[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]日留川 凌央 編
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【日留川 凌央】
「お前が身体を張って庇ってくれたから。だから……」
【クロノ】
「だから、何?」
【日留川 凌央】
「……かっこよかったから、そんなあんたに抱かれたいって思ったんだよ」
【クロノ】
「……!」
時折、こんな風に素直なところを直球でぶつけてくるから。
【クロノ】
(くそ。卑怯なほどかわいい)
【クロノ】
「そっか。なら遠慮なく、抱かせてもらう」
【日留川 凌央】
「……うん」
肌蹴た衣服にそっと手を伸ばす。
いつもはサディスティックに攻めることが多いけど、今回だけは優しく愛そうと、決めた。
【チャンドラ】
「ありがとう! 本当にありがとう!!」
さらに数日が経って、チャンドラが凌央と堅く握手しあう。
ようやく基本的な開発が終わったらしく、続きは日本へ帰ってからやるということになった。
【日留川 凌央】
「帰ったらすぐに残りの部分、仕上げるから」
【チャンドラ】
「こまめにチャットで連絡するので、リオも連絡してね」
【日留川 凌央】
「うん」
他人とマメに連絡を取り合う。そんな前向きな約束をする凌央の横顔は輝いて見えた。
【チャンドラ】
「じゃあ、インド最後の夜を目いっぱい楽しんでいってね!」
【クロノ】
「そうさせてもらう」
最後に俺にウィンクをして、チャンドラは部屋を出て行った。
それを見送って、目の前にある凌央の身体を抱き上げる。
【クロノ】
「じゃ、行くか」
【日留川 凌央】
「え? 行くってどこに……」
【クロノ】
「せっかくだから、インドの景色をしっかりと焼き付けておこう」
【日留川 凌央】
「?」
ニッと笑って、俺は飛んだ──
【日留川 凌央】
「え……」
目的の場所まで一気に移動して、抱えていた身体をそっと降ろした。
そこに広がる景色に呆然としながら、凌央が一歩、二歩、と砂の上を歩く。
【日留川 凌央】
「なんだこれ」
【クロノ】
「チャンドラが、絶対見ておいたほうがいいって教えてくれたんだ」
どこまでも続く、砂の海。
そこにさらに広がる煌めく星を散りばめた、夜空。
空気は乾燥して、冷たかったけれど。
だからこそ、景色が凛として瞳に映る。
【日留川 凌央】
「うわ、ひっろ……」
【日留川 凌央】
「どこまでも砂、砂、砂……て」
【日留川 凌央】
「何これ、なんかすごすぎて……俺なんてすごくちっぽけに思えてくる」
【日留川 凌央】
「地球って、やっぱデカイんだな」
【日留川 凌央】
「……」
【日留川 凌央】
「て、何か言えよ! 俺が寒いこと言ったみたいじゃんか」
ヒュッと吹き抜ける、一陣の風に髪を揺らしながら凌央が振り向く。
そして、頭を抱えながら膝をつく俺の姿を見つけた。
【日留川 凌央】
「え、どうしたんだ!?」
感動に水を差したくなくて、なんとか堪えていたけど、我慢も限界に近い。
【クロノ】
「頭が割れそうに……痛い」
押さえる指の間から伸びた耳が、ピクピクと震えてしまう。
ここに着いてからずっと……声がこだましていた。
【ウサギ】
『コノママ、カエル……ダメ』
【ウサギ】
『キチントゼンコウ、シナイト……ダメ』
【ウサギ】
『イウコト、キカナイナラ……ガンジスニミナゲ』
俺の中のウサギが、何もせずに日本へ帰ることを激しく拒否してた。
【日留川 凌央】
「一体どうしたんだよ……クロノ」
【クロノ】
「善い事もせずに帰るなら、ガンジス川に身投げするとか……言ってる」
【日留川 凌央】
「なっ……」
もちろんそんな好き勝手させる気はない。
やるんなら一人でやってくれ。
そう言い張って追い出そうとするけれど、できない。
一つの身体の中で、二つの精神がせめぎ合っているせいで、どうしようもない苦痛が起きていた。
【日留川 凌央】
「……そんな事、させるかよ」
【クロノ】
「凌央……?」
暴走しそうになるのを必死に堪えている俺のウサ耳を掴んで、そこに向かって凌央が語り掛け始める。
【日留川 凌央】
「あのさ、俺ずっと誰かと関わるの嫌で、引きこもってたんだ」
【日留川 凌央】
「ほんとはこんな遠くまで来る気なんかなかった」
【日留川 凌央】
「来るの怖かったんだよ。実際、怖い目にも遭ったし」
確かに、ずっと嫌がってた。それを無理やりに誘ったのは俺だ。
ここに来て、こんな形で告げられて、罪悪感が胸を過る。
【クロノ】
「……ごめん」
【日留川 凌央】
「謝ることなんてないよ。俺は怒ってるわけじゃないんだ」
【日留川 凌央】
「そんな思いもしたけど、ちゃんと仕事することができて今は満足してる」
【日留川 凌央】
「冒険してみなきゃ、この満足感て得られなかったんだろうな」
【日留川 凌央】
「それを感じられたのって、今ここにいるクロノのお陰なんだよね」
【ウサギ】
『……』
ウサギの言葉は俺の脳内にしか響かない。
そのせいか、凌央の言葉に反応したかのように頭上の耳がピクッと動いた。
【日留川 凌央】
「少なくとも俺は感謝してるよ。ありがとう、って思われるのって立派な善行だろ?」
【ウサギ】
『……ソレハ』
【日留川 凌央】
「だから早くクロノの身体から出て成仏してよ」
今度はピクピクッと大きく耳が揺れた。凌央の言葉がウサギに確かに伝わってるんだ。
【日留川 凌央】
「あんたがジャータカ物語のウサギに憧れて、火に飛び込みたいなら飛び込めばいいし」
【日留川 凌央】
「ガンジス川に流されて、清められたいってなら好きにしなよ」
【日留川 凌央】
「でも、クロノは連れて行かないで」
白くて細い腕が俺の身体をぎゅっと抱きしめる。
すると、身体の奥がやたら熱くなっていく。
【クロノ】
「っ……!」
「お前が身体を張って庇ってくれたから。だから……」
【クロノ】
「だから、何?」
【日留川 凌央】
「……かっこよかったから、そんなあんたに抱かれたいって思ったんだよ」
【クロノ】
「……!」
時折、こんな風に素直なところを直球でぶつけてくるから。
【クロノ】
(くそ。卑怯なほどかわいい)
【クロノ】
「そっか。なら遠慮なく、抱かせてもらう」
【日留川 凌央】
「……うん」
肌蹴た衣服にそっと手を伸ばす。
いつもはサディスティックに攻めることが多いけど、今回だけは優しく愛そうと、決めた。
【チャンドラ】
「ありがとう! 本当にありがとう!!」
さらに数日が経って、チャンドラが凌央と堅く握手しあう。
ようやく基本的な開発が終わったらしく、続きは日本へ帰ってからやるということになった。
【日留川 凌央】
「帰ったらすぐに残りの部分、仕上げるから」
【チャンドラ】
「こまめにチャットで連絡するので、リオも連絡してね」
【日留川 凌央】
「うん」
他人とマメに連絡を取り合う。そんな前向きな約束をする凌央の横顔は輝いて見えた。
【チャンドラ】
「じゃあ、インド最後の夜を目いっぱい楽しんでいってね!」
【クロノ】
「そうさせてもらう」
最後に俺にウィンクをして、チャンドラは部屋を出て行った。
それを見送って、目の前にある凌央の身体を抱き上げる。
【クロノ】
「じゃ、行くか」
【日留川 凌央】
「え? 行くってどこに……」
【クロノ】
「せっかくだから、インドの景色をしっかりと焼き付けておこう」
【日留川 凌央】
「?」
ニッと笑って、俺は飛んだ──
【日留川 凌央】
「え……」
目的の場所まで一気に移動して、抱えていた身体をそっと降ろした。
そこに広がる景色に呆然としながら、凌央が一歩、二歩、と砂の上を歩く。
【日留川 凌央】
「なんだこれ」
【クロノ】
「チャンドラが、絶対見ておいたほうがいいって教えてくれたんだ」
どこまでも続く、砂の海。
そこにさらに広がる煌めく星を散りばめた、夜空。
空気は乾燥して、冷たかったけれど。
だからこそ、景色が凛として瞳に映る。
【日留川 凌央】
「うわ、ひっろ……」
【日留川 凌央】
「どこまでも砂、砂、砂……て」
【日留川 凌央】
「何これ、なんかすごすぎて……俺なんてすごくちっぽけに思えてくる」
【日留川 凌央】
「地球って、やっぱデカイんだな」
【日留川 凌央】
「……」
【日留川 凌央】
「て、何か言えよ! 俺が寒いこと言ったみたいじゃんか」
ヒュッと吹き抜ける、一陣の風に髪を揺らしながら凌央が振り向く。
そして、頭を抱えながら膝をつく俺の姿を見つけた。
【日留川 凌央】
「え、どうしたんだ!?」
感動に水を差したくなくて、なんとか堪えていたけど、我慢も限界に近い。
【クロノ】
「頭が割れそうに……痛い」
押さえる指の間から伸びた耳が、ピクピクと震えてしまう。
ここに着いてからずっと……声がこだましていた。
【ウサギ】
『コノママ、カエル……ダメ』
【ウサギ】
『キチントゼンコウ、シナイト……ダメ』
【ウサギ】
『イウコト、キカナイナラ……ガンジスニミナゲ』
俺の中のウサギが、何もせずに日本へ帰ることを激しく拒否してた。
【日留川 凌央】
「一体どうしたんだよ……クロノ」
【クロノ】
「善い事もせずに帰るなら、ガンジス川に身投げするとか……言ってる」
【日留川 凌央】
「なっ……」
もちろんそんな好き勝手させる気はない。
やるんなら一人でやってくれ。
そう言い張って追い出そうとするけれど、できない。
一つの身体の中で、二つの精神がせめぎ合っているせいで、どうしようもない苦痛が起きていた。
【日留川 凌央】
「……そんな事、させるかよ」
【クロノ】
「凌央……?」
暴走しそうになるのを必死に堪えている俺のウサ耳を掴んで、そこに向かって凌央が語り掛け始める。
【日留川 凌央】
「あのさ、俺ずっと誰かと関わるの嫌で、引きこもってたんだ」
【日留川 凌央】
「ほんとはこんな遠くまで来る気なんかなかった」
【日留川 凌央】
「来るの怖かったんだよ。実際、怖い目にも遭ったし」
確かに、ずっと嫌がってた。それを無理やりに誘ったのは俺だ。
ここに来て、こんな形で告げられて、罪悪感が胸を過る。
【クロノ】
「……ごめん」
【日留川 凌央】
「謝ることなんてないよ。俺は怒ってるわけじゃないんだ」
【日留川 凌央】
「そんな思いもしたけど、ちゃんと仕事することができて今は満足してる」
【日留川 凌央】
「冒険してみなきゃ、この満足感て得られなかったんだろうな」
【日留川 凌央】
「それを感じられたのって、今ここにいるクロノのお陰なんだよね」
【ウサギ】
『……』
ウサギの言葉は俺の脳内にしか響かない。
そのせいか、凌央の言葉に反応したかのように頭上の耳がピクッと動いた。
【日留川 凌央】
「少なくとも俺は感謝してるよ。ありがとう、って思われるのって立派な善行だろ?」
【ウサギ】
『……ソレハ』
【日留川 凌央】
「だから早くクロノの身体から出て成仏してよ」
今度はピクピクッと大きく耳が揺れた。凌央の言葉がウサギに確かに伝わってるんだ。
【日留川 凌央】
「あんたがジャータカ物語のウサギに憧れて、火に飛び込みたいなら飛び込めばいいし」
【日留川 凌央】
「ガンジス川に流されて、清められたいってなら好きにしなよ」
【日留川 凌央】
「でも、クロノは連れて行かないで」
白くて細い腕が俺の身体をぎゅっと抱きしめる。
すると、身体の奥がやたら熱くなっていく。
【クロノ】
「っ……!」