[本編] 桃島 光彦 編
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緑川さんと再会した俺は……、その隣にいる美形にも目を奪われていた。
【緑川】
「えっとね、端的に言うと俺は……」
【ハク】
「待ってください、緑川さん!」
【緑川】
「ん? どうかした」
【桃島】
「……」
会話を止めた俺を、鮮やかな色をした髪の隙間から美形の瞳が睨みつけている。
【ハク】
「隣の……方は?」
【緑川】
「ああ。彼は桃島光彦っていうんだ」
【ハク】
「桃島……さん?」
【桃島】
「ども、桃島です」
【桃島】
「へぇ、君が新しく入った新人さん?カワイイ顔してるね」
【ハク】
「はぁ……」
バーでは馴染んでも、オフィス街には絶対馴染まない容姿のふたり。
【緑川】
「桃島は俺の後輩」
【ハク】
「後輩ってことは……桃島さんもホスト?」
「……そうだけど」
【ハク】
(うわあ……こんな美形ホスト、俺が客だったらのめり込んじゃうな)
初対面でそう思わせるくらいの美貌が、桃島さんにはあった。
長い前髪が顔を隠すのは勿体ないが、それさえも絶妙なバランスで彼の魅力を引き立てている。
【緑川】
「仲良くしてあげて。いい奴だから」
【桃島】
「……ってことで」
【ハク】
「はい……お願いします」
【緑川】
「で、俺が君に誘いをかけたのは他でもない」
【緑川】
「本気でホスト、やってみないかなと思って」
【ハク】
「でも……俺なんかにホストが務まるんですか?」
【緑川】
「はは、ホストっていう職業を特別に考えすぎだよ」
【緑川】
「いうなればただの接客業。食堂や居酒屋で働くのと一緒。大事なのはサービス精神」
【緑川】
「それに、キミ……今、家もないんでしょ?」
【桃島】
「えっ……家もないんですか?」
桃島さんも、さすがにその言葉には驚いていた。
【ハク】
「はい……住んでいたマンションが火事で燃えてしまって」
【緑川】
「うちのホストクラブは寮完備。給料も週払いOK。今のキミにはうってつけだと思うけど?」
【ハク】
「……!」
【ハク】
(正直言ってその条件はすごくありがたい。でも……)
【ハク】
「俺なんかのルックスで、ホストが務まるんですか?」
【ハク】
「ホストって……緑川さんや桃島さんみたいに、カッコイイ人がやらなきゃ意味がないんじゃ……」
【緑川】
「大丈夫。自信持って。なあ、桃島?」
【桃島】
「……そっスね、いいんじゃないですか。キャラかぶりもないし」
【緑川】
「だろ? けっこう俺見る目あるよね」
【ハク】
「どういう意味ですか……?」
【桃島】
「うちの店にあんたみたいな顔のヤツはいない。どっちかっていうとお高くとまってるような顔ばっかだ」
【桃島】
「それはそれで需要あるけど……あんたみたいなド天然で普通っぽいのも、人気出ると思う」
【緑川】
「桃島もそう思うだろ?」
【ハク】
「ド天然、って……」
【緑川】
「見た目が良ければだれでもホストになれるわけじゃない」
【緑川】
「逆に言えば、見た目以外の要素が、ホストを一流に仕立てる場合もある」
【緑川】
「キミの顔は魅力的だし、性格も……ふふっ。イケると思うけどなぁ、俺」
【ハク】
「緑川さん……」
【緑川】
「どう? やってみない? ホスト」
今まで普通の会社員だった俺に、ホストが務まるとは思えない。
【ハク】
(でも……これを断ったら俺はどうすれば……)
ここで頷けば、仕事も家にも不自由しないのだ。
緑川さんの、そして桃島さんの顔を交互に見る。
【桃島】
「チャンスだと思うけど」
【ハク】
「桃島さん……」
緑川さんだけじゃない、桃島さんも俺に勧めてくれた。
【ハク】
(……よし)
その言葉が俺を決心させる。
【ハク】
「やってみます! やらせてください」
【緑川】
「よろしくね。じゃあ……めくるめく夜の世界へようこそ、ハク 白くん」
【ハク】
「よろしくお願いします……!」
―――昨日の今日で、まさかこんな人生を送ることになるとは。
俺はとりあえずレンタルしてもらった一張羅に身を包み、今日からの勤務先となるホストクラブに来ていた。
【桃島】
「まずは見習いとして入店してもらうから」
【ハク】
「はい、よろしくお願いします」
桃島さんが俺の教育係をしてくれることになった。
【桃島】
「見習いって言っても、普通のホストと違うところは先輩と一緒に客に付くってだけ」
【桃島】
「客から見たらホストには変わりないから」
【ハク】
「わかりました……」
ホストの仕事……と、昔ドラマで見た記憶を一生懸命引っ張り出す。
【ハク】
(キラキラしていて、お客さんを喜ばせて、お酒を飲んで……)
【桃島】
「まあ、緊張しないでよ。ハクさんには俺がずっと付いてるし」
【ハク】
「やっぱり緊張してるの、わかりますか?」
【緑川】
「えっとね、端的に言うと俺は……」
【ハク】
「待ってください、緑川さん!」
【緑川】
「ん? どうかした」
【桃島】
「……」
会話を止めた俺を、鮮やかな色をした髪の隙間から美形の瞳が睨みつけている。
【ハク】
「隣の……方は?」
【緑川】
「ああ。彼は桃島光彦っていうんだ」
【ハク】
「桃島……さん?」
【桃島】
「ども、桃島です」
【桃島】
「へぇ、君が新しく入った新人さん?カワイイ顔してるね」
【ハク】
「はぁ……」
バーでは馴染んでも、オフィス街には絶対馴染まない容姿のふたり。
【緑川】
「桃島は俺の後輩」
【ハク】
「後輩ってことは……桃島さんもホスト?」
「……そうだけど」
【ハク】
(うわあ……こんな美形ホスト、俺が客だったらのめり込んじゃうな)
初対面でそう思わせるくらいの美貌が、桃島さんにはあった。
長い前髪が顔を隠すのは勿体ないが、それさえも絶妙なバランスで彼の魅力を引き立てている。
【緑川】
「仲良くしてあげて。いい奴だから」
【桃島】
「……ってことで」
【ハク】
「はい……お願いします」
【緑川】
「で、俺が君に誘いをかけたのは他でもない」
【緑川】
「本気でホスト、やってみないかなと思って」
【ハク】
「でも……俺なんかにホストが務まるんですか?」
【緑川】
「はは、ホストっていう職業を特別に考えすぎだよ」
【緑川】
「いうなればただの接客業。食堂や居酒屋で働くのと一緒。大事なのはサービス精神」
【緑川】
「それに、キミ……今、家もないんでしょ?」
【桃島】
「えっ……家もないんですか?」
桃島さんも、さすがにその言葉には驚いていた。
【ハク】
「はい……住んでいたマンションが火事で燃えてしまって」
【緑川】
「うちのホストクラブは寮完備。給料も週払いOK。今のキミにはうってつけだと思うけど?」
【ハク】
「……!」
【ハク】
(正直言ってその条件はすごくありがたい。でも……)
【ハク】
「俺なんかのルックスで、ホストが務まるんですか?」
【ハク】
「ホストって……緑川さんや桃島さんみたいに、カッコイイ人がやらなきゃ意味がないんじゃ……」
【緑川】
「大丈夫。自信持って。なあ、桃島?」
【桃島】
「……そっスね、いいんじゃないですか。キャラかぶりもないし」
【緑川】
「だろ? けっこう俺見る目あるよね」
【ハク】
「どういう意味ですか……?」
【桃島】
「うちの店にあんたみたいな顔のヤツはいない。どっちかっていうとお高くとまってるような顔ばっかだ」
【桃島】
「それはそれで需要あるけど……あんたみたいなド天然で普通っぽいのも、人気出ると思う」
【緑川】
「桃島もそう思うだろ?」
【ハク】
「ド天然、って……」
【緑川】
「見た目が良ければだれでもホストになれるわけじゃない」
【緑川】
「逆に言えば、見た目以外の要素が、ホストを一流に仕立てる場合もある」
【緑川】
「キミの顔は魅力的だし、性格も……ふふっ。イケると思うけどなぁ、俺」
【ハク】
「緑川さん……」
【緑川】
「どう? やってみない? ホスト」
今まで普通の会社員だった俺に、ホストが務まるとは思えない。
【ハク】
(でも……これを断ったら俺はどうすれば……)
ここで頷けば、仕事も家にも不自由しないのだ。
緑川さんの、そして桃島さんの顔を交互に見る。
【桃島】
「チャンスだと思うけど」
【ハク】
「桃島さん……」
緑川さんだけじゃない、桃島さんも俺に勧めてくれた。
【ハク】
(……よし)
その言葉が俺を決心させる。
【ハク】
「やってみます! やらせてください」
【緑川】
「よろしくね。じゃあ……めくるめく夜の世界へようこそ、ハク 白くん」
【ハク】
「よろしくお願いします……!」
―――昨日の今日で、まさかこんな人生を送ることになるとは。
俺はとりあえずレンタルしてもらった一張羅に身を包み、今日からの勤務先となるホストクラブに来ていた。
【桃島】
「まずは見習いとして入店してもらうから」
【ハク】
「はい、よろしくお願いします」
桃島さんが俺の教育係をしてくれることになった。
【桃島】
「見習いって言っても、普通のホストと違うところは先輩と一緒に客に付くってだけ」
【桃島】
「客から見たらホストには変わりないから」
【ハク】
「わかりました……」
ホストの仕事……と、昔ドラマで見た記憶を一生懸命引っ張り出す。
【ハク】
(キラキラしていて、お客さんを喜ばせて、お酒を飲んで……)
【桃島】
「まあ、緊張しないでよ。ハクさんには俺がずっと付いてるし」
【ハク】
「やっぱり緊張してるの、わかりますか?」