我慢、がまん、ガマン【レオリオ夢】
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会いたい…我慢
寂しい…我慢
もっと一緒にいたい…我慢
シたい…我慢
私は一体どれだけ我慢すればいいんだろう…?
どれだけ泣けばいいんだろう…?
どれだけ我慢すれば心から笑ってあなたの傍にいられるんだろう?
アトドレダケ…?
私たちが付き合い始めて早1年。
19歳の彼と21歳の私。
たった2つ上だけど私の方がお姉さん。
外見からは真逆に見える私たち。
でも最近は外見だけじゃなく、中身も真逆…
医者になるためにハンターになり、ハンター試験に合格してからも試験勉強。
合間にハンターとしての仕事。
寝る暇も殆どなく、毎日頑張っている彼。
私はそんな彼を支えなきゃいけないのに、心のどこかで寂しさを感じていた。
付き合い始めた頃は、彼から“会いたい”や“寂しい”と言ってくれた。
そう言われること、同じ気持ちでいることが嬉しくてたまらなかった。
「レオリオ、何食べるか決めた?」
「………ZZzz」
デートに行って外食したとき、メニュー表を見ながらコクコクと頭を垂らす。
「せめてメニューを決めてから寝なさい…」
そんな私の声で目を覚まし、急いでメニューを決める。
「クスクス…!」
そんな姿が可笑しくて仕方ない。
電車の中、少し休憩で座った椅子でもすぐに居眠りをしてしまうレオリオ。
寝ないように気を付けてくれるけど、私は無理をして起きててほしくない。
最初は本当にそう思っていた。
でも、だんだん寂しさを感じるようになっていた。
日が経つにつれ、レオリオは前にも増して忙しくなってきた。
ハンター試験で出会ったという仲間と共に仕事に出掛け、数日帰ってこないことも増え、帰って来たと思ったら出来なかった分の試験勉強。
仕方ないことだけど、だんだんと私と一緒にいられる時間も減っていった。
それでも試験勉強の合間の息抜きで会ってくれたり、月に一度は一日空けてデートもしてくれる。
寂しいなんて思ってはいけないほどレオリオは私に尽くしてくれている。
お金等の問題でまだ一緒に住んでいるわけじゃないけど、帰りは必ず家まで送ってくれる。
とても優しい、私の彼氏……
『今布団入ったぜー』
『お疲れ様!』
『じゃあもう遅いから寝ようか!』
『だな!一日お疲れさん!おやすみー』
『おやすみ!』
レオリオからの連絡が来るのは0時過ぎか、早くて23時半頃。
私は毎晩レオリオからの連絡を待って、お互いおやすみと送って寝るのが二人の日課。
たまに雑談をしてから寝ることもあるけど、その雑談はそんなに長く続くわけでもない。
前は必ず雑談して、2時くらいまで起きてたことなんてあった。
でも朝が早いレオリオに負担がかかると思い、どうしても伝えなきゃいけないことがある時以外はなるべく早く寝かせるようにしている。
眠気に耐えられず“おやすみ”と連絡が来ないまま寝落ちなんていうこともざらにあるから。
彼がしんどくないように、彼の負担にならないようにと自分の感情を殺して選択してきたこと。
でもその選択がだんだん私の心に穴を開けていく。
レオリオのことを想いながら、私はケータイで今までのやり取りを遡っていた。
『俺は世界一幸せ者だ!』
『名無しさんに会いてぇなー』
『この日空いてるか?』
『愛してるぜ、名無しさん』
「まだ関係が初々しいときかー…」
レオリオと連絡を取り始めた頃からどんどん見ていく。
そしてふとあることに気がついた。
『寂しいなー…』
『レオリオに会いたいよ…』
『そっか…。レオリオ忙しそうだね!…また今度行こうか!』
ここ最近のやり取り…
「全部私から会いたいとか、寂しいって言ってる…」
付き合い初めの頃はレオリオの方が気持ちが強かったのは確か。
でもだんだん私もレオリオの事を好きになり、今では私の方が気持ちが強い。
「愛されてないわけじゃないのはわかってるのに…」
以前のレオリオの私への気持ちが強かった分、今はどことなく寂しい。
……胸がズキンと痛くなった
そんな毎日が続いたある日…
「じゃあ、また………いつかな!」
次にいつ会えるかも約束出来ないままデートが終わろうとしていた。
「…うん…」
「?名無しさん、どした?」
元気のない私を見てレオリオが言う。
私の目からは自然と涙が溢れた。
「お、おいどうしたんだよ!?」
急に泣き出す私を見て驚くレオリオ。
今日一日楽しかった
寂しいことなんて一つもなかった
なのに…何で……?
上を見上げて瞬きを繰り返して涙を堪えるけど、どんどん涙は溢れて私の頬を伝っていく。
「何で泣いてんだよ…?」
心配そうに私を見ておろおろするレオリオ。
「ごめん…何でも、ない…から……!…じゃあ、またね!」
「…!待てよ!…何でもねぇのに涙なんか流さねぇだろ…」
無理矢理笑顔を作って踵を返すと、レオリオが私の腕を掴んで止める。
「何か思うことがあって泣いてんだろ?話してみろよ。っつっても…俺が原因なんだろうけどな…」
ため息をつきながらレオリオは申し訳なさそうな表情をする。
溜まった涙が頬を伝う。
レオリオを見つめるとどんどん涙が溢れて止まらない。
それを誤魔化すように、レオリオの胸に顔を埋めた。
「今のレオリオにとって私は何…?」
「え…?」
「会いたいって思うのは私だけなの!?もっと一緒にいたいって思うのは私だけ!?私たち付き合ってるんでしょ!?こんなの私の片想いじゃない!!」
今までの気持ちが一気に溢れて、気が付いたらレオリオを責めていた。
「名無しさん…」
「レオリオが毎日忙しいのはわかってる…。簡単に会えないことも…。でも……会えなくても前みたいに寂しいって…会いたいって言ってほしい…!レオリオから抱き締めてほしい…キスしてほしい…私ばかりは嫌…」
掴んだレオリオの服にシワが出来る。
それでも力強く握った。
すると、レオリオから今までとは想像つかない程の弱々しい声が聞こえた。
「…そうだよな…。俺の愛、足りねぇよな…。ごめんな…」
優しく私の体に腕を回す。
「名無しさんのこと愛してるつもりなんだけどな。全然足りねぇよな…。」
そこまで聞いてハッとした。
「ごめん…なさい…!私、レオリオを責めすぎた…。全部私のワガママ…。ごめん。大人になれない私が悪いの…」
我に返ってレオリオから離れようとすると、レオリオはさっきより力強く私を抱き締めて離さなかった。
「いや、今まで我慢させた俺が悪かった。ずっと俺の前で笑って、寂しいの我慢してたんだな…。」
「…レオリオ、頑張ってるから。だからレオリオの前では泣けなかった。でも家に帰ったらダメだった…。さっき会ってたのに、また会いたくて、寂しくて、抱き締めてほしくて、愛してるって言ってほしくて、会いたいって求めてほしくて…どんどん涙が出てきたの。」
止めどなく溢れる涙が、レオリオの服を濡らしていく。
「名無しさんの気持ち、しっかり受け取ったぜ。俺、不器用だから自分のことで頭いっぱいで名無しさんの気持ち全然わかってやれなかった。俺こそごめんな。」
「レオリオ……」
「ちゃんと名無しさんのこと見る。約束する。…だから……俺から離れて行かないでくれ……」
まるで懇願するように言うレオリオ。
忙しくて、たくさん頑張ってるのわかっててワガママ言ってるのは私なのに、私はレオリオにこんなこと言わせてしまった。
「離れるわけない…!私はずっとレオリオの傍にいる!レオリオに負担かけないように、もっと強くなるから…。…私も…レオリオの傍にいさせて…。」
「あぁ。これからもずっと一緒だ。」
そう言って、レオリオは私の唇にそっと唇を重ねた。
もっと、彼を支えられるように…
強くなる
END