[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]ユリス 編
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そんな妄想が広がって、俺は胸がどきどきしてきた。
さらにハネムーンには新婚初夜がつきものだろう。
……とか、そんなことに頭がいっぱいだったから。
【ユリス】
(甘い夜をすごすには、夫に精力付けてもらわないと)
そこまで考えが及んで、出来上がったスープを盛り付けて、そそくさとクロノの元へ行った。
【ユリス】
「できたぞ」
【クロノ】
「……」
【ユリス】
「おいクロノ? 寝てるのか?」
【クロノ】
「…………」
呼びかけても、反応がない。
その姿は、この前の夜と同じようにほんのり月の光を浴びて輝いていて、やっぱり神秘的だった。
【ユリス】
「起きないのか?」
スープの入った椀を片手で持って、空いた方の手で肩を突いてみる。
けどやっぱり、反応がない。
【ユリス】
「こんなぐったりするほど、疲れてたのか」
【ユリス】
「なら、俺が元気にしてやらないといけないんじゃないか……?」
食材を買いに行ったのはこいつだし。きっと腹を空かせてるはず。
とはいえ寝てたら、スプーンで口元に持って行っても食べれない。
【ユリス】
「こ、こうなったら、仕方ねえな。俺が口移しで食べさせてやるしか……な、な、ない、よな!?」
【クロノ】
「……」
白い陶器みたいな肌。
長いまつ毛とスッと通った鼻がそこに飾られていて、見入ってしまうほどクロノは綺麗だ。
【ユリス】
「仕方なし、だからな? 仕方なく……なんだからな!」
そう言い訳して、俺はスープを口に含んで。
そっと……薄く紅く色づく唇に、近付いた。
【クロノ】
(なんだ……身体が、重い)
今までは、軽い痛みが頭に居座っていただけだった。
それが、全身に広がって自由を奪っているような……そんな変な感触がした。
【クロノ】
(どうなってんの、これ?)
【ウサギ】
『とうとう、この日ガ──』
【クロノ】
(この日?)
【ウサギ】
『満月の夜ヲ……何もセズに迎えタ』
【ウサギ】
『これジャ偉大な先輩ニ、顔ムケできなイ…………!!』
ふっと、何日か前に月を見上げた時に兎が言ってたことを思い出す。
火に飛び込んで、身を捧げた兎が、月に刻まれた……て話を。
【クロノ】
(て、何!?)
ぼんやりとしてたら、突然ユリスの顔が迫って来ていた。
それもすぐに、唇が触れてしまいそうな距離だ。
【クロノ】
(ちょ、勝手に何する気だ……!)
【クロノ】
「んっ」
【ユリス】
「ん……えっ!?」
気力を振り絞って込めた力が、腕を動かした。
その勢いで、ユリスが口から何かを吐き出しながら倒れる。
傍らには、手にしていたらしい椀を落とし、そこに入っていた中身を砂の上にぶちまける。
【ユリス】
「あ……お、お、起きた……のか?」
【クロノ】
「お前、今、何しようと……」
【ウサギ】
『お前コソ、ナニ、してるんダ!!』
叫び声が頭の中に反響して、ぐわんぐわん目の前が揺れる。
【ウサギ】
『イイ事全然シナイ。それどころカ、慕ってくれる者ヲ邪険にスル!』
【ウサギ】
『ヨクナイ。そんなノ、ちっともヨクナイことダ……!!』
【クロノ】
(っ……)
目を開けてるのに、いきなり目の前が真っ暗になる。
何が起きたのか、呆気に取られているうちに……身体が勝手に動き始めた。
【クロノ】
「大丈夫か、ユリス? 怪我はしてない?」
【ユリス】
「へ……」
【クロノ】
「立てるか? 俺の手に捕まれ」
【ユリス】
「あ、ああ……ありがとう」
差し出された手を掴んで引き上げると、服に着いた砂を払い落とし始める。
【ユリス】
「あれ、え、クロノ……?」
【クロノ】
「今まで本当に悪かった。全部、俺が悪い」
【クロノ】
「お前の魅力に気付けなかった愚かな俺を、許してくれるか?」
【ユリス】
「えええっ」
【ユリス】
「あ……ああ、あ、う、う、うん、うんうん」
【ユリス】
「許す。許すよ、俺、ユルスっていうくらいだし?」
【ユリス】
「あ、違うっユリスだ……!!」
【クロノ】
「はは。お前って、広い心の他にギャグのセンスもあるんだな」
【ユリス】
「は、はふっぅぇ……?」
にこっと笑いかけて頬を撫でると、ユリスは完全に壊れた反応を示した。
【クロノ】
(何言ってんだよ俺……信じられない。気持ち悪い)
心底そう思うのに、俺はまだ、ユリスの頭を撫でていた。
本当に、気持ち悪いくらいの笑顔を浮かべながら。
【ユリス】
「これは……夢? いや、夢にしても、優しすぎ」
【ユリス】
「いつもの夢は、冷たくあしらいながら悪戯してくるからな……」
こいつ、俺で一体どんな妄想を抱いてるんだよ。
止めて欲しい。そう言いたいけど、声が出ない。
変わりに口から出た言葉は……
【クロノ】
「悪戯して欲しいの? それとも、素直に愛されたいの?」
【クロノ】
「お前が望むなら、何でもしてあげるよ」
【クロノ】
(クッ……兎、お前か! お前の仕業だろ!? 俺の身体を返せ)
このまま茶番を続けさせるわけにはいかない。
【ウサギ】
『ダメダ……。ケナゲなこいつニ、イイ事すル……!』
【クロノ】
(イイ事って、やめろ馬鹿!!)
激しく抵抗するも、俺の右手はユリスの頬に添えられたまま。
そして、そっと抱きしめて……顔が近付いていく。
【ユリス】
「違う!」
【クロノ】
(え)
【ユリス】
「お前はクロノじゃない……」
【ユリス】
「そんな奴に、悪戯も、愛されたくも……ない!」
混乱に乗じて、流れに身を任せるかと思ったユリスが……。
その瞳に涙をためて、訴えてきた。
さらにハネムーンには新婚初夜がつきものだろう。
……とか、そんなことに頭がいっぱいだったから。
【ユリス】
(甘い夜をすごすには、夫に精力付けてもらわないと)
そこまで考えが及んで、出来上がったスープを盛り付けて、そそくさとクロノの元へ行った。
【ユリス】
「できたぞ」
【クロノ】
「……」
【ユリス】
「おいクロノ? 寝てるのか?」
【クロノ】
「…………」
呼びかけても、反応がない。
その姿は、この前の夜と同じようにほんのり月の光を浴びて輝いていて、やっぱり神秘的だった。
【ユリス】
「起きないのか?」
スープの入った椀を片手で持って、空いた方の手で肩を突いてみる。
けどやっぱり、反応がない。
【ユリス】
「こんなぐったりするほど、疲れてたのか」
【ユリス】
「なら、俺が元気にしてやらないといけないんじゃないか……?」
食材を買いに行ったのはこいつだし。きっと腹を空かせてるはず。
とはいえ寝てたら、スプーンで口元に持って行っても食べれない。
【ユリス】
「こ、こうなったら、仕方ねえな。俺が口移しで食べさせてやるしか……な、な、ない、よな!?」
【クロノ】
「……」
白い陶器みたいな肌。
長いまつ毛とスッと通った鼻がそこに飾られていて、見入ってしまうほどクロノは綺麗だ。
【ユリス】
「仕方なし、だからな? 仕方なく……なんだからな!」
そう言い訳して、俺はスープを口に含んで。
そっと……薄く紅く色づく唇に、近付いた。
【クロノ】
(なんだ……身体が、重い)
今までは、軽い痛みが頭に居座っていただけだった。
それが、全身に広がって自由を奪っているような……そんな変な感触がした。
【クロノ】
(どうなってんの、これ?)
【ウサギ】
『とうとう、この日ガ──』
【クロノ】
(この日?)
【ウサギ】
『満月の夜ヲ……何もセズに迎えタ』
【ウサギ】
『これジャ偉大な先輩ニ、顔ムケできなイ…………!!』
ふっと、何日か前に月を見上げた時に兎が言ってたことを思い出す。
火に飛び込んで、身を捧げた兎が、月に刻まれた……て話を。
【クロノ】
(て、何!?)
ぼんやりとしてたら、突然ユリスの顔が迫って来ていた。
それもすぐに、唇が触れてしまいそうな距離だ。
【クロノ】
(ちょ、勝手に何する気だ……!)
【クロノ】
「んっ」
【ユリス】
「ん……えっ!?」
気力を振り絞って込めた力が、腕を動かした。
その勢いで、ユリスが口から何かを吐き出しながら倒れる。
傍らには、手にしていたらしい椀を落とし、そこに入っていた中身を砂の上にぶちまける。
【ユリス】
「あ……お、お、起きた……のか?」
【クロノ】
「お前、今、何しようと……」
【ウサギ】
『お前コソ、ナニ、してるんダ!!』
叫び声が頭の中に反響して、ぐわんぐわん目の前が揺れる。
【ウサギ】
『イイ事全然シナイ。それどころカ、慕ってくれる者ヲ邪険にスル!』
【ウサギ】
『ヨクナイ。そんなノ、ちっともヨクナイことダ……!!』
【クロノ】
(っ……)
目を開けてるのに、いきなり目の前が真っ暗になる。
何が起きたのか、呆気に取られているうちに……身体が勝手に動き始めた。
【クロノ】
「大丈夫か、ユリス? 怪我はしてない?」
【ユリス】
「へ……」
【クロノ】
「立てるか? 俺の手に捕まれ」
【ユリス】
「あ、ああ……ありがとう」
差し出された手を掴んで引き上げると、服に着いた砂を払い落とし始める。
【ユリス】
「あれ、え、クロノ……?」
【クロノ】
「今まで本当に悪かった。全部、俺が悪い」
【クロノ】
「お前の魅力に気付けなかった愚かな俺を、許してくれるか?」
【ユリス】
「えええっ」
【ユリス】
「あ……ああ、あ、う、う、うん、うんうん」
【ユリス】
「許す。許すよ、俺、ユルスっていうくらいだし?」
【ユリス】
「あ、違うっユリスだ……!!」
【クロノ】
「はは。お前って、広い心の他にギャグのセンスもあるんだな」
【ユリス】
「は、はふっぅぇ……?」
にこっと笑いかけて頬を撫でると、ユリスは完全に壊れた反応を示した。
【クロノ】
(何言ってんだよ俺……信じられない。気持ち悪い)
心底そう思うのに、俺はまだ、ユリスの頭を撫でていた。
本当に、気持ち悪いくらいの笑顔を浮かべながら。
【ユリス】
「これは……夢? いや、夢にしても、優しすぎ」
【ユリス】
「いつもの夢は、冷たくあしらいながら悪戯してくるからな……」
こいつ、俺で一体どんな妄想を抱いてるんだよ。
止めて欲しい。そう言いたいけど、声が出ない。
変わりに口から出た言葉は……
【クロノ】
「悪戯して欲しいの? それとも、素直に愛されたいの?」
【クロノ】
「お前が望むなら、何でもしてあげるよ」
【クロノ】
(クッ……兎、お前か! お前の仕業だろ!? 俺の身体を返せ)
このまま茶番を続けさせるわけにはいかない。
【ウサギ】
『ダメダ……。ケナゲなこいつニ、イイ事すル……!』
【クロノ】
(イイ事って、やめろ馬鹿!!)
激しく抵抗するも、俺の右手はユリスの頬に添えられたまま。
そして、そっと抱きしめて……顔が近付いていく。
【ユリス】
「違う!」
【クロノ】
(え)
【ユリス】
「お前はクロノじゃない……」
【ユリス】
「そんな奴に、悪戯も、愛されたくも……ない!」
混乱に乗じて、流れに身を任せるかと思ったユリスが……。
その瞳に涙をためて、訴えてきた。
