[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]浅多 侑思 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【浅多 侑思】
「何か変化はあったか?」
期待を込めて見つめてくる侑思の前でターバンを取る。
【浅多 侑思】
「あ……」
【浅多 侑思】
「……駄目、か」
けれど、相変わらずピョンと二本の耳が生えてるのを確認して項垂れた。
【浅多 侑思】
「兎を成仏させる方法が見つからない……」
【浅多 侑思】
「力になれなくて、申し訳ない」
【クロノ】
「なんでお前が謝るの? 俺の為に頑張ってくれたのに」
【クロノ】
「むしろ必死になってやってくれてたの見てたから、感謝してるくらいなんだけど」
がっくりと落とされた肩をぽんぽん、と叩くと、そのまま俺の胸に頭を預けてきた。
【浅多 侑思】
「どんなに頑張ろうとも、結果が出なければ意味がない」
【浅多 侑思】
「僕がもっと、優秀だったなら……お前を助けることができたかもしれないのに」
【クロノ】
「そんな卑屈なこと言うな」
【クロノ】
「俺はお前のいいところをいっぱい知ってる」
【クロノ】
「今の侑思が好きだよ」
【浅多 侑思】
「……クロノ」
【クロノ】
「ん?」
俺に寄りかかっていたかと思ったら、突然首に抱き着いてキスをしてきた。
薄らと唇を開いて、軽く重ねてきたから応じると。
何度かついばんでから、深く、舌を挿入してくる。
【クロノ】
「……ん、ふ」
目を閉じて、与えられる感触にたっぷりと浸って。
次に目を開けると、満ち足りたように微笑んで来る愛しい顔がそこにあった。
【クロノ】
「どうしたの、急に?」
【浅多 侑思】
「それは、その……」
【浅多 侑思】
「月が綺麗だから」
【クロノ】
「月?」
帰って来たばかりで、カーテンを閉めていない窓からは丸い満月が見えた。
【クロノ】
「……確かに、そうだけど」
もう一度夜空を見上げると、ドクンと強い衝撃が身体を走る。
【クロノ】
「日本で見るのとそう変わらないよな……?」
生まれた違和感を、払拭するように確かめる。
俺の身体も変わりないよな……?
妙な不安がよぎりそうになるのを、侑思のフッという笑いがかき消した。
【浅多 侑思】
「お前がいくら人間界に詳しくても、さすがに文学の知識はない……か」
【クロノ】
「文学? 何か意味があるのか」
【浅多 侑思】
「いや、何でもない」
どこか気恥ずかしそうに目を反らす。
その仕草が気になって、さらに追及した。
【クロノ】
「どういう意味なんだよ。教えて」
【浅多 侑思】
「それは……やっぱり駄目だ 。この話は俗説とも言われてるし……」
【浅多 侑思】
「……根拠のない話をするのは、気が引ける」
【浅多 侑思】
「だから……忘れてくれ」
言葉を濁して、後ろを向く。その耳は赤く染まっていた。
これは何が何でも聞きださないといけないパターンだ。
【クロノ】
「俺、焦らされるの嫌い。だから、ちゃんと教えて」
腕を掴んで抱き寄せて、その顔を覗きこむ。
抵抗をしてみせたものの、それを許さないように力強く抱きしめると。
ようやく侑思は観念したように俺を見つめてきた。
【浅多 侑思】
「……ILoveYouという意味だ」
【クロノ】
「え」
月が綺麗だ、って感想と、その言葉の意味が繋がらない。
頭に疑問符を浮かべていると、恥ずかしさを押し殺したような顔で侑思が口を開いた。
【浅多 侑思】
「あ、愛してる。そういう意味だ……!」
俺が、ILoveYouって言葉を理解していないと、そう解釈したようだ。
さすがにそれくらい知ってる。て言いそうになって……でも、やめた。
【浅多 侑思】
「く、くそ! 二度もこんなことを口にするなんて……っ」
抱きしめたままで逃げられないからか、俺の胸に顔をうずめてじたばたしてる。
なんなんだ、この究極に可愛らしい生き物は。
【クロノ】
「フフ、ハハッ」
心がくすぐったいのと、暴れる侑思の髪の毛が肌をくすぐってくるのとが合わさって、笑いが零れてしまう。
【浅多 侑思】
「う……な、何で、笑ってるんだ?」
自分が笑われたのかと、伺い見てくる。
たまらない愛しさに駆られて、その額にキスをした。
【クロノ】
「月が綺麗だな、て言われたらなんて答えればいいの?」
【浅多 侑思】
「……死んでもいいわ、が有名だが」
【クロノ】
「それはやだ。愛の告白されて、死んでもいいなんてどうして言えるんだ」
【浅多 侑思】
「死んでもいいと思えるくらい、嬉しいという気持ちを表した比喩表現だ! 実際に死ぬとは言ってない」
【浅多 侑思】
「奥ゆかしい日本人古来の情緒的表現が理解できないのか」
【クロノ】
「理解できないね」
【クロノ】
「そんな例え方するなら、好きだって言った方が早いでしょ」
【クロノ】
「俺はお前が好きだよ」
【浅多 侑思】
「っ……!!」
【浅多 侑思】
「そ、その気持ちは嬉しい 」
【浅多 侑思】
「でも、情緒的文化を否定されるのは……納得、いかない」
恥ずかしがりながら、でもムキになって対抗しようとしてくる姿が可愛い。
だからつい、からかってしまう。
【クロノ】
「納得いかないなら、どうするの?」
【浅多 侑思】
「しっかり文化について学んでもらう。一晩かけてじっくり、教えてやる」
【浅多 侑思】
「まず、ILoveYouを月が綺麗ですね、と訳した夏目漱石について……」
必死な顔を見てるだけで、気持ちが満たされていく。
同時に下半身の熱も溜まっていく……。
【クロノ】
「その名前なら聞いたことある」
【浅多 侑思】
「本当か? 彼が残した文学は……」
話に熱中してるのを邪魔しないよう、うんうんと聞きながらそっと移動する。
満月の煌めきに惹かれるように……俺は侑思を抱きながら窓際に立った。
「何か変化はあったか?」
期待を込めて見つめてくる侑思の前でターバンを取る。
【浅多 侑思】
「あ……」
【浅多 侑思】
「……駄目、か」
けれど、相変わらずピョンと二本の耳が生えてるのを確認して項垂れた。
【浅多 侑思】
「兎を成仏させる方法が見つからない……」
【浅多 侑思】
「力になれなくて、申し訳ない」
【クロノ】
「なんでお前が謝るの? 俺の為に頑張ってくれたのに」
【クロノ】
「むしろ必死になってやってくれてたの見てたから、感謝してるくらいなんだけど」
がっくりと落とされた肩をぽんぽん、と叩くと、そのまま俺の胸に頭を預けてきた。
【浅多 侑思】
「どんなに頑張ろうとも、結果が出なければ意味がない」
【浅多 侑思】
「僕がもっと、優秀だったなら……お前を助けることができたかもしれないのに」
【クロノ】
「そんな卑屈なこと言うな」
【クロノ】
「俺はお前のいいところをいっぱい知ってる」
【クロノ】
「今の侑思が好きだよ」
【浅多 侑思】
「……クロノ」
【クロノ】
「ん?」
俺に寄りかかっていたかと思ったら、突然首に抱き着いてキスをしてきた。
薄らと唇を開いて、軽く重ねてきたから応じると。
何度かついばんでから、深く、舌を挿入してくる。
【クロノ】
「……ん、ふ」
目を閉じて、与えられる感触にたっぷりと浸って。
次に目を開けると、満ち足りたように微笑んで来る愛しい顔がそこにあった。
【クロノ】
「どうしたの、急に?」
【浅多 侑思】
「それは、その……」
【浅多 侑思】
「月が綺麗だから」
【クロノ】
「月?」
帰って来たばかりで、カーテンを閉めていない窓からは丸い満月が見えた。
【クロノ】
「……確かに、そうだけど」
もう一度夜空を見上げると、ドクンと強い衝撃が身体を走る。
【クロノ】
「日本で見るのとそう変わらないよな……?」
生まれた違和感を、払拭するように確かめる。
俺の身体も変わりないよな……?
妙な不安がよぎりそうになるのを、侑思のフッという笑いがかき消した。
【浅多 侑思】
「お前がいくら人間界に詳しくても、さすがに文学の知識はない……か」
【クロノ】
「文学? 何か意味があるのか」
【浅多 侑思】
「いや、何でもない」
どこか気恥ずかしそうに目を反らす。
その仕草が気になって、さらに追及した。
【クロノ】
「どういう意味なんだよ。教えて」
【浅多 侑思】
「それは……やっぱり駄目だ 。この話は俗説とも言われてるし……」
【浅多 侑思】
「……根拠のない話をするのは、気が引ける」
【浅多 侑思】
「だから……忘れてくれ」
言葉を濁して、後ろを向く。その耳は赤く染まっていた。
これは何が何でも聞きださないといけないパターンだ。
【クロノ】
「俺、焦らされるの嫌い。だから、ちゃんと教えて」
腕を掴んで抱き寄せて、その顔を覗きこむ。
抵抗をしてみせたものの、それを許さないように力強く抱きしめると。
ようやく侑思は観念したように俺を見つめてきた。
【浅多 侑思】
「……ILoveYouという意味だ」
【クロノ】
「え」
月が綺麗だ、って感想と、その言葉の意味が繋がらない。
頭に疑問符を浮かべていると、恥ずかしさを押し殺したような顔で侑思が口を開いた。
【浅多 侑思】
「あ、愛してる。そういう意味だ……!」
俺が、ILoveYouって言葉を理解していないと、そう解釈したようだ。
さすがにそれくらい知ってる。て言いそうになって……でも、やめた。
【浅多 侑思】
「く、くそ! 二度もこんなことを口にするなんて……っ」
抱きしめたままで逃げられないからか、俺の胸に顔をうずめてじたばたしてる。
なんなんだ、この究極に可愛らしい生き物は。
【クロノ】
「フフ、ハハッ」
心がくすぐったいのと、暴れる侑思の髪の毛が肌をくすぐってくるのとが合わさって、笑いが零れてしまう。
【浅多 侑思】
「う……な、何で、笑ってるんだ?」
自分が笑われたのかと、伺い見てくる。
たまらない愛しさに駆られて、その額にキスをした。
【クロノ】
「月が綺麗だな、て言われたらなんて答えればいいの?」
【浅多 侑思】
「……死んでもいいわ、が有名だが」
【クロノ】
「それはやだ。愛の告白されて、死んでもいいなんてどうして言えるんだ」
【浅多 侑思】
「死んでもいいと思えるくらい、嬉しいという気持ちを表した比喩表現だ! 実際に死ぬとは言ってない」
【浅多 侑思】
「奥ゆかしい日本人古来の情緒的表現が理解できないのか」
【クロノ】
「理解できないね」
【クロノ】
「そんな例え方するなら、好きだって言った方が早いでしょ」
【クロノ】
「俺はお前が好きだよ」
【浅多 侑思】
「っ……!!」
【浅多 侑思】
「そ、その気持ちは嬉しい 」
【浅多 侑思】
「でも、情緒的文化を否定されるのは……納得、いかない」
恥ずかしがりながら、でもムキになって対抗しようとしてくる姿が可愛い。
だからつい、からかってしまう。
【クロノ】
「納得いかないなら、どうするの?」
【浅多 侑思】
「しっかり文化について学んでもらう。一晩かけてじっくり、教えてやる」
【浅多 侑思】
「まず、ILoveYouを月が綺麗ですね、と訳した夏目漱石について……」
必死な顔を見てるだけで、気持ちが満たされていく。
同時に下半身の熱も溜まっていく……。
【クロノ】
「その名前なら聞いたことある」
【浅多 侑思】
「本当か? 彼が残した文学は……」
話に熱中してるのを邪魔しないよう、うんうんと聞きながらそっと移動する。
満月の煌めきに惹かれるように……俺は侑思を抱きながら窓際に立った。