愛のかたち【裕周】
今日も裕太はご機嫌斜め…。
昨日から僕に冷たい。
何があったんだろう?
それは昨日…
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2月18日、今日は俺の15歳の誕生日。
俺もやっと兄貴と同じ歳になれた…って言ってもすぐ兄貴の誕生日が来るけど。
もう兄貴は起きてるはずだ。
俺は部屋から出て1階に降りた。
「あっ!裕太おはよう。」
えっ…。
兄貴に一番最初に『おめでとう!』って言って欲しかった。
なのに兄貴は『おはよう』と言ったらすぐに読んでいた本に集中した。
俺の誕生日、忘れたのかよ!
「あ、あのさー…」
「ん?何?」
兄貴はいつもの笑顔でふり返った。
「…いや…何でもない…」
「そう?」
俺はちょっとイラついた。
数年前はしつこいほど『誕生日プレゼント何がいい?』って聞いてたくせに…。
俺はその日はずっと兄貴とまともに会話をしなかった。
そして次の日…
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僕は裕太が何で怒ってるのかが気になって、裕太に聞いてみた。
「ねぇ、裕太…。何で怒ってるの?僕、何か悪いことしたのかなぁ?」
裕太が僕の方を見て睨んだ。
そして僕に思いっきり叫んだ。
「よく考えろよ!!昨日何の日だったと思ってんだよ!!!」
昨日…?………あっ!
裕太に言われて思い出した。
そう、昨日は『裕太の誕生日』だった。
「……っ!ごめんね!裕太!昨日…たんじょ…「弟の誕生日も忘れたのかよ?!」
僕が言いかけた所に裕太が重ねるように怒鳴った。
僕は裕太を思いっきり抱きしめた。
「ホントにごめん!…誕生日プレゼント、これでいい?」
「えっ?」
僕は裕太に笑った。
「誕生日おめでとう。裕太…。」
僕は裕太にチュッと優しく唇にキスをした。
ほんの少しだけど、裕太の顔に笑顔が見えた。
「…ったく…来年は恋人の誕生日ぐらい覚えとけよ…。」
「うん。」
顔を見合わせると、今度はさっきより長い、甘いキスをした。
END
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