本編
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【夏目】
「今日も精がでるな、宮沢」
既に殆どのスタッフが仕事をあがった22時過ぎ、プールサイドで1人練習メニューを練っている俺に声が掛けられた。
【宮沢】
「あ!オーナー、お疲れ様です。
もう今日はお仕事いいんですか?」
この人はこのフィットネスプールのオーナー、夏目 惣一(なつめ そういち)さん。
一介のバイトでしかない俺の夢に共感し、施設内でのシンクロチーム結成を認めてくれたどころか、
【夏目】
「楽しそうだから俺も参加させてくれ」
そう言って自らもチームメンバーとして協力してくれている。
閉館前のこの時間に自由にプールを使わせてくれるのも、オーナーの厚意によるものだ。
【夏目】
「ああ、ようやく一段落ついたからな。
帰る前にひと泳ぎと思ってな」
【夏目】
「デスクワークだけだと身体がなまってしょうがない」
【宮沢】
「あはは。本当に肉体派ですね」
実際、オーナーの身体は男の俺から見ても惚れぼれしてしまうくらい逞しく引き締まっていて…
【夏目】
「ん?なんだ、俺に見惚れてるのか?」
【宮沢】
「!!
そ、そんなコトないです!」
オーナーの声で我に返った俺は、恥ずかしさで赤くなりながらブンブンと首を振る。
【夏目】
「ハハハ…
じゃ、まずは軽くウォーミングアップから付き合ってくれ」
【夏目】
「うん、すっかり筋肉もほぐれた。今夜もよく眠れそうだ。」
【宮沢】
「オーナーの体力、本当に底なしですね」
朝からバリバリ仕事をこなした後だというのに、これだけの練習にも全く息が乱れていない。
普通のサラリーマンなら…今頃は精も根も尽き果てた顔で、お疲れビールでも飲んでいる頃合いだ。
【夏目】
「なんなら、ベッドの上での体力も確かめてみるか?」
【宮沢】
「ふぇっ!?」
予期せぬ問いかけに思わず変な声が出てしまう。
【夏目】
「あっはっは、本当にお前はからからかい甲斐があるヤツだな」
【宮沢】
「もう!オーナー、俺が女だったら完全にセクハラおやじですよ!」
【夏目】
「まあまあ、そんなに怒るな。
ほら、そろそろ閉館準備に入るか。」
オーナーは軽く睨みつける俺の頭をひと撫でして、
【夏目】
「早く閉めて、帰りにラーメン奢ってやるから、な?」
そう言ってニカッと笑った。
【宮沢】
「…味玉付きで」
【夏目】
「おう、生ビールもつけてやるぞ!」
そんな会話を交わしながら、俺たちはプールの閉館作業にとりかかったのだった。
【宮沢】
「ふう、こんなもんかな」
体験入学用のパンフレットの準備を終えた俺は、伸びをしながら受付の時計に視線を移した。
【宮沢】
(…もうこんな時間か。
エントランスのライトつけてこないと)
入口付近で電源パネルを操作していると、自動ドアが開いて誰か入ってきた。
【井伏】
「よう、宮沢くんお疲れさん。
今日は受付嬢のお仕事か?」
【宮沢】
「あ!井伏さんこんにちは…って!
男に受付嬢はやめてくださいよ」
【井伏】
「ハハハ、ここに巨乳受付嬢とかいたら毎日通っちゃうんだけどな~」
【宮沢】
「もう、井伏さんはいつもそういうのばっかり…」
井伏鮎次(いぶせあゆじ)さんは近くのビルに勤めるサラリーマンだ。
だれもが良く知る大手企業の、いわゆるエリートってやつなのだけど…
【井伏】
「巨乳ちゃんは何人いても困らない…ってね!」
見た目も中身も軽い、けっこうな遊び人だ。
【宮沢】
(気が利くし、優しいし、オシャレだし…、モテるのは分かるけどね)
バイトの俺にすら会う度に「お疲れ様」と声を掛けてくれる井伏さんには、パートのおばさんたちの間でファンクラブまで結成されている。
【井伏】
「ところでキミさ、最近しょっちゅう変わった指導してるよね?」
【井伏】
「普通に泳ぐんじゃなくて、水中で手を上げたり回転したり…。
あれ、なんかのコースメニュー?」
【宮沢】
「ああ。俺、男子シンクロのコーチを目指してて、オーナーに話したら指導用の時間を貰えることになったんですよ」
【井伏】
「へえ~!面白そうじゃん、俺もそれやってみたいわ」
【宮沢】
「えっ!井伏さんが!?」
急な申し出にびっくりして目を丸くする俺に、井伏さんは答えて言った。
【井伏】
「こう見えても俺、踊るのは得意なんだぜ?」
【井伏】
「今からは時間空いてるか?さっそく教えてくれよ」
【宮沢】
「ええ、今日はもう事務仕事は終わってますけど…」
【井伏】
「お、いいねいいね♪んじゃ、よろしく宮沢コーチ」
張り切る井伏さんに腕を引かれるようにして、俺は更衣室へと向かったのだった。
【井伏】
「いや~、意外ときっついね~
やっぱ見るのとやるのは全然違うわ」
【宮沢】
「でも初めてでこんなに…すごいですよ!」
【井伏】
「あ、今の台詞ちょっとエロかった。
もっかい言って」
【宮沢】
「……二度と褒めません」
メンバーが増えて嬉しかったけど…、感謝の意を伝えるのはまた今度にしようと思った。
【志賀】
「おい、宮沢。ちょっと待て」
大学の講義が終わって―、
いつもようにバイト先へ向かおうとしていると、志賀助教から呼び止められた。
【宮沢】
「は…はい、なんでしょう」
志賀直径(かじいなおみち)助教は、学内で『鬼神』と呼ばれて恐れられている…恐い人だ。
何も知らない1年前期、内容に惹かれて彼の講義をいくつも取ってしまい……
2ヶ月もあった夏休みの8割が研究課題とレポートで潰れたのは苦い思い出だ。
【宮沢】
(まあ、谷崎が半分以上手伝ってくれたけど……)
【志賀】
「貴様、最近やけに帰りが早いな。
サークルはどうした、入学してすぐ立ち上げてただろう」
【宮沢】
「えっ!知ってて下さったんですか!?
………それが―」
「今日も精がでるな、宮沢」
既に殆どのスタッフが仕事をあがった22時過ぎ、プールサイドで1人練習メニューを練っている俺に声が掛けられた。
【宮沢】
「あ!オーナー、お疲れ様です。
もう今日はお仕事いいんですか?」
この人はこのフィットネスプールのオーナー、夏目 惣一(なつめ そういち)さん。
一介のバイトでしかない俺の夢に共感し、施設内でのシンクロチーム結成を認めてくれたどころか、
【夏目】
「楽しそうだから俺も参加させてくれ」
そう言って自らもチームメンバーとして協力してくれている。
閉館前のこの時間に自由にプールを使わせてくれるのも、オーナーの厚意によるものだ。
【夏目】
「ああ、ようやく一段落ついたからな。
帰る前にひと泳ぎと思ってな」
【夏目】
「デスクワークだけだと身体がなまってしょうがない」
【宮沢】
「あはは。本当に肉体派ですね」
実際、オーナーの身体は男の俺から見ても惚れぼれしてしまうくらい逞しく引き締まっていて…
【夏目】
「ん?なんだ、俺に見惚れてるのか?」
【宮沢】
「!!
そ、そんなコトないです!」
オーナーの声で我に返った俺は、恥ずかしさで赤くなりながらブンブンと首を振る。
【夏目】
「ハハハ…
じゃ、まずは軽くウォーミングアップから付き合ってくれ」
【夏目】
「うん、すっかり筋肉もほぐれた。今夜もよく眠れそうだ。」
【宮沢】
「オーナーの体力、本当に底なしですね」
朝からバリバリ仕事をこなした後だというのに、これだけの練習にも全く息が乱れていない。
普通のサラリーマンなら…今頃は精も根も尽き果てた顔で、お疲れビールでも飲んでいる頃合いだ。
【夏目】
「なんなら、ベッドの上での体力も確かめてみるか?」
【宮沢】
「ふぇっ!?」
予期せぬ問いかけに思わず変な声が出てしまう。
【夏目】
「あっはっは、本当にお前はからからかい甲斐があるヤツだな」
【宮沢】
「もう!オーナー、俺が女だったら完全にセクハラおやじですよ!」
【夏目】
「まあまあ、そんなに怒るな。
ほら、そろそろ閉館準備に入るか。」
オーナーは軽く睨みつける俺の頭をひと撫でして、
【夏目】
「早く閉めて、帰りにラーメン奢ってやるから、な?」
そう言ってニカッと笑った。
【宮沢】
「…味玉付きで」
【夏目】
「おう、生ビールもつけてやるぞ!」
そんな会話を交わしながら、俺たちはプールの閉館作業にとりかかったのだった。
【宮沢】
「ふう、こんなもんかな」
体験入学用のパンフレットの準備を終えた俺は、伸びをしながら受付の時計に視線を移した。
【宮沢】
(…もうこんな時間か。
エントランスのライトつけてこないと)
入口付近で電源パネルを操作していると、自動ドアが開いて誰か入ってきた。
【井伏】
「よう、宮沢くんお疲れさん。
今日は受付嬢のお仕事か?」
【宮沢】
「あ!井伏さんこんにちは…って!
男に受付嬢はやめてくださいよ」
【井伏】
「ハハハ、ここに巨乳受付嬢とかいたら毎日通っちゃうんだけどな~」
【宮沢】
「もう、井伏さんはいつもそういうのばっかり…」
井伏鮎次(いぶせあゆじ)さんは近くのビルに勤めるサラリーマンだ。
だれもが良く知る大手企業の、いわゆるエリートってやつなのだけど…
【井伏】
「巨乳ちゃんは何人いても困らない…ってね!」
見た目も中身も軽い、けっこうな遊び人だ。
【宮沢】
(気が利くし、優しいし、オシャレだし…、モテるのは分かるけどね)
バイトの俺にすら会う度に「お疲れ様」と声を掛けてくれる井伏さんには、パートのおばさんたちの間でファンクラブまで結成されている。
【井伏】
「ところでキミさ、最近しょっちゅう変わった指導してるよね?」
【井伏】
「普通に泳ぐんじゃなくて、水中で手を上げたり回転したり…。
あれ、なんかのコースメニュー?」
【宮沢】
「ああ。俺、男子シンクロのコーチを目指してて、オーナーに話したら指導用の時間を貰えることになったんですよ」
【井伏】
「へえ~!面白そうじゃん、俺もそれやってみたいわ」
【宮沢】
「えっ!井伏さんが!?」
急な申し出にびっくりして目を丸くする俺に、井伏さんは答えて言った。
【井伏】
「こう見えても俺、踊るのは得意なんだぜ?」
【井伏】
「今からは時間空いてるか?さっそく教えてくれよ」
【宮沢】
「ええ、今日はもう事務仕事は終わってますけど…」
【井伏】
「お、いいねいいね♪んじゃ、よろしく宮沢コーチ」
張り切る井伏さんに腕を引かれるようにして、俺は更衣室へと向かったのだった。
【井伏】
「いや~、意外ときっついね~
やっぱ見るのとやるのは全然違うわ」
【宮沢】
「でも初めてでこんなに…すごいですよ!」
【井伏】
「あ、今の台詞ちょっとエロかった。
もっかい言って」
【宮沢】
「……二度と褒めません」
メンバーが増えて嬉しかったけど…、感謝の意を伝えるのはまた今度にしようと思った。
【志賀】
「おい、宮沢。ちょっと待て」
大学の講義が終わって―、
いつもようにバイト先へ向かおうとしていると、志賀助教から呼び止められた。
【宮沢】
「は…はい、なんでしょう」
志賀直径(かじいなおみち)助教は、学内で『鬼神』と呼ばれて恐れられている…恐い人だ。
何も知らない1年前期、内容に惹かれて彼の講義をいくつも取ってしまい……
2ヶ月もあった夏休みの8割が研究課題とレポートで潰れたのは苦い思い出だ。
【宮沢】
(まあ、谷崎が半分以上手伝ってくれたけど……)
【志賀】
「貴様、最近やけに帰りが早いな。
サークルはどうした、入学してすぐ立ち上げてただろう」
【宮沢】
「えっ!知ってて下さったんですか!?
………それが―」