こっちを向いて【ポックル夢】
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『ミストって優しいよね!』
『背は高いしスタイルも良いし!』
『美人だよね~!』
人は私のことをそう思う。
私がわざとそうしているから。
でも本当の私は……
超難関と言われるハンター試験に今年初めて受けてみた。
そこで私は運命を変える人物と出会った。
ポックル。
ヒソカに襲われそうになったとき、助けてくれたのが彼だった。
それからの私は彼に夢中だった。
でも彼は私とではなく、ポンズと一緒に行動していた。
「ポックル?これお願い!」
「ん?あぁ、わかった。」
……最初はまだ許せた…
でも…
「ちょっとやだ~ポックルったら!」
「そうか?あっはは!」
……もう我慢の限界…!
私はある行動に出た。
「ポンズ、ちょっと来てくれない?」
「え?何?」
私はポンズを飛行船内のトイレに連れ出した。
「どうしたの?ミスト…」
バシンッ!!
「っ…!」
何も知らないような顔をするポンズにムカついて頬を叩いた。
「な…何すんのよ!?」
「何するのかって?…あんた、自分の立場をわかって言ってんの!?」
ポンズの声…
行動…
仕草…
全てに虫唾が走る…!
「そんな台詞、自分の立場を弁えてから言うことね!…次からは容赦しないから…!」
それだけ言って私はトイレから去った。
次の日、私はポンズをまた呼び出した。
「今度は何よ!」
「黙れ!!!」
バシッ!
「っ…!」
床に突き飛ばし、ポンズの腕を強く握る。
「あんたがこの手でポックルに触れる度、私はどれだけ辛かったと思ってんの!?」
「…妬いてんの?」
「…っ!……うるさい!!」
バシンッ!
私は力いっぱいポンズの体を叩いた。
数日後、ポンズは受験生みんなを集めた。
…何をするつもり…?
「みんな聞いて!この女、私とポックルの仲が良いのが気に食わなくて、私に手を出したのよ!」
『え!?』
みんなが私を一斉に見る。
「そんなの信じられねーよ。」
「そうだよポンズさん!ミストがそんなことするはずないよ!」
ゴンもキルアもポンズの言うことは信じない。
「これを見てもまだ信じられないの!?」
『っ!!』
ポンズは袖を捲くり、腕の傷を見せた。
「腕を強く掴まれた跡だな…。」
クラピカが言う。
「そうよ!この傷もこの傷も、みんなあの女がやったの!」
ポンズが私を指差す。
すると周りの空気が一気に変わった。
「まさかそんな女だとは思わなかったぜ…」
「可愛い顔して嫉妬深いな~」
その言葉に、私はとうとう気持ちが抑えきれなくなって…
「うるさい!!!!!!!!!!!」
叫んだ。
「あんたたちに何がわかるの!?私の気持ちが!!関係のない人間にとやかく言われる筋合いはない!!!!!!!」
自然と溢れ出てくる涙。
大好きなポックルの前で口にする聞き苦しい言葉。
全部私から出ているものだと思うと、気がおかしくなる。
その横でキルアは暢気に笑う。
…私も笑いたいくらいおかしくなりそう…。
でも一度叫べば止まることはない。
「誰も私のことなんてわかってくれない!!みんな私の表の部分しか見てくれない……っ!」
泣き叫んでいると、急に頬が熱くなった。
見るとポックルが私の目の前にいて、私の頬を叩いた。
俯いて唇を噛み締めて涙を堪える私にポックルが言った。
「全部知ってたよ…。ミストが俺のことを好きなこと、ポンズといて嫉妬してたこと…猫を被っていたこと…全部。」
ポックル…あなたは…あなただけは私のこと、わかっててくれた…。
そう感動する私に追い討ちをかけるようにポックルが続けた。
「でも…手を出すとは思わなかった…。」
ポックルは消え入りそうな声でそう言った。
「………!」
その言葉を聞いた瞬間、心臓が鋭利なものに突き刺された感覚に陥った。
私はその場に立ち尽くし、大粒の涙を流した。
「…っ…!く…ぅ…!……っ!」
みんなは口々に何か言いながらそれぞれ部屋から出ていき、部屋の中は私だけになった。
私はただ…ポックルが好きなだけ…
ポックルに私を見て欲しかっただけ…
それすらも叶わないの…?
一人残された部屋の中でずっと泣いていた。
END