仲間【ポックル夢】
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あれから何時間が経っただろう…。
私はずっと夜景を眺めながらそう思っていた。
時折他の受験生が私の悪口を言いながら去っていく。
『まだいるぜ?あいつ…。』
『目、合わせんなよ…!』
…何よ!言いたいことがあるなら直接言いなさいよ!
私は悪くない!…ポンズが悪いのよ!!
…とは思うものの、やっぱり大好きな人に言われた言葉だけが私の胸を支配する。
―手を出すとは思わなかった…―
思い出せば思い出すほど涙が頬を伝った。
すると、急に後ろから誰かに肩をポンと叩かれた。
俯かせていた顔を上げると、そこにはガラスに写ったポンズが私を見ていた。
私は無意識に表情を変え、険しい顔になる。
驚くことに、ガラス越しのポンズの顔がニッコリと笑っていた。
「…何よ…」
嫌味を言われるのかと思ったのに、笑顔でいるポンズを不思議に思う。
「女って…醜いわよね…。」
その言葉に私はポンズに言い返そうとしたとき…
「好きな人の傍に自分以外の女がいたら、きっと私だって妬くと思うし、酷いこともすると思う…。」
見透かしたような台詞と物言いに、思わず黙ってしまう。
するとガラスに写るポンズの顔が一気に真顔になった。
「…!…な、何よ…」
表情の変わりように少しびっくりしながらも強気に言う。
「ちょ…やだ…!そんなに殺気漂わせないでよ…!怖いじゃない!」
またコロコロ変わる表情…。
どうして?どうしてそんなに表情を変えられるの…?
そんなことを思っていると自然に涙が止まっていた。
するとポンズが私に謝った。
「ミスト、ごめんなさい。あなたの気持ちも知らないで…。」
その行動が信じられなくてポンズを見つめる。
「…何で…?」
「…え?」
「何であんたが謝るの!?悪いのは私なのよ!?」
ポンズにしがみ付いて泣きじゃくる。
すると私を落ち着かせるようにポンズが言った。
「…じゃあ本当に悪いと思ってるなら…私のお願いを一つ聞いて?」
「…お願い…?」
「そう!ポックルに告白して!」
「……え…?」
…今何て言った…?告白…?私が…ポックルに…?
あんなことがあったのにポックルに告白なんて出来るんだろうか?
そう考えていると、ポンズが勇気付けるように言う。
「大丈夫!きっと上手くいくわ!…さぁ、もう朝だからみんな起きてるはずよ!ポックルのいる部屋へ行きましょう!」
ポンズは私の腕を引っ張って立ち上がらせ、歩き出した。
長い廊下を歩き、ついにポックルのいる部屋まで来た。
私はそれ以上入ることが出来ず、部屋の前で止まるとポンズは気にせず中に入っていた。
すると後ろから誰かが背中を押した。
「どうしたのミスト!」
「入りたかったら入れよ。」
振り向くとゴンとキルアが立っていた。
二人の声に、他の受験生が私を見てまた何やらヒソヒソと言っている。
さっきまで平気だったのに、今は言葉一つ一つが胸に刺さる。
「気にすんなよ…。どうせ告白だろ?」
キルアが私の表情を読み取り、ニヤリとしながら言った。
するとポンズが傍に来て、腕を引っ張ってポックルのところへ来させた。
ポックルの前に立った私は何も言えなくなり、沈黙してしまう。
「あ……えっと…////////」
何も言葉が出ないままフとキルアに目をやる。
でもキルアは面白そうにニヤリと笑うだけだった。
しばらく沈黙が続く中、先に沈黙を破ったのはポックルの方だった。
「あのさ…俺もミストのことが好きだ…!」
「…え?」
ポックルの言葉に耳を疑った。
でも周りは冷やかしの言葉が飛び交っている。
「良かったじゃないミスト!」
ポンズが自分のことのように喜ぶ。
『良かったな!』
『応援するぜ!』
さっきのみんなの視線が嘘のように、今では私たちを祝福してくれる。
「あ…ありがとう…。…みんな…ごめんなさい…!」
私の口から自然に出てきた謝罪の言葉。
あれだけ嫌だったのに、全く嫌ではなかった。
『もう気にしないで!』
『そうだぜ!』
みんなから出てくる言葉はとても温かいものだった。
「…ありがとう…!」
また自然に流れてきた涙。
でもこの涙はさっきとは違う。
幸せの涙だった。
END