[期間限定イベント"ハロウィンナイト"] 赤屋 竜次 編
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【男】
「……電話、貸してください。自首、します……」
【店員】
「……えっ、は、はい!」
男は下を向きそう言うと、ゆっくり包丁を下ろし、ジャックオーランタンの被り物を脱いだ。
カボチャの顔の下から現れたのは、二十代半ばくらいの男だ。まだ若いし、十分に更生できるだろう。
店員がレジ奥の電話機を引っ張って男に渡す。
そして、やっと男から解放された俺を、リュウが支えるように後ろから抱いてくれた。
【赤屋】
「ハク……無事で良かった」
【ハク】
「リュウ……」
【店員】
「あの……ありがとうございます!本当に、ありがとうございます!!」
【赤屋】
「礼を言われるほどのことはしてないさ」
【ハク】
「あ、そういえば飲み物のお会計……」
【店員】
「いえ、お代は結構です。お礼です!どうぞ持って行ってください!」
【水野】
「やった、ラッキーっすね!」
男はコンビニの電話を借りて警察に電話をかけている。
ほどなくパトカーのサイレンが聞こえてきたかと思うと、コンビニの前で停まった。
【藍建】
「警察です。連絡いただいた方は……」
【藍建】
「あれ、キミは……確か前にも……」
【ハク】
「はい、その節はお世話になりました」
やって来たのは藍建さんだった。
俺のアパートが家事になった際にもお世話になった刑事さんだ。
【藍建】
「まさか、キミが強盗を……?」
【ハク】
「そんな、違いますよ!俺はたまたま居合わせただけで……」
【ハク】
「今回電話したのは、あっちの彼です」
藍建さんが疑わしげな顔をしたので、俺は慌てて首を振って否定した。
そして、店の奥にいる男を指差す。
【藍建】
「そ、そうだよなぁ!そんなわけないよな。悪い悪い」
【藍建】
「しかしキミ、その格好は一体どうしたんだ?」
【ハク】
「こ、これはハロウィンのイベントがあって……」
【ハク】
(そういえば、仮装してることすっかり忘れてた……!)
刑事さんとは言え、知り合いに見られるのは妙に恥ずかしい。
だが、藍建さんはそれほど気にならないようだ。
【藍建】
「ハロウィンか~。そういえば、そんなものもあったなぁ」
【藍建】
「しかしキミも……なんていうか、こう度々事件に巻き込まれるなんて……」
藍建さんは俺に同情のまなざしを向ける。
【ハク】
「ははは……」
【藍建】
「まぁとにかく、怪我がないようでよかったよ」
【藍建】
「それじゃ、自首の電話をくれたのは君……だね」
藍建さんは俺との雑談を終えると、先ほどまでジャックオーランタンを被っていた男に声をかける。
男はしおらしく頷いた。
【男】
「はい……」
【藍建】
「それでは、俺と一緒に署まで来てもらう」
【男】
「わかってます。その前に……」
【藍建】
「ん?」
【男】
「あの、俺……ちゃんと罪を償います!だから……その、俺が出てきたとき、よろしくお願いします……!」
【赤屋】
「ああ。負けんじゃねぇぞ」
【男】
「はい……!ありがとうございます!」
男はリュウに向けて頭を下げた。
リュウも笑って返事をする。
そして、自首した犯人はパトカーで連行されていった。
【赤屋】
「……それじゃ、いい加減パレードに戻るか」
【ハク】
「そうだね」
【水野】
「はい!」
一件落着したところで、俺たちもコンビニを後にする。
コンビニの店員は最後までしきりに頭を下げていた。
そして俺たちはハロウィンパレードに戻ってきた……はずだったのだが……。
【赤屋】
「……こりゃ、参ったな」
【水野】
「誰もいないっすね」
【ハク】
「もう終わっちゃった……のかな?」
どうやらコンビニで強盗に遭遇している間に思ったよりも時間が経っていたらしい。
俺たちが仮装パレードのゴール地点である商店街に着いた頃には、ハロウィンのイベントは既に終了していた。
仮装している人は誰も残ってはおらず、なんだか俺たち三人はとても浮いている。
【赤屋】
「……仕方ねぇ、報告もあるし組に戻るぞ」
【水野】
「ハイ!」
【赤屋】
「ハクも、行くぞ」
【ハク】
「うん……」
そして久々津組に向かって三人で再び歩き出す。
もちろん仮装はしたままだ。
【ハク】
(仕方ないとはいえ……俺たちだけ仮装って言うのもなんだか恥ずかしいな……)
なんとなく、道行く人の視線が突き刺さる気がした……。
久々津組に到着して衣装を着替えると、リュウはすぐに久々津さんへ報告に行った。
報告の内容は先ほど強盗に遭遇した件だ。
【赤屋】
「……とういうわけで、強盗は警察に引き渡しました。報告は以上です」
【久々津】
「うむ。偶然とは言え、とんだ災難に巻き込まれたな」
【久々津】
「なんであれ、ご苦労だった」
【赤屋】
「ありがとうございます」
リュウの報告が終わると、久々津さんは今度は俺に向き直る。
【久々津】
「ハクくんも、大変だったな。怪我などはないか?」
【ハク】
「はい……すぐにリュウが来てくれたので、俺は大丈夫です」
【水野】
「いや~、アニキかっこよかったっす」
【ハク】
「水野さんも助けにきてくれましたし……ご心配ありがとうございます」
【久々津】
「そうかそうか。水野も、よくやったな」
「……電話、貸してください。自首、します……」
【店員】
「……えっ、は、はい!」
男は下を向きそう言うと、ゆっくり包丁を下ろし、ジャックオーランタンの被り物を脱いだ。
カボチャの顔の下から現れたのは、二十代半ばくらいの男だ。まだ若いし、十分に更生できるだろう。
店員がレジ奥の電話機を引っ張って男に渡す。
そして、やっと男から解放された俺を、リュウが支えるように後ろから抱いてくれた。
【赤屋】
「ハク……無事で良かった」
【ハク】
「リュウ……」
【店員】
「あの……ありがとうございます!本当に、ありがとうございます!!」
【赤屋】
「礼を言われるほどのことはしてないさ」
【ハク】
「あ、そういえば飲み物のお会計……」
【店員】
「いえ、お代は結構です。お礼です!どうぞ持って行ってください!」
【水野】
「やった、ラッキーっすね!」
男はコンビニの電話を借りて警察に電話をかけている。
ほどなくパトカーのサイレンが聞こえてきたかと思うと、コンビニの前で停まった。
【藍建】
「警察です。連絡いただいた方は……」
【藍建】
「あれ、キミは……確か前にも……」
【ハク】
「はい、その節はお世話になりました」
やって来たのは藍建さんだった。
俺のアパートが家事になった際にもお世話になった刑事さんだ。
【藍建】
「まさか、キミが強盗を……?」
【ハク】
「そんな、違いますよ!俺はたまたま居合わせただけで……」
【ハク】
「今回電話したのは、あっちの彼です」
藍建さんが疑わしげな顔をしたので、俺は慌てて首を振って否定した。
そして、店の奥にいる男を指差す。
【藍建】
「そ、そうだよなぁ!そんなわけないよな。悪い悪い」
【藍建】
「しかしキミ、その格好は一体どうしたんだ?」
【ハク】
「こ、これはハロウィンのイベントがあって……」
【ハク】
(そういえば、仮装してることすっかり忘れてた……!)
刑事さんとは言え、知り合いに見られるのは妙に恥ずかしい。
だが、藍建さんはそれほど気にならないようだ。
【藍建】
「ハロウィンか~。そういえば、そんなものもあったなぁ」
【藍建】
「しかしキミも……なんていうか、こう度々事件に巻き込まれるなんて……」
藍建さんは俺に同情のまなざしを向ける。
【ハク】
「ははは……」
【藍建】
「まぁとにかく、怪我がないようでよかったよ」
【藍建】
「それじゃ、自首の電話をくれたのは君……だね」
藍建さんは俺との雑談を終えると、先ほどまでジャックオーランタンを被っていた男に声をかける。
男はしおらしく頷いた。
【男】
「はい……」
【藍建】
「それでは、俺と一緒に署まで来てもらう」
【男】
「わかってます。その前に……」
【藍建】
「ん?」
【男】
「あの、俺……ちゃんと罪を償います!だから……その、俺が出てきたとき、よろしくお願いします……!」
【赤屋】
「ああ。負けんじゃねぇぞ」
【男】
「はい……!ありがとうございます!」
男はリュウに向けて頭を下げた。
リュウも笑って返事をする。
そして、自首した犯人はパトカーで連行されていった。
【赤屋】
「……それじゃ、いい加減パレードに戻るか」
【ハク】
「そうだね」
【水野】
「はい!」
一件落着したところで、俺たちもコンビニを後にする。
コンビニの店員は最後までしきりに頭を下げていた。
そして俺たちはハロウィンパレードに戻ってきた……はずだったのだが……。
【赤屋】
「……こりゃ、参ったな」
【水野】
「誰もいないっすね」
【ハク】
「もう終わっちゃった……のかな?」
どうやらコンビニで強盗に遭遇している間に思ったよりも時間が経っていたらしい。
俺たちが仮装パレードのゴール地点である商店街に着いた頃には、ハロウィンのイベントは既に終了していた。
仮装している人は誰も残ってはおらず、なんだか俺たち三人はとても浮いている。
【赤屋】
「……仕方ねぇ、報告もあるし組に戻るぞ」
【水野】
「ハイ!」
【赤屋】
「ハクも、行くぞ」
【ハク】
「うん……」
そして久々津組に向かって三人で再び歩き出す。
もちろん仮装はしたままだ。
【ハク】
(仕方ないとはいえ……俺たちだけ仮装って言うのもなんだか恥ずかしいな……)
なんとなく、道行く人の視線が突き刺さる気がした……。
久々津組に到着して衣装を着替えると、リュウはすぐに久々津さんへ報告に行った。
報告の内容は先ほど強盗に遭遇した件だ。
【赤屋】
「……とういうわけで、強盗は警察に引き渡しました。報告は以上です」
【久々津】
「うむ。偶然とは言え、とんだ災難に巻き込まれたな」
【久々津】
「なんであれ、ご苦労だった」
【赤屋】
「ありがとうございます」
リュウの報告が終わると、久々津さんは今度は俺に向き直る。
【久々津】
「ハクくんも、大変だったな。怪我などはないか?」
【ハク】
「はい……すぐにリュウが来てくれたので、俺は大丈夫です」
【水野】
「いや~、アニキかっこよかったっす」
【ハク】
「水野さんも助けにきてくれましたし……ご心配ありがとうございます」
【久々津】
「そうかそうか。水野も、よくやったな」