[本編] 浅多 侑思 編
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【浅多 侑思】
「それで、謝罪はまだですか?今日のことについて」
【マネージャー】
「……申し訳なかった……君は100年に1人の逸材だというのに」
【浅多 侑思】
「そうですよね、僕の価値は僕が一番良く知っている」
【浅多 侑思】
「なのに、あなたは今日、僕のフォローをしてくれませんでした」
【浅多 侑思】
「それは何故です?」
【マネージャー】
「そ、それは……」
【浅多 侑思】
「能無しは早く僕にマネージャーの座を譲ってくださいませんか?」
……なるほど。
面と向かっては言えない言葉や、現実世界で溜まった鬱憤をここで晴らしてるのか。
ターゲットを選ぶ時に見せられた、浅多の憧憬夢についての調査書では―――。
いつもマネージャーになる憧憬夢を見ているって書いてあったけど、今回は違うらしい。
自分の好きな夢を好きな時に見ているんだろう。
願望で出来た世界なんだから、ある程度の矛盾はあって当然とも言える。
【クロノ】
「やれやれ……」
こんな下らないことで寿命を削っているかと思うとバカらしい。
木から降りて、窓辺に近づく。
開いている窓から会議室へと顔を出すと、俺に気付いた浅多が目を見開く。
【浅多 侑思】
「……懲りもせずまた来たのか、お前」
【クロノ】
「そんなあからさまに迷惑な顔しなくてもいいだろ」
【クロノ】
「招かれざる客相手でも笑顔を絶やさない。そんなの営業の基本だ」
【浅多 侑思】
「僕が何故お前に、愛想良くしないといけないんだ」
【浅多 侑思】
「とっとと帰れ。僕はお前に用はない」
【クロノ】
「だからまたその人達をけしかける?やめろ、芸がない」
顎で社員達を示すと、浅多が歯ぎしりをした。
【浅多 侑思】
「寿命が何日だとか、死神だとか」
【浅多 侑思】
「そんな話を、また僕に聞かせるためにここに来たのか?」
【クロノ】
「覚えてるだろ。そう、お前の残りの寿命は―――今日で12日になったけど」
【浅多 侑思】
「今時そんな話、小学生でも信じないと思うが」
【クロノ】
「ならお前は信じるはず」
浅多は、意味がわからないとばかりに、眉をひそめている。
【クロノ】
「だって、こんなところでオママゴトしてるくらいだから」
【クロノ】
「さしずめお前がお父さんで、そっちのマネージャーがお母さん」
【クロノ】
「亭主関白な旦那で大変だ」
【浅多 侑思】
「こっ……の」
【クロノ】
「そうやってすぐ怒るのが証拠だろ」
【浅多 侑思】
「僕の事を何も知らない癖して…!」
怒りか羞恥か、浅多の顔が真っ赤になり、背後にいた社員達が一斉に顔を上げる。
俺は瞬時に鎌を振り上げ、浅多を見据えた。
【クロノ】
「何度でも言う。俺は死神だ」
【クロノ】
「このままだとお前は12日後に死ぬ」
【クロノ】
「死にたくなければリビドーを使うのをやめろ」
もの凄い形相で睨み返してくる浅多と、その背後で今にも動き出しそうな社員達。
すぐにでも斬りかかれるように鎌を振り上げた俺。
対峙した俺達を飲み込み、今、時は止まっていた……。
止まった時を動かしたのは、浅多の舌打ちだった。
【浅多 侑思】
「付き合ってられん。生憎僕は忙しいんでな」
そう言い捨てて、社員達を引き連れオフィスの奥へと逃げ込もうとする。
【クロノ】
「は?待て……おい」
【浅多 侑思】
「ここが僕の現実だ。そもそも、得体の知れない奴からの指図を受ける気は無いし―――」
【浅多 侑思】
「そんな奴が、僕にとやかく言う権利もない」
【浅多 侑思】
「二度とここへは来るな、いいな」
遠ざかる浅多の腕を、とっさに掴んで振り返らせる。
【浅多 侑思】
「……っいい加減にしろよ、お前」
【クロノ】
「そうは行かない。言ったろ、仕事なんだ」
【クロノ】
「ここで引き下がったら給料も出ないし、死神としてのメンツも丸つぶれだし」
言い終わるや否や、胸ぐらを思い切り掴み上げられた。
【浅多 侑思】
「メンツだと?人の心に土足で踏み込んできておいて何様のつもりだ?」
【クロノ】
「死神だって言っただろ。土足で踏み込むのが今回の仕事なんで」
【浅多 侑思】
「信じられるか!!これが、掲示板にあったバグか!?」
【クロノ】
「バグ……?どういうこと?その話をもう少し詳しく聞かせて」
【浅多 侑思】
「……っ、違う。ここは現実だ。バグなんてものは存在しない……!」
俺を突き飛ばしてオフィスの奥へと歩み始める背中を慌てて追いかけ、腕を掴む。
【クロノ】
「いいか、ここは現実なんかじゃない、夢の中だ。冷静になれ」
すると浅多は苦しそうに頭を押さえ、不意に嘲笑した。
【浅多 侑思】
「どうりでお前みたいな奴が社内をウロウロしてるわけだ……夢だというなら納得だ」
【浅多 侑思】
「バグっていうなら、お前の存在がそうだ。この答えで満足か?」
ようやく、これが夢だと認めたらしい。
そうとなれば、今度は逃げられないように強めに腕を引いて、倒れかけた浅多の体をきつく抱き止める。
【クロノ】
「正気に戻ったところ早速で悪いけど、真面目に答えてもらおうか」
【浅多 侑思】
「!? 離せ……っ!僕に触るな!」
【クロノ】
「掲示板で聞いたって言うその話を聞かせてくれたら解放する」
【浅多 侑思】
「バグにバグのことを話すのか!?不毛にも程がある!」
【クロノ】
「だから俺は死神だって……ぶっ」
暴れる浅多の手が、俺の顎に命中した。
【浅多 侑思】
「いいから黙って離せと言ってるんだ!!」
【クロノ】
「いっ……!痛い、舌噛んだ……!」
【浅多 侑思】
「知るか!!それ以上噛みたくなかったらとっとと離すんだな!!」
【クロノ】
「ちょっと話聞くくらい良いだ……いっ」
今度は肘が頬に当たった。
「それで、謝罪はまだですか?今日のことについて」
【マネージャー】
「……申し訳なかった……君は100年に1人の逸材だというのに」
【浅多 侑思】
「そうですよね、僕の価値は僕が一番良く知っている」
【浅多 侑思】
「なのに、あなたは今日、僕のフォローをしてくれませんでした」
【浅多 侑思】
「それは何故です?」
【マネージャー】
「そ、それは……」
【浅多 侑思】
「能無しは早く僕にマネージャーの座を譲ってくださいませんか?」
……なるほど。
面と向かっては言えない言葉や、現実世界で溜まった鬱憤をここで晴らしてるのか。
ターゲットを選ぶ時に見せられた、浅多の憧憬夢についての調査書では―――。
いつもマネージャーになる憧憬夢を見ているって書いてあったけど、今回は違うらしい。
自分の好きな夢を好きな時に見ているんだろう。
願望で出来た世界なんだから、ある程度の矛盾はあって当然とも言える。
【クロノ】
「やれやれ……」
こんな下らないことで寿命を削っているかと思うとバカらしい。
木から降りて、窓辺に近づく。
開いている窓から会議室へと顔を出すと、俺に気付いた浅多が目を見開く。
【浅多 侑思】
「……懲りもせずまた来たのか、お前」
【クロノ】
「そんなあからさまに迷惑な顔しなくてもいいだろ」
【クロノ】
「招かれざる客相手でも笑顔を絶やさない。そんなの営業の基本だ」
【浅多 侑思】
「僕が何故お前に、愛想良くしないといけないんだ」
【浅多 侑思】
「とっとと帰れ。僕はお前に用はない」
【クロノ】
「だからまたその人達をけしかける?やめろ、芸がない」
顎で社員達を示すと、浅多が歯ぎしりをした。
【浅多 侑思】
「寿命が何日だとか、死神だとか」
【浅多 侑思】
「そんな話を、また僕に聞かせるためにここに来たのか?」
【クロノ】
「覚えてるだろ。そう、お前の残りの寿命は―――今日で12日になったけど」
【浅多 侑思】
「今時そんな話、小学生でも信じないと思うが」
【クロノ】
「ならお前は信じるはず」
浅多は、意味がわからないとばかりに、眉をひそめている。
【クロノ】
「だって、こんなところでオママゴトしてるくらいだから」
【クロノ】
「さしずめお前がお父さんで、そっちのマネージャーがお母さん」
【クロノ】
「亭主関白な旦那で大変だ」
【浅多 侑思】
「こっ……の」
【クロノ】
「そうやってすぐ怒るのが証拠だろ」
【浅多 侑思】
「僕の事を何も知らない癖して…!」
怒りか羞恥か、浅多の顔が真っ赤になり、背後にいた社員達が一斉に顔を上げる。
俺は瞬時に鎌を振り上げ、浅多を見据えた。
【クロノ】
「何度でも言う。俺は死神だ」
【クロノ】
「このままだとお前は12日後に死ぬ」
【クロノ】
「死にたくなければリビドーを使うのをやめろ」
もの凄い形相で睨み返してくる浅多と、その背後で今にも動き出しそうな社員達。
すぐにでも斬りかかれるように鎌を振り上げた俺。
対峙した俺達を飲み込み、今、時は止まっていた……。
止まった時を動かしたのは、浅多の舌打ちだった。
【浅多 侑思】
「付き合ってられん。生憎僕は忙しいんでな」
そう言い捨てて、社員達を引き連れオフィスの奥へと逃げ込もうとする。
【クロノ】
「は?待て……おい」
【浅多 侑思】
「ここが僕の現実だ。そもそも、得体の知れない奴からの指図を受ける気は無いし―――」
【浅多 侑思】
「そんな奴が、僕にとやかく言う権利もない」
【浅多 侑思】
「二度とここへは来るな、いいな」
遠ざかる浅多の腕を、とっさに掴んで振り返らせる。
【浅多 侑思】
「……っいい加減にしろよ、お前」
【クロノ】
「そうは行かない。言ったろ、仕事なんだ」
【クロノ】
「ここで引き下がったら給料も出ないし、死神としてのメンツも丸つぶれだし」
言い終わるや否や、胸ぐらを思い切り掴み上げられた。
【浅多 侑思】
「メンツだと?人の心に土足で踏み込んできておいて何様のつもりだ?」
【クロノ】
「死神だって言っただろ。土足で踏み込むのが今回の仕事なんで」
【浅多 侑思】
「信じられるか!!これが、掲示板にあったバグか!?」
【クロノ】
「バグ……?どういうこと?その話をもう少し詳しく聞かせて」
【浅多 侑思】
「……っ、違う。ここは現実だ。バグなんてものは存在しない……!」
俺を突き飛ばしてオフィスの奥へと歩み始める背中を慌てて追いかけ、腕を掴む。
【クロノ】
「いいか、ここは現実なんかじゃない、夢の中だ。冷静になれ」
すると浅多は苦しそうに頭を押さえ、不意に嘲笑した。
【浅多 侑思】
「どうりでお前みたいな奴が社内をウロウロしてるわけだ……夢だというなら納得だ」
【浅多 侑思】
「バグっていうなら、お前の存在がそうだ。この答えで満足か?」
ようやく、これが夢だと認めたらしい。
そうとなれば、今度は逃げられないように強めに腕を引いて、倒れかけた浅多の体をきつく抱き止める。
【クロノ】
「正気に戻ったところ早速で悪いけど、真面目に答えてもらおうか」
【浅多 侑思】
「!? 離せ……っ!僕に触るな!」
【クロノ】
「掲示板で聞いたって言うその話を聞かせてくれたら解放する」
【浅多 侑思】
「バグにバグのことを話すのか!?不毛にも程がある!」
【クロノ】
「だから俺は死神だって……ぶっ」
暴れる浅多の手が、俺の顎に命中した。
【浅多 侑思】
「いいから黙って離せと言ってるんだ!!」
【クロノ】
「いっ……!痛い、舌噛んだ……!」
【浅多 侑思】
「知るか!!それ以上噛みたくなかったらとっとと離すんだな!!」
【クロノ】
「ちょっと話聞くくらい良いだ……いっ」
今度は肘が頬に当たった。