[本編] 浅多 侑思 編
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【浅多 侑思】
「……今度、何か贈ります」
【母】
「ふふ、そんなのいいわよ。それなら手紙の一通でも書いてちょうだい。
ねえ、お父さん」
【父】
「……ん」
【父】
「それより本当に良いのか。駅まで送るぞ」
【浅多 侑思】
「いえ、この後すぐに仕事なので。ありがとうございます」
見送りに出た残念そうな両親に、浅多はまた来ますと告げて、
俺たちはその家を離れた。
【クロノ】
「和解できて良かったな」
【浅多 侑思】
「……まだ納得できないことはあるが、有意義な時間だった」
【クロノ】
「どれだけ頑固……ま、お前らしいと言えばそうだけど」
浅多の育った街を見て回りながら、過去に受けた教育の話を聞いた。
厳しく躾けられたこと、なかなか認めてもらえなかったこと……。
【クロノ】
「行き過ぎてる感じはするが…きっとお前に幸せになって貰いたかったんだよ」
【浅多 侑思】
「今考えれば…そうなんだろうな。でも、昔はそんなこと思えるわけがない」
【浅多 侑思】
「社会人になった今でも、ミスをした時に思い出すのは
あの人達の怒り顔だ」
【クロノ】
「子供の幸せを願ってない親なんていないだろうし」
【クロノ】
「というと、お前はまた反抗しそうだな」
案の定、口を開きかけていた浅多が、
バツが悪そうに口を曲げる。
【浅多 侑思】
「……ともかく、付き合ってくれてありがとう。すまなかったな」
驚いて浅多の顔を見やると、僅かに頬が赤くなっている。
【クロノ】
「まさか、お前から素直に礼を言われるとは」
ずんずんと進んでいく浅多の背中を、俺は笑いながら追いかけた……。
歩いているうちに、街の景色は夕陽が沈み月明かりが照らしていた。
ここに見える全ての家に、色んな人間がいて、色んな魂があると思うと。
なんとなく、俺も喋りたい気分になった。
【クロノ】
「少し、俺の昔話をしよう」
興味深そうに見上げてくる浅多を見やって、俺は口を開く。
【クロノ】
「あまり面白い話じゃないと思うけど」
【浅多 侑思】
「いや、いい。聞かせてくれ」
【クロノ】
「……以前、仕事でさ。入退院を繰り返している子を迎えにいったんだ。その時、俺の存在を感知されてね。初めてのことだった」
【クロノ】
「最初、彼は俺が死神だと知って、喜んだんだ、もうすぐ楽になれるんだって…誰かが迎えにきてくれたってことが嬉しかったのかもしれない」
【クロノ】
「だけどそのうち、臓器提供者が見つかって。彼は喜んだよ。……俺も」
【クロノ】
「前に、お前にも言われたけど。俺は魂の運び屋でしかない」
【クロノ】
「寿命を決めるのは俺じゃない。そう書いてある書類に従って、俺達は動いてるだけだ」
【クロノ】
「だからその時も、寿命が突然伸びたことを俺が知らないだけだった。おそらく会議で決まったんだろう」
【クロノ】
「書類に書いてある寿命の日付を超えた以上、俺の仕事はそこで終わりだ」
【クロノ】
「だけど、彼の容態は一向に良くなる気配がなくて、俺は任務が終了した後も、彼の元に訪れて彼を励まし続けた」
【クロノ】
「そして、問い詰められた。いつ死ぬのか、それとも治るのかって」
【クロノ】
「だけど、わからないんだよ。俺が持ってる書類には、臓器提供者が現れる前の寿命しか書いてない」
【クロノ】
「寿命が書いてある書類は最重要書類だ。俺はもう彼の担当から外されていたから、そんな簡単に見られる訳がなかった」
【クロノ】
「…その内、彼は自ら命を絶った」
【クロノ】
「これで、終わり。……少しは暇つぶしになった?」
駅の前に辿り着くのにあわせて、話を終わらせた。
電車に乗ったけど、それから浅多は、しばらく何も言わなかった。
―浅多2章・NORMAL END―
「……今度、何か贈ります」
【母】
「ふふ、そんなのいいわよ。それなら手紙の一通でも書いてちょうだい。
ねえ、お父さん」
【父】
「……ん」
【父】
「それより本当に良いのか。駅まで送るぞ」
【浅多 侑思】
「いえ、この後すぐに仕事なので。ありがとうございます」
見送りに出た残念そうな両親に、浅多はまた来ますと告げて、
俺たちはその家を離れた。
【クロノ】
「和解できて良かったな」
【浅多 侑思】
「……まだ納得できないことはあるが、有意義な時間だった」
【クロノ】
「どれだけ頑固……ま、お前らしいと言えばそうだけど」
浅多の育った街を見て回りながら、過去に受けた教育の話を聞いた。
厳しく躾けられたこと、なかなか認めてもらえなかったこと……。
【クロノ】
「行き過ぎてる感じはするが…きっとお前に幸せになって貰いたかったんだよ」
【浅多 侑思】
「今考えれば…そうなんだろうな。でも、昔はそんなこと思えるわけがない」
【浅多 侑思】
「社会人になった今でも、ミスをした時に思い出すのは
あの人達の怒り顔だ」
【クロノ】
「子供の幸せを願ってない親なんていないだろうし」
【クロノ】
「というと、お前はまた反抗しそうだな」
案の定、口を開きかけていた浅多が、
バツが悪そうに口を曲げる。
【浅多 侑思】
「……ともかく、付き合ってくれてありがとう。すまなかったな」
驚いて浅多の顔を見やると、僅かに頬が赤くなっている。
【クロノ】
「まさか、お前から素直に礼を言われるとは」
ずんずんと進んでいく浅多の背中を、俺は笑いながら追いかけた……。
歩いているうちに、街の景色は夕陽が沈み月明かりが照らしていた。
ここに見える全ての家に、色んな人間がいて、色んな魂があると思うと。
なんとなく、俺も喋りたい気分になった。
【クロノ】
「少し、俺の昔話をしよう」
興味深そうに見上げてくる浅多を見やって、俺は口を開く。
【クロノ】
「あまり面白い話じゃないと思うけど」
【浅多 侑思】
「いや、いい。聞かせてくれ」
【クロノ】
「……以前、仕事でさ。入退院を繰り返している子を迎えにいったんだ。その時、俺の存在を感知されてね。初めてのことだった」
【クロノ】
「最初、彼は俺が死神だと知って、喜んだんだ、もうすぐ楽になれるんだって…誰かが迎えにきてくれたってことが嬉しかったのかもしれない」
【クロノ】
「だけどそのうち、臓器提供者が見つかって。彼は喜んだよ。……俺も」
【クロノ】
「前に、お前にも言われたけど。俺は魂の運び屋でしかない」
【クロノ】
「寿命を決めるのは俺じゃない。そう書いてある書類に従って、俺達は動いてるだけだ」
【クロノ】
「だからその時も、寿命が突然伸びたことを俺が知らないだけだった。おそらく会議で決まったんだろう」
【クロノ】
「書類に書いてある寿命の日付を超えた以上、俺の仕事はそこで終わりだ」
【クロノ】
「だけど、彼の容態は一向に良くなる気配がなくて、俺は任務が終了した後も、彼の元に訪れて彼を励まし続けた」
【クロノ】
「そして、問い詰められた。いつ死ぬのか、それとも治るのかって」
【クロノ】
「だけど、わからないんだよ。俺が持ってる書類には、臓器提供者が現れる前の寿命しか書いてない」
【クロノ】
「寿命が書いてある書類は最重要書類だ。俺はもう彼の担当から外されていたから、そんな簡単に見られる訳がなかった」
【クロノ】
「…その内、彼は自ら命を絶った」
【クロノ】
「これで、終わり。……少しは暇つぶしになった?」
駅の前に辿り着くのにあわせて、話を終わらせた。
電車に乗ったけど、それから浅多は、しばらく何も言わなかった。
―浅多2章・NORMAL END―
