[本編] 浅多 侑思 編
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絶対服従して下僕になる。
それは、死神が、僕以外の誰かのものになるということか?
僕の隣にいる男が言った言葉が、僕の恐怖を吹き飛ばす。
鎌で首を切られかけていることも忘れて、頭の中で考える。
僕を助けてやるとか、リビドーをばら撒くのをやめるとか言っていたが、それはどうでもいい。
自分の命が無くなるんだとしても、何故か今は惜しくないし怖くもない。
リビドーの普及が止まれば、他の人間が助かるのかもしれないが。
この条件下で、名前も顔も知らない人間の身の安全を重要視できるほど、僕は善人ではない。
それくらいなら、自分の要求を通したい。
生まれて初めて手に入れたいと思った、たった1人の人物を、誰にも渡したくない。
【浅多 侑思】
「―――だ……」
許せない。
僕の呟きに、2人の視線が向いたような気がしたが、視界に入らない。
焦りで、視界がじわりと赤くなる。
他の誰かのものになるなんて、絶対に駄目だ。
むしろここで僕が死ねば、深い爪痕と共に、あいつの心の中に一生居座って。
あいつの心を支配できるのだと思うと、鎌に飛び込んでも良いくらいだ。
つくづく己が、自分さえ良ければそれでいい下等な人間だということを思い知らされたが。
こんなになりふり構わずに何かを欲しいと思ったのは初めてだと、少し感慨深くもある。
リビドーをばら撒いているらしい男を見上げると。
死神の返事を、今か今かと待ちわびている。
瞬きもせずに、欲望丸出しの目で死神を見詰めていて―――
――殺意が湧いた。
男に対する死神の様子は、冷静だった。
そして僕は更に慌てて、取り乱しそうになる。
【ユリス】
「動くな。本気で切り落とすよ」
思わず、僕の足が駆け出そうとしたのかもしれない。首筋に痛みが走る。
【クロノ】
「じっとしてろ。すぐ済む」
なんて優しい声だろう。
駄目だ。止めなくては。
こいつがそんな目をしている時は、ハラが決まりかけている。
おそらく、自分の中では、葛藤するほどのことじゃないんだろう。
自分が誰かのものになることなど、大したことじゃないと思ってるんだ。
―――僕がどれだけ、お前に執着し始めているかも知らないで。
【浅多 侑思】
「僕も入れろ」
2人が、不思議そうに僕を見た。
【浅多 侑思】
「2人で話を進めるな」
僕はすかさず、隣にいる男を見据えて。
死神の言葉を遮る様に声を出す。
【浅多 侑思】
「こいつは僕のだ!」
【クロノ】
「浅多…お前は口をはさむな」
死神が何か言っているが…今の僕には聞けない言葉だ。
【浅多 侑思】
「こいつの所有権の話なら、僕抜きでするなと言っている!!」
【ユリス】
「……ちょっと待って。何言っちゃってんの、こいつ」
男は、頭を抱えていて、死神はポカンとしていた。
そんな顔を僕がさせてやったのだと思うと、少し溜飲が下がった。
いつもペースを乱されるのは僕だからな。
僕がこれから言うことで、鎌男を刺激して、首を切り落とされるのかもしれないけど。
満足して死ねそうな気がしている。
【浅多 侑思】
「お前、あいつを下僕にしたいのか」
鎌男は、突然僕が話しかけたことに少し驚いたようだが、気分を害した様子はない。
【クロノ】
「……浅多、本気でちょっと黙ってろ」
死神が早口で告げた言葉を手で制して、鎌男が口角を上げる。
【ユリス】
「いいよいいよ。話するだけだから心配しなくていーよ」
【ユリス】
「むしろ、クロノがちょっと黙ってろ。じゃないとこいつの首切るよ」
【クロノ】
「……」
死神が、唇を噛み締めて押し黙ったのを確認して、鎌男が一歩僕に近づく。
【ユリス】
「あいつを俺の奴隷にしたいかどうか、だったよね」
【浅多 侑思】
「そうだ」
【ユリス】
「なら、答えはイエス。俺だけの奴隷にするよ」
【浅多 侑思】
「内容を具体的に言え」
【ユリス】
「……なにそれ。わざわざそんなこと聞きたいの? 物好きだね」
【浅多 侑思】
「重要なことなんでな」
余裕たっぷりに微笑んで、ゆっくりと顔を近づけてくる。
【ユリス】
「とても言葉にはできないようなこと、いーっぱいしてもらうし、するつもりだよ」
【浅多 侑思】
「却下だ。その権利は譲らない」
即答したせいか、2人とも閉口している。
だけど構わずに、僕は続けた。
【浅多 侑思】
「お前とあいつの関係性はわからないし、付き合いの長さも知らん」
【浅多 侑思】
「だが、その権利はどちらの要因にも左右されない」
【浅多 侑思】
「あいつの意思によるところだからだ」
【ユリス】
「……お前、俺の話聞いてた?決定権は俺にあるんだよ?」
鎌の柄で顎を持ち上げられた。
【ユリス】
「交換条件なの。お前を救う代わりに、自分が俺のものになれって言ってんの」
【ユリス】
「そこにあいつの意思なんていらないわけ。わかる?」
鎌男が、僕の耳に唇を近づけて、僕にだけ聞こえるようにささやいた。
【ユリス】
「この際、心なんていらない。体と魂だけあればいい」
言い終えると体を戻し、今まで通りの高圧的な表情に戻った。
……なるほど。こいつもこいつなりに、本気らしい。
しかし、困った。
全員男同士という異常な状態ではあるが、これは、俗にいう修羅場というやつなのかもしれない。
こういう場面を潜り慣れていないことが惜しまれる。
だが、要は自分の気持ちを言えばいいんだろう。
きっと、こいつがそうしているように。
包み隠さず、自分の欲求を正直に、照れずに言えばいいだけだ。
少しだけ息を吸って、覚悟を決めた。
おそらくあいつにも聞かれるだろうという、覚悟だった。
【浅多 侑思】
「さっきお前は、あいつの心なんていらないと言ったな」
【浅多 侑思】
「僕はきっと、それを手に入れるぞ。お前のように妥協したりはしない」
僕は迷わず手を伸ばして、自分の首に鎌が入るのも構わずに、そいつの頭を掴み―――
目と鼻の先まで引き寄せ、挑みかかるように告げた。
【浅多 侑思】
「2位になるのは、まっぴらなんでな」
熱いものに触れたように、鎌男が刃を引っ込めて、忌々しげに僕を睨みつける。
そして、死神を振り返り―――死神に見せつける様に、僕に向けて鎌を振り上げた。
しかし――死神が間に入って鎌でそれを受け止めた。
【ユリス】
「どいつもこいつも……!なんでだよ!」
【ユリス】
「テメーもテメーだ!!いっつもツンケンして俺をシカトしまくってたくせに」
【ユリス】
「この人間のことはシカトできないってか!?」
浅多とユリスのやり取りはところどころ聞こえたが。
俺は、動揺を隠すので精一杯だった。
あの浅多の口から、ここまで熱烈な台詞が出てると思うと。
平常心を保っていられなくなりそうだ。
我ながら、涼しい顔を装っていられることに感心する。
【クロノ】
「……そう。つか、」
頭に血が上っているユリスの質問に、俺は極力冷静に頷く。
【クロノ】
「お前に興味がない。というか、一緒にいると疲れる」
それは、死神が、僕以外の誰かのものになるということか?
僕の隣にいる男が言った言葉が、僕の恐怖を吹き飛ばす。
鎌で首を切られかけていることも忘れて、頭の中で考える。
僕を助けてやるとか、リビドーをばら撒くのをやめるとか言っていたが、それはどうでもいい。
自分の命が無くなるんだとしても、何故か今は惜しくないし怖くもない。
リビドーの普及が止まれば、他の人間が助かるのかもしれないが。
この条件下で、名前も顔も知らない人間の身の安全を重要視できるほど、僕は善人ではない。
それくらいなら、自分の要求を通したい。
生まれて初めて手に入れたいと思った、たった1人の人物を、誰にも渡したくない。
【浅多 侑思】
「―――だ……」
許せない。
僕の呟きに、2人の視線が向いたような気がしたが、視界に入らない。
焦りで、視界がじわりと赤くなる。
他の誰かのものになるなんて、絶対に駄目だ。
むしろここで僕が死ねば、深い爪痕と共に、あいつの心の中に一生居座って。
あいつの心を支配できるのだと思うと、鎌に飛び込んでも良いくらいだ。
つくづく己が、自分さえ良ければそれでいい下等な人間だということを思い知らされたが。
こんなになりふり構わずに何かを欲しいと思ったのは初めてだと、少し感慨深くもある。
リビドーをばら撒いているらしい男を見上げると。
死神の返事を、今か今かと待ちわびている。
瞬きもせずに、欲望丸出しの目で死神を見詰めていて―――
――殺意が湧いた。
男に対する死神の様子は、冷静だった。
そして僕は更に慌てて、取り乱しそうになる。
【ユリス】
「動くな。本気で切り落とすよ」
思わず、僕の足が駆け出そうとしたのかもしれない。首筋に痛みが走る。
【クロノ】
「じっとしてろ。すぐ済む」
なんて優しい声だろう。
駄目だ。止めなくては。
こいつがそんな目をしている時は、ハラが決まりかけている。
おそらく、自分の中では、葛藤するほどのことじゃないんだろう。
自分が誰かのものになることなど、大したことじゃないと思ってるんだ。
―――僕がどれだけ、お前に執着し始めているかも知らないで。
【浅多 侑思】
「僕も入れろ」
2人が、不思議そうに僕を見た。
【浅多 侑思】
「2人で話を進めるな」
僕はすかさず、隣にいる男を見据えて。
死神の言葉を遮る様に声を出す。
【浅多 侑思】
「こいつは僕のだ!」
【クロノ】
「浅多…お前は口をはさむな」
死神が何か言っているが…今の僕には聞けない言葉だ。
【浅多 侑思】
「こいつの所有権の話なら、僕抜きでするなと言っている!!」
【ユリス】
「……ちょっと待って。何言っちゃってんの、こいつ」
男は、頭を抱えていて、死神はポカンとしていた。
そんな顔を僕がさせてやったのだと思うと、少し溜飲が下がった。
いつもペースを乱されるのは僕だからな。
僕がこれから言うことで、鎌男を刺激して、首を切り落とされるのかもしれないけど。
満足して死ねそうな気がしている。
【浅多 侑思】
「お前、あいつを下僕にしたいのか」
鎌男は、突然僕が話しかけたことに少し驚いたようだが、気分を害した様子はない。
【クロノ】
「……浅多、本気でちょっと黙ってろ」
死神が早口で告げた言葉を手で制して、鎌男が口角を上げる。
【ユリス】
「いいよいいよ。話するだけだから心配しなくていーよ」
【ユリス】
「むしろ、クロノがちょっと黙ってろ。じゃないとこいつの首切るよ」
【クロノ】
「……」
死神が、唇を噛み締めて押し黙ったのを確認して、鎌男が一歩僕に近づく。
【ユリス】
「あいつを俺の奴隷にしたいかどうか、だったよね」
【浅多 侑思】
「そうだ」
【ユリス】
「なら、答えはイエス。俺だけの奴隷にするよ」
【浅多 侑思】
「内容を具体的に言え」
【ユリス】
「……なにそれ。わざわざそんなこと聞きたいの? 物好きだね」
【浅多 侑思】
「重要なことなんでな」
余裕たっぷりに微笑んで、ゆっくりと顔を近づけてくる。
【ユリス】
「とても言葉にはできないようなこと、いーっぱいしてもらうし、するつもりだよ」
【浅多 侑思】
「却下だ。その権利は譲らない」
即答したせいか、2人とも閉口している。
だけど構わずに、僕は続けた。
【浅多 侑思】
「お前とあいつの関係性はわからないし、付き合いの長さも知らん」
【浅多 侑思】
「だが、その権利はどちらの要因にも左右されない」
【浅多 侑思】
「あいつの意思によるところだからだ」
【ユリス】
「……お前、俺の話聞いてた?決定権は俺にあるんだよ?」
鎌の柄で顎を持ち上げられた。
【ユリス】
「交換条件なの。お前を救う代わりに、自分が俺のものになれって言ってんの」
【ユリス】
「そこにあいつの意思なんていらないわけ。わかる?」
鎌男が、僕の耳に唇を近づけて、僕にだけ聞こえるようにささやいた。
【ユリス】
「この際、心なんていらない。体と魂だけあればいい」
言い終えると体を戻し、今まで通りの高圧的な表情に戻った。
……なるほど。こいつもこいつなりに、本気らしい。
しかし、困った。
全員男同士という異常な状態ではあるが、これは、俗にいう修羅場というやつなのかもしれない。
こういう場面を潜り慣れていないことが惜しまれる。
だが、要は自分の気持ちを言えばいいんだろう。
きっと、こいつがそうしているように。
包み隠さず、自分の欲求を正直に、照れずに言えばいいだけだ。
少しだけ息を吸って、覚悟を決めた。
おそらくあいつにも聞かれるだろうという、覚悟だった。
【浅多 侑思】
「さっきお前は、あいつの心なんていらないと言ったな」
【浅多 侑思】
「僕はきっと、それを手に入れるぞ。お前のように妥協したりはしない」
僕は迷わず手を伸ばして、自分の首に鎌が入るのも構わずに、そいつの頭を掴み―――
目と鼻の先まで引き寄せ、挑みかかるように告げた。
【浅多 侑思】
「2位になるのは、まっぴらなんでな」
熱いものに触れたように、鎌男が刃を引っ込めて、忌々しげに僕を睨みつける。
そして、死神を振り返り―――死神に見せつける様に、僕に向けて鎌を振り上げた。
しかし――死神が間に入って鎌でそれを受け止めた。
【ユリス】
「どいつもこいつも……!なんでだよ!」
【ユリス】
「テメーもテメーだ!!いっつもツンケンして俺をシカトしまくってたくせに」
【ユリス】
「この人間のことはシカトできないってか!?」
浅多とユリスのやり取りはところどころ聞こえたが。
俺は、動揺を隠すので精一杯だった。
あの浅多の口から、ここまで熱烈な台詞が出てると思うと。
平常心を保っていられなくなりそうだ。
我ながら、涼しい顔を装っていられることに感心する。
【クロノ】
「……そう。つか、」
頭に血が上っているユリスの質問に、俺は極力冷静に頷く。
【クロノ】
「お前に興味がない。というか、一緒にいると疲れる」
