本編
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二階堂は幸せそうに笑った。
自分の得意分野で仕事を与えて貰った事が嬉しいんだろう。
俺が何を考えているかも解らずに―…。
都内にあるイタリアンレストラン「cerchio-チェルキオ-」の仕入れに少し圧力をかけた。
肉の仕入れ等では劣るが、ワインの流通に関しては三宮グループが大本をまとめている為
cerchioのオーナーシェフは大層困っているに違いない。
【丸山】
「三宮さん……!」
その、大層困っているcerchioのシェフ―丸山凛太郎が屋敷に飛び込んできた。
【万里】
「ああ、丸山さん。久しぶりですね。その恰好も似合ってますよ」
俺はチェルキオの常連だ。リーズナブルで美味い。雑誌やテレビ等で騒がれようと驕らない謙虚さもある。
何より丸山の心遣いが店全体に溢れていて居心地がいいのだ。
丸山とはたわいもない会話をする仲ではあるが、店以外のプライベートで話すことはこれが初めてだった。
【丸山】
「橘さんから屋敷に居る時は…これを着た方がいいってすすめられて…」
【丸山】
「い、いえ!今はその話ではなくてですね、」
【万里】
「聞きましたよ…。今、どうも仕入れで困ってるみたいですね」
【丸山】
「そうです!たまたまお店にいらした橘さんに事情をお話しする機会があって…」
【丸山】
「三宮さんなら相談に乗ってくれるって聞いて…俺、…勢いあまって来てしまいました」
【万里】
「丸山さんのお店でワインが飲めないなんて…考えたくないですね。」
いつも精悍で豪快なオーナーシェフ・丸山がこんなにも慌てているなんて―
それだけで随分と愉快な光景である。
【万里】
「事情は解りました。何とかしましょう。グループにワインを扱っている商社がありますからね。」
【丸山】
「あ、有難うございます…!こんな…、よく知らない俺なんかの為に…ほんと有難うございます」
名誉も地位もある丸山にこうも頭を下げられるとそれだけでたまらない満足感があるが
今日はもう一仕事する必要があった。
【丸山】
「あの…三宮さん、俺に出来ることあったら何でもするんで、教えて下さい。」
【万里】
「何でも…ですか?」
【丸山】
「はい!何も…お礼出来ないままじゃ…モヤモヤするっつーか……」
丸山は人の良さそうな顔で言う。
―今だ。
俺は悪魔の言葉を囁いた。
【万里】
「じゃあ…この屋敷の執事になって貰えませんか。」
【丸山】
「………え………?」
【万里】
「俺、丸山さんの料理と…丸山さんのサービスが大好きなんです。家でも味わいたいなっていつも思ってました」
【丸山】
「きょ……恐縮です…」
【万里】
「それで…定休日等にうちの執事として…料理やサービスをふるまって貰えませんか。」
【万里】
「勿論、報酬はお支払します。」
【丸山】
「…!そんな…!それじゃあ、俺はただお仕事を追加で貰ってるだけなんで…お礼にならないです!!」
【万里】
「充分です。丸山さんのサービスは最高ですから。無償でなんて貰えません。」
【丸山】
「三宮さん……」
【万里】
「それで…一応、簡単に執事の心得とか俺からお伝えしてもいいですか。」
【丸山】
「是非!お願いします!」
【丸山】
「…う………ァ、」
【万里】
「丸山さん、大丈夫ですか?」
【丸山】
「あ、はい…大丈夫です。三宮さん、執事って大変なんですね…」
【丸山】
「他には何か…ありますか?」
【万里】
「そうですね…一応俺のことはご主人様って呼んで下さい。俺も敬語じゃなくなりますんで。」
【丸山】
「あ、そっか。
ご……ご主人さ…ま……、」
【万里】
「丸山さん、聞こえない」
【丸山】
「…!え……あ………!ッご主人、様……」
慣れないのか恥ずかしそうに目線を外してくる。
馬鹿だな、そんな風にされる程楽しくなるじゃないか。
【万里】
「…次からはもっとはっきり言えるようにしておけ。」
【万里】
「屋敷に居る間は料理以外の命令も受けて貰うからな。」
【丸山】
「!は、はい……」
丸山はお人好しでお節介。つけいる隙があり過ぎる男だ。
これからどんな奉仕をさせようか…考えただけで眠れない程昂ぶってくる。
前々から手に入れたいと思っていた獲物を手にすると興奮から過ちを犯してしまいそうだが…慎重にならねば。
これから、身も心の俺なしでは生きていけないように…どっぷり躾てやろう。
自分の得意分野で仕事を与えて貰った事が嬉しいんだろう。
俺が何を考えているかも解らずに―…。
都内にあるイタリアンレストラン「cerchio-チェルキオ-」の仕入れに少し圧力をかけた。
肉の仕入れ等では劣るが、ワインの流通に関しては三宮グループが大本をまとめている為
cerchioのオーナーシェフは大層困っているに違いない。
【丸山】
「三宮さん……!」
その、大層困っているcerchioのシェフ―丸山凛太郎が屋敷に飛び込んできた。
【万里】
「ああ、丸山さん。久しぶりですね。その恰好も似合ってますよ」
俺はチェルキオの常連だ。リーズナブルで美味い。雑誌やテレビ等で騒がれようと驕らない謙虚さもある。
何より丸山の心遣いが店全体に溢れていて居心地がいいのだ。
丸山とはたわいもない会話をする仲ではあるが、店以外のプライベートで話すことはこれが初めてだった。
【丸山】
「橘さんから屋敷に居る時は…これを着た方がいいってすすめられて…」
【丸山】
「い、いえ!今はその話ではなくてですね、」
【万里】
「聞きましたよ…。今、どうも仕入れで困ってるみたいですね」
【丸山】
「そうです!たまたまお店にいらした橘さんに事情をお話しする機会があって…」
【丸山】
「三宮さんなら相談に乗ってくれるって聞いて…俺、…勢いあまって来てしまいました」
【万里】
「丸山さんのお店でワインが飲めないなんて…考えたくないですね。」
いつも精悍で豪快なオーナーシェフ・丸山がこんなにも慌てているなんて―
それだけで随分と愉快な光景である。
【万里】
「事情は解りました。何とかしましょう。グループにワインを扱っている商社がありますからね。」
【丸山】
「あ、有難うございます…!こんな…、よく知らない俺なんかの為に…ほんと有難うございます」
名誉も地位もある丸山にこうも頭を下げられるとそれだけでたまらない満足感があるが
今日はもう一仕事する必要があった。
【丸山】
「あの…三宮さん、俺に出来ることあったら何でもするんで、教えて下さい。」
【万里】
「何でも…ですか?」
【丸山】
「はい!何も…お礼出来ないままじゃ…モヤモヤするっつーか……」
丸山は人の良さそうな顔で言う。
―今だ。
俺は悪魔の言葉を囁いた。
【万里】
「じゃあ…この屋敷の執事になって貰えませんか。」
【丸山】
「………え………?」
【万里】
「俺、丸山さんの料理と…丸山さんのサービスが大好きなんです。家でも味わいたいなっていつも思ってました」
【丸山】
「きょ……恐縮です…」
【万里】
「それで…定休日等にうちの執事として…料理やサービスをふるまって貰えませんか。」
【万里】
「勿論、報酬はお支払します。」
【丸山】
「…!そんな…!それじゃあ、俺はただお仕事を追加で貰ってるだけなんで…お礼にならないです!!」
【万里】
「充分です。丸山さんのサービスは最高ですから。無償でなんて貰えません。」
【丸山】
「三宮さん……」
【万里】
「それで…一応、簡単に執事の心得とか俺からお伝えしてもいいですか。」
【丸山】
「是非!お願いします!」
【丸山】
「…う………ァ、」
【万里】
「丸山さん、大丈夫ですか?」
【丸山】
「あ、はい…大丈夫です。三宮さん、執事って大変なんですね…」
【丸山】
「他には何か…ありますか?」
【万里】
「そうですね…一応俺のことはご主人様って呼んで下さい。俺も敬語じゃなくなりますんで。」
【丸山】
「あ、そっか。
ご……ご主人さ…ま……、」
【万里】
「丸山さん、聞こえない」
【丸山】
「…!え……あ………!ッご主人、様……」
慣れないのか恥ずかしそうに目線を外してくる。
馬鹿だな、そんな風にされる程楽しくなるじゃないか。
【万里】
「…次からはもっとはっきり言えるようにしておけ。」
【万里】
「屋敷に居る間は料理以外の命令も受けて貰うからな。」
【丸山】
「!は、はい……」
丸山はお人好しでお節介。つけいる隙があり過ぎる男だ。
これからどんな奉仕をさせようか…考えただけで眠れない程昂ぶってくる。
前々から手に入れたいと思っていた獲物を手にすると興奮から過ちを犯してしまいそうだが…慎重にならねば。
これから、身も心の俺なしでは生きていけないように…どっぷり躾てやろう。
