[本編] 春川 樹生 編
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【カイン】
「恋愛とか、興味ないから」
【クロノ】
(恋愛には興味なし……。だから恋人とも長続きしなかったのか)
【イクシード】
「……へえ?まあ具体的に言いたくないなら別にいいけどさwww」
【イクシード】
「悪夢見始めたらやべーらしいよ?wwあんたは見たことある?ww
あったら教えてくんない?www」
【カイン】
「悪夢はまだ無い。」
【カイン】
「毎日幸せだ。夢の中だけが癒やされる場所だ。」
【クロノ】
「悪夢?願望以外の夢を見るってこと?」
【クロノ】
「じい、リビドーの悪夢について何か知ってる?」
【アンク】
「いえ、資料には何もございませんでした」
【クロノ】
「…じゃあ、悪夢についても調べてみる必要があるってことか」
【クロノ】
「それにしても、この春川のチャット相手……リビドーについて、かなり詳しいっぽい」
【クロノ】
「……接触してみたら、何か出るかもしれない」
【アンク】
「調査いたしますか?」
【クロノ】
「明日にする。今日はこのまま春川の調査」
【アンク】
「承知いたしました」
それからしばらく春川を観察したけど、有益な情報は得られない。
春川が随分とリビドーにハマってるらしい事はわかったけど……。
やめさせる為のキーワードは見つからない。
チャットを終えた春川が、ベッドに横になる。
頭にはリビドーがセットされている。
そのまま少し待つと、寝息が聞こえてきた。
【クロノ】
「そろそろ夢に介入する」
【クロノ】
「こいつもぐっすり眠ってるみたいだし」
【アンク】
「はい、お気をつけて」
じいに手渡されたヘッドセットを装着し、春川の横に寝転がる。
【クロノ】
「それじゃ、行ってくる」
【アンク】
「いってらっしゃいませ」
目を閉じ、スイッチを入れる。
他人の夢に入る際の、嫌な衝撃が襲ってきた。
【クロノ】
(この感覚、早く慣れたいもんだけど……)
【クロノ】
「ん……?この部屋は…」
目を開けると、昨日見た夢と全く同じ部屋だった。
現実とは、ほんの少し雰囲気の違う春川の部屋。
ベッドの上には二人の兄弟が座っていて、楽しそうにテレビゲームをしている。
【クロノ】
(これは昨日の夢の続き……?)
相変わらず他の人間は一切出てこない―――たった二人の世界。
立ち上がり、春川の隣に腰を下ろす。
【クロノ】
「こんばんは。また弟の夢?」
いきなり話しかけた俺に、春川は昨日と同じように穏やかな顔を俺に向ける。
【春川 樹生】
「いきなり現れたと思ったら……
あんたか、死神さん」
【クロノ】
「また俺で悪いね」
【春川 樹生】
「……そういう意味じゃないけど」
【クロノ】
「……で、リビドーやめる決心は?」
春川は顔をそむけ、諦めたような笑みを見せる。
【春川 樹生】
「あんたがオレを助けようとしてるのはわかった」
【春川 樹生】
「けどな……もう構わないでくれ。オレはここに居たいんだ」
【クロノ】
「そうはいかない」
【クロノ】
「あんたを夢の世界から引っ張りだすのが俺の仕事」
【春川 樹生】
「……リビドーをやめる気は無い」
【春川 樹生】
「言えるのはそれだけだ」
【クロノ】
「あんたはLIPで時間延長して、寿命削ってまで毎日毎日、弟の夢見てるけど」
【クロノ】
「たまには女の夢でも見たら?」
【春川 樹生】
「……あんたには……関係無いだろ」
【春川 樹生】
「オレの夢なんだ。オレの好きなようにするさ」
春川の表情が少し暗くなるのがわかった。
【クロノ】
(……やっぱり憧憬夢の目的は、弟で決まりか?)
【春川 生汰】
「ねえ、そこの人」
【クロノ】
「…っ………!」
今まで俺に見向きもしなかった弟が、じっと顔を見つめながら話しかけてくる。
その目には、強い意思と、暗い光が感じられた。
【春川 樹生】
「生汰……?死神が見えるのか……?」
春川は驚いたように、目の前の弟を見つめている。
【春川 生汰】
「お願いだから、ここから出て行ってよ」
【春川 生汰】
「ここは……僕とお兄ちゃんの場所だ」
【春川 樹生】
「生汰、大丈夫だよ。この人、悪い人じゃなさそうだし」
【クロノ】
「……つーか、これは、あんたが望んだこと?弟に話しかけさせるって?」
【春川 樹生】
「いや、違う。オレは何も……」
【春川 生汰】
「僕から……、僕からお兄ちゃんをとらないで!!」
突然、怒りが滲んだ大声を浴びせられる。
事態の急変に春川も慌てているようだった。
【クロノ】
「な、なんだ……?!」
【春川 生汰】
「あんたは邪魔なんだよ!ここから出て行ってよ!」
【クロノ】
「また、壁が……歪んでる」
弟が叫ぶ度に部屋の歪みが酷くなっている。
春川の精神状態とは別の条件で、夢に異常が起きているのかもしれない。
部屋の状態は、昨日よりも酷い。
【春川 樹生】
「生汰、大丈夫だよ。落ち着いてくれ」
弟を必死になだめていた春川が俺を睨む。
その強い眼光も一瞬だけで、すぐに冷静さを取り戻して言う。
【春川 樹生】
「頼む。もう消えてくれ。これ以上弟を苦しめたくない」
「恋愛とか、興味ないから」
【クロノ】
(恋愛には興味なし……。だから恋人とも長続きしなかったのか)
【イクシード】
「……へえ?まあ具体的に言いたくないなら別にいいけどさwww」
【イクシード】
「悪夢見始めたらやべーらしいよ?wwあんたは見たことある?ww
あったら教えてくんない?www」
【カイン】
「悪夢はまだ無い。」
【カイン】
「毎日幸せだ。夢の中だけが癒やされる場所だ。」
【クロノ】
「悪夢?願望以外の夢を見るってこと?」
【クロノ】
「じい、リビドーの悪夢について何か知ってる?」
【アンク】
「いえ、資料には何もございませんでした」
【クロノ】
「…じゃあ、悪夢についても調べてみる必要があるってことか」
【クロノ】
「それにしても、この春川のチャット相手……リビドーについて、かなり詳しいっぽい」
【クロノ】
「……接触してみたら、何か出るかもしれない」
【アンク】
「調査いたしますか?」
【クロノ】
「明日にする。今日はこのまま春川の調査」
【アンク】
「承知いたしました」
それからしばらく春川を観察したけど、有益な情報は得られない。
春川が随分とリビドーにハマってるらしい事はわかったけど……。
やめさせる為のキーワードは見つからない。
チャットを終えた春川が、ベッドに横になる。
頭にはリビドーがセットされている。
そのまま少し待つと、寝息が聞こえてきた。
【クロノ】
「そろそろ夢に介入する」
【クロノ】
「こいつもぐっすり眠ってるみたいだし」
【アンク】
「はい、お気をつけて」
じいに手渡されたヘッドセットを装着し、春川の横に寝転がる。
【クロノ】
「それじゃ、行ってくる」
【アンク】
「いってらっしゃいませ」
目を閉じ、スイッチを入れる。
他人の夢に入る際の、嫌な衝撃が襲ってきた。
【クロノ】
(この感覚、早く慣れたいもんだけど……)
【クロノ】
「ん……?この部屋は…」
目を開けると、昨日見た夢と全く同じ部屋だった。
現実とは、ほんの少し雰囲気の違う春川の部屋。
ベッドの上には二人の兄弟が座っていて、楽しそうにテレビゲームをしている。
【クロノ】
(これは昨日の夢の続き……?)
相変わらず他の人間は一切出てこない―――たった二人の世界。
立ち上がり、春川の隣に腰を下ろす。
【クロノ】
「こんばんは。また弟の夢?」
いきなり話しかけた俺に、春川は昨日と同じように穏やかな顔を俺に向ける。
【春川 樹生】
「いきなり現れたと思ったら……
あんたか、死神さん」
【クロノ】
「また俺で悪いね」
【春川 樹生】
「……そういう意味じゃないけど」
【クロノ】
「……で、リビドーやめる決心は?」
春川は顔をそむけ、諦めたような笑みを見せる。
【春川 樹生】
「あんたがオレを助けようとしてるのはわかった」
【春川 樹生】
「けどな……もう構わないでくれ。オレはここに居たいんだ」
【クロノ】
「そうはいかない」
【クロノ】
「あんたを夢の世界から引っ張りだすのが俺の仕事」
【春川 樹生】
「……リビドーをやめる気は無い」
【春川 樹生】
「言えるのはそれだけだ」
【クロノ】
「あんたはLIPで時間延長して、寿命削ってまで毎日毎日、弟の夢見てるけど」
【クロノ】
「たまには女の夢でも見たら?」
【春川 樹生】
「……あんたには……関係無いだろ」
【春川 樹生】
「オレの夢なんだ。オレの好きなようにするさ」
春川の表情が少し暗くなるのがわかった。
【クロノ】
(……やっぱり憧憬夢の目的は、弟で決まりか?)
【春川 生汰】
「ねえ、そこの人」
【クロノ】
「…っ………!」
今まで俺に見向きもしなかった弟が、じっと顔を見つめながら話しかけてくる。
その目には、強い意思と、暗い光が感じられた。
【春川 樹生】
「生汰……?死神が見えるのか……?」
春川は驚いたように、目の前の弟を見つめている。
【春川 生汰】
「お願いだから、ここから出て行ってよ」
【春川 生汰】
「ここは……僕とお兄ちゃんの場所だ」
【春川 樹生】
「生汰、大丈夫だよ。この人、悪い人じゃなさそうだし」
【クロノ】
「……つーか、これは、あんたが望んだこと?弟に話しかけさせるって?」
【春川 樹生】
「いや、違う。オレは何も……」
【春川 生汰】
「僕から……、僕からお兄ちゃんをとらないで!!」
突然、怒りが滲んだ大声を浴びせられる。
事態の急変に春川も慌てているようだった。
【クロノ】
「な、なんだ……?!」
【春川 生汰】
「あんたは邪魔なんだよ!ここから出て行ってよ!」
【クロノ】
「また、壁が……歪んでる」
弟が叫ぶ度に部屋の歪みが酷くなっている。
春川の精神状態とは別の条件で、夢に異常が起きているのかもしれない。
部屋の状態は、昨日よりも酷い。
【春川 樹生】
「生汰、大丈夫だよ。落ち着いてくれ」
弟を必死になだめていた春川が俺を睨む。
その強い眼光も一瞬だけで、すぐに冷静さを取り戻して言う。
【春川 樹生】
「頼む。もう消えてくれ。これ以上弟を苦しめたくない」
