[本編] 春川 樹生 編
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樹生は無事に意識を取り戻すことができた。
だけど思いの外、傷が酷くて治すには半年はかかるとのことだった。
その上、脚に麻痺が残ってしまい、二度と歩けないかもしれないらしい。
担当医からそう聞かされた後で俺達が戻った病室に、少しの間、沈黙が流れる。
【春川 樹生】
「車椅子、かな」
【春川 樹生】
「リハビリを頑張ればなんとかなるかもしれないけど……仕事は変えなきゃな」
【クロノ】
「樹生」
俯いている樹生の手を取って、顔を上げさせる。
【クロノ】
「俺は、何があっても樹生の傍にいるって決めた」
【クロノ】
「だからずっと一緒にいる」
樹生は俺の目を見ていたけど、その顔をくしゃりと歪ませて。
目に涙が滲んだタイミングで笑顔に変え、ありがとうと言った。
俺は樹生と蓮の病室を行ったり来たりしていたけど。
まだ、蓮のことを樹生には言ってない。
脚が動かなくなったショックが癒えてないうちに、樹生に全てを話すのが怖かった。
それに、蓮は3日後に死ぬのだから。
――――どうせならば、死んでから話した方がいいと思った。
蓮に会いに行っていた理由は複雑で、色んな感情が入り乱れてたから。
一から百まで説明すると要らぬ誤解を生むかもしれないから。
それなら、蓮が死んでからの方が強いカードを出せると思った。
『死亡者リストに載っていた少年が不憫で、慰めに行っていた』と。
3日後、蓮は死んだ。
死亡予定者リストに載っていた通り。
【クロノ】
「さよなら、蓮」
俺は死神として、蓮の魂を狩った。
それからの俺は、樹生のお見舞いと、生活を維持するために仕事に明け暮れた。
―――そして3ヶ月後。
車椅子で退院する樹生と共に、俺は病院を後にしようとした。
その時、背後から呼ぶ声に振り返ると、荷物を1点忘れてるということだった。
【クロノ】
「ちょっと待ってて。取ってくるから」
【春川 樹生】
「うん、頼む。ごめんな」
水くさいこと言うなよと振り返った時。
樹生の背後に――――包帯だらけの人物が立ってた。
【???】
「幸せになんてさせねえよ」
なんだと考えるより前に、そいつは腕を振り上げて樹生の首元に叩きつける。
それは注射器だった。
止める間もなく中の液体が注入されて。
樹生は目を見開いて口をパクつかせてから、力なく項垂れた。
【クロノ】
「…………」
即座に動かなかった自分の体に、怒りよりも失望を覚え。
包帯を巻いた誰かがユリスだとわかった俺は。
【ユリス】
「はははははははははは!!」
【ユリス】
「見ろよクロノ俺これ作ったんだぜ!! どんな薬か知りたい!? 知りたいよな!!」
【ユリス】
「これってなこれってな、俺特製の魂をズタボロにする薬なんだぜ!!」
【ユリス】
「少しずつすっこしずぅつ体ン中から魂をぐちゃぐちゃに溶かしてってさあぁ、最後はどーなると思う?」
【ユリス】
「なんっっっもなくなんのね!! 空っぽの器になんだよ人形に!!」
【ユリス】
「セミみたいな抜け殻になんのなッはははははははは!!」
【クロノ】
「――――ユリス……、ッ、ぁあああああああ!!!!」
狂人のように笑うそいつを殺そうと飛びかかったが、ユリスの姿は掻き消えた。
耳障りな笑い声を残して。
――――その後。
ありとあらゆる手を尽くすも、樹生を救う方法は見つからなかった。
もちろんユリスも見つからない。
魂が無くなれば意識もなくなって夢を見ることもない。
だから夢でも逢えない。
放っておけば肉体も朽ちてしまう。
だから俺は樹生の肉体を死神界へ運び、魔力で樹生の時を止めた。
【クロノ】
「ずっと、一緒だよ」
空っぽの器となった樹生の裸体を抱いて、俺は今日も微笑む。
自分の罪を、誰に懺悔する必要もなくなったことに安堵しながら。
―春川4章・BLACK END―
だけど思いの外、傷が酷くて治すには半年はかかるとのことだった。
その上、脚に麻痺が残ってしまい、二度と歩けないかもしれないらしい。
担当医からそう聞かされた後で俺達が戻った病室に、少しの間、沈黙が流れる。
【春川 樹生】
「車椅子、かな」
【春川 樹生】
「リハビリを頑張ればなんとかなるかもしれないけど……仕事は変えなきゃな」
【クロノ】
「樹生」
俯いている樹生の手を取って、顔を上げさせる。
【クロノ】
「俺は、何があっても樹生の傍にいるって決めた」
【クロノ】
「だからずっと一緒にいる」
樹生は俺の目を見ていたけど、その顔をくしゃりと歪ませて。
目に涙が滲んだタイミングで笑顔に変え、ありがとうと言った。
俺は樹生と蓮の病室を行ったり来たりしていたけど。
まだ、蓮のことを樹生には言ってない。
脚が動かなくなったショックが癒えてないうちに、樹生に全てを話すのが怖かった。
それに、蓮は3日後に死ぬのだから。
――――どうせならば、死んでから話した方がいいと思った。
蓮に会いに行っていた理由は複雑で、色んな感情が入り乱れてたから。
一から百まで説明すると要らぬ誤解を生むかもしれないから。
それなら、蓮が死んでからの方が強いカードを出せると思った。
『死亡者リストに載っていた少年が不憫で、慰めに行っていた』と。
3日後、蓮は死んだ。
死亡予定者リストに載っていた通り。
【クロノ】
「さよなら、蓮」
俺は死神として、蓮の魂を狩った。
それからの俺は、樹生のお見舞いと、生活を維持するために仕事に明け暮れた。
―――そして3ヶ月後。
車椅子で退院する樹生と共に、俺は病院を後にしようとした。
その時、背後から呼ぶ声に振り返ると、荷物を1点忘れてるということだった。
【クロノ】
「ちょっと待ってて。取ってくるから」
【春川 樹生】
「うん、頼む。ごめんな」
水くさいこと言うなよと振り返った時。
樹生の背後に――――包帯だらけの人物が立ってた。
【???】
「幸せになんてさせねえよ」
なんだと考えるより前に、そいつは腕を振り上げて樹生の首元に叩きつける。
それは注射器だった。
止める間もなく中の液体が注入されて。
樹生は目を見開いて口をパクつかせてから、力なく項垂れた。
【クロノ】
「…………」
即座に動かなかった自分の体に、怒りよりも失望を覚え。
包帯を巻いた誰かがユリスだとわかった俺は。
【ユリス】
「はははははははははは!!」
【ユリス】
「見ろよクロノ俺これ作ったんだぜ!! どんな薬か知りたい!? 知りたいよな!!」
【ユリス】
「これってなこれってな、俺特製の魂をズタボロにする薬なんだぜ!!」
【ユリス】
「少しずつすっこしずぅつ体ン中から魂をぐちゃぐちゃに溶かしてってさあぁ、最後はどーなると思う?」
【ユリス】
「なんっっっもなくなんのね!! 空っぽの器になんだよ人形に!!」
【ユリス】
「セミみたいな抜け殻になんのなッはははははははは!!」
【クロノ】
「――――ユリス……、ッ、ぁあああああああ!!!!」
狂人のように笑うそいつを殺そうと飛びかかったが、ユリスの姿は掻き消えた。
耳障りな笑い声を残して。
――――その後。
ありとあらゆる手を尽くすも、樹生を救う方法は見つからなかった。
もちろんユリスも見つからない。
魂が無くなれば意識もなくなって夢を見ることもない。
だから夢でも逢えない。
放っておけば肉体も朽ちてしまう。
だから俺は樹生の肉体を死神界へ運び、魔力で樹生の時を止めた。
【クロノ】
「ずっと、一緒だよ」
空っぽの器となった樹生の裸体を抱いて、俺は今日も微笑む。
自分の罪を、誰に懺悔する必要もなくなったことに安堵しながら。
―春川4章・BLACK END―
