[期間限定イベント"年末年始"]
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【クロノ】
「……ちょうど今、やろうとしてたとこだから」
俺はそう言って、術で二人の体を綺麗にすると、服を再生した。
そして、また死神の姿に戻って、結界を解く。
会場の人達は、触手が現れる前となんら変わらない様子で、侑思達がこっそり現れた事に気付きもしなかった。
【クロノ】
「記憶の方は、無事に消えたみたいだね。流石じい」
【アンク】
「お任せ下され。さ、それより例の妖獣を!」
魔力の気配を辿ると、宴会場の天井にある空調の穴へ続いている。
【クロノ】
「……あそこから逃げたみたい。でも、辿れそう」
俺達は天井越しに感じる気配を頼りに、宴会場を後にした。
………
…………………
………………………………………
魔物の気配を追って、俺達はホテルのロビーへ来た。
【クロノ】
「この辺にいるのは間違いないと思うんだけど……、どこだ?」
【アンク】
「手分けして探しましょう!」
【クロノ】
「うん。じゃあ、俺がこっちやるから、じいは……」
あっちをお願い、という前に、じいは俺に背を向けて行ってしまった。
俺は自分を怠惰だとは思うけど、行動がとろい訳じゃないと思ってる。
だけど、じいといると自信がなくなってくる。
【クロノ】
(じいって、なんであんなに元気なんだろ……)
じいが仕事以外でやってる事って、アイドルのおっかけくらいしか知らないんだけど。
もしかして、おっかけをやってるとあんな体力がつくんだろうか。
【クロノ】
(まあ体力がつくとしても、今のところはやる予定ないけど……)
そんな事を考えながら、俺はじいと反対のロビーのカフェスペースへ歩いて行った。
【クロノ】
「……ん?」
カフェスペースの隅の方の席に、昂正が座っている。
昂正はコーヒーカップを持ってはいるが、あまり飲んでいない。
付き合いも、もう短くはないので、あれは仕事中の顔だと分かる。
張り込み中か何かだろうか。
【クロノ】
(それにしても……)
昂正みたいなタイプが、仕事に熱中して目付きが険しくなってるのは…。
いつもとは少し違って、見ててそそられる。
隙のない雰囲気がストイックで、却ってエロいと言うか。
【クロノ】
(ちょっかい出したくなるんだよね)
俺は、昂正のすぐ隣の席に腰を下ろすと、人間の姿になった。
【クロノ】
「お仕事、お疲れ様」
小声でそう言って耳に軽くキスをすると、昂正はコーヒーを零しそうなほど驚いていた。
でも、すぐに我に返ったところは流石だと思う。
【国重】
「仕事の邪魔すんな、クソガキ」
潜めた声が少し掠れている。
うん、これは怒ってるな。
【クロノ】
「挨拶しただけでしょ」
【国重】
「耳に悪戯するのは、外でする挨拶じゃねぇな」
【クロノ】
「あんなのイタズラにも入らないでしょ、昂正なら」
俺は、昂正の耳元へ口を寄せた。
【クロノ】
「そんなにお望みなら、昂正の××を×××するみたいな、本格的なイタズラするけど」
【国重】
「外でそんな言葉口にすんな、マセガキが」
【クロノ】
「こんなに声潜めてたら、昂正にしか聞こえないよ」
思わず小さく笑う俺に、昂正は大きく溜息を吐いた。
どうやら、少し諦めがついたらしい。
【クロノ】
「昂正、何の仕事してるの? 見たところ、怪しい人とかいないけど」
【国重】
「いつもの野暮用だよ。まあ、浮気調査だ。ホシが来るのを待ってる」
【クロノ】
「ふぅん」
今まさに、カフェにいる誰かを尾行している訳じゃないのか。
それなら昂正も今はそこまで隠れる必要がないから、俺も話しかけやすい。
【クロノ】
(昂正に、ホテルから離れるように言わないと……)
【国重】
「俺だけ飲んでるのも落ちつかねぇから、お前もなんか頼むか?」
昂正にメニューを差し出され、俺は自然と受け取っていた。
【クロノ】
「そうだね、俺も軽く…」
【アンク】
「飲んだり食べたりしている場合ですか、クロノ様!」
振り返ると、じいが立っていた。
じいは俺と違って死神姿でも違和感がないから、昂正にも見えるようにそのまま姿を現している。
【クロノ】
「今日は俺、もしかして誤解されやすい日なのかも」
【国重】
「誤解も何も、普通に食おうとしてたじゃねぇか」
【アンク】
「高級ホテルのロビーで一緒にコーヒーを飲むなんて理想のデートですが、今はお仕事中ですぞ!」
【国重】
「なんだ、お前も仕事で来てたのかよ」
【アンク】
「お仕事中デートでは、自分は席につかず立ちながら話すと、デキる男感を演出できますぞ」
【国重】
「じいさん、ちょっと話がずれてるぞ」
【アンク】
「そして、相手のコーヒーを一口貰うのです。間接キスあんどオトナのこなれ感をアッピールです!」
【クロノ】
「なるほど、流石じい」
俺は昂正の手からコーヒーカップを取って、一口飲んだ。
【国重】
「あっ! このコーヒー、一杯1300円もすんだぞ! 味わって飲め」
【クロノ】
「……なんか、酸っぱい。これ……」
【国重】
「こういう味がする豆で淹れてんだよ、不味そうな顔すんな」
【アンク】
「そういう時は、コーヒーを飲んだ国重さんにキスして『本当だ、美味しいね』と余裕っぽく笑い…」
【クロノ】
「分かった、じい。やってみる」
【国重】
「仕事しろ!」
昂正に一喝され、当初の目的をすっかり忘れていた俺とじいは思わず顔を見合わせた。
【クロノ】
「そうだった」
【アンク】
「申し訳ございません。好きなシチュエーションでしたので、つい…」
【クロノ】
「でも結局、俺の仕事は昂正の傍にいることだから、結果仕事してたと言えばしてたよ」
【アンク】
「そうですな! 流石クロノ様!」
【国重】
「話がよく分からねぇけど、なんだよ、俺も関係してるのか? 死神の仕事じゃねぇのかよ」
俺とじいはまた顔を見合わせた。
じいが渋い表情をしているので、やはり「また死亡者リストに載った」とは言わない方が良さそうだ。
「……ちょうど今、やろうとしてたとこだから」
俺はそう言って、術で二人の体を綺麗にすると、服を再生した。
そして、また死神の姿に戻って、結界を解く。
会場の人達は、触手が現れる前となんら変わらない様子で、侑思達がこっそり現れた事に気付きもしなかった。
【クロノ】
「記憶の方は、無事に消えたみたいだね。流石じい」
【アンク】
「お任せ下され。さ、それより例の妖獣を!」
魔力の気配を辿ると、宴会場の天井にある空調の穴へ続いている。
【クロノ】
「……あそこから逃げたみたい。でも、辿れそう」
俺達は天井越しに感じる気配を頼りに、宴会場を後にした。
………
…………………
………………………………………
魔物の気配を追って、俺達はホテルのロビーへ来た。
【クロノ】
「この辺にいるのは間違いないと思うんだけど……、どこだ?」
【アンク】
「手分けして探しましょう!」
【クロノ】
「うん。じゃあ、俺がこっちやるから、じいは……」
あっちをお願い、という前に、じいは俺に背を向けて行ってしまった。
俺は自分を怠惰だとは思うけど、行動がとろい訳じゃないと思ってる。
だけど、じいといると自信がなくなってくる。
【クロノ】
(じいって、なんであんなに元気なんだろ……)
じいが仕事以外でやってる事って、アイドルのおっかけくらいしか知らないんだけど。
もしかして、おっかけをやってるとあんな体力がつくんだろうか。
【クロノ】
(まあ体力がつくとしても、今のところはやる予定ないけど……)
そんな事を考えながら、俺はじいと反対のロビーのカフェスペースへ歩いて行った。
【クロノ】
「……ん?」
カフェスペースの隅の方の席に、昂正が座っている。
昂正はコーヒーカップを持ってはいるが、あまり飲んでいない。
付き合いも、もう短くはないので、あれは仕事中の顔だと分かる。
張り込み中か何かだろうか。
【クロノ】
(それにしても……)
昂正みたいなタイプが、仕事に熱中して目付きが険しくなってるのは…。
いつもとは少し違って、見ててそそられる。
隙のない雰囲気がストイックで、却ってエロいと言うか。
【クロノ】
(ちょっかい出したくなるんだよね)
俺は、昂正のすぐ隣の席に腰を下ろすと、人間の姿になった。
【クロノ】
「お仕事、お疲れ様」
小声でそう言って耳に軽くキスをすると、昂正はコーヒーを零しそうなほど驚いていた。
でも、すぐに我に返ったところは流石だと思う。
【国重】
「仕事の邪魔すんな、クソガキ」
潜めた声が少し掠れている。
うん、これは怒ってるな。
【クロノ】
「挨拶しただけでしょ」
【国重】
「耳に悪戯するのは、外でする挨拶じゃねぇな」
【クロノ】
「あんなのイタズラにも入らないでしょ、昂正なら」
俺は、昂正の耳元へ口を寄せた。
【クロノ】
「そんなにお望みなら、昂正の××を×××するみたいな、本格的なイタズラするけど」
【国重】
「外でそんな言葉口にすんな、マセガキが」
【クロノ】
「こんなに声潜めてたら、昂正にしか聞こえないよ」
思わず小さく笑う俺に、昂正は大きく溜息を吐いた。
どうやら、少し諦めがついたらしい。
【クロノ】
「昂正、何の仕事してるの? 見たところ、怪しい人とかいないけど」
【国重】
「いつもの野暮用だよ。まあ、浮気調査だ。ホシが来るのを待ってる」
【クロノ】
「ふぅん」
今まさに、カフェにいる誰かを尾行している訳じゃないのか。
それなら昂正も今はそこまで隠れる必要がないから、俺も話しかけやすい。
【クロノ】
(昂正に、ホテルから離れるように言わないと……)
【国重】
「俺だけ飲んでるのも落ちつかねぇから、お前もなんか頼むか?」
昂正にメニューを差し出され、俺は自然と受け取っていた。
【クロノ】
「そうだね、俺も軽く…」
【アンク】
「飲んだり食べたりしている場合ですか、クロノ様!」
振り返ると、じいが立っていた。
じいは俺と違って死神姿でも違和感がないから、昂正にも見えるようにそのまま姿を現している。
【クロノ】
「今日は俺、もしかして誤解されやすい日なのかも」
【国重】
「誤解も何も、普通に食おうとしてたじゃねぇか」
【アンク】
「高級ホテルのロビーで一緒にコーヒーを飲むなんて理想のデートですが、今はお仕事中ですぞ!」
【国重】
「なんだ、お前も仕事で来てたのかよ」
【アンク】
「お仕事中デートでは、自分は席につかず立ちながら話すと、デキる男感を演出できますぞ」
【国重】
「じいさん、ちょっと話がずれてるぞ」
【アンク】
「そして、相手のコーヒーを一口貰うのです。間接キスあんどオトナのこなれ感をアッピールです!」
【クロノ】
「なるほど、流石じい」
俺は昂正の手からコーヒーカップを取って、一口飲んだ。
【国重】
「あっ! このコーヒー、一杯1300円もすんだぞ! 味わって飲め」
【クロノ】
「……なんか、酸っぱい。これ……」
【国重】
「こういう味がする豆で淹れてんだよ、不味そうな顔すんな」
【アンク】
「そういう時は、コーヒーを飲んだ国重さんにキスして『本当だ、美味しいね』と余裕っぽく笑い…」
【クロノ】
「分かった、じい。やってみる」
【国重】
「仕事しろ!」
昂正に一喝され、当初の目的をすっかり忘れていた俺とじいは思わず顔を見合わせた。
【クロノ】
「そうだった」
【アンク】
「申し訳ございません。好きなシチュエーションでしたので、つい…」
【クロノ】
「でも結局、俺の仕事は昂正の傍にいることだから、結果仕事してたと言えばしてたよ」
【アンク】
「そうですな! 流石クロノ様!」
【国重】
「話がよく分からねぇけど、なんだよ、俺も関係してるのか? 死神の仕事じゃねぇのかよ」
俺とじいはまた顔を見合わせた。
じいが渋い表情をしているので、やはり「また死亡者リストに載った」とは言わない方が良さそうだ。