[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]ユリス 編
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今日の分の魂を刈り終えて、俺はぼんやり空を見上げた。
【クロノ】
「ハァ……帰るか」
やる気なんてないけど、ある程度成果をあげておけば融通が利く。
それにじいがうるさいから……なんて、受動的な理由で取り組んだ仕事を終えて死神界へ帰ろうとした。
そこに──
【ユリス】
「よう、お前もここで仕事してたのか? 奇遇だな」
明らかに待ってました、と言わんばかりに建物の影からユリスが現れた。
返事をするのも面倒だから、目を伏せてそのまま通り過ぎようとした。
目を合わせずに、俯いたまま歩いていると……突然、ぐにゃりとした気持ち悪い感覚が襲ってくる。
【クロノ】
「うっ……!!」
建物とか、何かを通り抜けようとしたときに似てるけど、それ以上に嫌な感覚が腹の底からせり上がって来る。
胸の奥がドクン、と疼いて全身が熱くて気持ち悪い。
【ユリス】
「おい、どうしたんだクロノ!?」
【クロノ】
「うる……さい」
頭の中がぐわんと揺れて、立っているのも辛いくらいのところに声を掛けられて不機嫌さが増す。
どっか行って、と視線で訴えようと睨みつけると……。
ユリスは俺と目を合わせずに上の方を見ていた。
【ユリス】
「な……」
【クロノ】
「?」
【クロノ】
「何、変な顔して」
【ユリス】
「お、お前……頭、頭の上」
【クロノ】
「え?」
言われて、そちらに意識を向けると何かがパタッ、と動いた。
【クロノ】
「ん……?」
今まで感じたことのない感覚がそこにある。
長い何かが頭の上から生えたような……そんな違和感にそっと手を伸ばすと。
ふわふわした毛が指をくすぐってきた。
【クロノ】
「何これ……?」
【ユリス】
「そ、それ……兎の耳、だよな? どうなってんだ、アクセサリーとかそういうんじゃないだろ?」
【ユリス】
「いきなり生えるの、俺見てた んだからな!」
何だか興奮してるように、マジマジと見つめてくる。
その絡みつくような視線が、鬱陶しい。
【ユリス】
「どうなってんだよ、なあ?」
【クロノ】
「……さあ。知らない」
【クロノ】
「てか、ジロジロ見るのやめて。気持ち悪いんだけど」
【ユリス】
「え、気持ち悪いのか? そりゃ、いきなりそんな耳とか生えたら、身体もおかしくなるよな」
【ユリス】
「吐きたいならいいぞ。別に、そんなお前見ても、俺は幻滅とかしねえし」
【クロノ】
「……俺にまとわりつくの止めてくれるんなら、目いっぱい幻滅してくれていいんだけど」
妙な耳が付いたこともあって、重くなった頭を抱えながら告げる。
けれど、相手の意識は俺のウサ耳に向いたままだった。
【ユリス】
「何でそんなもん、生えたんだろうな」
【クロノ】
「お前も生やしたいの? なんかジッと見てるけど」
【ユリス】
「……ハ!? な、何で俺がウサ耳なんて可愛らしいもの生やしたいとか思うんだよ!」
【クロノ】
「は?」
【ユリス】
「あっ、べべべ別に、クロノが可愛いとか、似合ってるとか」
【ユリス】
「そんなこと思って見惚れてたとかじゃねーけど!?」
【クロノ】
「……うざい」
衝動に駆られ、死神の鎌を具現化する。
【ユリス】
「何する気だ」
【クロノ】
「勝手に生えてきた、いらないものだし、刈り取ろうかと」
頭を下げて、空いてるほうの手で長い耳をガシッと掴む。
すると、ユリスが鎌を持つ手を両手で握ってきた。
【ユリス】
「ま、待てよ! いらないってなんだよ」
【ユリス】
「その耳、可愛いって言っても……だからといってお前のかっこよさとかは別にそのままだからな!」
【ユリス】
「だから、しばらくそのままでもいいんじゃねえか?」
【クロノ】
「お前に可愛いとか言われても、ムカつくだけだし……かっこいい、てフォローされても何も感じない」
だから、無視して鎌を下ろそうとするのを、全力で止められた。
【ユリス】
「突然生えたっつっても、今はお前の一部だろ? 自分の身体は大事にしろよ! 綺麗な身体なんだから!!」
【ウサギ】
『その通りデス!!!!』
【クロノ】
「!?」
急に頭の中に聞き覚えのない声が響いて、びくっと身体を揺らした。
【ユリス】
「どうしたんだ……クロノ?」
【クロノ】
「今、何か声が聞こえなかったか……」
【ユリス】
「声?」
【クロノ】
「そう、俺とお前以外の軽薄そうな声」
【ウサギ】
『あー、ワタシはあなたの頭の中に直接ハナシかけているのデ、他のヒトには聞こえまセン!』
【クロノ】
「!?」
【ユリス】
「?」
目の前のユリスの反応からして、本当に他人には聞こえてないんだと理解する。
【クロノ】
(それで……お前、誰? 俺の頭に耳を生やしたのはお前の仕業?)
【ウサギ】
『ワタシ、実は昔……前世では人間でシタ。けれど、ちょっと悪いことをシテ……獣となって生まれ変わりまシタ』
【クロノ】
(獣って、兎だったってこと?)
【ウサギ】
『ソウ。その兎としての一生、終えましたガ……心残りがありマス』
そこまでの説明で、俺は頭を抱えた。
【クロノ】
「つまり俺、兎の浮遊霊にとり憑かれたってこと……?」
あまりのことに思わず声に出してしまう。
とはいえ、他人には聞こえないようなボリュームで呟いたんだけど。
【ユリス】
「え、何だそれ!? 死神が霊にとり憑かれるって聞いたことないぞ!」
【クロノ】
「……」
面倒なことを、面倒な奴に聞かれてしまった。
【ユリス】
「なあ、どうするんだ? どうすればその霊は成仏するんだ!?」
【クロノ】
「ハァ……帰るか」
やる気なんてないけど、ある程度成果をあげておけば融通が利く。
それにじいがうるさいから……なんて、受動的な理由で取り組んだ仕事を終えて死神界へ帰ろうとした。
そこに──
【ユリス】
「よう、お前もここで仕事してたのか? 奇遇だな」
明らかに待ってました、と言わんばかりに建物の影からユリスが現れた。
返事をするのも面倒だから、目を伏せてそのまま通り過ぎようとした。
目を合わせずに、俯いたまま歩いていると……突然、ぐにゃりとした気持ち悪い感覚が襲ってくる。
【クロノ】
「うっ……!!」
建物とか、何かを通り抜けようとしたときに似てるけど、それ以上に嫌な感覚が腹の底からせり上がって来る。
胸の奥がドクン、と疼いて全身が熱くて気持ち悪い。
【ユリス】
「おい、どうしたんだクロノ!?」
【クロノ】
「うる……さい」
頭の中がぐわんと揺れて、立っているのも辛いくらいのところに声を掛けられて不機嫌さが増す。
どっか行って、と視線で訴えようと睨みつけると……。
ユリスは俺と目を合わせずに上の方を見ていた。
【ユリス】
「な……」
【クロノ】
「?」
【クロノ】
「何、変な顔して」
【ユリス】
「お、お前……頭、頭の上」
【クロノ】
「え?」
言われて、そちらに意識を向けると何かがパタッ、と動いた。
【クロノ】
「ん……?」
今まで感じたことのない感覚がそこにある。
長い何かが頭の上から生えたような……そんな違和感にそっと手を伸ばすと。
ふわふわした毛が指をくすぐってきた。
【クロノ】
「何これ……?」
【ユリス】
「そ、それ……兎の耳、だよな? どうなってんだ、アクセサリーとかそういうんじゃないだろ?」
【ユリス】
「いきなり生えるの、俺見てた んだからな!」
何だか興奮してるように、マジマジと見つめてくる。
その絡みつくような視線が、鬱陶しい。
【ユリス】
「どうなってんだよ、なあ?」
【クロノ】
「……さあ。知らない」
【クロノ】
「てか、ジロジロ見るのやめて。気持ち悪いんだけど」
【ユリス】
「え、気持ち悪いのか? そりゃ、いきなりそんな耳とか生えたら、身体もおかしくなるよな」
【ユリス】
「吐きたいならいいぞ。別に、そんなお前見ても、俺は幻滅とかしねえし」
【クロノ】
「……俺にまとわりつくの止めてくれるんなら、目いっぱい幻滅してくれていいんだけど」
妙な耳が付いたこともあって、重くなった頭を抱えながら告げる。
けれど、相手の意識は俺のウサ耳に向いたままだった。
【ユリス】
「何でそんなもん、生えたんだろうな」
【クロノ】
「お前も生やしたいの? なんかジッと見てるけど」
【ユリス】
「……ハ!? な、何で俺がウサ耳なんて可愛らしいもの生やしたいとか思うんだよ!」
【クロノ】
「は?」
【ユリス】
「あっ、べべべ別に、クロノが可愛いとか、似合ってるとか」
【ユリス】
「そんなこと思って見惚れてたとかじゃねーけど!?」
【クロノ】
「……うざい」
衝動に駆られ、死神の鎌を具現化する。
【ユリス】
「何する気だ」
【クロノ】
「勝手に生えてきた、いらないものだし、刈り取ろうかと」
頭を下げて、空いてるほうの手で長い耳をガシッと掴む。
すると、ユリスが鎌を持つ手を両手で握ってきた。
【ユリス】
「ま、待てよ! いらないってなんだよ」
【ユリス】
「その耳、可愛いって言っても……だからといってお前のかっこよさとかは別にそのままだからな!」
【ユリス】
「だから、しばらくそのままでもいいんじゃねえか?」
【クロノ】
「お前に可愛いとか言われても、ムカつくだけだし……かっこいい、てフォローされても何も感じない」
だから、無視して鎌を下ろそうとするのを、全力で止められた。
【ユリス】
「突然生えたっつっても、今はお前の一部だろ? 自分の身体は大事にしろよ! 綺麗な身体なんだから!!」
【ウサギ】
『その通りデス!!!!』
【クロノ】
「!?」
急に頭の中に聞き覚えのない声が響いて、びくっと身体を揺らした。
【ユリス】
「どうしたんだ……クロノ?」
【クロノ】
「今、何か声が聞こえなかったか……」
【ユリス】
「声?」
【クロノ】
「そう、俺とお前以外の軽薄そうな声」
【ウサギ】
『あー、ワタシはあなたの頭の中に直接ハナシかけているのデ、他のヒトには聞こえまセン!』
【クロノ】
「!?」
【ユリス】
「?」
目の前のユリスの反応からして、本当に他人には聞こえてないんだと理解する。
【クロノ】
(それで……お前、誰? 俺の頭に耳を生やしたのはお前の仕業?)
【ウサギ】
『ワタシ、実は昔……前世では人間でシタ。けれど、ちょっと悪いことをシテ……獣となって生まれ変わりまシタ』
【クロノ】
(獣って、兎だったってこと?)
【ウサギ】
『ソウ。その兎としての一生、終えましたガ……心残りがありマス』
そこまでの説明で、俺は頭を抱えた。
【クロノ】
「つまり俺、兎の浮遊霊にとり憑かれたってこと……?」
あまりのことに思わず声に出してしまう。
とはいえ、他人には聞こえないようなボリュームで呟いたんだけど。
【ユリス】
「え、何だそれ!? 死神が霊にとり憑かれるって聞いたことないぞ!」
【クロノ】
「……」
面倒なことを、面倒な奴に聞かれてしまった。
【ユリス】
「なあ、どうするんだ? どうすればその霊は成仏するんだ!?」
