れてきたじゃん」

チラッとリョーマくんが私を見ながら言う。

「え…!あ…///////」

付き合い始めの頃は、リョーマくんに手を握られても恥ずかしくてすぐに握り返せなかったけど、少しずつ慣れてきた。

でもやっぱりドキドキするのは変わらない…//////

火照った顔に秋の風が心地いい。

そんなことを思いながらいつの間にかたくさんのお店が並んでいる通りに着いた。

アクセサリー屋さん、雑貨屋さん、服屋さん…

目移りしそうなほどたくさん並んでいるお店に、私はキョロキョロと目を忙しなく動かしていた。

「私、あまりここに来ないから驚いた。こんなにお店があるんだね!」

「まぁね。俺も何度か桃先輩と来た時に初めて知ったけど。」

クレープ屋さんの甘い香りがしてくるなか、私は初めての光景に目をキラキラさせていた。

「…クレープ食べる?」

「え…!」

「食べたそうな顔してるよ。」

リョーマくんが私の顔を覗き込んでニヤリと言う。

「え…あ、えっと…その……//////」

あたふたしていると、リョーマくんは私の顔を覗き込むのをやめてクレープ屋さんに入っていった。

「あ…リョーマくん…!」

私も追いかけようとすると、お店に入っていくリョーマくんに待ってて、と手でサインをされて立ち止まった。

それから2~3分後、両手にクレープを持ったリョーマくんが戻ってきた。

「いちごとチョコ、どっちがいい?」

「えっと…いちごで…!」

「ん。」

そう言ってリョーマくんは私にいちごのクレープを渡した。

「あ、ありがとう!」

クレープを受け取って一口食べた。

「美味しい…!」

口の中にクリームの甘さが広がって、いちごの酸味が程よくてとても美味しかった。

でも何より、リョーマくんと一緒に食べてるからなのかな…?

何て考えてると、リョーマくんが私の顔を覗き込んでいた。

「…?どうしたの?リョーマくん?」

「一口もーらい!」

パクッ

「あ…!」

リョーマくんの顔を覗き込んでいる間にリョーマくんは素早く私のクレープを一口食べた。

「ん。美味しい」

ニヤリと笑って私を見つめる。

「もー!リョーマくんったら…!」

文句を言いつつも内心嬉しい自分もいた。

「行くよ」

そう言ってリョーマくんはまた私の手を引いて歩いていった。






最初に気になってたアクセサリーのお店、ゲームセンター、日用雑貨…

二人でたくさんのお店を見て周り、気がつけば辺りは真っ暗。

「ちょっと連れ廻しすぎた…。ごめん。」

いつも勝ち気なリョーマくんが少しだけ申し訳なさそうな顔で謝る。

「ううん!気にしないで!こうしてお家まで送ってくれたし、何より凄く楽しかったよ!」

ニコっと笑って言うと、安堵の表情を浮かべるリョーマくん。

「じゃあ、また明日学校でね。今日はありがとう!」

リョーマくんの手を離して踵を返してドアノブに手をかけようとした瞬間…

「え…!」

気がつくと、私はリョーマくんの腕の中にいた。

「いつか、桜乃と同じ家に帰る日が来るといいね。」

そう呟くリョーマくんの腕が強く私を抱き締める。

胸がドクドクと脈打つなか、私もリョーマくんの体に腕を回す。

「うん。その時が来たら、美味しいお料理作ってリョーマくんの帰りを待ってるね。」

「約束。」

お互いの顔を見てフフッと笑う。

「じゃ、また明日。」

「うん、また明日ね!」

帰路につくリョーマくんの後ろ姿を見つめながら手を振った。









ーおかえりなさいー


いつかリョーマくんにそう言える日が来るといいな…










END
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