ドッキリの嬉しさ【キルア夢】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はぁ~…。何だか面倒くさくなっちゃった…。」
ハンター専用のゲーム、グリードアイランドを始めて一週間。
人間や物、動物や怪物、更には条件をクリアして貰える指定ポケットカードを集めるゲーム。
世界一危険なゲームだと聞いて暇潰しにやってみたけど、単純な行為が面倒になってきていた。
「でも何もしないわけにはいかないしな~…」
そう思いながら歩いていると、遠くから人の声が聞こえてきた。
「あと少しで指定ポケットカードが集まるね!」
「修行もあとは必殺技を完璧にクリアすれば、私は用済みだわね~」
「…?」
3人の男女がバインダーを見つめて何やら言っている。
私は耳を澄まして聞いてみた。
すると…
「ま、早いとこ集めてクリアしようぜ!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
そっと遠くから見ていると…
「…キルア…!」
そこには何と実の弟のキルアがいた。
「グリードアイランドに来てたのね…!」
驚きながら見つめていると、ある考えが浮かんだ。
「…そうだ!」
私は少しだけその場から離れた。
「ブック」
そう唱えると、バインダーが私の前に現れた。
指定ポケットカードのフォルダーの中から一枚のカードを取り出した。
「ゲイン」
カードからゲインでアイテム化したのは“リスキーダイス”
「お願い…!」
20分の1の確率で出てくる大凶が出ないことを祈りながらリスキーダイスをそっと振る。
“大吉”
「ホッ…」
一息吐いてすぐにスペルカードの内の“シーフ”を取り出してキルアたちのいる方へ絶の状態で近づいた。
足音を立てない歩き方は得意中の得意。
「殺しで使うのは嫌だったけど、こういう時に役立つのよね…」
そっと息を殺してキルアの半径20m以内に近づいた。
そして…
「シーフオン、キルア」
小声でそう唱えると、キルアのバインダーから一枚のカードが抜けて私の手元に落ちてきた。
「!?」
急な事に3人共ビックリしたのか、一瞬固まっていた。
私は素早くその場から走り去った。
ある予想をして………
「キルア!何取られた!?」
「……っくそ!指定ポケットカード、しかもランクSのカードだ!」
「きっとリスキーダイスを使ってからスペルカード使ったんだわね…。」
「追うぞ!」
後ろからそんな話し声が聞こえる。
フフ…予想通り……
自分で楽しくなりながら逃げる。
ある程度の距離を走ると、今度は絶の状態のまま気の影に隠れた。
「…っ!どこ行きやがった…?」
キルアが辺りを見回して私を探す。
私はバッとキルアに前から抱きついた。
「久しぶりね!キルア!」
「うわっ…!」
その勢いでキルアがバランスを崩し、私から逃れようともがいた。
「誰だよ!お前!!離せ!!」
勢いよく抱きついたせいで私が誰だかわからない様子だった。
「まだわからないの?」
私のその声にもがいていたキルアがピタッと止まった。
私はキルアから体を離してニコッと笑った。
「あ…姉貴ーー!!!会いたかったー!!」
私だとわかると、キルアは自分から抱きついてきた。
「キャ…!ちょ…キルア…!」
その勢いで今度は私がバランスを崩し、キルアに押し倒される状態になった。
私だとわかった瞬間に猫のように甘える仕草は昔から変わらない。
「キルアー!!!」
するとキルアを追いかけて仲間たちが走ってきた。
「なっ…!」
私たちの状況を見て女の子がビックリして固まった。
隣の男の子も顔を真っ赤にして目を丸くしていた。
「キ、キ、キルア…!な、何してるんだよー!//////」
「いくらカード取られたからって女の子を押し倒すなんて…あんた獣だわさ…」
仲間の二人の呆れようにようやくキルアが状況を把握してバッと私から離れて否定した。
「ち、違ぇよ……!こいつは俺の姉貴!」
『お姉さん!?』
キルアの一言に二人は目を丸くして言った。
「へ~!キルアにお姉さんがいたとはね~」
女の子が私を見て笑う。
「初めまして。有希乃=ゾルディックです。弟がお世話になってます。」
丁寧に頭を下げると、キルアが仲間を紹介してくれた。
「こいつはゴン。ハンター試験で知り合ったんだ!んで、こいつがビスケ。こう見えてババアなんだぜ?」
バコッ!!
キルアが言った瞬間、ビスケという女の子がキルアを素早く殴った。
気を取り直すようにゴンという男の子が苦笑しながら言った。
「…でもキルア。キルアってゾルディック家のお兄さんたちのこと嫌いなんじゃなかったっけ?」
「…いってー……。姉貴は別。あんな陰湿な親父や兄貴たちと違って、俺に殺しは強要しなかったしな!」
「え、そうなの!?」
ゴンが私を見てビックリする。
「確かあなた、キルアを連れ戻しに家に来たそうね?」
「あ、はい…。」
「うちの家族を見てわかったと思うけど、みんなキルアを殺し屋としてしか見てないのよ。…でも、私は違うわ!キルアに殺しなんて無理!」
キッパリ言い切ると、キルアが驚いた表情で見つめていた。
そんな視線を受けながらニッとキルアに笑いかけて言った。
「ったく!ハンター試験落ちて帰ってきたと思ったらすぐ出掛けちゃって!しかも念使いになってるなんてビックリよ!」
バシバシとキルアの背中を叩きながら言うと、キルアは反論しながらもどこか嬉しそうだった。
「ッ…!姉貴こそ!たまに帰ってくると思ったらいつの間にかいなくなってんじゃねーか!」
「寂しかったの~?素直に言いな~?」
「ち、違ぇよ…!」
そんな私たちのやり取りをビスケとゴンが笑いながら見ていた。
「あんたたち、ホント仲良いわね~。」
「そうだね!キルアのこんな顔、久しぶりに見たよ!」
微笑ましそうに私たちを見る二人に気付かず、私はキルアとじゃれあっていた。
END