[本編] 春川 樹生 編
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【春川 樹生】
「生汰が、守ってくれたのか……!?」
【ユリス】
「はああああ?! 何だこれ?!なんだよこの展開?!」
【ユリス】
「なんだよ、こいつ……邪魔くせぇ!!」
【ユリス】
「今更動きまわるんじゃねぇよ!」
ユリスは化物に突き刺さった鎌を引き抜き、再び振り下ろす―――
グシャっと音がして化物の一部が飛び散った。
【???】
「ウアアアアアアア!!」
瞬間―――慟哭のような叫び声が化け物から溢れ出した。
【春川 樹生】
「やめろ!やめろやめろやめろ!」
悲痛な叫び声を上げながら、化物に近寄ろうとする春川を手で制する。
【クロノ】
「近づくなって……!」
【クロノ】
「忘れたの?あれはお前の弟じゃない」
【クロノ】
「ただの夢なんだって。お前の願望であって、ホンモノの弟じゃないんだって!」
【春川 樹生】
「でも、あいつはオレ達を守ろうとしてる!」
【春川 樹生】
「確かにオレの夢だ。都合のいい幻だ」
【春川 樹生】
「でも、だったら傷付いていいのか?! なあ、クロノ!」
ユリスはがむしゃらに鎌を振って、化物を切り裂いていく。
化物は巨大な腕を広げて―――ひたすら、傷つけられるのを耐えているように見えた。
春川の言う通り、俺達を守ろうとしているように見えた。
【ユリス】
「はあ……、はあ……、この欠陥品が!」
息を乱して、ユリスが一際大きく鎌を振るい―――化物を切りつけた瞬間。
化物は、ついに力なく地面に膝をついて。
そのまま、地面に吸い込まれるように、音もなくその場に倒れこんだ。
春川は俺の背後で絶句して、真っ青な顔で化け物を見つめている。
【ユリス】
「笑える。コイツ……結構長い間、弟として夢に登場してたもんだから、」
【ユリス】
「春川の記憶を元に、本当に弟になりかけてたのかもね?」
【ユリス】
「ただの夢の分際で、おっかしいよねえ」
言いながら、ユリスは鎌を化物の首に突き刺した。
【春川 樹生】
「ああっ……!」
春川が悲鳴のような声を上げる。
化物は、ついに動くのをやめてしまった。
【ユリス】
「ったく……悪夢のレベルが高すぎたかなあ?」
【ユリス】
「制御できねーし、全然死なねーし」
肩で息をしながら、ユリスがこちらに顔を向けた。
【ユリス】
「あー、マジで怠かった」
【ユリス】
「クロノ、お待たせ」
【クロノ】
「別に待ってないけど」
【ユリス】
「んだよっ…!」
こちらに向かって歩き出したユリスが、ピタリと動きを止めた。
見ると、ユリスの足を、化物がつかんでいた。
【ユリス】
「……うざってぇ……化物状態じゃ力も強いしなかなか死なないな…」
鎌を振り上げる腕が、止まる。
次の瞬間、ユリスが見せたのは凄絶な笑みだった。
見ていて気分が悪くなるくらいの、悪意のこもった笑顔。
【ユリス】
「ああそうだ、いいこと思いついた」
【ユリス】
「悪夢のレベルを下げればいいんじゃん」
そう言った瞬間、ユリスの動きが止まる。その時間は、ほんの一秒程度。
【クロノ】
(前にもこんなことが、あったような……。そうだ、ユリスが悪夢をコントロールする時に)
次いで悪夢に変化が起きる。
【クロノ】
「これは……歪みが消えていく…」
壁や天井の歪みが綺麗に直っていき―――やがて完全な部屋の姿を取り戻す。
そして、化物だった弟も―――人間の姿に戻っていた。
傷ついた体で、健気にユリスの足をつかんでいる。
【春川 樹生】
「あの姿は……!」
弱り果てた弟の姿を目の当たりにした春川が、愕然とした。
【ユリス】
「しつけー奴………もういいから、離せよ」
疲れきったユリスが、まるで害虫でも振り払うように、弟の手を蹴る。
【ユリス】
「ただの幻、プログラムのくせに、生きてるフリなんかしてんじゃねーよ」
憎々しげに呟いたユリスが、死神の鎌の切っ先を、弟に向けて持ち替えた。
そのまま鎌を振り上げ、……鎌の先は、弟の頭を狙っていた。
【春川 樹生】
「やめろ!くそっ……!」
春川が駆け出そうとするけど、俺はそれを止め―――
大股でユリスの間合いに踏み込み、振り下ろされた鎌を弾き飛ばす。
【ユリス】
「……ぐっ!」
弾みでユリスはよろけ―――地面にひざをつく。
俺はその勢いでユリスに掴みかかり、地面に押し倒した。
【ユリス】
「あああっ!」
【クロノ】
「……形勢逆転だね、ユリス」
【ユリス】
「クソッ! どけよ!オレに触るなっ…!」
俺の下になって足掻くユリスの額を、トンと叩くように指先で押す。途端にユリスは脱力し、床の上で伸びてしまう。
【クロノ】
「好き放題やっておいて、今更そんなお願い聞けるわけないだろ」
以前、春川にも使った死神の力。人間と違って自然に解けてしまうけど……、今はそれで充分。
俺は、春川の傍へ急いだ。
【春川 樹生】
「生汰……! 大丈夫か!」
春川が弟のそばにかがみ、抱き起こした。
苦痛に耐えながら、それでも弟は微笑む。……無垢な笑顔だ。
【春川 生汰】
「お兄ちゃん……ごめんね……」
【春川 生汰】
「僕のせいで、苦しかったでしょ……」
化物から人間の姿に戻った弟は、穏やかな表情で。
それはきっと――春川が望んだ通りの、優しい弟の姿のように思えた。
春川がぎゅっと弟を抱きしめる。
【春川 樹生】
「お前が謝る事ない……!謝るのは、オレの方だ!」
【春川 樹生】
「……助けられなくて、ごめん」
【春川 生汰】
「お兄ちゃん、あったかいな……」
春川に頭を撫でられて、弟は心地良さそうに目を細めている。
……だけど、俺は不安になった。
もう一度弟と穏やかな時を過ごすことが、春川が憧憬夢で望んでいた光景だったはず。
またあの思いが蘇ってきたんじゃないのか……?
【クロノ】
「春川、それはお前の弟じゃ――」
だが――春川の目は、夢の中のような幸福そうな顔ではなく……。
決意を秘めた者の、真剣な眼だった。
「生汰が、守ってくれたのか……!?」
【ユリス】
「はああああ?! 何だこれ?!なんだよこの展開?!」
【ユリス】
「なんだよ、こいつ……邪魔くせぇ!!」
【ユリス】
「今更動きまわるんじゃねぇよ!」
ユリスは化物に突き刺さった鎌を引き抜き、再び振り下ろす―――
グシャっと音がして化物の一部が飛び散った。
【???】
「ウアアアアアアア!!」
瞬間―――慟哭のような叫び声が化け物から溢れ出した。
【春川 樹生】
「やめろ!やめろやめろやめろ!」
悲痛な叫び声を上げながら、化物に近寄ろうとする春川を手で制する。
【クロノ】
「近づくなって……!」
【クロノ】
「忘れたの?あれはお前の弟じゃない」
【クロノ】
「ただの夢なんだって。お前の願望であって、ホンモノの弟じゃないんだって!」
【春川 樹生】
「でも、あいつはオレ達を守ろうとしてる!」
【春川 樹生】
「確かにオレの夢だ。都合のいい幻だ」
【春川 樹生】
「でも、だったら傷付いていいのか?! なあ、クロノ!」
ユリスはがむしゃらに鎌を振って、化物を切り裂いていく。
化物は巨大な腕を広げて―――ひたすら、傷つけられるのを耐えているように見えた。
春川の言う通り、俺達を守ろうとしているように見えた。
【ユリス】
「はあ……、はあ……、この欠陥品が!」
息を乱して、ユリスが一際大きく鎌を振るい―――化物を切りつけた瞬間。
化物は、ついに力なく地面に膝をついて。
そのまま、地面に吸い込まれるように、音もなくその場に倒れこんだ。
春川は俺の背後で絶句して、真っ青な顔で化け物を見つめている。
【ユリス】
「笑える。コイツ……結構長い間、弟として夢に登場してたもんだから、」
【ユリス】
「春川の記憶を元に、本当に弟になりかけてたのかもね?」
【ユリス】
「ただの夢の分際で、おっかしいよねえ」
言いながら、ユリスは鎌を化物の首に突き刺した。
【春川 樹生】
「ああっ……!」
春川が悲鳴のような声を上げる。
化物は、ついに動くのをやめてしまった。
【ユリス】
「ったく……悪夢のレベルが高すぎたかなあ?」
【ユリス】
「制御できねーし、全然死なねーし」
肩で息をしながら、ユリスがこちらに顔を向けた。
【ユリス】
「あー、マジで怠かった」
【ユリス】
「クロノ、お待たせ」
【クロノ】
「別に待ってないけど」
【ユリス】
「んだよっ…!」
こちらに向かって歩き出したユリスが、ピタリと動きを止めた。
見ると、ユリスの足を、化物がつかんでいた。
【ユリス】
「……うざってぇ……化物状態じゃ力も強いしなかなか死なないな…」
鎌を振り上げる腕が、止まる。
次の瞬間、ユリスが見せたのは凄絶な笑みだった。
見ていて気分が悪くなるくらいの、悪意のこもった笑顔。
【ユリス】
「ああそうだ、いいこと思いついた」
【ユリス】
「悪夢のレベルを下げればいいんじゃん」
そう言った瞬間、ユリスの動きが止まる。その時間は、ほんの一秒程度。
【クロノ】
(前にもこんなことが、あったような……。そうだ、ユリスが悪夢をコントロールする時に)
次いで悪夢に変化が起きる。
【クロノ】
「これは……歪みが消えていく…」
壁や天井の歪みが綺麗に直っていき―――やがて完全な部屋の姿を取り戻す。
そして、化物だった弟も―――人間の姿に戻っていた。
傷ついた体で、健気にユリスの足をつかんでいる。
【春川 樹生】
「あの姿は……!」
弱り果てた弟の姿を目の当たりにした春川が、愕然とした。
【ユリス】
「しつけー奴………もういいから、離せよ」
疲れきったユリスが、まるで害虫でも振り払うように、弟の手を蹴る。
【ユリス】
「ただの幻、プログラムのくせに、生きてるフリなんかしてんじゃねーよ」
憎々しげに呟いたユリスが、死神の鎌の切っ先を、弟に向けて持ち替えた。
そのまま鎌を振り上げ、……鎌の先は、弟の頭を狙っていた。
【春川 樹生】
「やめろ!くそっ……!」
春川が駆け出そうとするけど、俺はそれを止め―――
大股でユリスの間合いに踏み込み、振り下ろされた鎌を弾き飛ばす。
【ユリス】
「……ぐっ!」
弾みでユリスはよろけ―――地面にひざをつく。
俺はその勢いでユリスに掴みかかり、地面に押し倒した。
【ユリス】
「あああっ!」
【クロノ】
「……形勢逆転だね、ユリス」
【ユリス】
「クソッ! どけよ!オレに触るなっ…!」
俺の下になって足掻くユリスの額を、トンと叩くように指先で押す。途端にユリスは脱力し、床の上で伸びてしまう。
【クロノ】
「好き放題やっておいて、今更そんなお願い聞けるわけないだろ」
以前、春川にも使った死神の力。人間と違って自然に解けてしまうけど……、今はそれで充分。
俺は、春川の傍へ急いだ。
【春川 樹生】
「生汰……! 大丈夫か!」
春川が弟のそばにかがみ、抱き起こした。
苦痛に耐えながら、それでも弟は微笑む。……無垢な笑顔だ。
【春川 生汰】
「お兄ちゃん……ごめんね……」
【春川 生汰】
「僕のせいで、苦しかったでしょ……」
化物から人間の姿に戻った弟は、穏やかな表情で。
それはきっと――春川が望んだ通りの、優しい弟の姿のように思えた。
春川がぎゅっと弟を抱きしめる。
【春川 樹生】
「お前が謝る事ない……!謝るのは、オレの方だ!」
【春川 樹生】
「……助けられなくて、ごめん」
【春川 生汰】
「お兄ちゃん、あったかいな……」
春川に頭を撫でられて、弟は心地良さそうに目を細めている。
……だけど、俺は不安になった。
もう一度弟と穏やかな時を過ごすことが、春川が憧憬夢で望んでいた光景だったはず。
またあの思いが蘇ってきたんじゃないのか……?
【クロノ】
「春川、それはお前の弟じゃ――」
だが――春川の目は、夢の中のような幸福そうな顔ではなく……。
決意を秘めた者の、真剣な眼だった。
