本編
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【万里】
「浅葱―…浅葱はいるか?」
【浅葱】
「はい。なんでしょーか」
浅葱カイリは少しの恐怖と憎しみを笑顔で隠して俺に向きなおす。
【万里】
「この間見立ててくれたスーツの件だが…」
【浅葱】
「あ、はい…」
【万里】
「好評だったぞ。」
【浅葱】
「!」
【万里】
「俺がいつもと違うんでな。―特にご婦人方に好まれた。」
【浅葱】
「それは…良かったです。」
何か叱責されるかと思ったのか、浅葱はホっと肩を撫でおろした。
【万里】
「今度お前にスタイリングを頼みたいそうだ。」
【浅葱】
「え……?」
言いながら俺はとある政治家の名刺を渡す。
【万里】
「旦那改造計画したい、って奥方がはりきってたな。名刺から連絡しろ。」
【浅葱】
「い、いいんですか…?」
【万里】
「イイも何も…お前の手柄だ。どう使うかはお前次第だろう。」
【浅葱】
「…あ…、…有難うございます……。」
その人間の実力に見合った正当なチャンスを与える。これだけは経営者として欠かしてはならない。
誰の為でもない、自分の為に必要なことだ。
【万里】
「不服そうだな。あぁ…俺からの紹介じゃ疑ってかかって当然か。」
【浅葱】
「いえ…そんなつもりは……」
【浅葱】
「ここに来てからずっとよくして貰ってるんで……」
【万里】
「ふん?だったら俺の目を見て礼を言え。」
【浅葱】
「……………有難う…ございます……。」
浅葱は自分の中で葛藤があるのだろう。目線がぴたりと合う事はない。
感謝と憎しみと戸惑いで情緒不安定になっているように見えた。
【万里】
「そんな調子で礼を言われても…全然伝わってこねえな」
【浅葱】
「……!?―そんな…っ、」
【万里】
「お前にはまだまだ躾が必要だ―」
【浅葱】
「っ…ん………」
【万里】
「浅葱…お前は母親似だな。色の白さも―瞳も。俺の好きな色だ…」
【万里】
「親父の愛人だった女を盗んだ気分だな。…中々楽しい状況じゃないか。」
【浅葱】
「………!…………っ」
浅葱の表情が憎しみに揺らめく。しかし―それを今の立場が制する。
美しかった。
【万里】
「ああ―、そうだ。他の奥様連中も今度、お前を連れて来いと言っていたからな。」
【万里】
「近いうち、家に呼ばれるだろう。自分のスタイリングも考えておけ。」
【浅葱】
「……………!!」
【万里】
「返事をしろ。」
【浅葱】
「…………はい………」
【万里】
「つまらない復讐心は捨てて、お前はやるべき事に集中しろ」
【万里】
「そうすれば―三宮でも、日本でも、世界でもお前を生かしてやろう」
【万里】
「俺の手で…な」
【鈴木】
「お、おつかれさーん」
【御園】
「………ああ。」
【鈴木】
「御園お坊ちゃまはホンット三宮以外興味ねェんですねー」
【鈴木】
「そんなにアピールしなくてもいいんじゃないですか?」
【御園】
「…………………」
鈴木の―御園に絡んでいる声が聞こえる。鈴木は御園をからかう事が多いようだが御園が全く興味を示していない。
鈴木はそれを楽しんでいる様子だった。
しかし鈴木が御園に絡む理由はそれだけではないように見える。
【万里】
「お前ら、立ち話は控えろ。」
【鈴木】
「…どうも、ご主人様。ご機嫌いかがです?」
【万里】
「鈴木、大声で下らない話をするな。そんなに調教されたいのか。」
【御園】
「…………………」
御園への挑発を込めてわざと言ってみれば―明らかに鈴木へと羨む目を向けていた。
【鈴木】
「ああ…謂れのない恨みは買いたくないんでね。失礼しますよ」
気付いた鈴木がいいタイミングで去っていく。
御園はほんの少し満足そうに息を吐いた。
【万里】
(しかし…未だに解らん。何故俺がこうも気に入られてるのか。)
普段は、何故自分に相手が惹かれたのかつぶさに覚えているのだが―。
【万里】
「御園」
【御園】
「はい。」
【万里】
「お前…3か月前に作ったアプリが80万DLされたらしいな。広告収益で売上も上々だ。」
【万里】
「何が勝因だと思う?」
【御園】
「人は誰かと繋がりたいと潜在的に思っています。しかし同時に適度な距離が欲しいとも」
【御園】
「矛盾の両方を意味ある形で叶えるものであれば…必ず人が集まります」
出会うことは出来ない、けれど一瞬だけ、通話やメールで繋がることが出来る。
一見どうでもいいような接点だけで、刹那的に人生が重なる―そんな主旨のアプリだ。
目新しい技術は特に使っていないが、人間の愚かしい本能をうまく揺さぶっていた。
【万里】
「お前は…三宮一族以外で三宮マインドに一番近い人間かもしれない」
【万里】
「これからも人間を引きずり回せるビジネスを生め」
【御園】
「はい」
無邪気な笑顔を向ける御園。決して俺以外には向けることのない顔だ。
【御園】
「ご主人様…俺、今回いいことしましたか?」
「浅葱―…浅葱はいるか?」
【浅葱】
「はい。なんでしょーか」
浅葱カイリは少しの恐怖と憎しみを笑顔で隠して俺に向きなおす。
【万里】
「この間見立ててくれたスーツの件だが…」
【浅葱】
「あ、はい…」
【万里】
「好評だったぞ。」
【浅葱】
「!」
【万里】
「俺がいつもと違うんでな。―特にご婦人方に好まれた。」
【浅葱】
「それは…良かったです。」
何か叱責されるかと思ったのか、浅葱はホっと肩を撫でおろした。
【万里】
「今度お前にスタイリングを頼みたいそうだ。」
【浅葱】
「え……?」
言いながら俺はとある政治家の名刺を渡す。
【万里】
「旦那改造計画したい、って奥方がはりきってたな。名刺から連絡しろ。」
【浅葱】
「い、いいんですか…?」
【万里】
「イイも何も…お前の手柄だ。どう使うかはお前次第だろう。」
【浅葱】
「…あ…、…有難うございます……。」
その人間の実力に見合った正当なチャンスを与える。これだけは経営者として欠かしてはならない。
誰の為でもない、自分の為に必要なことだ。
【万里】
「不服そうだな。あぁ…俺からの紹介じゃ疑ってかかって当然か。」
【浅葱】
「いえ…そんなつもりは……」
【浅葱】
「ここに来てからずっとよくして貰ってるんで……」
【万里】
「ふん?だったら俺の目を見て礼を言え。」
【浅葱】
「……………有難う…ございます……。」
浅葱は自分の中で葛藤があるのだろう。目線がぴたりと合う事はない。
感謝と憎しみと戸惑いで情緒不安定になっているように見えた。
【万里】
「そんな調子で礼を言われても…全然伝わってこねえな」
【浅葱】
「……!?―そんな…っ、」
【万里】
「お前にはまだまだ躾が必要だ―」
【浅葱】
「っ…ん………」
【万里】
「浅葱…お前は母親似だな。色の白さも―瞳も。俺の好きな色だ…」
【万里】
「親父の愛人だった女を盗んだ気分だな。…中々楽しい状況じゃないか。」
【浅葱】
「………!…………っ」
浅葱の表情が憎しみに揺らめく。しかし―それを今の立場が制する。
美しかった。
【万里】
「ああ―、そうだ。他の奥様連中も今度、お前を連れて来いと言っていたからな。」
【万里】
「近いうち、家に呼ばれるだろう。自分のスタイリングも考えておけ。」
【浅葱】
「……………!!」
【万里】
「返事をしろ。」
【浅葱】
「…………はい………」
【万里】
「つまらない復讐心は捨てて、お前はやるべき事に集中しろ」
【万里】
「そうすれば―三宮でも、日本でも、世界でもお前を生かしてやろう」
【万里】
「俺の手で…な」
【鈴木】
「お、おつかれさーん」
【御園】
「………ああ。」
【鈴木】
「御園お坊ちゃまはホンット三宮以外興味ねェんですねー」
【鈴木】
「そんなにアピールしなくてもいいんじゃないですか?」
【御園】
「…………………」
鈴木の―御園に絡んでいる声が聞こえる。鈴木は御園をからかう事が多いようだが御園が全く興味を示していない。
鈴木はそれを楽しんでいる様子だった。
しかし鈴木が御園に絡む理由はそれだけではないように見える。
【万里】
「お前ら、立ち話は控えろ。」
【鈴木】
「…どうも、ご主人様。ご機嫌いかがです?」
【万里】
「鈴木、大声で下らない話をするな。そんなに調教されたいのか。」
【御園】
「…………………」
御園への挑発を込めてわざと言ってみれば―明らかに鈴木へと羨む目を向けていた。
【鈴木】
「ああ…謂れのない恨みは買いたくないんでね。失礼しますよ」
気付いた鈴木がいいタイミングで去っていく。
御園はほんの少し満足そうに息を吐いた。
【万里】
(しかし…未だに解らん。何故俺がこうも気に入られてるのか。)
普段は、何故自分に相手が惹かれたのかつぶさに覚えているのだが―。
【万里】
「御園」
【御園】
「はい。」
【万里】
「お前…3か月前に作ったアプリが80万DLされたらしいな。広告収益で売上も上々だ。」
【万里】
「何が勝因だと思う?」
【御園】
「人は誰かと繋がりたいと潜在的に思っています。しかし同時に適度な距離が欲しいとも」
【御園】
「矛盾の両方を意味ある形で叶えるものであれば…必ず人が集まります」
出会うことは出来ない、けれど一瞬だけ、通話やメールで繋がることが出来る。
一見どうでもいいような接点だけで、刹那的に人生が重なる―そんな主旨のアプリだ。
目新しい技術は特に使っていないが、人間の愚かしい本能をうまく揺さぶっていた。
【万里】
「お前は…三宮一族以外で三宮マインドに一番近い人間かもしれない」
【万里】
「これからも人間を引きずり回せるビジネスを生め」
【御園】
「はい」
無邪気な笑顔を向ける御園。決して俺以外には向けることのない顔だ。
【御園】
「ご主人様…俺、今回いいことしましたか?」
