本編
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無意識のうち、溜息を吐いていた。
【万里】
「何が望みだ」
【三宮玲二】
「―――、お前に、子育ての楽しさを知って貰いたくてな」
【万里】
「ああ?」
【三宮玲二】
「お前の種でも、俺の種でも――俺の子供、って事にしておいてやるよ。
代わりに―――育ての親ってのをお前がやれ」
【万里】
「断る」
【三宮玲二】
「そう言うなって。お前、俺が執念深いって事、よく知ってるだろ?」
【万里】
「……息子を脅してんのか。相変わらず、下種野郎だな」
【三宮玲二】
「ん?まだ俺を父親だ、って慕ってくれてるのか。嬉しいねえ」
【万里】
「―――」
―――子供を育てるぐらい、何てことはない。
この男の思う通りに動かされ、あまつさえ「自分の子供も悪くない」なんて思った日に
悔しさを覚えるであろう事が…気に食わねえってだけの話だ――。
【万里】
「進藤さん」
【進藤】
「――っ…三宮…さん」
都内、某レストラン。
――スーツに身を包んだ進藤さんへ声をかけた。
【進藤】
「…偶然……、ですね」
【万里】
「――だと思う?」
【進藤】
「……え?……っ……あ……!」
【万里】
「あんた…、仕事相手と打ち合わせだったんだろう。
まだ近くにクライアントも居るんだろうに――、
俺の口からバラされちゃまずいこと、沢山あるよな」
【進藤】
「なっ……、に……を――?!」
びくり、と肩を震わせて。小動物よろしく、瞳を潤ませていた。
それは何も、恐怖ばかりを覚えての反応ではないと知っている。
【万里】
「屋敷に戻れよ。話はそれからだ」
【進藤】
「っ……でも……、……無理です――それは」
【万里】
「…………」
恐らく、俺が結婚でもすると思っているんだろう。
辛そうに目を伏せている。
――が。その誤解は解かないでおくつもりだ。
【進藤】
「っ……でも……、……無理です――それは
私には……、……辛すぎて…、……そんなこと、……許して、下さい…」
進藤さんはガキみたいな声で泣きだした。……可哀想に。
【万里】
「無理かどうかは、進藤さんが決める事じゃないだろ」
【進藤】
「っ……!」
メガネを奪い、顎を撫であげただけで簡単に反応する体。
何故、逃げられる、などと考えたのか。――自分で自分が解っていないらしい。
【万里】
「いつまで下らねえ茶番続けるんだ?
強硬手段にでも出て欲しい訳」
【進藤】
「―――、……っ…酷いです」
俺の傍に居たくてたまらない癖に。
他の女に盗られるところや、俺のガキが育っていくところなんか、見ていられないんだろう。
進藤さんの考えているような事態ではない、と弁明してやる気は起きない。
――勝手に逃げ出した罰は、受けて貰う。……だが、開放してやるつもりもなかった。
【万里】
「ハ。進藤さん、酷くて痛い方が好きじゃん」
【進藤】
「……………」
【万里】
「ほら。早く立てよ」
進藤さんはごく小さな声で「はい」と従順な返事をこぼしていた。
屋敷に進藤さんを連れ帰ると、水嶋が絶望と怒り、両方を混ぜた顔でコッチに駆け寄ってきた。
相手をしないで居てやれば、激昂したように声を荒げてきた為、
――二人とも、まとめて。たっぷりと躾直してやることにしよう…。
それから―――、例の赤ん坊が無事に生まれた。
DNA検査の結果、正真正銘俺の子である…と送られてきた書類には書かれていたが
書類自体偽造の可能性があり、何が真実かは解らない。
だが、この赤ん坊を育て上げなくてはならない事だけが確かな事だった…。
――――1年後。
引き取った赤ん坊――「千沙」はやっと人らしい形を成してきていた。
【丸山】
「あ~美味しいねえ、千沙ちゃん」
【五十嵐】
「千沙ちゃん。こっちも食べてみようか?美味しいよー!」
離乳食を与えながら、五十嵐と丸山があれこれ言葉をかけている。
【日ノ原】
「笑ってる。随分表情豊かになったなぁ」
【小野寺】
「…そうだな」
玲二の薦める「子育て」とやらに俺は関与していない。
だが、子供の世話をしたくてたまらない、って人種は…執事の中にも多くいる。
十分、事足りるだろう。
【連城】
「千沙、日に日に女の子、って感じになるなあ」
【浅葱】
「本当。目が二重になったんだね」
【松木】
「美人系って言うのかな…エリサちゃんより、三宮さん寄りの顔立ちだよね」
【十条】
「……縁起でもねぇ事言うなよ…。全然似てねえだろ」
松木さんはともかく…十条までヤニ下がったツラしてやがる。
―――俺は、まるで他人事のように見ていた。
【橘】
「ご主人様。こちらを、どうぞ」
【万里】
「―――」
手渡された手紙は、玲二からだった。
―――近いうち、屋敷に顔を出す、といった趣旨の事が書かれている。
千沙に会いたいとあるが――
【橘】
「先程お電話も頂戴しまして―――
ご主人様のいらっしゃる日をお聞きになられてましたが
回答をお待ち頂いております。
ご予定をお伝えしてもよろしいでしょうか」
【万里】
「……フン」
顔を合わせれば俺を殺したくなる…と言っていた癖。
流石に、孫の親を殺す――ってのは気が咎めるのか。
俺とも感動の対面…ってのをしたいらしい。
【万里】
「――俺と……エリサの都合がいい日を伝えろ」
【橘】
「エリサお嬢様もですか」
【万里】
「実態がねえ化け物みてぇに思ってるよりさっさと現実的に失望して――
外の世界を見た方がいいだろう」
【橘】
「左様でございますか」
【万里】
「幸い千沙もエリサも、女だ。グループの後継者なんてモン、強制せずに済む」
――三宮と血縁関係にない、俺の選んだ執事を、グループの幹部に据える。
三宮の血の効力を衰退させる未来に想いを馳せながらも、千沙という存在によって
奇妙な繋がりが「三宮」の根に拡がっているような気がした。
千沙にとって、育ての親は執事達で――
戸籍上は俺の妹で……本当は娘かもしれない。
―――それもまた、いいだろう。
俺の永遠が、秩序的な狂気を孕む三宮と共にあるように。
貰ってやった執事達の運命も…もう、どこにも戻れないのだから。
執事いじり~俺と永遠に契れ~ 完
【万里】
「何が望みだ」
【三宮玲二】
「―――、お前に、子育ての楽しさを知って貰いたくてな」
【万里】
「ああ?」
【三宮玲二】
「お前の種でも、俺の種でも――俺の子供、って事にしておいてやるよ。
代わりに―――育ての親ってのをお前がやれ」
【万里】
「断る」
【三宮玲二】
「そう言うなって。お前、俺が執念深いって事、よく知ってるだろ?」
【万里】
「……息子を脅してんのか。相変わらず、下種野郎だな」
【三宮玲二】
「ん?まだ俺を父親だ、って慕ってくれてるのか。嬉しいねえ」
【万里】
「―――」
―――子供を育てるぐらい、何てことはない。
この男の思う通りに動かされ、あまつさえ「自分の子供も悪くない」なんて思った日に
悔しさを覚えるであろう事が…気に食わねえってだけの話だ――。
【万里】
「進藤さん」
【進藤】
「――っ…三宮…さん」
都内、某レストラン。
――スーツに身を包んだ進藤さんへ声をかけた。
【進藤】
「…偶然……、ですね」
【万里】
「――だと思う?」
【進藤】
「……え?……っ……あ……!」
【万里】
「あんた…、仕事相手と打ち合わせだったんだろう。
まだ近くにクライアントも居るんだろうに――、
俺の口からバラされちゃまずいこと、沢山あるよな」
【進藤】
「なっ……、に……を――?!」
びくり、と肩を震わせて。小動物よろしく、瞳を潤ませていた。
それは何も、恐怖ばかりを覚えての反応ではないと知っている。
【万里】
「屋敷に戻れよ。話はそれからだ」
【進藤】
「っ……でも……、……無理です――それは」
【万里】
「…………」
恐らく、俺が結婚でもすると思っているんだろう。
辛そうに目を伏せている。
――が。その誤解は解かないでおくつもりだ。
【進藤】
「っ……でも……、……無理です――それは
私には……、……辛すぎて…、……そんなこと、……許して、下さい…」
進藤さんはガキみたいな声で泣きだした。……可哀想に。
【万里】
「無理かどうかは、進藤さんが決める事じゃないだろ」
【進藤】
「っ……!」
メガネを奪い、顎を撫であげただけで簡単に反応する体。
何故、逃げられる、などと考えたのか。――自分で自分が解っていないらしい。
【万里】
「いつまで下らねえ茶番続けるんだ?
強硬手段にでも出て欲しい訳」
【進藤】
「―――、……っ…酷いです」
俺の傍に居たくてたまらない癖に。
他の女に盗られるところや、俺のガキが育っていくところなんか、見ていられないんだろう。
進藤さんの考えているような事態ではない、と弁明してやる気は起きない。
――勝手に逃げ出した罰は、受けて貰う。……だが、開放してやるつもりもなかった。
【万里】
「ハ。進藤さん、酷くて痛い方が好きじゃん」
【進藤】
「……………」
【万里】
「ほら。早く立てよ」
進藤さんはごく小さな声で「はい」と従順な返事をこぼしていた。
屋敷に進藤さんを連れ帰ると、水嶋が絶望と怒り、両方を混ぜた顔でコッチに駆け寄ってきた。
相手をしないで居てやれば、激昂したように声を荒げてきた為、
――二人とも、まとめて。たっぷりと躾直してやることにしよう…。
それから―――、例の赤ん坊が無事に生まれた。
DNA検査の結果、正真正銘俺の子である…と送られてきた書類には書かれていたが
書類自体偽造の可能性があり、何が真実かは解らない。
だが、この赤ん坊を育て上げなくてはならない事だけが確かな事だった…。
――――1年後。
引き取った赤ん坊――「千沙」はやっと人らしい形を成してきていた。
【丸山】
「あ~美味しいねえ、千沙ちゃん」
【五十嵐】
「千沙ちゃん。こっちも食べてみようか?美味しいよー!」
離乳食を与えながら、五十嵐と丸山があれこれ言葉をかけている。
【日ノ原】
「笑ってる。随分表情豊かになったなぁ」
【小野寺】
「…そうだな」
玲二の薦める「子育て」とやらに俺は関与していない。
だが、子供の世話をしたくてたまらない、って人種は…執事の中にも多くいる。
十分、事足りるだろう。
【連城】
「千沙、日に日に女の子、って感じになるなあ」
【浅葱】
「本当。目が二重になったんだね」
【松木】
「美人系って言うのかな…エリサちゃんより、三宮さん寄りの顔立ちだよね」
【十条】
「……縁起でもねぇ事言うなよ…。全然似てねえだろ」
松木さんはともかく…十条までヤニ下がったツラしてやがる。
―――俺は、まるで他人事のように見ていた。
【橘】
「ご主人様。こちらを、どうぞ」
【万里】
「―――」
手渡された手紙は、玲二からだった。
―――近いうち、屋敷に顔を出す、といった趣旨の事が書かれている。
千沙に会いたいとあるが――
【橘】
「先程お電話も頂戴しまして―――
ご主人様のいらっしゃる日をお聞きになられてましたが
回答をお待ち頂いております。
ご予定をお伝えしてもよろしいでしょうか」
【万里】
「……フン」
顔を合わせれば俺を殺したくなる…と言っていた癖。
流石に、孫の親を殺す――ってのは気が咎めるのか。
俺とも感動の対面…ってのをしたいらしい。
【万里】
「――俺と……エリサの都合がいい日を伝えろ」
【橘】
「エリサお嬢様もですか」
【万里】
「実態がねえ化け物みてぇに思ってるよりさっさと現実的に失望して――
外の世界を見た方がいいだろう」
【橘】
「左様でございますか」
【万里】
「幸い千沙もエリサも、女だ。グループの後継者なんてモン、強制せずに済む」
――三宮と血縁関係にない、俺の選んだ執事を、グループの幹部に据える。
三宮の血の効力を衰退させる未来に想いを馳せながらも、千沙という存在によって
奇妙な繋がりが「三宮」の根に拡がっているような気がした。
千沙にとって、育ての親は執事達で――
戸籍上は俺の妹で……本当は娘かもしれない。
―――それもまた、いいだろう。
俺の永遠が、秩序的な狂気を孕む三宮と共にあるように。
貰ってやった執事達の運命も…もう、どこにも戻れないのだから。
執事いじり~俺と永遠に契れ~ 完
