[本編] 春川 樹生 編
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――リビドーを使っていた頃のどこか陰がある感じは、もう無い。
樹生の部屋は、当たり前だけど、何も変わっていない。
けれど、樹生が夢に救いを求めていた時より、心なしか明るく感じる。
きっと―――変わったのは、そこに住む人の方。
部屋のどこを見渡しても、リビドーは見当たらない。
その代わりに、一葉の写真が飾ってある。
穏やかに笑う兄弟の写真だ。
一生抱えて、だけど前向きに生きていくんだって、樹生は言っていた。
―――もう辛くはない、とも。
あの明るい笑顔で、時々生汰の話をしてくれる。
昔を懐かしむように、思い出しながら話す樹生は、辛い過去だけじゃなく幸せな過去も取り戻した。
人は、そうやって強くなっていくんだろうと思う。
樹生は、樹生なりの幸福をみつけなくちゃいけない。
―――与えられた夢では、それは絶対にみつからない。
【春川 樹生】
「お疲れさまです!荷物の受け取りに来ました!」
爽やかな笑顔で、樹生が会社を訪れる。
この会社、樹生が車に轢かれそうになった時に来た会社だ。
確かあの時は、嫌な雰囲気があって―――この会社、苦手だったんだけど。
【浅多 侑思】
「ああ、荷物なら俺の机の横にある。勝手に持っていけ」
眼鏡をかけた社員が、明るくそう言った。
この人―――顔色も良くなってるし、前はこんな雰囲気じゃなかったけど。
【綾 上総】
「浅多! お前、最近頑張ってるらしいな。これからも、会社のために宜しく頼むぜ!」
この人も、随分変わった―――機嫌が良くなってるし、陰険な感じがない……。
もしかしたらこの人達も、あの夢から開放されて、普通の日常を手に入れたのかも。
リビドーの事件は、人間界だけじゃなく、死神界にも影響が大きかった。
その影響は―――もちろん俺にもある。
【アンク】
「クロノ様!じいは嬉しゅうございますぞ!」
【アンク】
「無事に事件を解決し、出世までなさって!」
【クロノ】
「事件が解決したのは、ホントに嬉しい」
【クロノ】
「けど、出世なんて…。興味ないよ」
【クロノ】
(樹生どうしてるかな…会いたくなってきた…)
みんなが褒めてくれるのは嬉しいけど―――いい役職なんて……面倒なだけ。
【アンク】
「……逃亡中のユリスの事ですが、ヤツの家から、事件の証拠が山のように出てきたようですな」
【クロノ】
「そっか。厳戒態勢の死神界には帰れないから、自宅の証拠隠滅は出来なかったってことか」
【アンク】
「いかにも、その通りでございますぞ」
【アンク】
「それにしても。ユリス……どこに潜んでおりますのやら」
あんなキーキーうるさい奴―――出来るなら、永遠に会いたくない。
【クロノ】
「……ところでじい、事件は解決したのに、なんで俺の部屋にいるわけ?」
【アンク】
「それはですな!提出期限がとーっくに過ぎた報告書の受け取りに……」
じいの言葉の途中で、俺は人間界へ向かった。
死神界を抜ける間際、じいの笑い声が聞こえた気がしたけど……、まあいい。
こんな時は、人間界へ逃げるに限る。
……裸の樹生が隣で息を切らしている。
こういう時の樹生は幸せそうで―――安心する。
俺の視線に気がついた樹生に、ゆっくりと抱きしめられる。
枕に頭を乗せて天井を見ていると、不意に樹生の声がした。
【春川 樹生】
「全部、終わったんだなぁ……」
突然、樹生が呟いた言葉は、俺の今の気分をぴったり言い表していてなんだか嬉しい。
―――同じ事を考えるくらい、お互いの距離が縮まった気がして。
【クロノ】
「どうしたの?突然そんな事言って」
【春川 樹生】
「あの夢の中に、突然あんたが現れた日から、色んな事があった」
【春川 樹生】
「あの頃は、こんな日が来るなんて思ってもみなかったけど」
【春川 樹生】
「……クロノをこうやって抱きしめていられるのって、
全部終わったからなんだよなって、思った」
【クロノ】
「確かにそうかもね。全部終わったから……起きてるお前にキス出来る」
ぼうっとしていた樹生の唇を奪うと、瞳を細めて、静かに受け入れてくれる。
【クロノ】
「ま、死神界では犯人捜索やら、事後処理やらで大変だけどね」
【春川 樹生】
「そうなのか……」
【クロノ】
「実際、今日来たのも逃げて来たようなもんだし」
【春川 樹生】
「クロノって、仕事熱心だと思ってたけどな」
【クロノ】
「……調査対象が樹生じゃなかったら、サボってたかも」
樹生がハハハって笑って、俺を抱く腕に軽く力を込める。
【クロノ】
「死神界は忙しくて面倒だから、ここだけが心の休まる場所」
【春川 樹生】
「……それで、クロノはこれからどうするんだ?死神界に帰るのか?」
樹生の部屋は、当たり前だけど、何も変わっていない。
けれど、樹生が夢に救いを求めていた時より、心なしか明るく感じる。
きっと―――変わったのは、そこに住む人の方。
部屋のどこを見渡しても、リビドーは見当たらない。
その代わりに、一葉の写真が飾ってある。
穏やかに笑う兄弟の写真だ。
一生抱えて、だけど前向きに生きていくんだって、樹生は言っていた。
―――もう辛くはない、とも。
あの明るい笑顔で、時々生汰の話をしてくれる。
昔を懐かしむように、思い出しながら話す樹生は、辛い過去だけじゃなく幸せな過去も取り戻した。
人は、そうやって強くなっていくんだろうと思う。
樹生は、樹生なりの幸福をみつけなくちゃいけない。
―――与えられた夢では、それは絶対にみつからない。
【春川 樹生】
「お疲れさまです!荷物の受け取りに来ました!」
爽やかな笑顔で、樹生が会社を訪れる。
この会社、樹生が車に轢かれそうになった時に来た会社だ。
確かあの時は、嫌な雰囲気があって―――この会社、苦手だったんだけど。
【浅多 侑思】
「ああ、荷物なら俺の机の横にある。勝手に持っていけ」
眼鏡をかけた社員が、明るくそう言った。
この人―――顔色も良くなってるし、前はこんな雰囲気じゃなかったけど。
【綾 上総】
「浅多! お前、最近頑張ってるらしいな。これからも、会社のために宜しく頼むぜ!」
この人も、随分変わった―――機嫌が良くなってるし、陰険な感じがない……。
もしかしたらこの人達も、あの夢から開放されて、普通の日常を手に入れたのかも。
リビドーの事件は、人間界だけじゃなく、死神界にも影響が大きかった。
その影響は―――もちろん俺にもある。
【アンク】
「クロノ様!じいは嬉しゅうございますぞ!」
【アンク】
「無事に事件を解決し、出世までなさって!」
【クロノ】
「事件が解決したのは、ホントに嬉しい」
【クロノ】
「けど、出世なんて…。興味ないよ」
【クロノ】
(樹生どうしてるかな…会いたくなってきた…)
みんなが褒めてくれるのは嬉しいけど―――いい役職なんて……面倒なだけ。
【アンク】
「……逃亡中のユリスの事ですが、ヤツの家から、事件の証拠が山のように出てきたようですな」
【クロノ】
「そっか。厳戒態勢の死神界には帰れないから、自宅の証拠隠滅は出来なかったってことか」
【アンク】
「いかにも、その通りでございますぞ」
【アンク】
「それにしても。ユリス……どこに潜んでおりますのやら」
あんなキーキーうるさい奴―――出来るなら、永遠に会いたくない。
【クロノ】
「……ところでじい、事件は解決したのに、なんで俺の部屋にいるわけ?」
【アンク】
「それはですな!提出期限がとーっくに過ぎた報告書の受け取りに……」
じいの言葉の途中で、俺は人間界へ向かった。
死神界を抜ける間際、じいの笑い声が聞こえた気がしたけど……、まあいい。
こんな時は、人間界へ逃げるに限る。
……裸の樹生が隣で息を切らしている。
こういう時の樹生は幸せそうで―――安心する。
俺の視線に気がついた樹生に、ゆっくりと抱きしめられる。
枕に頭を乗せて天井を見ていると、不意に樹生の声がした。
【春川 樹生】
「全部、終わったんだなぁ……」
突然、樹生が呟いた言葉は、俺の今の気分をぴったり言い表していてなんだか嬉しい。
―――同じ事を考えるくらい、お互いの距離が縮まった気がして。
【クロノ】
「どうしたの?突然そんな事言って」
【春川 樹生】
「あの夢の中に、突然あんたが現れた日から、色んな事があった」
【春川 樹生】
「あの頃は、こんな日が来るなんて思ってもみなかったけど」
【春川 樹生】
「……クロノをこうやって抱きしめていられるのって、
全部終わったからなんだよなって、思った」
【クロノ】
「確かにそうかもね。全部終わったから……起きてるお前にキス出来る」
ぼうっとしていた樹生の唇を奪うと、瞳を細めて、静かに受け入れてくれる。
【クロノ】
「ま、死神界では犯人捜索やら、事後処理やらで大変だけどね」
【春川 樹生】
「そうなのか……」
【クロノ】
「実際、今日来たのも逃げて来たようなもんだし」
【春川 樹生】
「クロノって、仕事熱心だと思ってたけどな」
【クロノ】
「……調査対象が樹生じゃなかったら、サボってたかも」
樹生がハハハって笑って、俺を抱く腕に軽く力を込める。
【クロノ】
「死神界は忙しくて面倒だから、ここだけが心の休まる場所」
【春川 樹生】
「……それで、クロノはこれからどうするんだ?死神界に帰るのか?」
