[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]ユリス 編
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【クロノ】
「出し過ぎは身体に悪いっていうし……疲れたから寝る」
そう言って、俺に背を向けて本当に眠り始めた。
【ユリス】
「えぇ……」
期待に膨らんだ胸が、スーッと萎んでいく。
けれど、なんだか月明かりに照らされたクロノの寝姿が神秘的に輝いてるように見えて。
【ユリス】
「……綺麗だ」
そう感じたから。
ともかく今夜はこの光景を一瞬たりとも見逃したくない。
そんな気持ちが、萎んだ胸の中に膨らんでいった。
それから、数日が経った。
善行がどうとか言うから、時々ゴミ拾いしたりしながら、ブッダに関連する修行の地とかに行ってみたりしたんだけど。
【ウサギ】
『ナニかガ、違ウ……モット、ワッと! こう、グワッてやり遂げた感が、欲しいんデス……!!』
【クロノ】
「そう言われてもね。なんで俺にとり憑いたりしたの?」
【クロノ】
「基本、何事にもやる気のない俺を選んだのがそもそもの間違いなんだけど」
【ウサギ】
『あの日、通りかかったところデ、丁度仕事をやり終えた感じがあったのガ、あなただったのデ』
つまりは運が悪かった。その一言に尽きるわけだ。
【クロノ】
「だったらさ、もっとそういう実感与えてくれる奴に乗り換えたら?」
例えば……と近くをうろつく、ユリスを見た。
【ユリス】
「何だ? そんなジッと見て……」
【クロノ】
「いや、お前ってよく見ると意外に可愛い顔してんだな」
【ユリス】
「はぁあああ……!?」
ぼん、て音が聞こえそうな程、顔が真っ赤に染まる。
【クロノ】
(こういう単純な奴に乗り移れば、達成感とかすぐ感じられると思うんだけど?)
我ながら名案だと思った。
そうすれば、除霊が出来ない間、ユリスは死神界から姿を消して当分会うこともなくなるし。
一石二鳥だ、なんて考えたんだけど。
【ウサギ】
『……なにぶん、ワタシも浮遊霊になるのはハジメテですカラ』
【ウサギ】
『とり憑くことハできてモ、乗り移る方法ハ分からないンですヨ……』
【クロノ】
「あ、そう……」
ジンジンと頭が痛くなる。
解決方法が見つからないんじゃ、後どれくらいこのままなのか見当もつかない。
厄介ごとをユリスに押し付けることもできなし……。
重くなる一方の頭を抱えていると。
【ウサギ】
『ところデ、ごはんハ食べないんですカ?』
【クロノ】
「は? 幽霊のくせに腹が減ってるの?」
【ウサギ】
『イエ、特に食べなくてもイイんですガ……生きてた頃の習慣デ、何か口にしたいナ。ナンテ……』
我がままだ。
おずおずと切り出されたお願いに、イラッとしながら。
【クロノ】
(まあでも、俺も別に食事を取る必要ないけど、何か食べると気分転換にはなるし……)
【ウサギ】
『ですヨネ。ですヨネ。それジャ新鮮な草でも食べまショウ!』
【クロノ】
「ザクロでも売ってないかな……」
街中に立つ、市場に足を運ぶことにした。
【ユリス】
「……ハ!」
【ユリス】
「あ、おい、どこ行くんだよクロノっ」
【ユリス】
「俺を褒め殺して、どうしようとしてたんだ……!」
数分の間を置いて、固まっていたユリスが動き出した。
あんな軽い冗談を真に受けて、そこまでのリアクションが取れるってすごいよな。
本気で、こいつに兎がとり憑いてればすぐに解決できたろうに……と、ため息を吐いた。
【屋台の主】
「イラッシャイ! 美味しい野菜、フルーツ、てんこ盛りダヨ!」
やたら陽気そうな男が、並べられた果物を見つめる俺に声を掛けてくる。
【クロノ】
「ザクロひとつ」
【屋台の主】
「ひとつ? ふたつじゃなくて?」
【ユリス】
「ん?」
男が、俺とユリスの顔を交互に見比べる。
2人でひとつでいいのか、そう言いたいんだろう。
【クロノ】
「ひとつでいい」
【屋台の主】
「そう……」
寂しそうな顔をしたかと思うと、男は何故かニンジンやトマトなんかの他の野菜も袋に詰め始めた。
【屋台の主】
「兄弟で、ひとつのものを分け合うなんて……健気だ!」
【屋台の主】
「これはボクからのサービスよ! 持って行きな!!」
【クロノ】
「え、いや、いいって。ほんとにひとつで!」
【屋台の主】
「ノン、ノン、さ、持って行きな」
【ユリス】
「あ、ああ……」
拒否する俺じゃなく、隣に立つユリスに無理やりその袋を渡す。
そのうえで、金はいいと、さらに同情を示してきた。
【クロノ】
「あの、そうじゃなくて……」
きっちり断ろうとしたけど。ユリスが袋をギュッと抱きしめるように握って、目を輝かせた。
【ユリス】
「これって、これって……」
【ユリス】
「お、俺たちが、し、新婚にでも見えたとか……!!??」
【クロノ】
「ハ?」
【ユリス】
「それでサービスしてくれたのか?」
【クロノ】
「…………」
【クロノ】
「ハァ」
あまりにおめでたすぎる勘違いに、ドッと疲れが押し寄せた。
何をどうすれば、そんなぶっ飛んだ思考ができるんだろう。
……ある意味羨ましい。そんなことを思ってしまった。
【ユリス】
「ん……結構いけんじゃね?」
昼にもらった野菜を煮込んで、料理をしてみた。
クロノは最近、夜になるとぼんやり月を眺めてたりする。
兎にとり憑かれてるから、きっと身体に負担がかかってるんだと思う。
【ユリス】
(疲れた夫の為にご飯作るとか、俺なんていい嫁なんだ……!)
柔らかく煮えたスープをかき混ぜながら、ふと空を見つめる。
【ユリス】
「まん丸で饅頭みたいでうまそうだな……あの月」
【ユリス】
「饅頭って甘いよな……。甘い蜜の味の月って……蜜月」
【ユリス】
「ハネムーン!!」
【ユリス】
「新婚にハネムーンは必須だよな」
「出し過ぎは身体に悪いっていうし……疲れたから寝る」
そう言って、俺に背を向けて本当に眠り始めた。
【ユリス】
「えぇ……」
期待に膨らんだ胸が、スーッと萎んでいく。
けれど、なんだか月明かりに照らされたクロノの寝姿が神秘的に輝いてるように見えて。
【ユリス】
「……綺麗だ」
そう感じたから。
ともかく今夜はこの光景を一瞬たりとも見逃したくない。
そんな気持ちが、萎んだ胸の中に膨らんでいった。
それから、数日が経った。
善行がどうとか言うから、時々ゴミ拾いしたりしながら、ブッダに関連する修行の地とかに行ってみたりしたんだけど。
【ウサギ】
『ナニかガ、違ウ……モット、ワッと! こう、グワッてやり遂げた感が、欲しいんデス……!!』
【クロノ】
「そう言われてもね。なんで俺にとり憑いたりしたの?」
【クロノ】
「基本、何事にもやる気のない俺を選んだのがそもそもの間違いなんだけど」
【ウサギ】
『あの日、通りかかったところデ、丁度仕事をやり終えた感じがあったのガ、あなただったのデ』
つまりは運が悪かった。その一言に尽きるわけだ。
【クロノ】
「だったらさ、もっとそういう実感与えてくれる奴に乗り換えたら?」
例えば……と近くをうろつく、ユリスを見た。
【ユリス】
「何だ? そんなジッと見て……」
【クロノ】
「いや、お前ってよく見ると意外に可愛い顔してんだな」
【ユリス】
「はぁあああ……!?」
ぼん、て音が聞こえそうな程、顔が真っ赤に染まる。
【クロノ】
(こういう単純な奴に乗り移れば、達成感とかすぐ感じられると思うんだけど?)
我ながら名案だと思った。
そうすれば、除霊が出来ない間、ユリスは死神界から姿を消して当分会うこともなくなるし。
一石二鳥だ、なんて考えたんだけど。
【ウサギ】
『……なにぶん、ワタシも浮遊霊になるのはハジメテですカラ』
【ウサギ】
『とり憑くことハできてモ、乗り移る方法ハ分からないンですヨ……』
【クロノ】
「あ、そう……」
ジンジンと頭が痛くなる。
解決方法が見つからないんじゃ、後どれくらいこのままなのか見当もつかない。
厄介ごとをユリスに押し付けることもできなし……。
重くなる一方の頭を抱えていると。
【ウサギ】
『ところデ、ごはんハ食べないんですカ?』
【クロノ】
「は? 幽霊のくせに腹が減ってるの?」
【ウサギ】
『イエ、特に食べなくてもイイんですガ……生きてた頃の習慣デ、何か口にしたいナ。ナンテ……』
我がままだ。
おずおずと切り出されたお願いに、イラッとしながら。
【クロノ】
(まあでも、俺も別に食事を取る必要ないけど、何か食べると気分転換にはなるし……)
【ウサギ】
『ですヨネ。ですヨネ。それジャ新鮮な草でも食べまショウ!』
【クロノ】
「ザクロでも売ってないかな……」
街中に立つ、市場に足を運ぶことにした。
【ユリス】
「……ハ!」
【ユリス】
「あ、おい、どこ行くんだよクロノっ」
【ユリス】
「俺を褒め殺して、どうしようとしてたんだ……!」
数分の間を置いて、固まっていたユリスが動き出した。
あんな軽い冗談を真に受けて、そこまでのリアクションが取れるってすごいよな。
本気で、こいつに兎がとり憑いてればすぐに解決できたろうに……と、ため息を吐いた。
【屋台の主】
「イラッシャイ! 美味しい野菜、フルーツ、てんこ盛りダヨ!」
やたら陽気そうな男が、並べられた果物を見つめる俺に声を掛けてくる。
【クロノ】
「ザクロひとつ」
【屋台の主】
「ひとつ? ふたつじゃなくて?」
【ユリス】
「ん?」
男が、俺とユリスの顔を交互に見比べる。
2人でひとつでいいのか、そう言いたいんだろう。
【クロノ】
「ひとつでいい」
【屋台の主】
「そう……」
寂しそうな顔をしたかと思うと、男は何故かニンジンやトマトなんかの他の野菜も袋に詰め始めた。
【屋台の主】
「兄弟で、ひとつのものを分け合うなんて……健気だ!」
【屋台の主】
「これはボクからのサービスよ! 持って行きな!!」
【クロノ】
「え、いや、いいって。ほんとにひとつで!」
【屋台の主】
「ノン、ノン、さ、持って行きな」
【ユリス】
「あ、ああ……」
拒否する俺じゃなく、隣に立つユリスに無理やりその袋を渡す。
そのうえで、金はいいと、さらに同情を示してきた。
【クロノ】
「あの、そうじゃなくて……」
きっちり断ろうとしたけど。ユリスが袋をギュッと抱きしめるように握って、目を輝かせた。
【ユリス】
「これって、これって……」
【ユリス】
「お、俺たちが、し、新婚にでも見えたとか……!!??」
【クロノ】
「ハ?」
【ユリス】
「それでサービスしてくれたのか?」
【クロノ】
「…………」
【クロノ】
「ハァ」
あまりにおめでたすぎる勘違いに、ドッと疲れが押し寄せた。
何をどうすれば、そんなぶっ飛んだ思考ができるんだろう。
……ある意味羨ましい。そんなことを思ってしまった。
【ユリス】
「ん……結構いけんじゃね?」
昼にもらった野菜を煮込んで、料理をしてみた。
クロノは最近、夜になるとぼんやり月を眺めてたりする。
兎にとり憑かれてるから、きっと身体に負担がかかってるんだと思う。
【ユリス】
(疲れた夫の為にご飯作るとか、俺なんていい嫁なんだ……!)
柔らかく煮えたスープをかき混ぜながら、ふと空を見つめる。
【ユリス】
「まん丸で饅頭みたいでうまそうだな……あの月」
【ユリス】
「饅頭って甘いよな……。甘い蜜の味の月って……蜜月」
【ユリス】
「ハネムーン!!」
【ユリス】
「新婚にハネムーンは必須だよな」
