[本編] 緑川 彰一 編
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【ハク】
「はい……」
【緑川】
「でもユキならきっとホストとしてうまくやっていけると思うよ」
【ハク】
「そう……ですかね?」
【緑川】
「うん、自信持って」
【緑川】
「新しい扉を開いて行こう?」
【緑川】
「それじゃ……おやすみ」
【ハク】
「おやすみなさい」
緑川さんは俺に優しい言葉をかけてくれて……
眠りについたみたいだった。
【ハク】
(良い人とだな、ほんと……)
しかし……。
【ハク】
(……やっぱり眠れない……)
こんな状況でほいほい眠れる方がおかしいとは思うが、やっぱり眠れなかった。
【ハク】
(本当にいろんなことがあったしな……)
今日という日に人生の不幸という不幸と……
それからちょっとのラッキーを詰め込まれた気がする。
【ハク】
(俺……これからどうなっちゃうんだろう……)
何度も繰り返した問いをまた自分に向ける。
【ハク】
(ほんっと……王子様、だよな……)
隣で眠るのは、出会ったばかりのかっこいい男。
いきなり俺を泊めてくれる、とてもいい人だ。
【ハク】
(……緑川さんのおかげでどうにかなったけど……)
しばらくは彼の家に居候……ということになるのだろうか。
【ハク】
(……頑張らなきゃ)
夜更かししていても仕方ない。
本当に大変なのは明日からだ。
【緑川】
「……っ……」
【ハク】
「……?」
少しでも疲れを取ろうと目を閉じると、隣で眠る緑川さんが身じろいだ。
【ハク】
「緑川さん……?」
【緑川】
「……っ……ううっ……」
なんだか苦しそうだ。
【ハク】
(……うなされてる……?)
悪い夢でも見ているのだろうか。
緑川さんは美しい眉を歪めて、うなされていた。
【ハク】
(緑川さんにもこんなところがあるんだ……)
【緑川】
「……ごめん」
【ハク】
「えっ……?」
かすかに聞こえた、緑川さんの寝言。
【緑川】
「ごめんなさ……」
【ハク】
「……?」
不思議に思うけれど、もう一度彼の寝顔を覗き込んだところで緑川さんは眠ったままだ。
【ハク】
(……ま、『王子様』もうなされる夜くらいあるだろ)
そこまで気に留めず、俺は再度眠りにつくことにした……。
【緑川】
「じゃあ今日は実際にお客様についてもらうから」
【ハク】
「はい!」
まず俺は、先輩のホストと一緒にお客様のテーブルにつくことになった。
【緑川】
「昨日見学したのを生かして、少しでもお客様が楽しめるよう頑張ってみて」
【緑川】
「うちは特にルールとかはないけど、お客様のために全力を尽くす、っていうのはモットーかな」
【ハク】
「わかりました」
【緑川】
「じゃあ……そうだ、モモのテーブルについて」
【ハク】
「はい!」
緑川さんに指示された通り、俺は桃島さんが接客しているテーブルにつく。
【桃島】
「あっれー、ユキちゃんじゃーん」
【女性客】
「えっ、この子だーれ?」
【桃島】
「ん? うちに入った新しいコ」
桃島さんは接客モードなので俺にも笑顔を向けてくれる。
【女性客】
「へ~、ユキちゃんっていうんだ」
【桃島】
「なぁユキ、自己紹介してみろって」
【ハク】
「えっと……ユキです。よろしくお願いします」
【桃島】
「それだけ?」
【ハク】
「えっ……」
桃島さんの顔が一瞬だけ、意地悪に微笑む。
【桃島】
「もっと何か言うことあんでしょ?」
【ハク】
「言うことって……」
【桃島】
「それだけじゃさすがにお客さんに失礼だって」
【桃島】
「ユキちゃんって子をお客さんにもっとアピールしないと」
【ハク】
「アピール、って……」
【桃島】
「早くしろよ」
【ハク】
「……!」
桃島さんのさりげない嫌がらせだ。
【ハク】
(どうしようっ……)
【桃島】
「一発芸とかでもいいんだけど?」
【ハク】
(そんなのないし……!)
【女性客】
「ユキちゃん?」
何もしゃべらないでいたら空気が悪くなってしまう。
どうしようと冷や汗をかいていた……そのとき。
「はい……」
【緑川】
「でもユキならきっとホストとしてうまくやっていけると思うよ」
【ハク】
「そう……ですかね?」
【緑川】
「うん、自信持って」
【緑川】
「新しい扉を開いて行こう?」
【緑川】
「それじゃ……おやすみ」
【ハク】
「おやすみなさい」
緑川さんは俺に優しい言葉をかけてくれて……
眠りについたみたいだった。
【ハク】
(良い人とだな、ほんと……)
しかし……。
【ハク】
(……やっぱり眠れない……)
こんな状況でほいほい眠れる方がおかしいとは思うが、やっぱり眠れなかった。
【ハク】
(本当にいろんなことがあったしな……)
今日という日に人生の不幸という不幸と……
それからちょっとのラッキーを詰め込まれた気がする。
【ハク】
(俺……これからどうなっちゃうんだろう……)
何度も繰り返した問いをまた自分に向ける。
【ハク】
(ほんっと……王子様、だよな……)
隣で眠るのは、出会ったばかりのかっこいい男。
いきなり俺を泊めてくれる、とてもいい人だ。
【ハク】
(……緑川さんのおかげでどうにかなったけど……)
しばらくは彼の家に居候……ということになるのだろうか。
【ハク】
(……頑張らなきゃ)
夜更かししていても仕方ない。
本当に大変なのは明日からだ。
【緑川】
「……っ……」
【ハク】
「……?」
少しでも疲れを取ろうと目を閉じると、隣で眠る緑川さんが身じろいだ。
【ハク】
「緑川さん……?」
【緑川】
「……っ……ううっ……」
なんだか苦しそうだ。
【ハク】
(……うなされてる……?)
悪い夢でも見ているのだろうか。
緑川さんは美しい眉を歪めて、うなされていた。
【ハク】
(緑川さんにもこんなところがあるんだ……)
【緑川】
「……ごめん」
【ハク】
「えっ……?」
かすかに聞こえた、緑川さんの寝言。
【緑川】
「ごめんなさ……」
【ハク】
「……?」
不思議に思うけれど、もう一度彼の寝顔を覗き込んだところで緑川さんは眠ったままだ。
【ハク】
(……ま、『王子様』もうなされる夜くらいあるだろ)
そこまで気に留めず、俺は再度眠りにつくことにした……。
【緑川】
「じゃあ今日は実際にお客様についてもらうから」
【ハク】
「はい!」
まず俺は、先輩のホストと一緒にお客様のテーブルにつくことになった。
【緑川】
「昨日見学したのを生かして、少しでもお客様が楽しめるよう頑張ってみて」
【緑川】
「うちは特にルールとかはないけど、お客様のために全力を尽くす、っていうのはモットーかな」
【ハク】
「わかりました」
【緑川】
「じゃあ……そうだ、モモのテーブルについて」
【ハク】
「はい!」
緑川さんに指示された通り、俺は桃島さんが接客しているテーブルにつく。
【桃島】
「あっれー、ユキちゃんじゃーん」
【女性客】
「えっ、この子だーれ?」
【桃島】
「ん? うちに入った新しいコ」
桃島さんは接客モードなので俺にも笑顔を向けてくれる。
【女性客】
「へ~、ユキちゃんっていうんだ」
【桃島】
「なぁユキ、自己紹介してみろって」
【ハク】
「えっと……ユキです。よろしくお願いします」
【桃島】
「それだけ?」
【ハク】
「えっ……」
桃島さんの顔が一瞬だけ、意地悪に微笑む。
【桃島】
「もっと何か言うことあんでしょ?」
【ハク】
「言うことって……」
【桃島】
「それだけじゃさすがにお客さんに失礼だって」
【桃島】
「ユキちゃんって子をお客さんにもっとアピールしないと」
【ハク】
「アピール、って……」
【桃島】
「早くしろよ」
【ハク】
「……!」
桃島さんのさりげない嫌がらせだ。
【ハク】
(どうしようっ……)
【桃島】
「一発芸とかでもいいんだけど?」
【ハク】
(そんなのないし……!)
【女性客】
「ユキちゃん?」
何もしゃべらないでいたら空気が悪くなってしまう。
どうしようと冷や汗をかいていた……そのとき。