[本編] 銀 夏生 編
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だんだんとナツの秘書の仕事にも慣れてきたある日のこと、刑事を名乗る男がナツを尋ねてきた。
来客の取り次ぎも仕事の一つである俺は、初めてその刑事がやってきたとき、当然どういう身元の人間かというのを聞いた。
すると、その刑事は随分と驚いたみたいだった。
刑事である証明として刑事手帳を示してきたその男は、藍建仁という名前の刑事だった。
ちょっとくたびれた感じの、オジサンって感じの刑事だ。
【藍建】
「えっと、社長に取り次いでもらえるかな」
【ハク】
「はい、少々お待ち下さい」
【ハク】
(刑事がナツに一体どんな用があるんだろう?)
それは疑問だったけど、俺は普通どおりに秘書の仕事をこなした。
ナツに、藍建という刑事が取り次いでほしいと言っていることを告げる。その間、刑事には会議室で待機してもらうことにした。
【ハク】
「刑事が来るなんて、何かあったんですか」
【銀】
「別に。お前は気にしなくていい。待たせているのは会議室だったか?」
【ハク】
「あ、はい。あ、ちょっと待って。俺もすぐ準備して…!」
【銀】
「必要ない。お前は来なくて良い」
【ハク】
「え?…あ、はい…」
俺は、その席には呼ばれなかった。
今までも俺が呼ばれなかったケースはあったし…。
俺はなんだかんだいって秘書という名目の雑用係だったし、気には留めないことにした。
刑事というところは気にならないでもないけど、まあ、社長ともなれば何かあるんだろう、と。
――そう思っていたけど。
そんな俺でも、さすがにその藍建という刑事の存在が気になりはじめた。だって…。
【ハク】
(もうこれで何度目だよ?この前は…一昨日だろ?)
藍建の来客頻度は2、3日に1度と多かった。
さすがにこんな頻度でやってこられたら、いくら俺には関係ないと言われたって気になってしまう。
【ハク】
(といっても…相変わらずナツはついてくるなって言うんだよな…)
藍建とナツが同席しているその場にいかないことには、どういう話をしているのかも分らない。
話を聞かないことには二人がどういう理由で会っているのかもわからない。
といっても…直接聞いたって、絶対ナツは教えてくれないし…。
【ハク】
(一体なに話してるんだよ……っていうか……)
――本当に仕事か?……とか、思ってしまう…。
【ハク】
(よし……)
藍建がやってきたある日のこと、俺はとうとう一大決心をした。
そう…俺は、ナツが藍建を接客している会議室の隣に行って聞き耳を立てることに決めた。
まあ、あんまりいい趣味じゃないってことはわかってるんだけど…。
【ハク】
(二人は会議室…だよな)
俺は、藍建が来るといつも会議室に通している。
社長室からそう遠くないその会議室に足を向けると、俺はそろそろとそこまでの道のりを進んだ。
ばったりナツが会議室から出てきて顔を合わすことになったりなんかしたら嫌だな……そんなことを思いながら。
俺のそんな心配は、取り越し苦労に終わった。無事会議室までたどり着いて、俺はその隣の部屋へとそっと入り込む。
会議室との間にある壁にべったり耳をくっつけて、息を潜めて聞き耳を立てる。
いったいどんな会話をしているのか――。
【ハク】
(ん…??)
俺はじっと待った。
…が、まったく声が聞こえない。
もしかして俺のポジションが悪いのかもしれないと思って場所まで移動してしっかり聞き耳を立てたけれど、やっぱりそれは分らなかった。
【ハク】
(おかしいな…?…なんだか……音がまるで聞こえないっていうか…)
そういえば、声どころか音もまったく聞こえない。
普通、会話中であろうが、何かしら音は出ると思うんだけど…。
椅子を引いたりする音だとか、紙がこすれる音だとか――でも、会議室からは何も聞こえない。
それどころか、二人がいる気配そのものが感じられない。
【ハク】
(でも、この時間このフロアの会議室はナツしか使ってないはずだし…)
俺は不思議に思って、他の会議室も探索してみた。
でも、どの会議室も特に使われている様子はない。
まさか、もう帰ったなんてことはないだろう。何しろ藍建はさっき来たばかりだ。
【ハク】
(あと考えられるところといったら…)
――トイレか…。
俺は最後に、トイレを確認しに向かった。
トイレの中に入ってみると、5つある個室の内1つが使用中だった。
もしかして用を足してただけなのか?
俺は何気なく、開いている個室に足を踏み入れた。
――と。
壁越しに人の気配と、吐息が聞こえてくる。
【ハク】
(え……?)
……あからさまにおかしい。
俺はそう思って隣の個室に聞き耳を立てた。
服がすれる音、抑えたみたいな吐息、ぼそぼそと聞こえる何か圧力的な声。
これは…この声は――。
【ハク】
(藍建と……ナツ……!?)
俺は耳を疑ったが、確かに二人の声だ。
しかもこれは――。
【ハク】
(う、そ…だろ?何でこの二人が…?こんなこと、して…んだよ…!?)
音と、声で、俺は二人が隣の個室で何をしているのか、嫌でもわかってしまった。
藍建とナツが――絡んでいる、ってこと……。
【ハク】
(え?な、何で?だって…お、男同士だろ…!?)
男同士でこんなことをしているなんて…信じられなかった。
でも、俺の耳に飛び込んでくるナツの声は、男との行為に慣れているみたいだった。つまり、ナツは――。
【ハク】
(じゃ、じゃあ……ナツって、……だったのかよ…!?)
【ハク】
(い…いつから!?昔からだったのか…? 俺、そんなこと、全然………!)
【ハク】
(それよりも俺…、なんでこんなモヤモヤした気持ちになってるんだ?)
囁くようなナツの声が、藍建を追いたてていく。
藍建は息が上がり、必死に声を抑え込んでいるのが分かる。いかにも苦しそうに喘いでいる。
服と…それから身体の擦れる音……。
それが生々しく俺の耳に入ってくる。
【ハク】
(な…なんだ、これ……っ)
――ゴクリ…。
俺は、生唾を飲み込んだ。
心臓がドキドキしている。
【銀】
「ほら、もっと自分で動け。もっとよくなりたいんだろ?」
【藍建】
「あぁ、っ…いいっ……もちぃ、い……っ」
【銀】
「そんなに嬉しそうな顔をして…そんなに良いか?そのだらしない身体を震わせて、オレのが欲しいっておねだりしてみろよ」
【藍建】
「あ、あ…たのむ…ぅ、っ、もっと…もっと…くれ…っ」
【銀】
「ん?聞こえないなぁ」
【藍建】
「ぁあ…ほし…い…も、もっと…おまえが…ほしぃ…っ、もっと……っ」
【銀】
「仕方ないなぁ。こんなにビンビンにおっ勃てて」
隣から聞こえてくる声や音に、思わず聞きいってしまう。
そしていつの間にか俺は――興奮していた。
【ハク】
(うそ…俺、なんでこんな……興奮して…)
俺は自問自答した。
でも、興奮した身体を止めることはできなくて、俺は下半身にそろそろと手を伸ばす。
音が立たないように静かにベルトを外して、ジジジ…とジップをゆっくり下ろして……。
下着の脇から指を這わせて、熱くなったソコを握りこむ。
もちろん、個室のドアはきっちりと閉めてある。
後はもう…隣から聞こえてくる音に耳をすませて……
俺は、自分の下半身を扱き始めた…。
【ハク】
「ふっ、ぅ…う……んっ……」
隣で隣で聞き耳を立てるどころか、こんなコトしてるなんて、絶対バレたくない。
俺は声を押し殺して自分のを上下に摩擦する。
その間にも、ナツの煽るような言葉と藍建の吐息と身体が擦れ合う音が生々しく聞こえてきて、俺の興奮はどんどんと高まっていった…。
来客の取り次ぎも仕事の一つである俺は、初めてその刑事がやってきたとき、当然どういう身元の人間かというのを聞いた。
すると、その刑事は随分と驚いたみたいだった。
刑事である証明として刑事手帳を示してきたその男は、藍建仁という名前の刑事だった。
ちょっとくたびれた感じの、オジサンって感じの刑事だ。
【藍建】
「えっと、社長に取り次いでもらえるかな」
【ハク】
「はい、少々お待ち下さい」
【ハク】
(刑事がナツに一体どんな用があるんだろう?)
それは疑問だったけど、俺は普通どおりに秘書の仕事をこなした。
ナツに、藍建という刑事が取り次いでほしいと言っていることを告げる。その間、刑事には会議室で待機してもらうことにした。
【ハク】
「刑事が来るなんて、何かあったんですか」
【銀】
「別に。お前は気にしなくていい。待たせているのは会議室だったか?」
【ハク】
「あ、はい。あ、ちょっと待って。俺もすぐ準備して…!」
【銀】
「必要ない。お前は来なくて良い」
【ハク】
「え?…あ、はい…」
俺は、その席には呼ばれなかった。
今までも俺が呼ばれなかったケースはあったし…。
俺はなんだかんだいって秘書という名目の雑用係だったし、気には留めないことにした。
刑事というところは気にならないでもないけど、まあ、社長ともなれば何かあるんだろう、と。
――そう思っていたけど。
そんな俺でも、さすがにその藍建という刑事の存在が気になりはじめた。だって…。
【ハク】
(もうこれで何度目だよ?この前は…一昨日だろ?)
藍建の来客頻度は2、3日に1度と多かった。
さすがにこんな頻度でやってこられたら、いくら俺には関係ないと言われたって気になってしまう。
【ハク】
(といっても…相変わらずナツはついてくるなって言うんだよな…)
藍建とナツが同席しているその場にいかないことには、どういう話をしているのかも分らない。
話を聞かないことには二人がどういう理由で会っているのかもわからない。
といっても…直接聞いたって、絶対ナツは教えてくれないし…。
【ハク】
(一体なに話してるんだよ……っていうか……)
――本当に仕事か?……とか、思ってしまう…。
【ハク】
(よし……)
藍建がやってきたある日のこと、俺はとうとう一大決心をした。
そう…俺は、ナツが藍建を接客している会議室の隣に行って聞き耳を立てることに決めた。
まあ、あんまりいい趣味じゃないってことはわかってるんだけど…。
【ハク】
(二人は会議室…だよな)
俺は、藍建が来るといつも会議室に通している。
社長室からそう遠くないその会議室に足を向けると、俺はそろそろとそこまでの道のりを進んだ。
ばったりナツが会議室から出てきて顔を合わすことになったりなんかしたら嫌だな……そんなことを思いながら。
俺のそんな心配は、取り越し苦労に終わった。無事会議室までたどり着いて、俺はその隣の部屋へとそっと入り込む。
会議室との間にある壁にべったり耳をくっつけて、息を潜めて聞き耳を立てる。
いったいどんな会話をしているのか――。
【ハク】
(ん…??)
俺はじっと待った。
…が、まったく声が聞こえない。
もしかして俺のポジションが悪いのかもしれないと思って場所まで移動してしっかり聞き耳を立てたけれど、やっぱりそれは分らなかった。
【ハク】
(おかしいな…?…なんだか……音がまるで聞こえないっていうか…)
そういえば、声どころか音もまったく聞こえない。
普通、会話中であろうが、何かしら音は出ると思うんだけど…。
椅子を引いたりする音だとか、紙がこすれる音だとか――でも、会議室からは何も聞こえない。
それどころか、二人がいる気配そのものが感じられない。
【ハク】
(でも、この時間このフロアの会議室はナツしか使ってないはずだし…)
俺は不思議に思って、他の会議室も探索してみた。
でも、どの会議室も特に使われている様子はない。
まさか、もう帰ったなんてことはないだろう。何しろ藍建はさっき来たばかりだ。
【ハク】
(あと考えられるところといったら…)
――トイレか…。
俺は最後に、トイレを確認しに向かった。
トイレの中に入ってみると、5つある個室の内1つが使用中だった。
もしかして用を足してただけなのか?
俺は何気なく、開いている個室に足を踏み入れた。
――と。
壁越しに人の気配と、吐息が聞こえてくる。
【ハク】
(え……?)
……あからさまにおかしい。
俺はそう思って隣の個室に聞き耳を立てた。
服がすれる音、抑えたみたいな吐息、ぼそぼそと聞こえる何か圧力的な声。
これは…この声は――。
【ハク】
(藍建と……ナツ……!?)
俺は耳を疑ったが、確かに二人の声だ。
しかもこれは――。
【ハク】
(う、そ…だろ?何でこの二人が…?こんなこと、して…んだよ…!?)
音と、声で、俺は二人が隣の個室で何をしているのか、嫌でもわかってしまった。
藍建とナツが――絡んでいる、ってこと……。
【ハク】
(え?な、何で?だって…お、男同士だろ…!?)
男同士でこんなことをしているなんて…信じられなかった。
でも、俺の耳に飛び込んでくるナツの声は、男との行為に慣れているみたいだった。つまり、ナツは――。
【ハク】
(じゃ、じゃあ……ナツって、……だったのかよ…!?)
【ハク】
(い…いつから!?昔からだったのか…? 俺、そんなこと、全然………!)
【ハク】
(それよりも俺…、なんでこんなモヤモヤした気持ちになってるんだ?)
囁くようなナツの声が、藍建を追いたてていく。
藍建は息が上がり、必死に声を抑え込んでいるのが分かる。いかにも苦しそうに喘いでいる。
服と…それから身体の擦れる音……。
それが生々しく俺の耳に入ってくる。
【ハク】
(な…なんだ、これ……っ)
――ゴクリ…。
俺は、生唾を飲み込んだ。
心臓がドキドキしている。
【銀】
「ほら、もっと自分で動け。もっとよくなりたいんだろ?」
【藍建】
「あぁ、っ…いいっ……もちぃ、い……っ」
【銀】
「そんなに嬉しそうな顔をして…そんなに良いか?そのだらしない身体を震わせて、オレのが欲しいっておねだりしてみろよ」
【藍建】
「あ、あ…たのむ…ぅ、っ、もっと…もっと…くれ…っ」
【銀】
「ん?聞こえないなぁ」
【藍建】
「ぁあ…ほし…い…も、もっと…おまえが…ほしぃ…っ、もっと……っ」
【銀】
「仕方ないなぁ。こんなにビンビンにおっ勃てて」
隣から聞こえてくる声や音に、思わず聞きいってしまう。
そしていつの間にか俺は――興奮していた。
【ハク】
(うそ…俺、なんでこんな……興奮して…)
俺は自問自答した。
でも、興奮した身体を止めることはできなくて、俺は下半身にそろそろと手を伸ばす。
音が立たないように静かにベルトを外して、ジジジ…とジップをゆっくり下ろして……。
下着の脇から指を這わせて、熱くなったソコを握りこむ。
もちろん、個室のドアはきっちりと閉めてある。
後はもう…隣から聞こえてくる音に耳をすませて……
俺は、自分の下半身を扱き始めた…。
【ハク】
「ふっ、ぅ…う……んっ……」
隣で隣で聞き耳を立てるどころか、こんなコトしてるなんて、絶対バレたくない。
俺は声を押し殺して自分のを上下に摩擦する。
その間にも、ナツの煽るような言葉と藍建の吐息と身体が擦れ合う音が生々しく聞こえてきて、俺の興奮はどんどんと高まっていった…。