春の日差し【不二菊】
昼ごはんを食べた後の午後の授業。
4月も下旬になり、だんだん暖かくなってきた。
そんな状態での座学。
しかも英語。
何言ってるか全くわからない。
正直言って地獄だ。
そんな俺にとうとうやってきた睡魔。
「…眠いにゃ……」
目を擦ったりして必死に耐えるけど、一度現れた睡魔はなかなか消えてくれない。
そして次に目を開けた頃には既に授業が終わっていた。
「…あれ?終わっちゃった…」
ポツリと呟くと、不二が笑いながら俺の所に来た。
「英二、また寝たの?進学大丈夫?」
「不二~…大丈夫だよ。…多分…。」
…確かに受験を控えてる俺にとって今の時期に居眠りはまずい…。
「不二~…ノート見せて~…。」
手と手を合わせてそう不二に頼み込む。
だけど不二のことだから条件があるはず。
「いいけど…条件があるよ」
…やっぱり。
「何?」
不二は俺の耳に顔を持ってきてこう言った。
「英二からキスしてくれたらいいよ」
「…っ!?///////」
まさかのそこ!?/////
「…ちょっ…!ここ学校だよ…!?//////」
顔を真っ赤にして不二に言う。
「でも今日ノート提出だよ?放課後の5時までなら受け付けてくれてるみたい。だけど明日以降は減点だよ?」
含み笑いをしながら言う。
俺は観念して立ち上がり、不二の手を引いてトイレに入った。
男二人で個室に入り、俺は勇気を振り絞って不二にキスをした。
「…///////」
「…クス…ごちそうさま。」
なんてまた笑う。
…くっそ~!俺の方が背高いのに…!
普通こういう時の主導権は俺だろ!
そう思いながら不二を見つめた。
こんな恥ずかしいことさせられても、やっぱり不二が好きだから不思議。
こんなんじゃ、一生不二には勝てないな…。
END