[本編] 春川 樹生 編
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春川と二人で、ユリスと対峙する。
あとはこいつを捕まえて、長のもとまで連れて行くだけだ。
事件も終わりに近付いているから―――春川のためにも頑張らないと。
【ユリス】
「何勝ち誇ったみたいな顔してんだよ?!」
【ユリス】
「お前たちが追い詰められてるのに変わりはないんだからな……!」
吐き捨てるようなユリスの言葉に、焦りの色が見え隠れしている。
人質によって絶対的優位に立っていた今までとは、状況が違ってるから当然か。
【クロノ】
「お前……自首したら?」
【クロノ】
「そうしたら少しは罪が軽くなるかもね」
【クロノ】
「それに……いつまでも悪あがきして、見苦しいよ」
出来るだけ正論を言って、改心を促してみる。どうせ言う事は聞かないだろうけど。
少しでもユリスの気が変わる可能性があるなら、何でもやってみるべきだ。
春川を庇うように一歩前に出る。
いつ戦闘がはじまっても対応が出来るように、注意は怠らない。
【ユリス】
「なんで俺がわざわざ捕まるような真似をしなくちゃならないの?」
【ユリス】
「俺がまだこの悪夢を支配してるって忘れた?」
【ユリス】
「どっちが優位なのかは分かってるのに、そんな事言ってさ」
【ユリス】
「人質なんかいなくてもお前等なんか簡単に叩き潰せるんだって」
【ユリス】
「……行け、あいつらを捕らえろ」
ユリスが化物になった弟に命令する。
春川の自由を奪っていた化物は、春川が腕の中から去ったのにもかかわらず、壁際に突っ立っていた。
うなり声のひとつも上げず、ただ、呆けたみたいに。
―――それはまるで糸が切れた人形のようだ。
命令が届いているはずなのに、聞こえていないように、一点を―――春川を見つめていた。
【春川 樹生】
「おい、クロノ。あいつ、動く気配が無い……」
【春川 樹生】
「襲って来ないのか?」
【ユリス】
「お、い……なんでだよ……!」
【ユリス】
「なんで動かない!俺が命令すれば、動くようにしてあるのに!」
慌てて何度も命令するユリスを、無視するかのように立ちつくす化物。
【ユリス】
「クソ!!どーなってんだよ、これ!」
苦戦するユリスの焦りは酷くなる一方で……。
その必死さが哀れを誘う。
【春川 樹生】
「クロノ、一体どうなってる?」
【春川 樹生】
「あの化物は、どうして動かない?もしかして、リビドーの不具合とかか?」
背後の春川が心配そうに呟いた。
今は怪物とは言え、元は弟だったプログラムを気にかけているのは明白だ。
―――弟の顔をして、弟のように振る舞う者。
それをそう簡単に否定する事は出来ないのかもしれない。
【クロノ】
「わからない……けど、リビドーのバグの可能性はある」
【春川 樹生】
「さっきまでは、あいつの命令を聞いていたみたいだった」
【クロノ】
「元は春川が夢の中で見ていた弟のデータだろうから」
【クロノ】
「それを改造するのに失敗したのかもしれない」
【クロノ】
「春川がさっき化物を突き飛ばした時、何かが起こったのかもしれないし」
【クロノ】
「はっきりとした理由は、わからない」
【クロノ】
「……けど、何にせよ、あいつが襲って来ないのは好都合」
―――今の内に、化物の綻びを探して悪夢を終わらせるべきだろうか。
ふと、そんな考えが頭をよぎる。
【クロノ】
(いや、化物を相手にしている間に、ユリスが春川を狙ったら……)
【クロノ】
(……ダメだ……もう危険は犯せない)
【ユリス】
「いいからさっさと殺しちまえよ!」
【ユリス】
「動け! 動け動け動け!何で動かないんだよこのポンコツ!」
ユリスが命令するたびに、化け物の頭が左右に揺れていた。
その姿は、いやいやをする子供の姿を思い出させる。
化物は動かない。……本当に嫌がっているのかもしれないと、思う。
【ユリス】
「クソッ!出来損ないのゴミが……!」
ユリスは弟を操作するのをついに諦めたようで、血走り、濁った目で俺と春川を見据えた。
その顔に浮かんているのは―――焦りと、混乱。
【ユリス】
「あんな化物に頼ったのが間違いだった」
【ユリス】
「……どいつもこいつもクズばっかり。本当に救えない連中!」
【ユリス】
「だから!仲間なんていらない!」
ユリスの鎌がゆらりと揺れた。そのまま円を描くようにして刃を上げ、ユリスは鎌を構え直す。
全ての作戦が失敗したユリスからは、本気の……殺意が溢れていた。
【クロノ】
「……春川、注意して」
【クロノ】
「あいつ、周りが見えなくなるくらい混乱してる」
【春川 樹生】
「ああ……クロノも、気をつけてくれ」
【クロノ】
「大丈夫。俺は死なないから…春川は、俺が守るよ」
【春川 樹生】
「……ありがとう、クロノ」
背中に、そっと春川の手が触れる感触があった。
それは暖かくて、支えられてるみたいな温もりだった。
【ユリス】
「……何をぶつぶつ話してんだよ」
【ユリス】
「目障りなんだよ……!」
【ユリス】
「お前も、こんな世界も、全部、消えちまえ!!」
ユリスが勢いよく走り出した。距離を詰めて、向かってくる―――
それと同時に、化物が動きだすのが見えた。
【クロノ】
「……なっ……!」
【クロノ】
(まずい……!こんな時に動き出した!)
【クロノ】
(これじゃあ、挟み撃ちにされる……!一気に2体の相手は…少し辛いか?)
小柄で機動力がある分、化物よりユリスの方が動きが素早い。
ユリスが振りかぶるように構えた鎌―――それを先に受け止めるか……?!
一瞬たりとも迷っている暇は無い。
【春川 樹生】
「生汰!! やめろ!!クロノを傷つけたらダメだ!!」
衝動のままに叫ぶ春川の声が聞える。
それと同時に、ユリスの鎌が振り下ろされ―――俺は咄嗟に鎌で防ごうとした。
―――その横からは化物が迫ってくる。
そして……。
鎌が柔らかい物に突き刺さる、嫌な音が聞こえた。
【クロノ】
「……っ!」
【ユリス】
「……あっ?」
化け物の腕に、ユリスの鎌が突き刺さっていた。
ユリスが振り下ろした鎌を受け止めたのは、化物だった。
腕の傷口が、炭のように黒ずんでボロボロと崩れていく。
あとはこいつを捕まえて、長のもとまで連れて行くだけだ。
事件も終わりに近付いているから―――春川のためにも頑張らないと。
【ユリス】
「何勝ち誇ったみたいな顔してんだよ?!」
【ユリス】
「お前たちが追い詰められてるのに変わりはないんだからな……!」
吐き捨てるようなユリスの言葉に、焦りの色が見え隠れしている。
人質によって絶対的優位に立っていた今までとは、状況が違ってるから当然か。
【クロノ】
「お前……自首したら?」
【クロノ】
「そうしたら少しは罪が軽くなるかもね」
【クロノ】
「それに……いつまでも悪あがきして、見苦しいよ」
出来るだけ正論を言って、改心を促してみる。どうせ言う事は聞かないだろうけど。
少しでもユリスの気が変わる可能性があるなら、何でもやってみるべきだ。
春川を庇うように一歩前に出る。
いつ戦闘がはじまっても対応が出来るように、注意は怠らない。
【ユリス】
「なんで俺がわざわざ捕まるような真似をしなくちゃならないの?」
【ユリス】
「俺がまだこの悪夢を支配してるって忘れた?」
【ユリス】
「どっちが優位なのかは分かってるのに、そんな事言ってさ」
【ユリス】
「人質なんかいなくてもお前等なんか簡単に叩き潰せるんだって」
【ユリス】
「……行け、あいつらを捕らえろ」
ユリスが化物になった弟に命令する。
春川の自由を奪っていた化物は、春川が腕の中から去ったのにもかかわらず、壁際に突っ立っていた。
うなり声のひとつも上げず、ただ、呆けたみたいに。
―――それはまるで糸が切れた人形のようだ。
命令が届いているはずなのに、聞こえていないように、一点を―――春川を見つめていた。
【春川 樹生】
「おい、クロノ。あいつ、動く気配が無い……」
【春川 樹生】
「襲って来ないのか?」
【ユリス】
「お、い……なんでだよ……!」
【ユリス】
「なんで動かない!俺が命令すれば、動くようにしてあるのに!」
慌てて何度も命令するユリスを、無視するかのように立ちつくす化物。
【ユリス】
「クソ!!どーなってんだよ、これ!」
苦戦するユリスの焦りは酷くなる一方で……。
その必死さが哀れを誘う。
【春川 樹生】
「クロノ、一体どうなってる?」
【春川 樹生】
「あの化物は、どうして動かない?もしかして、リビドーの不具合とかか?」
背後の春川が心配そうに呟いた。
今は怪物とは言え、元は弟だったプログラムを気にかけているのは明白だ。
―――弟の顔をして、弟のように振る舞う者。
それをそう簡単に否定する事は出来ないのかもしれない。
【クロノ】
「わからない……けど、リビドーのバグの可能性はある」
【春川 樹生】
「さっきまでは、あいつの命令を聞いていたみたいだった」
【クロノ】
「元は春川が夢の中で見ていた弟のデータだろうから」
【クロノ】
「それを改造するのに失敗したのかもしれない」
【クロノ】
「春川がさっき化物を突き飛ばした時、何かが起こったのかもしれないし」
【クロノ】
「はっきりとした理由は、わからない」
【クロノ】
「……けど、何にせよ、あいつが襲って来ないのは好都合」
―――今の内に、化物の綻びを探して悪夢を終わらせるべきだろうか。
ふと、そんな考えが頭をよぎる。
【クロノ】
(いや、化物を相手にしている間に、ユリスが春川を狙ったら……)
【クロノ】
(……ダメだ……もう危険は犯せない)
【ユリス】
「いいからさっさと殺しちまえよ!」
【ユリス】
「動け! 動け動け動け!何で動かないんだよこのポンコツ!」
ユリスが命令するたびに、化け物の頭が左右に揺れていた。
その姿は、いやいやをする子供の姿を思い出させる。
化物は動かない。……本当に嫌がっているのかもしれないと、思う。
【ユリス】
「クソッ!出来損ないのゴミが……!」
ユリスは弟を操作するのをついに諦めたようで、血走り、濁った目で俺と春川を見据えた。
その顔に浮かんているのは―――焦りと、混乱。
【ユリス】
「あんな化物に頼ったのが間違いだった」
【ユリス】
「……どいつもこいつもクズばっかり。本当に救えない連中!」
【ユリス】
「だから!仲間なんていらない!」
ユリスの鎌がゆらりと揺れた。そのまま円を描くようにして刃を上げ、ユリスは鎌を構え直す。
全ての作戦が失敗したユリスからは、本気の……殺意が溢れていた。
【クロノ】
「……春川、注意して」
【クロノ】
「あいつ、周りが見えなくなるくらい混乱してる」
【春川 樹生】
「ああ……クロノも、気をつけてくれ」
【クロノ】
「大丈夫。俺は死なないから…春川は、俺が守るよ」
【春川 樹生】
「……ありがとう、クロノ」
背中に、そっと春川の手が触れる感触があった。
それは暖かくて、支えられてるみたいな温もりだった。
【ユリス】
「……何をぶつぶつ話してんだよ」
【ユリス】
「目障りなんだよ……!」
【ユリス】
「お前も、こんな世界も、全部、消えちまえ!!」
ユリスが勢いよく走り出した。距離を詰めて、向かってくる―――
それと同時に、化物が動きだすのが見えた。
【クロノ】
「……なっ……!」
【クロノ】
(まずい……!こんな時に動き出した!)
【クロノ】
(これじゃあ、挟み撃ちにされる……!一気に2体の相手は…少し辛いか?)
小柄で機動力がある分、化物よりユリスの方が動きが素早い。
ユリスが振りかぶるように構えた鎌―――それを先に受け止めるか……?!
一瞬たりとも迷っている暇は無い。
【春川 樹生】
「生汰!! やめろ!!クロノを傷つけたらダメだ!!」
衝動のままに叫ぶ春川の声が聞える。
それと同時に、ユリスの鎌が振り下ろされ―――俺は咄嗟に鎌で防ごうとした。
―――その横からは化物が迫ってくる。
そして……。
鎌が柔らかい物に突き刺さる、嫌な音が聞こえた。
【クロノ】
「……っ!」
【ユリス】
「……あっ?」
化け物の腕に、ユリスの鎌が突き刺さっていた。
ユリスが振り下ろした鎌を受け止めたのは、化物だった。
腕の傷口が、炭のように黒ずんでボロボロと崩れていく。
