どっちが看る?【シャルナーク夢】
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体が重い…
熱い…
周りがうるさい…
…もうダメ……
私が目を覚ましたときは、アジトの一部屋に敷かれた布団の中にいた。
額には濡れたタオルが当てられていた。
そして横では…
「何であんたがミカの看病するんだよ!」
「ミカは俺の彼女なんだから当たり前だろう!?」
「彼女って言っても所詮赤の他人だろ?私はミカの姉なんだから当然だろ?」
「そんなの関係ないよ!」
どうやらどっちが私を看病するかということでシャルとお姉ちゃんが揉めているらしい。
……まったく二人とも子どもなんだから…
でも流石に近くで怒鳴られると頭が痛くなる。
「…ん…ちょっと静かにして…」
私が声を出すと、二人は喧嘩を止めて私に寄り添った。
「ごめんミカ!大丈夫!?」
「あんたは下がってな!…ミカ、何か飲むもの持ってこようか?」
両サイドからの心配に少し戸惑いつつも微笑んだ。
「ありがとう。…じゃあ、お水もらえる?」
「わかった。すぐ持ってくる。」
そう言ってお姉ちゃんは部屋を出た。
「じゃあ俺はタオル取り替えるよ。」
シャルが額の上に置いてあったタオルを取り、桶に入れてあった水につけて冷やした。
「うん。ありがとう。」
「夏風邪みたいだから、ゆっくり寝てればよくなるよ。」
優しく額にタオルを置いてくれるシャルを見上げてニコッと笑う。
「わかった。」
するとお姉ちゃんが戻ってきた。
「ミカ、水持って来たよ。」
「ありがとう、お姉ちゃん。」
起き上がろうとする私をシャルが支えて手伝ってくれる。
その途端お姉ちゃんが急いで駆け寄り、私を支えた。
「後は私がやるから、あんたは出てな。」
その言葉にシャルがまた声を上げた。
「な、何だよその言い方!」
「何?文句あんの?」
そのやりとりに思わずクスッと笑ってしまった。
「「?」」
私が急に笑い出したことで二人が驚いた顔をする。
「喧嘩するほど仲が良いってよく言ったものだよね。」
「何言ってんだよミカ!私とこいつは全然仲良くない!」
「こいつって何だよ!」
また言い争いを始める二人にまた笑う。
「……ほら、早く水飲みな…!」
お姉ちゃんからコップを受け取り、一口飲んだ。
それからしばらく二人の軽い口喧嘩を聞きながらうとうと眠りについた。
次の朝目が覚めると体が軽くなり、熱も下がったみたいだった。
「おはよう!」
みんなの元に向かうと、お姉ちゃんとシャルがパッと顔を明るくして私の所に来た。
「ミカ!熱はもう下がったかい?」
「気分とか悪くない?」
「うん!もう大丈夫。二人が看病してくれたおかげだよ。ありがとう。」
二人にお礼を言うと、二人はニッコリと笑った。
いつも喧嘩ばっかりの二人だけど、私を大切にしてくれることが凄くわかる。
…でも、いつになったら喧嘩がなくなるのかな?
そんなことを思いながら、二人を見て微笑んだ。
END