強さか裏切りか【クラピカ夢】
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小さな森にひっそりと暮らすミスト。
彼女はクルタ族だ。
興奮すると瞳が鮮やかな緋色になるということで、人々から恐れられていた。
それを助け合いながらひっそりと暮らすクルタ族の人々。
だがミストはそんな暮らしにうんざりしていた。
「何で外の世界に行くのに試験なんかがあるのよ!」
「オレも納得いかないよ!」
幼馴染のクラピカと文句を言う。
「クラピカは頭いいじゃない!は~ぁ…噂に聞く幻影旅団みたいに強くなりたいな~…。」
と他愛もない話をしていた。
その数日後、案の定クラピカは厳しい試験に合格し、外の世界へと旅立った。
ミストも負けじと勉強をしていたある日、悪夢が起こった。
幻影旅団がクルタ族を虐殺したのだ。
目的は緋の目。
村の人々は無残に殺され、全て目が奪われていた。
だが…
「…この子ども…」
ミストの前に立った団長のクロロが呟いた。
「どうしたんだよ団長。殺らないの?」
マチが念糸でミストの首を絞めようとした。
だがそれをクロロが止める。
「こいつはこのままの方が美しい。こいつを連れて帰るぞ。」
「…まぁ…いいけど…。」
そう言ってマチは糸をミストの身体に巻きつけ、アジトに連れて帰った。
ミストにとっては憧れの幻影旅団。
ミストはこれを機に入団を決意した。
「(一族を滅ぼされたのは悲しいけど、いつまでもくよくよしていられない!)」
その思い通り、ついにミストは旅団に入団した。
一族滅亡から5年が経ったある日、ミストたちはヨークシンシティに来ていた。
そこで偶然の出会いを果たした。
「…クラピカ?」
「…ミスト…なのか?」
二人は見つめあいながらそう呟く。
するとクラピカが急に険しい顔になった。
「…その刺青……。お前まさか…」
何かを確信したように目を見開く。
「…あぁ、これ?…うん。蜘蛛の刺青よ。あの時旅団の人たちにさらわれたの。それでそのまま入団したの。」
その言葉でクラピカの表情がさらに険しくなる。
「何故だ!?そいつらは一族を滅ぼした敵なんだぞ!?」
ミストの横にいるノブナガとフィンクスとパクノダを睨みつける。
「知ってる!!でも私は強くなりたいの!!」
「一族を裏切ってでも強くなりたいのか!?」
「そうは言ってないでしょう!?」
二人の口論に街の人々は立ち止まる。
騒ぎを聞きつけて他の旅団のメンバーも集まって二人の様子を眺めている。
「何があたか?」
フェイタンがフィンクスに聞く。
「ミストと同じクルタ族の生き残りらしいぜ。」
「へ~。生き残りがまだいたんだ。」
マチも面白そうに眺める。
「止めなくていいの?」
「ほっとけ。」
シズクの問いにフランクリンが短く答えた。
「なら何故蜘蛛に入った!?」
「クラピカも知ってるでしょう!?私は外の世界に出たかった!でもその為には難しい試験に合格しなきゃいけない…。でもその必要もなくなった!」
「ミスト…一族が虐殺されたのを利用したのか!?」
「だから何でそうなるのよ!」
二人の口論はますますヒートアップしていく。
それに伴い、街の人たちも増えていった。
「私があの時殺されてたら強くなるどころか外の世界にも出られなかった。だから私、旅団の人たちには感謝してるの。」
「…そうか。……ならばもう何も言うまい。…ただし…蜘蛛に入った以上、たとえ幼馴染でも私の敵だということを忘れるな。」
それだけ言ってクラピカは去っていった。
残されたミストはその後姿を見つめていた。
「行くぞ。ミスト。」
ポンッとミストの頭を叩いてノブナガが言った。
「うん。」
ミストはノブナガの後について歩き出した。
END