[本編] 桃島 光彦 編
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―――桃島さんのおかげもあって、俺は日々ホストという仕事に慣れていくことができた。
基本的に俺は、桃島さんのヘルプに付いている。
【客】
「キミ、名前は?」
【ハク】
「ユキです」
俺は源氏名を『ユキ』と名乗ることになった。
【桃島】
「結構似合ってるよね、ユキって名前」
最初、俺は本名の『ハク』という名前でお客の前に出されそうになった。
【ハク】
「本名ですか!?」
【桃島】
「……ダメなの?」
【ハク】
「それは……前の会社の知り合いもいるし、親戚の手前もあるので……」
【桃島】
「あー、そっか。じゃあ……ハク……ハクって字だから……」
【桃島】
「ユキ、ってのは? 肌も白いし、似合ってるんじゃない?」
こういういきさつで、桃島さんに名前を考えてもらい、つけてもらった。
【客】
「ところでさあ、ユキくんの本名はなんて言うの?」
【ハク】
「えっ……」
もちろん、お客様にプライバシーを教えるのは厳禁だ。
【ハク】
「え、っと……それは……」
下手に教えられないと言ってお客様の気分を壊すのも良くない。
どう切り替えしていいか悩んでいると、桃島さんが助け舟を出してくれた。
【桃島】
「すみません、お客様。……ホストは秘密が多い方が楽しめるかと思いませんか?」
【客】
「あら、内緒なのね」
【ハク】
「すみません……」
【桃島】
「その代わり、俺の秘密をひとつ教えますよ」
【客】
「どんなの?」
【桃島】
「俺、実は……」
【桃島】
「この服脱いでハダカになると……」
【客】
「なになに?」
【桃島】
「臍の横に、ホクロがあるんです」
【客】
「あははっ、本当に?」
【桃島】
「そうなんですよー。これはお客様しか知らない、俺の秘密ですよ?」
【客】
「今度臍を見せる服で来たら?」
【桃島】
「御冗談。俺の秘密は……そう簡単にお教えしませんよ?」
【客】
「もう、モモってば」
【ハク】
(桃島さん……すごい)
ともすれば雰囲気を壊してしまいそうな俺のミス。
それを桃島さんが上手にフォローしてくれた。
【桃島】
「じゃ、また来てクダサイねー」
【ハク】
「あっ、ありがとうございました!」
先ほどの客が店をあとにする。
【桃島】
「お疲れっス。次、何時でしたっけ」
【ハク】
「あの! 桃島さん、さっきはありがとうございました」
【桃島】
「いーんだって。ハクさん、良かったよ。だいぶ接客うまくなった気がする」
【ハク】
「でも、本当のことを言ってしまいそうになって……」
【桃島】
「ああ、まあ……人間だれでもうっかりしちゃうことはあるしね」
【桃島】
「良くやってると思うよ。さっきのお客さんだって、結局あんたにメロメロだったしね」
【ハク】
「そんな……桃島さんのおかげです」
【桃島】
「俺が褒めてるんだから素直に受け取ってよ」
【ハク】
「そんな…」
【ハク】
「そう言ってもらえて嬉しいです」
【桃島】
「そうそう、そんな感じ」
【ハク】
(ホストなんて絶対に無理だと思ってたけど……)
なんだかんだ、桃島さんの助けもあってうまくやれている。
【桃島】
「で、次のお客は、っと……あ、もう来るじゃん」
【ハク】
「本当だ……あっ」
そう思った瞬間に、クラブのドアが来客を知らせるベルを鳴らした。
【桃島】
「いらっしゃいませ」
【ハク】
「いらっしゃいませっ」
桃島さんと一緒に、お客様をお出迎えする。
【桃島】
「ヒトミ、待ってたんだけど。……って、あれ。今日はひとりじゃないの?」
【ヒトミ】
「ええ。……フフ、こういう方、連れてきてはダメかしら?」
桃島さんを必ず指名する常連客のヒトミさんが連れてきたのは、かなりガタイのいい男だった。
【桃島】
「いや、大丈夫だけど……」
桃島さんの表情がかすかに揺れた。
【ハク】
(ホストクラブにも会社の接待とか打ち上げで男性やカップルが来ることはあるけど……)
【ハク】
(どうして桃島さん一途なヒトミさんが男の人を……?)
【ヒトミ】
「付いてくれるんでしょう、モモ?」
【桃島】
「……もちろん」
【ハク】
(なんか……嫌な予感がする……)
ヒトミさんの隣に桃島さんが腰かけ、俺はその男性の隣に座り、ヘルプに入ることになった。
【男】
「……で、酒は?」
【ハク】
「お酒のメニューはこちらに……」
【男】
「違ぇよ。お前は強いのかって聞いてんだよ」
【ハク】
「えっ……?」
チンピラのような口調で絡まれる。
基本的に俺は、桃島さんのヘルプに付いている。
【客】
「キミ、名前は?」
【ハク】
「ユキです」
俺は源氏名を『ユキ』と名乗ることになった。
【桃島】
「結構似合ってるよね、ユキって名前」
最初、俺は本名の『ハク』という名前でお客の前に出されそうになった。
【ハク】
「本名ですか!?」
【桃島】
「……ダメなの?」
【ハク】
「それは……前の会社の知り合いもいるし、親戚の手前もあるので……」
【桃島】
「あー、そっか。じゃあ……ハク……ハクって字だから……」
【桃島】
「ユキ、ってのは? 肌も白いし、似合ってるんじゃない?」
こういういきさつで、桃島さんに名前を考えてもらい、つけてもらった。
【客】
「ところでさあ、ユキくんの本名はなんて言うの?」
【ハク】
「えっ……」
もちろん、お客様にプライバシーを教えるのは厳禁だ。
【ハク】
「え、っと……それは……」
下手に教えられないと言ってお客様の気分を壊すのも良くない。
どう切り替えしていいか悩んでいると、桃島さんが助け舟を出してくれた。
【桃島】
「すみません、お客様。……ホストは秘密が多い方が楽しめるかと思いませんか?」
【客】
「あら、内緒なのね」
【ハク】
「すみません……」
【桃島】
「その代わり、俺の秘密をひとつ教えますよ」
【客】
「どんなの?」
【桃島】
「俺、実は……」
【桃島】
「この服脱いでハダカになると……」
【客】
「なになに?」
【桃島】
「臍の横に、ホクロがあるんです」
【客】
「あははっ、本当に?」
【桃島】
「そうなんですよー。これはお客様しか知らない、俺の秘密ですよ?」
【客】
「今度臍を見せる服で来たら?」
【桃島】
「御冗談。俺の秘密は……そう簡単にお教えしませんよ?」
【客】
「もう、モモってば」
【ハク】
(桃島さん……すごい)
ともすれば雰囲気を壊してしまいそうな俺のミス。
それを桃島さんが上手にフォローしてくれた。
【桃島】
「じゃ、また来てクダサイねー」
【ハク】
「あっ、ありがとうございました!」
先ほどの客が店をあとにする。
【桃島】
「お疲れっス。次、何時でしたっけ」
【ハク】
「あの! 桃島さん、さっきはありがとうございました」
【桃島】
「いーんだって。ハクさん、良かったよ。だいぶ接客うまくなった気がする」
【ハク】
「でも、本当のことを言ってしまいそうになって……」
【桃島】
「ああ、まあ……人間だれでもうっかりしちゃうことはあるしね」
【桃島】
「良くやってると思うよ。さっきのお客さんだって、結局あんたにメロメロだったしね」
【ハク】
「そんな……桃島さんのおかげです」
【桃島】
「俺が褒めてるんだから素直に受け取ってよ」
【ハク】
「そんな…」
【ハク】
「そう言ってもらえて嬉しいです」
【桃島】
「そうそう、そんな感じ」
【ハク】
(ホストなんて絶対に無理だと思ってたけど……)
なんだかんだ、桃島さんの助けもあってうまくやれている。
【桃島】
「で、次のお客は、っと……あ、もう来るじゃん」
【ハク】
「本当だ……あっ」
そう思った瞬間に、クラブのドアが来客を知らせるベルを鳴らした。
【桃島】
「いらっしゃいませ」
【ハク】
「いらっしゃいませっ」
桃島さんと一緒に、お客様をお出迎えする。
【桃島】
「ヒトミ、待ってたんだけど。……って、あれ。今日はひとりじゃないの?」
【ヒトミ】
「ええ。……フフ、こういう方、連れてきてはダメかしら?」
桃島さんを必ず指名する常連客のヒトミさんが連れてきたのは、かなりガタイのいい男だった。
【桃島】
「いや、大丈夫だけど……」
桃島さんの表情がかすかに揺れた。
【ハク】
(ホストクラブにも会社の接待とか打ち上げで男性やカップルが来ることはあるけど……)
【ハク】
(どうして桃島さん一途なヒトミさんが男の人を……?)
【ヒトミ】
「付いてくれるんでしょう、モモ?」
【桃島】
「……もちろん」
【ハク】
(なんか……嫌な予感がする……)
ヒトミさんの隣に桃島さんが腰かけ、俺はその男性の隣に座り、ヘルプに入ることになった。
【男】
「……で、酒は?」
【ハク】
「お酒のメニューはこちらに……」
【男】
「違ぇよ。お前は強いのかって聞いてんだよ」
【ハク】
「えっ……?」
チンピラのような口調で絡まれる。