[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]浅多 侑思 編
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【浅多 侑思】
「取りあえず、寺院などを巡ろうと思うが……具体的に何か、したいこととかあるのか」
【クロノ】
「……」
【浅多 侑思】
「クロノ?」
【クロノ】
「…………」
【浅多 侑思】
「おい」
【クロノ】
「え、あ……何?」
【浅多 侑思】
「お前、どうしたんだ?」
【クロノ】
「何が」
【浅多 侑思】
「何だかボーッとして、変だったぞ」
【クロノ】
「ああ、もうすぐ満月になるな……て思って」
【浅多 侑思】
「満月?」
普段はまったく気にならないのに、妙に惹かれてしまう。
【クロノ】
「きっと、兎の影響だろうな」
【浅多 侑思】
「……」
【浅多 侑思】
「その、兎はインドに来たことで何かしたいこととかないのか」
【ウサギ】
『善行しまショウ!』
妙に神妙な顔をしてるのが気になったけど、途端に頭の中に声が響いて気がそれた。
【クロノ】
「善行、善行って……具体的に何したいんだよ」
【ウサギ】
『火に飛びコム!』
【クロノ】
「……それ、誰得なの?」
すっ呆けた答えしかなくて、でも一応そのことを侑思に伝えた。
【浅多 侑思】
「死神の身体で火に飛び込んだとして、どうなるんだ?」
【クロノ】
「別に、人間とは違うから何とも」
【浅多 侑思】
「なら、試してみる価値はあるかもしれないな」
【クロノ】
「は? それ本気?」
【浅多 侑思】
「もしそれで、兎が満足してお前から離れてくれるというなら」
【クロノ】
「だからってなんで俺が身体張らなきゃいけないんだ」
【クロノ】
「死ぬことはないっていっても、熱さは感じるんだけど」
【浅多 侑思】
「そうだとしても……」
【クロノ】
「何を焦ってるんだ?」
【浅多 侑思】
「……さっき、お前が月を見ている姿になんとなく不安を覚えたんだ」
【浅多 侑思】
「だから」
【クロノ】
「もしかしたら俺がかぐや姫になって、月に帰っちゃうとか?」
【浅多 侑思】
「あ、あのなっ、僕は真剣に……」
そう告げる横顔に、チュ、とキスをした。
【浅多 侑思】
「っ!」
不謹慎と怒鳴られるとは思うけど……。
俺を心配して不安になる、侑思の顔にちょっと欲情してしまった。
【クロノ】
「お前を置いて急にどこかに行ったりしないよ」
【クロノ】
「だからさ」
【クロノ】
「性欲が有り余ってるのを心配して。俺としてはこっちの方が切実なんだけど」
腰を押し付けると、侑思は俺の顔を遠ざけて眼鏡を押し上げる。
【浅多 侑思】
「……煩悩の塊だな」
【ウサギ】
『オーノー! 地獄行きは嫌デス!』
【浅多 侑思】
「最初に行くべきところが決まった」
【浅多 侑思】
「マザーテレサの家へ行って、奉仕の心とは何かを学ぶべきだな」
そう言ってガイドブックを広げると、つかつかと歩き出す。
これ以上迫っても逆効果と分かって……とりあえず大人しく付いていくことにした。
侑思のガイドに従って、マザーテレサの家や寺院などを回ってみた。
けれども、俺にとりついた兎が成仏することはなかった。
【浅多 侑思】
「……どうしてなんだ」
【浅多 侑思】
「恵まれない子への奉仕作業や有難いお経を聞いたり、聖地巡礼しているのに」
ターバンを取った頭の上には、今も二本のウサ耳が生えている。
【クロノ】
「特に変化なし、だね」
【浅多 侑思】
「これ以上、何をしろと……」
【ウサギ】
『やはり、インパクトが足りないのカト!』
【クロノ】
「良い事するのにインパクト、ってなんだよ」
【ウサギ】
『人の記憶に残るヨウナ、偉大さが必要なんデス』
【ウサギ】
『ここはヤハリ、火に飛び込むシカ!』
【クロノ】
「しか、じゃない。それが善行だとは全く思えないし」
【浅多 侑思】
「……」
相変わらず兎は鬱陶しいだけだし、侑思は真面目に考えすぎていて何だか息苦しい。
妙な頭痛も続いていて、イライラが募った俺は侑思を抱きかかえた。
【浅多 侑思】
「何する気だ!?」
【クロノ】
「このまま思い悩んでても旅行気分がちっとも味わえないし、息抜きでもしよう」
【浅多 侑思】
「息抜きって……目的がまだ果たされていないというのにか?」
【クロノ】
「有能な奴は、休息も仕事のうちと割り切ってきちんと取るもんだから……て、誰かが言ってなかった?」
【浅多 侑思】
「う……」
【クロノ】
「というわけで、行くよ」
【浅多 侑思】
「い、一体どこに!?」
慌てる侑思を抱きしめたまま……街中から離れて砂漠の真ん中へと瞬間移動した。
【浅多 侑思】
「ここは……オアシス、か」
見渡す限り砂、砂、砂……。
広大な砂の海の中で、鮮やかな緑と透き通った水が強烈な太陽の日差しを受けて煌めいていた。
「取りあえず、寺院などを巡ろうと思うが……具体的に何か、したいこととかあるのか」
【クロノ】
「……」
【浅多 侑思】
「クロノ?」
【クロノ】
「…………」
【浅多 侑思】
「おい」
【クロノ】
「え、あ……何?」
【浅多 侑思】
「お前、どうしたんだ?」
【クロノ】
「何が」
【浅多 侑思】
「何だかボーッとして、変だったぞ」
【クロノ】
「ああ、もうすぐ満月になるな……て思って」
【浅多 侑思】
「満月?」
普段はまったく気にならないのに、妙に惹かれてしまう。
【クロノ】
「きっと、兎の影響だろうな」
【浅多 侑思】
「……」
【浅多 侑思】
「その、兎はインドに来たことで何かしたいこととかないのか」
【ウサギ】
『善行しまショウ!』
妙に神妙な顔をしてるのが気になったけど、途端に頭の中に声が響いて気がそれた。
【クロノ】
「善行、善行って……具体的に何したいんだよ」
【ウサギ】
『火に飛びコム!』
【クロノ】
「……それ、誰得なの?」
すっ呆けた答えしかなくて、でも一応そのことを侑思に伝えた。
【浅多 侑思】
「死神の身体で火に飛び込んだとして、どうなるんだ?」
【クロノ】
「別に、人間とは違うから何とも」
【浅多 侑思】
「なら、試してみる価値はあるかもしれないな」
【クロノ】
「は? それ本気?」
【浅多 侑思】
「もしそれで、兎が満足してお前から離れてくれるというなら」
【クロノ】
「だからってなんで俺が身体張らなきゃいけないんだ」
【クロノ】
「死ぬことはないっていっても、熱さは感じるんだけど」
【浅多 侑思】
「そうだとしても……」
【クロノ】
「何を焦ってるんだ?」
【浅多 侑思】
「……さっき、お前が月を見ている姿になんとなく不安を覚えたんだ」
【浅多 侑思】
「だから」
【クロノ】
「もしかしたら俺がかぐや姫になって、月に帰っちゃうとか?」
【浅多 侑思】
「あ、あのなっ、僕は真剣に……」
そう告げる横顔に、チュ、とキスをした。
【浅多 侑思】
「っ!」
不謹慎と怒鳴られるとは思うけど……。
俺を心配して不安になる、侑思の顔にちょっと欲情してしまった。
【クロノ】
「お前を置いて急にどこかに行ったりしないよ」
【クロノ】
「だからさ」
【クロノ】
「性欲が有り余ってるのを心配して。俺としてはこっちの方が切実なんだけど」
腰を押し付けると、侑思は俺の顔を遠ざけて眼鏡を押し上げる。
【浅多 侑思】
「……煩悩の塊だな」
【ウサギ】
『オーノー! 地獄行きは嫌デス!』
【浅多 侑思】
「最初に行くべきところが決まった」
【浅多 侑思】
「マザーテレサの家へ行って、奉仕の心とは何かを学ぶべきだな」
そう言ってガイドブックを広げると、つかつかと歩き出す。
これ以上迫っても逆効果と分かって……とりあえず大人しく付いていくことにした。
侑思のガイドに従って、マザーテレサの家や寺院などを回ってみた。
けれども、俺にとりついた兎が成仏することはなかった。
【浅多 侑思】
「……どうしてなんだ」
【浅多 侑思】
「恵まれない子への奉仕作業や有難いお経を聞いたり、聖地巡礼しているのに」
ターバンを取った頭の上には、今も二本のウサ耳が生えている。
【クロノ】
「特に変化なし、だね」
【浅多 侑思】
「これ以上、何をしろと……」
【ウサギ】
『やはり、インパクトが足りないのカト!』
【クロノ】
「良い事するのにインパクト、ってなんだよ」
【ウサギ】
『人の記憶に残るヨウナ、偉大さが必要なんデス』
【ウサギ】
『ここはヤハリ、火に飛び込むシカ!』
【クロノ】
「しか、じゃない。それが善行だとは全く思えないし」
【浅多 侑思】
「……」
相変わらず兎は鬱陶しいだけだし、侑思は真面目に考えすぎていて何だか息苦しい。
妙な頭痛も続いていて、イライラが募った俺は侑思を抱きかかえた。
【浅多 侑思】
「何する気だ!?」
【クロノ】
「このまま思い悩んでても旅行気分がちっとも味わえないし、息抜きでもしよう」
【浅多 侑思】
「息抜きって……目的がまだ果たされていないというのにか?」
【クロノ】
「有能な奴は、休息も仕事のうちと割り切ってきちんと取るもんだから……て、誰かが言ってなかった?」
【浅多 侑思】
「う……」
【クロノ】
「というわけで、行くよ」
【浅多 侑思】
「い、一体どこに!?」
慌てる侑思を抱きしめたまま……街中から離れて砂漠の真ん中へと瞬間移動した。
【浅多 侑思】
「ここは……オアシス、か」
見渡す限り砂、砂、砂……。
広大な砂の海の中で、鮮やかな緑と透き通った水が強烈な太陽の日差しを受けて煌めいていた。