[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]日留川 凌央 編
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【ウサギ】
『Oh,No! 濡れ衣デス。彼なら、あっちの方に連れていかれマシタ』
【クロノ】
「ハ? 連れてかれたって……」
【ウサギ】
『複数の身体の大きなメンズたちデシタ』
【クロノ】
「凌央……!」
知識は頭に入ってたけど、地理はさすがにすぐに覚えられなかった。
感心してくれてるクロノをがっかりさせたくなくて、こっそり忍ばせた地図を見てたときだ──
【男1】
「ヘイ、キュートガール」
【男2】
「ソー、プリティ」
いきなり、よく知らない男たちが俺の周りを取り囲んだ。
【日留川 凌央】
「おい、何すんだよ! ガールって、俺は女じゃない……!!」
必死に抵抗したけど、俺よりもずっと背が高くて身体の大きい奴らの方が力は強い。
暴れてみたけど、それはほとんど意味をなさいまま路地裏へと連れ込まれた。
【日留川 凌央】
「離せよ!」
【男3】
「ヘイ、レッツエンジョイ」
【男4】
「ゴートゥーヘブン!」
【日留川 凌央】
「や、やめろ! 触るな……っ」
よく分からない英語を並べ立て、ニヤニヤしながら服に手を掛ける。
髭を生やした、黒くて彫りの深い顔が視界いっぱいに並んで、ゾッとした。
【日留川 凌央】
(クソ、だから外国なんか来たくなかったんだ)
ネットで検索すると、いつだって『犯罪』の文字が次の候補にあがってきた。
世界中で日本が一番安全だって言われてるんだから、出る必要なんてなかったんだ。
今さらながらの後悔で、頭の中がワーッと埋め尽くされる。
そのとき、フッとあいつの顔が浮かんだ。
どうしてこんな所に来ちゃったんだ、という文句の中でその笑顔がうっすらと輝く。
【日留川 凌央】
(……そう、あいつが喜ぶと思ったから)
【日留川 凌央】
(だから俺……)
外に出ようって、決めた。
あいつが隣にいてくれるなら、何があっても大丈夫だって……そう信じて。
臭い匂いと、不快な生温かさが身体に触れている。
気持ち悪くて、怖くて、嫌な気分に埋もれそうになる中で、俺は叫んだ。
【日留川 凌央】
「……クロノ! 助けてっ!!」
目を閉じて、あらん限りの声で呼んだ。
今までこんな大きな声出したことないってくらいに力を込めて。
すると、突然、鈍い音が立て続けに聞こえてきた。
【男1】
「フグッ!」
【男2】
「ホアッツ!?」
【男3】
「オーノー!!」
【男4】
「ジーザス……!」
そんな悲鳴の次に聞こえてきたのは。
【クロノ】
「凌央……!!」
まさに、俺が求めた人の声だった。
【日留川 凌央】
「クロノっ……!」
腕を伸ばすと、力強い手がしっかりと握ってくれた。
そしてそのまま、一気に走って路地裏を抜ける。
【日留川 凌央】
(やっぱり、来てくれた……)
ホッと胸を撫で下ろす。
けれど、大通りに出た瞬間、大きくてたくさんの何かが駆けてきた。
【日留川 凌央】
「え!?」
【クロノ】
「……う、うわあ!」
【牛】
「ンモー」
巨体を揺らしながら、どかどかとやって来る牛の群れ。
避けきることができずに、俺たちはその大群の中に飲まれていった。
牛の群れに飲まれ、道の上に倒れ込んでしまった。
だけど、そんな状況などお構いなしに牛たちは走り続ける。
頑丈な蹄が、もしも凌央の身体を踏みつけたらと思うと気が変になりそうで、
俺は必死に身体を張って守った。
【日留川 凌央】
「お、おい、大丈夫か!?」
【クロノ】
「いてて、いや、あんまり大丈夫じゃない」
【日留川 凌央】
「じゃあ、どけよ。あんたの身体が持たないだろ」
泣きそうな目で俺を見つめてくる。
心配されてるって伝わって来て、こんな状況なのに思わず頬が綻んでしまう。
【日留川 凌央】
「なんで笑ってんの?」
【クロノ】
「嬉しいから」
死神の肉体は頑丈だ。
人間だったら死ぬような目にあっても、精神さえ無事ならそうそう死ぬことは無い。
……とはいえ、ずっとこのまま、牛に揉まれてるのも正直しんどい。
【クロノ】
「ああ、もうっ……全部吹き飛ばしたい!」
鎌で薙ぎ払いたい、そんな衝動が生まれる。
―――けれど。
【ウサギ】
『ダメ! 牛は神聖な生き物だから、乱暴するのは絶対ダメ!!』
俺にとり憑いたウサギの言葉が頭の中に響く。
言う事を聞く気なんてないのに、勝手に身体が従ってしまう。
【クロノ】
「……一番鬱陶しいのは、やっぱりお前だよな」
俺の中にいるウサギに向かって吐いた気持ちが、うっかり言葉になって出てしまった。
それは凌央の耳にも届いてしまって、怯えた表情をさせてしまう。
【日留川 凌央】
「えっ……俺? 俺がうっかり攫われたから? だから、鬱陶しい?」
ショックを受けて少し涙目になっている。
乱暴されて、乱れた衣服で俺に押し倒されてるような状態なのに、そんな顔で見上げてくる。
理性のネジが吹っ飛びそうだ。
【クロノ】
「そんなわけないでしょ。今のはウサギに言った言葉」
もう我慢できなくなった俺は、凌央の華奢な身体を抱き上げて立ち上がった。
本当はひとっ飛びして周りの牛を跳ね除ければ楽なんだけど。
ウサギの抵抗があって、さすがにそこまで大胆なことは出来ない。
ガンガン牛にぶつかりながら前進する。
腕の中にある大切な存在だけは傷つけないように注意を払いながら──必死にホテルへと戻った。
【クロノ】
「どこかケガしたりしてない?」
部屋に戻ると、すぐにベッドに凌央を下ろした。
けれど、凌央は俺の首に手を回したまま離れようとしない。
【クロノ】
「どうした? まだ怖いのか」
【日留川 凌央】
「違う。全然、怖くなんてない」
そう言いながら、腕に力を込めて抱きしめてきた。
気のせいか、その身体は火照ってるように思える。
その上、すり寄せられた腰の辺りが硬く盛り上がってるような気もする。
【クロノ】
「もしかして、複数の男たちにまわされそうになって興奮したとか」
【日留川 凌央】
「ば、バカ!! そんなわけないだろ…!」
【クロノ】
「じゃあ何で……こんなになってるわけ?」
そっと下半身の膨らみを撫でると、凌央はうっとりするような目を向けてきた。
『Oh,No! 濡れ衣デス。彼なら、あっちの方に連れていかれマシタ』
【クロノ】
「ハ? 連れてかれたって……」
【ウサギ】
『複数の身体の大きなメンズたちデシタ』
【クロノ】
「凌央……!」
知識は頭に入ってたけど、地理はさすがにすぐに覚えられなかった。
感心してくれてるクロノをがっかりさせたくなくて、こっそり忍ばせた地図を見てたときだ──
【男1】
「ヘイ、キュートガール」
【男2】
「ソー、プリティ」
いきなり、よく知らない男たちが俺の周りを取り囲んだ。
【日留川 凌央】
「おい、何すんだよ! ガールって、俺は女じゃない……!!」
必死に抵抗したけど、俺よりもずっと背が高くて身体の大きい奴らの方が力は強い。
暴れてみたけど、それはほとんど意味をなさいまま路地裏へと連れ込まれた。
【日留川 凌央】
「離せよ!」
【男3】
「ヘイ、レッツエンジョイ」
【男4】
「ゴートゥーヘブン!」
【日留川 凌央】
「や、やめろ! 触るな……っ」
よく分からない英語を並べ立て、ニヤニヤしながら服に手を掛ける。
髭を生やした、黒くて彫りの深い顔が視界いっぱいに並んで、ゾッとした。
【日留川 凌央】
(クソ、だから外国なんか来たくなかったんだ)
ネットで検索すると、いつだって『犯罪』の文字が次の候補にあがってきた。
世界中で日本が一番安全だって言われてるんだから、出る必要なんてなかったんだ。
今さらながらの後悔で、頭の中がワーッと埋め尽くされる。
そのとき、フッとあいつの顔が浮かんだ。
どうしてこんな所に来ちゃったんだ、という文句の中でその笑顔がうっすらと輝く。
【日留川 凌央】
(……そう、あいつが喜ぶと思ったから)
【日留川 凌央】
(だから俺……)
外に出ようって、決めた。
あいつが隣にいてくれるなら、何があっても大丈夫だって……そう信じて。
臭い匂いと、不快な生温かさが身体に触れている。
気持ち悪くて、怖くて、嫌な気分に埋もれそうになる中で、俺は叫んだ。
【日留川 凌央】
「……クロノ! 助けてっ!!」
目を閉じて、あらん限りの声で呼んだ。
今までこんな大きな声出したことないってくらいに力を込めて。
すると、突然、鈍い音が立て続けに聞こえてきた。
【男1】
「フグッ!」
【男2】
「ホアッツ!?」
【男3】
「オーノー!!」
【男4】
「ジーザス……!」
そんな悲鳴の次に聞こえてきたのは。
【クロノ】
「凌央……!!」
まさに、俺が求めた人の声だった。
【日留川 凌央】
「クロノっ……!」
腕を伸ばすと、力強い手がしっかりと握ってくれた。
そしてそのまま、一気に走って路地裏を抜ける。
【日留川 凌央】
(やっぱり、来てくれた……)
ホッと胸を撫で下ろす。
けれど、大通りに出た瞬間、大きくてたくさんの何かが駆けてきた。
【日留川 凌央】
「え!?」
【クロノ】
「……う、うわあ!」
【牛】
「ンモー」
巨体を揺らしながら、どかどかとやって来る牛の群れ。
避けきることができずに、俺たちはその大群の中に飲まれていった。
牛の群れに飲まれ、道の上に倒れ込んでしまった。
だけど、そんな状況などお構いなしに牛たちは走り続ける。
頑丈な蹄が、もしも凌央の身体を踏みつけたらと思うと気が変になりそうで、
俺は必死に身体を張って守った。
【日留川 凌央】
「お、おい、大丈夫か!?」
【クロノ】
「いてて、いや、あんまり大丈夫じゃない」
【日留川 凌央】
「じゃあ、どけよ。あんたの身体が持たないだろ」
泣きそうな目で俺を見つめてくる。
心配されてるって伝わって来て、こんな状況なのに思わず頬が綻んでしまう。
【日留川 凌央】
「なんで笑ってんの?」
【クロノ】
「嬉しいから」
死神の肉体は頑丈だ。
人間だったら死ぬような目にあっても、精神さえ無事ならそうそう死ぬことは無い。
……とはいえ、ずっとこのまま、牛に揉まれてるのも正直しんどい。
【クロノ】
「ああ、もうっ……全部吹き飛ばしたい!」
鎌で薙ぎ払いたい、そんな衝動が生まれる。
―――けれど。
【ウサギ】
『ダメ! 牛は神聖な生き物だから、乱暴するのは絶対ダメ!!』
俺にとり憑いたウサギの言葉が頭の中に響く。
言う事を聞く気なんてないのに、勝手に身体が従ってしまう。
【クロノ】
「……一番鬱陶しいのは、やっぱりお前だよな」
俺の中にいるウサギに向かって吐いた気持ちが、うっかり言葉になって出てしまった。
それは凌央の耳にも届いてしまって、怯えた表情をさせてしまう。
【日留川 凌央】
「えっ……俺? 俺がうっかり攫われたから? だから、鬱陶しい?」
ショックを受けて少し涙目になっている。
乱暴されて、乱れた衣服で俺に押し倒されてるような状態なのに、そんな顔で見上げてくる。
理性のネジが吹っ飛びそうだ。
【クロノ】
「そんなわけないでしょ。今のはウサギに言った言葉」
もう我慢できなくなった俺は、凌央の華奢な身体を抱き上げて立ち上がった。
本当はひとっ飛びして周りの牛を跳ね除ければ楽なんだけど。
ウサギの抵抗があって、さすがにそこまで大胆なことは出来ない。
ガンガン牛にぶつかりながら前進する。
腕の中にある大切な存在だけは傷つけないように注意を払いながら──必死にホテルへと戻った。
【クロノ】
「どこかケガしたりしてない?」
部屋に戻ると、すぐにベッドに凌央を下ろした。
けれど、凌央は俺の首に手を回したまま離れようとしない。
【クロノ】
「どうした? まだ怖いのか」
【日留川 凌央】
「違う。全然、怖くなんてない」
そう言いながら、腕に力を込めて抱きしめてきた。
気のせいか、その身体は火照ってるように思える。
その上、すり寄せられた腰の辺りが硬く盛り上がってるような気もする。
【クロノ】
「もしかして、複数の男たちにまわされそうになって興奮したとか」
【日留川 凌央】
「ば、バカ!! そんなわけないだろ…!」
【クロノ】
「じゃあ何で……こんなになってるわけ?」
そっと下半身の膨らみを撫でると、凌央はうっとりするような目を向けてきた。