[期間限定イベント"年末年始"]
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【浅多】
「綾さんがそんな人だとは思いませんでした!」
【綾】
「被害者はこっちだっつの!! このムッツリスケベ!!」
【浅多】
「む、ムッツリスケベって……ッ! 死語じゃないんですか!?」
【綾】
「俺の心の中では生き続けてんだよ、第一他になんて言えばいいんだ!? ああ!?」
突然、二人が揉め始めた。
【クロノ】
「どうしたんだろう」
【アンク】
「ええ、先程まであんなに仲良くしていらっしゃいましたのに…」
俺達が驚いて見ている前で、二人の口論は続く。
【浅多】
「遊び人だと思っていましたが、モラルはある人だと思ってたのに……!」
【綾】
「俺はモラルあるし、第一遊び人なんじゃなくて、遊び心があるだけだっつの!!」
【浅多】
「女性にしていたら本気で軽蔑しますが、だからといって男の僕にして何が楽しいんですか!?」
【綾】
「なんもしてねーよ!! 第一、男だなんだっつーか、浅多にゃ頼まれてもしねー!!」
【浅多】
「ひ、人の、お、おし……腰を撫でておいて、言うに事欠いてそれですか!?」
【綾】
「だから触ってねーし! お前こそ、人がよそ見した隙に首にキスしやがって!」
【クロノ】
(……なんだ?)
どうやら、二人は互いに変なコトされたと怒ってるみたいだけど……。
上総は遊び人だからこそ加減がわかっていて、相手が本当に嫌がるような接触をする奴じゃない。
さっき侑思に抱き付いたりしていたのだって、侑思が全然気にしていなかったからのはずだ。
それに、侑思みたいな堅物が、人の首にキスなんて簡単に出来るはずもない。
【クロノ】
(もしそんなことが出来るなら、俺にも仕掛けてほしいくらいだ)
【クロノ】
「なんなんだろ…。まあいいや、待ってても埒が明かないから声掛けてくるね」
俺は人間の姿を取り、二人に声を掛けた。
【クロノ】
「ねえ、二人とも…」
俺が声を掛けると、二人は振り返り、同時に目を瞠った。
【浅多・綾】
「あああ――――っ!!!」
【浅多】
「クロノ――ッ!!」
【綾】
「てめーか!! ったく、ケツ撫でたりちゅーしたり、ろくなことしねーな!!」
………どうやら、一瞬で誤解されたらしい。
【クロノ】
「誤解。なんでそう、見ただけで疑っ……」
【浅多】
「姿を消した状態で触るなと、いつも言っているだろう!!」
【綾】
「ほんっと、所構わずすーぐヤラシー事するよな、クロノは!!」
【浅多】
「申し訳ありませんでした、綾さん。まさか、クロノが来ていると思わなくて……」
【綾】
「いーって、悪いのはクロノなんだし。俺こそ、疑って悪かったな」
【クロノ】
「えーっと、互いの誤解が解けてよかったけど、俺のも誤解だから」
【浅多】
「他に誰が、僕のお尻を触ろうとすると言うんだ」
【綾】
「いっきなりヤローの首筋にちゅーしようとするヤツ、他にいねーよ」
【クロノ】
「え…、うん。そりゃキス出来るならいつでもしたいけど、今回は俺じゃないんだ」
【浅多】
「信用出来ない」
【綾】
「俺もー」
【クロノ】
「えー……」
俺は言葉を重ねて無罪を主張したけど、どういう訳か二人は絶対に信じようとしない。
なんでだろう。
助け船を出してくれないかと思って、まだ姿を消したままのじいへちらっと視線を遣ると。
じいは一回一回大きく口を開けて、口パクで俺にメッセージを伝えて来た。
【クロノ】
(『ひ・ご・ろ・の・お・こ・な・い・で・す・ぞ』………)
なんでだろう。
死神として普通の反応しかしてないと思うのに、この仕打ち。
【クロノ】
「うーん…………、まあいいや」
【浅多】
「よくない!!」
【綾】
「いっぺん真面目に反省しろ!!」
【クロノ】
「それはまた今度ね。それより、二人とも早くこのホテルから出て。でないと――」
【クロノ】
「――ッ!」
説明しようとした瞬間、魔力の気配が一気に強まるのを感じた。
【クロノ】
(やばい――ッ!)
【クロノ】
「説明は後でするから、とにかく移動を――っ!」
俺は手を伸ばし、二人を抱えて瞬間移動しようとしたが一瞬遅かった。
――テーブルの下から這い出した触手が、侑思と上総の体に巻き付いた。
【浅多】
「え? ………ッうわあ!!」
【綾】
「はあ!? え、ちょっ、なんだこれ!?」
二人が動揺しているうちに、触手は二人の体にしっかりと巻き付いてしまった。
【クロノ】
「チッ……!」
さっき二人が、互いに「触られた」と言っていた犯人はきっとこいつだ。
自分の迂闊さに舌打ちしながら、死神の鎌を生成しようとして気付く。
【クロノ】
(しまった、まだ他の人間から俺達は見えてる――)
異様な触手と、何も無い空間から生成された巨大な鎌で戦う姿なんて見せられない。
一瞬手が止まった隙に、触手は上総と侑思を空中へと持ち上げた。
会場中から悲鳴が上がる。
凝視して立ち尽くす奴や、とにかく逃げ出そうとする奴で、会場中がパニックになった。
だけど、ここまで騒ぎになってくれれば、却って俺達への注意は散漫になる。
【クロノ】
(今のうちに――!)
【クロノ】
「じい! 結界!!」
【アンク】
「はい!!」
じいの結界が俺達を囲む。
結界に入っているのは、俺達四人とあと触手の魔物だけだ。
結界内で何が起きても外からは見えないので、これで思う存分戦える。
【クロノ】
「上総! 侑思! 助けるから待っ……」
待っててくれ、と声を掛けようとした時。
テーブルの下から這い出して、魔物が全貌を現した。
魔物は、太さも色も違う、数え切れないほどの触手が絡まったような姿をしている。
伸縮可能なのか、今までテーブルに隠れていたとは思えないほど、長く触手を伸ばした。
【アンク】
「あれは、魔界の妖獣ですな」
じいが、鎌を生成しながら言った。
【クロノ】
「特性は?」
俺も、鎌を生成して訊ねる。
「綾さんがそんな人だとは思いませんでした!」
【綾】
「被害者はこっちだっつの!! このムッツリスケベ!!」
【浅多】
「む、ムッツリスケベって……ッ! 死語じゃないんですか!?」
【綾】
「俺の心の中では生き続けてんだよ、第一他になんて言えばいいんだ!? ああ!?」
突然、二人が揉め始めた。
【クロノ】
「どうしたんだろう」
【アンク】
「ええ、先程まであんなに仲良くしていらっしゃいましたのに…」
俺達が驚いて見ている前で、二人の口論は続く。
【浅多】
「遊び人だと思っていましたが、モラルはある人だと思ってたのに……!」
【綾】
「俺はモラルあるし、第一遊び人なんじゃなくて、遊び心があるだけだっつの!!」
【浅多】
「女性にしていたら本気で軽蔑しますが、だからといって男の僕にして何が楽しいんですか!?」
【綾】
「なんもしてねーよ!! 第一、男だなんだっつーか、浅多にゃ頼まれてもしねー!!」
【浅多】
「ひ、人の、お、おし……腰を撫でておいて、言うに事欠いてそれですか!?」
【綾】
「だから触ってねーし! お前こそ、人がよそ見した隙に首にキスしやがって!」
【クロノ】
(……なんだ?)
どうやら、二人は互いに変なコトされたと怒ってるみたいだけど……。
上総は遊び人だからこそ加減がわかっていて、相手が本当に嫌がるような接触をする奴じゃない。
さっき侑思に抱き付いたりしていたのだって、侑思が全然気にしていなかったからのはずだ。
それに、侑思みたいな堅物が、人の首にキスなんて簡単に出来るはずもない。
【クロノ】
(もしそんなことが出来るなら、俺にも仕掛けてほしいくらいだ)
【クロノ】
「なんなんだろ…。まあいいや、待ってても埒が明かないから声掛けてくるね」
俺は人間の姿を取り、二人に声を掛けた。
【クロノ】
「ねえ、二人とも…」
俺が声を掛けると、二人は振り返り、同時に目を瞠った。
【浅多・綾】
「あああ――――っ!!!」
【浅多】
「クロノ――ッ!!」
【綾】
「てめーか!! ったく、ケツ撫でたりちゅーしたり、ろくなことしねーな!!」
………どうやら、一瞬で誤解されたらしい。
【クロノ】
「誤解。なんでそう、見ただけで疑っ……」
【浅多】
「姿を消した状態で触るなと、いつも言っているだろう!!」
【綾】
「ほんっと、所構わずすーぐヤラシー事するよな、クロノは!!」
【浅多】
「申し訳ありませんでした、綾さん。まさか、クロノが来ていると思わなくて……」
【綾】
「いーって、悪いのはクロノなんだし。俺こそ、疑って悪かったな」
【クロノ】
「えーっと、互いの誤解が解けてよかったけど、俺のも誤解だから」
【浅多】
「他に誰が、僕のお尻を触ろうとすると言うんだ」
【綾】
「いっきなりヤローの首筋にちゅーしようとするヤツ、他にいねーよ」
【クロノ】
「え…、うん。そりゃキス出来るならいつでもしたいけど、今回は俺じゃないんだ」
【浅多】
「信用出来ない」
【綾】
「俺もー」
【クロノ】
「えー……」
俺は言葉を重ねて無罪を主張したけど、どういう訳か二人は絶対に信じようとしない。
なんでだろう。
助け船を出してくれないかと思って、まだ姿を消したままのじいへちらっと視線を遣ると。
じいは一回一回大きく口を開けて、口パクで俺にメッセージを伝えて来た。
【クロノ】
(『ひ・ご・ろ・の・お・こ・な・い・で・す・ぞ』………)
なんでだろう。
死神として普通の反応しかしてないと思うのに、この仕打ち。
【クロノ】
「うーん…………、まあいいや」
【浅多】
「よくない!!」
【綾】
「いっぺん真面目に反省しろ!!」
【クロノ】
「それはまた今度ね。それより、二人とも早くこのホテルから出て。でないと――」
【クロノ】
「――ッ!」
説明しようとした瞬間、魔力の気配が一気に強まるのを感じた。
【クロノ】
(やばい――ッ!)
【クロノ】
「説明は後でするから、とにかく移動を――っ!」
俺は手を伸ばし、二人を抱えて瞬間移動しようとしたが一瞬遅かった。
――テーブルの下から這い出した触手が、侑思と上総の体に巻き付いた。
【浅多】
「え? ………ッうわあ!!」
【綾】
「はあ!? え、ちょっ、なんだこれ!?」
二人が動揺しているうちに、触手は二人の体にしっかりと巻き付いてしまった。
【クロノ】
「チッ……!」
さっき二人が、互いに「触られた」と言っていた犯人はきっとこいつだ。
自分の迂闊さに舌打ちしながら、死神の鎌を生成しようとして気付く。
【クロノ】
(しまった、まだ他の人間から俺達は見えてる――)
異様な触手と、何も無い空間から生成された巨大な鎌で戦う姿なんて見せられない。
一瞬手が止まった隙に、触手は上総と侑思を空中へと持ち上げた。
会場中から悲鳴が上がる。
凝視して立ち尽くす奴や、とにかく逃げ出そうとする奴で、会場中がパニックになった。
だけど、ここまで騒ぎになってくれれば、却って俺達への注意は散漫になる。
【クロノ】
(今のうちに――!)
【クロノ】
「じい! 結界!!」
【アンク】
「はい!!」
じいの結界が俺達を囲む。
結界に入っているのは、俺達四人とあと触手の魔物だけだ。
結界内で何が起きても外からは見えないので、これで思う存分戦える。
【クロノ】
「上総! 侑思! 助けるから待っ……」
待っててくれ、と声を掛けようとした時。
テーブルの下から這い出して、魔物が全貌を現した。
魔物は、太さも色も違う、数え切れないほどの触手が絡まったような姿をしている。
伸縮可能なのか、今までテーブルに隠れていたとは思えないほど、長く触手を伸ばした。
【アンク】
「あれは、魔界の妖獣ですな」
じいが、鎌を生成しながら言った。
【クロノ】
「特性は?」
俺も、鎌を生成して訊ねる。