[本編] 浅多 侑思 編
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【浅多 侑思】
「存在自体が邪魔だと言ってるんだ」
【クロノ】
「……そう言われても一応こっちも仕事なんで」
【浅多 侑思】
「わかりやすい様に言ってやろう―――お帰り下さいと言ってる」
突然会議室のドアが開いて、大勢の社員が中へ踏み込んでくる。
【クロノ】
「ええ……?いや、まだ話は終わってないんだけど」
俺は後ずさりながら浅多を見やる。
しかし奴は、聞く耳持たぬとばかりに立ち上がり、社員達の群れの中へと姿を消した。
あーあ、じーさん。
これは非常に難しい仕事になりそうだ。
こんな頭の堅そうな奴に、死神の存在を認めろって方が無理かなとは思ってたけど。
理屈と科学で証明できないものは信じられない、狭い世界で生きてる連中。
これだから、人間とのコミュニケーションは嫌いなんだ。
―――舌打ちをして、俺は鎌を生成し手に取った。
じいは今回の件、やる気になってるし。
長から、直々に命令を受けてしまったし。
俺は、とりあえず仕事は仕事と割りきって、きちんとやり遂げたい。
そりゃ時折サボるけど、それでもノルマはこなしてるからこそ、
でかい口叩けると思ってる。
そういう、死神としての矜持ってものが、一応俺にもある。
早い話が、人間如きに舐められたら堪らない。
【浅多 侑思】
「……物騒なものを取り出して、どうする気だ?」
【クロノ】
「お前こそ、人の話の腰折ってどこ行こうって?」
周囲に群がっていた社員達が、鎌を構えている俺の様子を窺うように、じわじわと距離を取り始める。
―――浅多の姿はまだ見えない。
俺は浅多の気配を探りながら、鎌の柄を握りしめる。
こいつらが襲いかかってきたら、見せしめに一人くらい斬ってやる。
どうせ夢の中の出来事に過ぎない。
【浅多 侑思】
「話す気になったとしても、相手が凶器を持っていては会話にならんな」
【クロノ】
「寄ってたかって実力行使って方が悪趣味だと思うけど」
【浅多 侑思】
「話すことも、訊きたいこともなにもない。おとぎ話の中に帰ってくれ」
【クロノ】
「仕事で来てるからそう簡単には引き下がれないんだけど。何? おとぎ話って」
【浅多 侑思】
「人に死の宣告をして鎌をもった死神だなんて、現実にいるわけないからな」
【クロノ】
「事実は小説……物語より奇なり、って言葉、知らない?」
【浅多 侑思】
「……口だけは達者だな、お前」
【クロノ】
「話術も仕事の内」
コミュニケーションとメンタルケアは管轄外だけど。
暫くして……社員達の間から、浅多がゆっくりと姿を現した。
浅多は俺と視線を合わせるなり、眉間に皺を寄せ、歯を剥く。
【浅多 侑思】
「その鎌で、僕を殺しに来たのか?」
【クロノ】
「忠告しに来たって言っただろ」
【浅多 侑思】
「そんなもの信用出来る訳ないだろ!」
【クロノ】
「だから、お前俺の話聞いてた?忠告しに来たって言ったはずだけど」
【クロノ】
「何度同じこと言えばいいんだよ…」
【浅多 侑思】
「物は言いようってな」
【クロノ】
「とんだ捻くれ者だな」
少しイラッとした俺は、浅多に歩み寄り、間髪入れずにあごを掴んで持ち上げる。
咄嗟の行動に驚いてしまったらしい浅多は、されるがままで眼を見開いていた。
顔を耳元に寄せて、近距離で囁くように口を開く。
―――しっかり頭に叩き込めと言うように。
【クロノ】
「仕方ないから、教えてやるけど、お前の寿命は残り13日」
【クロノ】
「幾ら図太い奴でも、寿命が残り何日だと、突然宣告されれば衝撃を受けるだろ?」
【クロノ】
「今回は特別に配慮してやったってのに、余計な世話だったみたいだけど」
【クロノ】
「いつまでもそうやって、取捨選択して耳塞いでろ小心者」
とたん、浅多の顔色が変わった。
【浅多 侑思】
「こいつを追い出せ!!」
浅多は周りにいた社員達に命令するように大声を上げた。
弾かれたように社員達が捕まえようと押し寄せてくる。
群がってくる社員達に、鎌を振り回すまでもなく、進んでその場から退散した。
退散をすると同時に、周囲の景色が色褪せる。
浅多が俺を意識から追い出そうとしてるんだろう。
―――結構だ。
できればもう会いたくない。
仕事だから…なかなか、そうもいかないだろうけど。
……しかし、あんなことで怒るとは。
思った以上にプライドが高いってことか…。
これは、簡単には終わりそうにないな。
この先の事を考えると、頭が痛くなる。
どうすればいいのか…そんなことを考えていると、暗闇の中に光が差す。
…どうやら、目が覚めるようだ。
目を開けてると、じいの笑顔が真っ先に目に入った。
ぼやける目を擦りながらダルイ体を起こし、額を押さえる。
【アンク】
「お帰りなさいませ、いかがでしたか?一時の夢の旅路は」
それは楽しそうに聞いてくるじいにため息をつく。
【アンク】
「どうかいたしましたか?」
【クロノ】
「面倒な奴引いたっぽい……」
鬱々とした呟きに、じいはニコニコと笑うだけだった……。
「存在自体が邪魔だと言ってるんだ」
【クロノ】
「……そう言われても一応こっちも仕事なんで」
【浅多 侑思】
「わかりやすい様に言ってやろう―――お帰り下さいと言ってる」
突然会議室のドアが開いて、大勢の社員が中へ踏み込んでくる。
【クロノ】
「ええ……?いや、まだ話は終わってないんだけど」
俺は後ずさりながら浅多を見やる。
しかし奴は、聞く耳持たぬとばかりに立ち上がり、社員達の群れの中へと姿を消した。
あーあ、じーさん。
これは非常に難しい仕事になりそうだ。
こんな頭の堅そうな奴に、死神の存在を認めろって方が無理かなとは思ってたけど。
理屈と科学で証明できないものは信じられない、狭い世界で生きてる連中。
これだから、人間とのコミュニケーションは嫌いなんだ。
―――舌打ちをして、俺は鎌を生成し手に取った。
じいは今回の件、やる気になってるし。
長から、直々に命令を受けてしまったし。
俺は、とりあえず仕事は仕事と割りきって、きちんとやり遂げたい。
そりゃ時折サボるけど、それでもノルマはこなしてるからこそ、
でかい口叩けると思ってる。
そういう、死神としての矜持ってものが、一応俺にもある。
早い話が、人間如きに舐められたら堪らない。
【浅多 侑思】
「……物騒なものを取り出して、どうする気だ?」
【クロノ】
「お前こそ、人の話の腰折ってどこ行こうって?」
周囲に群がっていた社員達が、鎌を構えている俺の様子を窺うように、じわじわと距離を取り始める。
―――浅多の姿はまだ見えない。
俺は浅多の気配を探りながら、鎌の柄を握りしめる。
こいつらが襲いかかってきたら、見せしめに一人くらい斬ってやる。
どうせ夢の中の出来事に過ぎない。
【浅多 侑思】
「話す気になったとしても、相手が凶器を持っていては会話にならんな」
【クロノ】
「寄ってたかって実力行使って方が悪趣味だと思うけど」
【浅多 侑思】
「話すことも、訊きたいこともなにもない。おとぎ話の中に帰ってくれ」
【クロノ】
「仕事で来てるからそう簡単には引き下がれないんだけど。何? おとぎ話って」
【浅多 侑思】
「人に死の宣告をして鎌をもった死神だなんて、現実にいるわけないからな」
【クロノ】
「事実は小説……物語より奇なり、って言葉、知らない?」
【浅多 侑思】
「……口だけは達者だな、お前」
【クロノ】
「話術も仕事の内」
コミュニケーションとメンタルケアは管轄外だけど。
暫くして……社員達の間から、浅多がゆっくりと姿を現した。
浅多は俺と視線を合わせるなり、眉間に皺を寄せ、歯を剥く。
【浅多 侑思】
「その鎌で、僕を殺しに来たのか?」
【クロノ】
「忠告しに来たって言っただろ」
【浅多 侑思】
「そんなもの信用出来る訳ないだろ!」
【クロノ】
「だから、お前俺の話聞いてた?忠告しに来たって言ったはずだけど」
【クロノ】
「何度同じこと言えばいいんだよ…」
【浅多 侑思】
「物は言いようってな」
【クロノ】
「とんだ捻くれ者だな」
少しイラッとした俺は、浅多に歩み寄り、間髪入れずにあごを掴んで持ち上げる。
咄嗟の行動に驚いてしまったらしい浅多は、されるがままで眼を見開いていた。
顔を耳元に寄せて、近距離で囁くように口を開く。
―――しっかり頭に叩き込めと言うように。
【クロノ】
「仕方ないから、教えてやるけど、お前の寿命は残り13日」
【クロノ】
「幾ら図太い奴でも、寿命が残り何日だと、突然宣告されれば衝撃を受けるだろ?」
【クロノ】
「今回は特別に配慮してやったってのに、余計な世話だったみたいだけど」
【クロノ】
「いつまでもそうやって、取捨選択して耳塞いでろ小心者」
とたん、浅多の顔色が変わった。
【浅多 侑思】
「こいつを追い出せ!!」
浅多は周りにいた社員達に命令するように大声を上げた。
弾かれたように社員達が捕まえようと押し寄せてくる。
群がってくる社員達に、鎌を振り回すまでもなく、進んでその場から退散した。
退散をすると同時に、周囲の景色が色褪せる。
浅多が俺を意識から追い出そうとしてるんだろう。
―――結構だ。
できればもう会いたくない。
仕事だから…なかなか、そうもいかないだろうけど。
……しかし、あんなことで怒るとは。
思った以上にプライドが高いってことか…。
これは、簡単には終わりそうにないな。
この先の事を考えると、頭が痛くなる。
どうすればいいのか…そんなことを考えていると、暗闇の中に光が差す。
…どうやら、目が覚めるようだ。
目を開けてると、じいの笑顔が真っ先に目に入った。
ぼやける目を擦りながらダルイ体を起こし、額を押さえる。
【アンク】
「お帰りなさいませ、いかがでしたか?一時の夢の旅路は」
それは楽しそうに聞いてくるじいにため息をつく。
【アンク】
「どうかいたしましたか?」
【クロノ】
「面倒な奴引いたっぽい……」
鬱々とした呟きに、じいはニコニコと笑うだけだった……。