[期間限定イベント"ハロウィンナイト"] 赤屋 竜次 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【ハク】
「ただいまー」
ある日、俺はいつものように仕事を終えて、マンションへと帰ってきた。
誰もいない部屋に向かって声をかけて靴を脱ぐ……はずだった。
【ハク】
「……あれ?」
【ハク】
(靴がある……)
既にリュウの靴が脱いで置かれている。
【ハク】
(ってことは、リュウは帰ってるんだよな?)
だが、リビングの電気は消えていて真っ暗だ。
【ハク】
(変なの……)
不思議に思いつつも電気をつけてリビングを見ると、リュウの後ろ姿が見える。
【ハク】
(なんだ、やっぱり帰ってるんじゃないか)
だが、もう俺に気付いているはずのリュウは振り返りもせず、なんだか様子がおかしい。
【ハク】
(あれ……?)
【ハク】
「リュウ……?」
おそるおそる声をかけると、リュウがゆっくりと振り返る。
【赤屋】
「おかえり……」
しかしその顔は、なぜか血まみれだった……。
【ハク】
「うっ、うわああああ!」
【赤屋】
「ハク……」
頭から血を流しながらこっちを見るリュウ。
その姿に俺は驚いて鞄を落としてしまった。
【ハク】
「や、やだ……えっ、リュウ……?なんで……?」
ゆっくりした動作でリュウが一歩ずつ俺に近づく。思わず俺は後ずさった。
俺が動揺のあまり、とうとう腰を抜かして座り込むと、急にリュウが笑い出した。
【赤屋】
「はははは!驚いたか?」
【ハク】
「驚いたか?じゃないだろ!心臓止まるかと思った……なんだよ、これ」
まるで状況が呑み込めない。
【赤屋】
「はは、悪かったって」
【赤屋】
「血糊だよ。ほら、傷も特殊メイクだ。本物じゃない」
【ハク】
「なんだ……びっくりした……」
リュウが俺の頭を撫でながら、作り物の傷口に触れて見せた。
それを見て俺はほっとする。
ほっとすると同時に、疑問も湧いてきた。
【ハク】
「それにしても、なんでこんな……」
【赤屋】
「実は今度、このへんでハロウィンのイベントがあってな。結構規模の大きいイベントなんだが、うちの組も参加することになってるんだ」
【赤屋】
「俺らは普段はカタギの人には怖がられることも多いから、まぁ、たまにはこうして地域貢献ってやつだな」
【ハク】
「地域貢献……かぁ」
【ハク】
(この姿じゃ余計怖がられる気もする……)
リュウが元々割と強面なのも手伝って、リュウのゾンビ姿はかなりの迫力だ。
【ハク】
「だけど、こんな……血糊なんてどうしたんだ?」
【赤屋】
「買ったんだよ。他にもハロウィンの衣装だのなんだの、いろいろ店に並んでるぞ」
【ハク】
「へぇ……売ってるものなんだな」
作り物だと思って見ても、本当によくできている。
思わずまじまじ見ていると、リュウが思い出したように口を開いた。
【赤屋】
「そうだ、次の休みいつだ?ハクの分の衣装も買いに行こうぜ」
【ハク】
「え?俺の分って……」
【赤屋】
「ハクも参加するって、もう向こうさんにも伝えちまったぞ」
【ハク】
「なんでだよ!俺、何も聞いてない」
【赤屋】
「……そういや、言ってなかったな」
【ハク】
「……まったくもう」
リュウは悪びれもせずに言う。
【赤屋】
「ヤスも一緒だし、アイツも楽しみにしてるからさ」
【ハク】
「別にいいけど……俺も仮装するの?」
【赤屋】
「当たり前だろ。じゃあ次の休みな」
【ハク】
「わかったよ……」
【ハク】
(なんか、このごろ久々津組のイベントには毎回参加してる気がするな……)
結局、次の休みは二人で俺の分のハロウィンの衣装を買いに行くことになった。
ハロウィンパーティに向けて、俺とリュウは仮装用の衣装を買うためにデパートへとやってきた。
【ハク】
「ハロウィンのグッズって、こんなにいろいろ売ってるんだな~……」
【赤屋】
「ああ。俺のもここで買ったんだ」
バラエティコーナーは既にオレンジと黒で飾り付けられていて、ハロウィン一色だ。
【ハク】
「へぇ……このカボチャのやつ、ジャックオーランタンって言うんだ」
【ハク】
「この全身タイツは……ちょっと嫌だな」
目や口の形をくり抜いたハロウィンによく見かけるカボチャの被り物、狼男や包帯ぐるぐる巻きのミイラ男などオーソドックスなものから、ウケ狙いにしか見えない全身タイツまでいろいろと揃っている。
【ハク】
「……あれ、リュウどこ行ったんだろ?」
俺が仮装用品を物色していると、いつのまにかリュウの姿が見えない。
……と思ったら、手に何かを持ってやってきた。
【赤屋】
「ハク!これ……」
【ハク】
「リュウ、どこ行ってたんだよ……」
【ハク】
「……ん?」
リュウは持っていたものを俺に手渡す。
どうやらこれもコスプレ衣装のようだ。
だがそれは俺がたった今見ていたようなものではなく……。
【ハク】
「なっ、メイド服……?」
リュウに手渡されたそれは、ひらひらのエプロンのついたメイド服だった……。
【赤屋】
「ああ。ハクに良く似合うと思うぜ」
【ハク】
「女の子じゃないんだし、こんなの着れないってば」
【赤屋】
「問題ねぇよ。ホラ」
そう言ってリュウはパッケージの裏を指さす。
そこには『男性用です』の文字があった。
「ただいまー」
ある日、俺はいつものように仕事を終えて、マンションへと帰ってきた。
誰もいない部屋に向かって声をかけて靴を脱ぐ……はずだった。
【ハク】
「……あれ?」
【ハク】
(靴がある……)
既にリュウの靴が脱いで置かれている。
【ハク】
(ってことは、リュウは帰ってるんだよな?)
だが、リビングの電気は消えていて真っ暗だ。
【ハク】
(変なの……)
不思議に思いつつも電気をつけてリビングを見ると、リュウの後ろ姿が見える。
【ハク】
(なんだ、やっぱり帰ってるんじゃないか)
だが、もう俺に気付いているはずのリュウは振り返りもせず、なんだか様子がおかしい。
【ハク】
(あれ……?)
【ハク】
「リュウ……?」
おそるおそる声をかけると、リュウがゆっくりと振り返る。
【赤屋】
「おかえり……」
しかしその顔は、なぜか血まみれだった……。
【ハク】
「うっ、うわああああ!」
【赤屋】
「ハク……」
頭から血を流しながらこっちを見るリュウ。
その姿に俺は驚いて鞄を落としてしまった。
【ハク】
「や、やだ……えっ、リュウ……?なんで……?」
ゆっくりした動作でリュウが一歩ずつ俺に近づく。思わず俺は後ずさった。
俺が動揺のあまり、とうとう腰を抜かして座り込むと、急にリュウが笑い出した。
【赤屋】
「はははは!驚いたか?」
【ハク】
「驚いたか?じゃないだろ!心臓止まるかと思った……なんだよ、これ」
まるで状況が呑み込めない。
【赤屋】
「はは、悪かったって」
【赤屋】
「血糊だよ。ほら、傷も特殊メイクだ。本物じゃない」
【ハク】
「なんだ……びっくりした……」
リュウが俺の頭を撫でながら、作り物の傷口に触れて見せた。
それを見て俺はほっとする。
ほっとすると同時に、疑問も湧いてきた。
【ハク】
「それにしても、なんでこんな……」
【赤屋】
「実は今度、このへんでハロウィンのイベントがあってな。結構規模の大きいイベントなんだが、うちの組も参加することになってるんだ」
【赤屋】
「俺らは普段はカタギの人には怖がられることも多いから、まぁ、たまにはこうして地域貢献ってやつだな」
【ハク】
「地域貢献……かぁ」
【ハク】
(この姿じゃ余計怖がられる気もする……)
リュウが元々割と強面なのも手伝って、リュウのゾンビ姿はかなりの迫力だ。
【ハク】
「だけど、こんな……血糊なんてどうしたんだ?」
【赤屋】
「買ったんだよ。他にもハロウィンの衣装だのなんだの、いろいろ店に並んでるぞ」
【ハク】
「へぇ……売ってるものなんだな」
作り物だと思って見ても、本当によくできている。
思わずまじまじ見ていると、リュウが思い出したように口を開いた。
【赤屋】
「そうだ、次の休みいつだ?ハクの分の衣装も買いに行こうぜ」
【ハク】
「え?俺の分って……」
【赤屋】
「ハクも参加するって、もう向こうさんにも伝えちまったぞ」
【ハク】
「なんでだよ!俺、何も聞いてない」
【赤屋】
「……そういや、言ってなかったな」
【ハク】
「……まったくもう」
リュウは悪びれもせずに言う。
【赤屋】
「ヤスも一緒だし、アイツも楽しみにしてるからさ」
【ハク】
「別にいいけど……俺も仮装するの?」
【赤屋】
「当たり前だろ。じゃあ次の休みな」
【ハク】
「わかったよ……」
【ハク】
(なんか、このごろ久々津組のイベントには毎回参加してる気がするな……)
結局、次の休みは二人で俺の分のハロウィンの衣装を買いに行くことになった。
ハロウィンパーティに向けて、俺とリュウは仮装用の衣装を買うためにデパートへとやってきた。
【ハク】
「ハロウィンのグッズって、こんなにいろいろ売ってるんだな~……」
【赤屋】
「ああ。俺のもここで買ったんだ」
バラエティコーナーは既にオレンジと黒で飾り付けられていて、ハロウィン一色だ。
【ハク】
「へぇ……このカボチャのやつ、ジャックオーランタンって言うんだ」
【ハク】
「この全身タイツは……ちょっと嫌だな」
目や口の形をくり抜いたハロウィンによく見かけるカボチャの被り物、狼男や包帯ぐるぐる巻きのミイラ男などオーソドックスなものから、ウケ狙いにしか見えない全身タイツまでいろいろと揃っている。
【ハク】
「……あれ、リュウどこ行ったんだろ?」
俺が仮装用品を物色していると、いつのまにかリュウの姿が見えない。
……と思ったら、手に何かを持ってやってきた。
【赤屋】
「ハク!これ……」
【ハク】
「リュウ、どこ行ってたんだよ……」
【ハク】
「……ん?」
リュウは持っていたものを俺に手渡す。
どうやらこれもコスプレ衣装のようだ。
だがそれは俺がたった今見ていたようなものではなく……。
【ハク】
「なっ、メイド服……?」
リュウに手渡されたそれは、ひらひらのエプロンのついたメイド服だった……。
【赤屋】
「ああ。ハクに良く似合うと思うぜ」
【ハク】
「女の子じゃないんだし、こんなの着れないってば」
【赤屋】
「問題ねぇよ。ホラ」
そう言ってリュウはパッケージの裏を指さす。
そこには『男性用です』の文字があった。
1/10ページ