Taboo【サトツ夢】
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ハンター試験の一次試験。
試験官はサトツという男だった。
最初は地下の中を走ってサトツについてくることだった。
それは難なくクリアしたユリだったが…。
「…どうしよう…。ここどこだろう…?」
ユリはヌメーレ湿原で迷ってしまった。
「確か一度迷うと出られないんだっけ…?」
急に不安に思って心細くなったとき…
「…こっちです。」
誰かがユリの前に立ち、そう声をかけた。
「…え?」
よく見るとそこには試験官のサトツがいた。
サトツはそのまま進みだす。
ユリは急いでその後を追いかけた。
しばらく走ると、大きな倉庫にたどり着き、何人かの受験生が集まっていた。
「あ、ありがとうござ…あれ?」
ユリがお礼を言おうとしたときには、既にサトツは受験生の先頭に立っていた。
「………。」
ユリはサトツの方をずっと見つめていた。
それからユリは次々と試験をパスし、ついにハンター試験に合格した。
合格した日の夜、ハンター協会では合格を祝してパーティーが行われた。
他の受験生が騒いでいる中、ユリはベランダで一人、夜空を見上げていた。
「(…もうすぐみんなとお別れか…。…みんな?…サトツさんとも…)」
そう考えると寂しくなり、胸の奥がキュンとした。
すると…
「こんなところでどうなさったんですか?」
「…っ!」
後ろから声を掛けられ、振り返るとサトツがいた。
「サトツさん…!あ…いえ…。」
ビックリしつつ、悲しい顔を見せないように顔を俯かせる。
サトツはそっとユリの隣に立ち、同じ夜空を見上げた。
「ところで、ずっと聞きたかったのですが…。」
急にユリを見つめてそう聞く。
「は、はい…。」
「ユリさんはどうしてハンターを目指したのですか?」
唐突な質問に戸惑いながらもユリは正直に答える。
「私、動物が好きだからいろんな所に行って珍しい動物を見て旅をすることが夢なんです。」
淡々と語るユリの顔を真っ直ぐ見つめる。
「そうでしたか。…ユリさん。…私にその夢を叶えるのを手伝わせていただけませんか?」
「え?」
ビックリしてサトツを見つめると、苦笑しながら続けた。
「試験官の身でこんなことを言うのは罰が当たりそうですが…私は一番あなたに試験に合格して欲しいと思いました。これは試験官としてではなく、私の気持ちです。」
「…サトツさんの気持ち?」
ユリに向き直り、真剣な表情をする。
「ええ。…つまり……なんと申し上げたら良いのでしょうか…。」
少し困った表情をしながらも、サトツは意を決して口を開いた。
「私は…あなたのことが好きということです。」
「え…!?」
サトツの言葉に目を丸くする。
「私がヌメーレ湿原でユリさんを助けたときがあったのを覚えていますか?」
「は、はい…。」
コクンと頷き、サトツを見つめる。
「私はあの時、正直あなたを助けることに迷いを感じました。試験官である私が、受験生のあなたを助けるということに。…ですがすぐに答えが出ました。」
「…それで私を……。…でもそれがハンター協会に知られたら、サトツさん試験官を辞めさせられるんじゃ…!」
必死に言うユリに、サトツは静かに頷く。
「ええ、ですがそれでも良いと思いました。」
「?」
「私も人間ですから、大切な人を合格させたい気持ちがあっても不思議ではありません。」
真っ直ぐな瞳で見つめられ、ユリはどうしていいかわからず固まってしまう。
「…サトツさん…///////…あの…私の夢、手伝ってください…/////////」
顔を真っ赤にしてサトツを見つめる。
「私、折角両想いになった人ともっと一緒にいたいです//////」
「ユリさん…。はい、喜んでお手伝いしますよ。」
そっとユリの手を取り、手の甲にキスをした。
「…////////」
ユリは顔を真っ赤にしたままニコッと笑った。
一方、物陰で二人を見守っている人たちがいた。
「サトツさん…意外とやるわね…。」
「でも受験生を助けるなんてマズイんじゃあ…。」
「ほっほっほ…。これも愛の形じゃ。今回は大目に見てやるとするかのぅ。」
メンチ、ブハラ、ネテロの存在に、二人は全く気づかなかった。
END