本編
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《兆し》
いつものレッスンのあと、レッスンに付き添っていた山口が様子を見に来た政親に声をかけた。
【山口 遼太】
「お疲れ様です、黒田さん!」
【政親】
「様子はいかがですか」
政親は山口に缶コーヒーを手渡した。
【山口 遼太】
「あ、ありがとうございます!!えーと、まぁ……みなさん個性たっぷりなのでなかなか合わないっすね……」
いそいそと缶コーヒーのプルタブを開ける山口。
アイドル同士の「チームワーク」に不安を覚えているようだ。
【政親】
「個性がないアイドルなんて、求められていませんから」
【山口 遼太】
「あ、確かに……!俺が応援していたコも、なんかダメなところが支えてあげなきゃって感じがして……
つい応援するつもりでお金使っちゃって……握手会とか……」
【政親】
「チームワーク、などというものが芽生える為には、
もう少し時間が必要でしょう」
政親は書類に目を通しながら、山口に告げる。と―
【山口 遼太】
「お、俺も黒田さんと一緒の時間たくさん過ごしたいですっっ!!!」
体当たりするように抱きしめてくる山口。
政親はいつものこと、と言わんばかりに彼を引き剥がした。
《本番》
アイドル候補生が10人を超えるようになったポラリス・プロダクション。
営業要員にも個性が出るようになったため、アイドルたちの仕事も増えてきている。
今回はTV局が主催するイベントのライブイベントへの参加要請があったが、その前に実力を確かめるため、企画プロデューサーの前でパフォーマンスを見せることとなった。
【イベント企画P】
「この前はよかったよ~政親ちゃん。僕好みのコ揃えてくるとは思わなかったよ~」
【政親】
「本日は機会を作っていただき、心より感謝申し上げます。
ご満足いただけたようでなによりです。またなにかご用命があればご連絡いただければと。
とはいえもちろん、このようなチャンスをまた頂けると何よりなのですが」
腹の探り合いのような会話が、ビリビリと心地いい。
―やはり、この世界の水が合うようだ。
【イベント企画P】
「じゃあ早速だけど見せてもらおうか。呼んできてちょ~だい」
《絶頂》
【イベント企画P】
「いいじゃないのよ~!政親ちゃん!すごいよ、思ったよりとってもよかったよ」
【政親】
「では――」
【イベント企画P】
「もちろん、出演OK。まあとはいっても、よほどのことなければ出させてあげるつもりではいたけどね」
【政親】
「ありがとうございます。お褒めの言葉もいただき、光栄です」
【イベント企画P】
「政親ちゃん、アノ子たち化けるかもね。
技術はまだまだだけど、光るものが見えたよ。またなにか機会があれば声かけさせてもらうね」
そう言ってプロデューサーは満足気な様子で立ち去った。