[本編] 浅多 侑思 編
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【クロノ】
「……そういえば、夢の中で景色が歪んだのは、何が原因だったんだ?」
他のことを調べるので手一杯で、そこまで気が回らなかった。
だけど、じいのことだから、この新型リビドーに何らかの対策をしてくれてる気もする。
詳しいことは実践でって言ってたから、その時に聞けばいいか。
呼べば、すぐに来てくれるだろう。
面倒に思いながら、浅多の部屋へと行き、リビドーをセットして、夢の中へ侵入する。
だけど、いつもと様子が違う。
夢の中に深く潜るにつれて、景色が変化していく。
【クロノ】
「ここは……」
どこかの一軒家の前に辿り着く。
その中から、浅多の気配を感じたので、塀を飛び越えて庭へ向かう。
そこから見える居間に、浅多の姿があった。
【父親】
「おめでとう!さすがは私達の息子だ」
【母親】
「本当に鼻が高いわ。この若さで海外部署のマネージャーだなんて」
浅多の手を握り締め、弾けんばかりの笑顔を浮かべているのは、初老の男性と女性。
奴が大人しく手を握られているのを見ると、おそらく2人は両親だろう。
【父親】
「幼い頃は、厳しくし過ぎて悪かった」
【父親】
「お前は、自慢の息子だ」
【母親】
「ええ、自慢の息子よ」
……やっぱり両親らしい。
だけど浅多は、両親の笑顔とは対称的な表情だった。
笑顔だけど薄ら微笑んでいるというよりは、バカにしているようにも思える。
自分の正しさを信じきっているかのように。
俺は、顔をしかめた。
―――また逃避してる。
色褪せた思い出にすがりついて、虚構の愛をむさぼっている。
だけど、わざわざ両親の夢を見てるくらいだ。
きっと両親が何かの引き金になっているのかもしれない。
何らかのトラウマがある限り、浅多はリビドーを使うことをやめないだろう。
―――それなら、俺は黙って見てるわけにはいかない。
俺はすぐに壁をすり抜けて、彼らの前に姿を現した。
浅多はすぐに目の色を変えて立ち上がった。
しかし夢の中とだけあって、両親は一点を見つめたまま動きを止めている。
【浅多 侑思】
「お前、実家にまで……!どうしてしつこく僕を追い回す?
警察を呼ぶぞ!」
【クロノ】
「また夢心地か。お前を助けに来た死神だって、
初めから話してるだろ」
【浅多 侑思】
「どうしようと僕の勝手だ。見知らぬ他人に、
あれこれ言われる筋合いはない」
そう言って、浅多は居間から立ち去ろうとする。
―――俺はすかさず、その腕を掴んだ。
振り払われまいと、俺はしっかりと浅多の手首を握りしめる。
【浅多 侑思】
「―だから、僕に触るなと何度…」
【クロノ】
「逃げないで話を聞け」
【浅多 侑思】
「お前と話すことなんてない!」
【クロノ】
「いいか、お前もわかってると思うけど、ここは現実じゃない」
【浅多 侑思】
「―――」
【クロノ】
「そこにいる人達も、お前の妄想でしかない」
【浅多 侑思】
「―――黙れ!! お前に何がわかる!!」
浅多がそう叫んだ途端、家の中がぐにゃりと歪む。
【クロノ】
(くそっ、またこの現象か……なんだ?何が原因でこうなる?)
俺の存在を、俺の言葉を、こいつが拒絶しているからか?
自分に不利益なことを言われていると思ってるからか?
―――そうだ、新型リビドーの裏スイッチとやらで、
何とかできないだろうか。
【クロノ】
「おい、じい―――」
その時―――
今まで置物のようだった両親の姿が歪んで、別の形へと変化していく。
家を、世界を、轟音と共に巻き込んで、積乱雲のように形を変えていく黒い影。
【浅多 侑思】
「なっ……なんだ、これは」
恐慌状態に陥った浅多は、その場にへたれ込み、目を見開いてその異様な光景を見上げている。
ここにいるのは危険かな…。
化物が壊した屋根から、へたり込んでいる浅多を横抱きにして外へと出る。
ひとまず、少し離れた道路に浅多を下ろすと、全く力が入らないのかそのまま、座りこんだ。
未だに、途方に暮れたようなその表情と、この前見た浅多の辛そうな寝顔が重なった。
…この前も、このような夢でも見ていたのだろうか。
俺のせいで、こうなってしまったのか…理由は分からない。
だけど、おそらく俺は、これから何度もこの夢を訪れる。
そのたびに現実世界では、あんな苦しそうにしているのかと思うと―――。
少し、辛い。
馬鹿らしいけど、じいが言ってたように。
姫を夢の世界から救い出すのは、王子の役目なのかもしれない。
死神である俺が王子だなんて…笑える。
だけど、ここで助けないという選択肢はない。
へたれ込んでいる浅多を見ると、助けなれば―――そう思った。
【クロノ】
「王子なんてガラじゃないんだけどな」
思わず、苦笑いがこぼれる。
足を一歩踏み出し―――
―――変貌しようとしている影を見据える。
そして、俺は怠惰な動作で鎌を生成した。
【クロノ】
「まあ…これも仕事だからね」
「……そういえば、夢の中で景色が歪んだのは、何が原因だったんだ?」
他のことを調べるので手一杯で、そこまで気が回らなかった。
だけど、じいのことだから、この新型リビドーに何らかの対策をしてくれてる気もする。
詳しいことは実践でって言ってたから、その時に聞けばいいか。
呼べば、すぐに来てくれるだろう。
面倒に思いながら、浅多の部屋へと行き、リビドーをセットして、夢の中へ侵入する。
だけど、いつもと様子が違う。
夢の中に深く潜るにつれて、景色が変化していく。
【クロノ】
「ここは……」
どこかの一軒家の前に辿り着く。
その中から、浅多の気配を感じたので、塀を飛び越えて庭へ向かう。
そこから見える居間に、浅多の姿があった。
【父親】
「おめでとう!さすがは私達の息子だ」
【母親】
「本当に鼻が高いわ。この若さで海外部署のマネージャーだなんて」
浅多の手を握り締め、弾けんばかりの笑顔を浮かべているのは、初老の男性と女性。
奴が大人しく手を握られているのを見ると、おそらく2人は両親だろう。
【父親】
「幼い頃は、厳しくし過ぎて悪かった」
【父親】
「お前は、自慢の息子だ」
【母親】
「ええ、自慢の息子よ」
……やっぱり両親らしい。
だけど浅多は、両親の笑顔とは対称的な表情だった。
笑顔だけど薄ら微笑んでいるというよりは、バカにしているようにも思える。
自分の正しさを信じきっているかのように。
俺は、顔をしかめた。
―――また逃避してる。
色褪せた思い出にすがりついて、虚構の愛をむさぼっている。
だけど、わざわざ両親の夢を見てるくらいだ。
きっと両親が何かの引き金になっているのかもしれない。
何らかのトラウマがある限り、浅多はリビドーを使うことをやめないだろう。
―――それなら、俺は黙って見てるわけにはいかない。
俺はすぐに壁をすり抜けて、彼らの前に姿を現した。
浅多はすぐに目の色を変えて立ち上がった。
しかし夢の中とだけあって、両親は一点を見つめたまま動きを止めている。
【浅多 侑思】
「お前、実家にまで……!どうしてしつこく僕を追い回す?
警察を呼ぶぞ!」
【クロノ】
「また夢心地か。お前を助けに来た死神だって、
初めから話してるだろ」
【浅多 侑思】
「どうしようと僕の勝手だ。見知らぬ他人に、
あれこれ言われる筋合いはない」
そう言って、浅多は居間から立ち去ろうとする。
―――俺はすかさず、その腕を掴んだ。
振り払われまいと、俺はしっかりと浅多の手首を握りしめる。
【浅多 侑思】
「―だから、僕に触るなと何度…」
【クロノ】
「逃げないで話を聞け」
【浅多 侑思】
「お前と話すことなんてない!」
【クロノ】
「いいか、お前もわかってると思うけど、ここは現実じゃない」
【浅多 侑思】
「―――」
【クロノ】
「そこにいる人達も、お前の妄想でしかない」
【浅多 侑思】
「―――黙れ!! お前に何がわかる!!」
浅多がそう叫んだ途端、家の中がぐにゃりと歪む。
【クロノ】
(くそっ、またこの現象か……なんだ?何が原因でこうなる?)
俺の存在を、俺の言葉を、こいつが拒絶しているからか?
自分に不利益なことを言われていると思ってるからか?
―――そうだ、新型リビドーの裏スイッチとやらで、
何とかできないだろうか。
【クロノ】
「おい、じい―――」
その時―――
今まで置物のようだった両親の姿が歪んで、別の形へと変化していく。
家を、世界を、轟音と共に巻き込んで、積乱雲のように形を変えていく黒い影。
【浅多 侑思】
「なっ……なんだ、これは」
恐慌状態に陥った浅多は、その場にへたれ込み、目を見開いてその異様な光景を見上げている。
ここにいるのは危険かな…。
化物が壊した屋根から、へたり込んでいる浅多を横抱きにして外へと出る。
ひとまず、少し離れた道路に浅多を下ろすと、全く力が入らないのかそのまま、座りこんだ。
未だに、途方に暮れたようなその表情と、この前見た浅多の辛そうな寝顔が重なった。
…この前も、このような夢でも見ていたのだろうか。
俺のせいで、こうなってしまったのか…理由は分からない。
だけど、おそらく俺は、これから何度もこの夢を訪れる。
そのたびに現実世界では、あんな苦しそうにしているのかと思うと―――。
少し、辛い。
馬鹿らしいけど、じいが言ってたように。
姫を夢の世界から救い出すのは、王子の役目なのかもしれない。
死神である俺が王子だなんて…笑える。
だけど、ここで助けないという選択肢はない。
へたれ込んでいる浅多を見ると、助けなれば―――そう思った。
【クロノ】
「王子なんてガラじゃないんだけどな」
思わず、苦笑いがこぼれる。
足を一歩踏み出し―――
―――変貌しようとしている影を見据える。
そして、俺は怠惰な動作で鎌を生成した。
【クロノ】
「まあ…これも仕事だからね」
