[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]浅多 侑思 編
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【浅多 侑思】
「脱がせる……ために着せるなんて、無駄じゃ……」
【クロノ】
「いや、男のロマンでしょ」
右手でシャツをまくり上げる。乱れた衣服から、ちらりとのぞくピンクに上気した素肌が興奮を誘う。
そのまま、もう片方の手でベルトに手をかけると、反抗的な目がこちらを見つめてきた。
【浅多 侑思】
「おい、これじゃ旅行の申し込みができない」
【クロノ】
「別に後でもいいだろ」
【浅多 侑思】
「よくない」
言い切って、心なしか頬を染めて視線を逸らした。
【浅多 侑思】
「お前は、僕とのデート……を楽しみにしてるって言っただろ」
【浅多 侑思】
「……それは僕だって同じなんだ」
見事に耳まで赤く染まっている。これはどうあっても、気のせいじゃない。
こんな可愛らしい反応をされて、手を出さないほうがどうかと思う。
【クロノ】
「それじゃ今から少し楽しんでから、旅の計画立てれば?」
【浅多 侑思】
「却下だ。最初にきちんと準備を立てないと、失敗する確率があがる」
【クロノ】
「いつも以上にしたくてたまらないんだよね。こんなところでお預けされると、俺変になりそう」
【浅多 侑思】
「恐らくそれは、動物界一性欲の強い兎がとり憑いたことで影響を受けているだけだろう」
【浅多 侑思】
「気のせいだ」
【クロノ】
「気のせいって……」
【浅多 侑思】
「それに、あまりに煩悩が多すぎると、インドで善行を重ねたとしても天国へは行けないんじゃないのか?」
その話を聞いて、俺の意思とは関係なく頭上の耳がぴくっと跳ねる。
【ウサギ】
『ソレ、本当ですカ!? 困りまス……!!』
【クロノ】
「いや、別に俺には天国とか関係ないし」
【ウサギ】
『ダメ、ダメでス! ワタシ、天国に行きたイ!!』
ぐわん、と頭の中に棒を突っ込まれてかき回されたような感覚に襲われた。
【クロノ】
「……っく」
お陰でもちろん、気分は萎えて……いいから早く消えて欲しい、と心の底から願った。
【浅多 侑思】
「おい、なんだそれは」
【クロノ】
「郷に入っては郷に従え、だろ」
侑思と一緒に飛行機に乗っている間、帽子をかぶって耳を隠していた。
けど、せっかくインドに来たのだからとターバンを巻いてみた。
【クロノ】
「うーん、でも……頭だけターバンじゃ浮くな」
【クロノ】
「やっぱり衣装も揃えないと」
そんなことを悩んでいる隣で、侑思はガイドブックとにらめっこしていた。
【浅多 侑思】
「まずはホテルに行って荷物を置いて、それから善行が出来そうな場所を巡る」
【浅多 侑思】
「遊んでる暇はない」
【クロノ】
「あ、あそこの店に行こう」
【浅多 侑思】
「僕の話を聞いてるのか」
【浅多 侑思】
「って、うわ……!」
目の前の身体を抱き上げて、とん、と店が立ち並ぶ場所まで瞬間移動をする。
【浅多 侑思】
「おい、公衆の面前で何をしてるんだ……!!」
たくさんの人たちが、いきなり現れた俺たちを驚いた目で見ている。
よくわからない言葉で、何かを言って騒いでいるのも聞こえてきた。
そりゃ、いきなり人間が現れたら誰だってそんな反応をするだろうな。
【浅多 侑思】
「お前は死神とはいえ、もっと常識のある奴だと思っていたんだが……」
こめかみに手を当てる侑思を前に、俺も自分自身に違和感を覚える。
確かに、いつもの俺なら無駄に目立つようなことは避けるのに……と。
【クロノ】
「っ」
考えると、軽い痛みがツキンと頭に走る。
【浅多 侑思】
「どうした?」
【クロノ】
「うーん……なんか、妙な頭痛がしてるんだよな」
【浅多 侑思】
「霊にとり憑かれている影響か?」
【クロノ】
「そうかもしれない。けど、飛行機に乗ったのが原因かもしれないし」
【浅多 侑思】
「そういえば、瞬間移動できるのになぜ、飛行機に乗ったんだ?」
まじまじと見つめてくる侑思を、そのまま、まじまじと見つめ返す。
【クロノ】
「そんなの、一緒に乗りたかったからに決まってるだろ」
【クロノ】
「飛行機で移動するところからデートは始まってるんだから」
【浅多 侑思】
「そ、そうか……」
【クロノ】
「そう。で、さらに雰囲気を出すために……衣装を揃えないとな?」
【浅多 侑思】
「え、あ、おいっ」
乗り気じゃない侑思を連れて店に入る。そして似合いそうな衣装をそれぞれ選んで着替えを済ませた。
【浅多 侑思】
「……これじゃ、まるっきり浮かれた観光客だな」
そう言いながら、まんざらでもなさそうな顔をする。
【クロノ】
「そんなこと気にしたって仕方ないだろ。似合ってるんだから、いいと思うけど?」
【浅多 侑思】
「そ、そうか?」
【クロノ】
「ああ。すごくいいと思うよ。元々、整った顔立ちしてるけど、一層かっこよく見える」
【浅多 侑思】
「あ……ありがとう」
少し恥ずかしそうにしながら、真面目にお礼を言ってくるところがやっぱり可愛い。
エキゾチックな妖艶さもプラスされて、魅力がグッと上がったせいで、こらえきれずに抱き寄せてキスをした。
【浅多 侑思】
「こ、こら! やめろ。こんな人前で……」
【クロノ】
「人前じゃなきゃいいんだ?」
【浅多 侑思】
「うっ……」
【クロノ】
「じゃ、今すぐホテルに向かおうか」
【浅多 侑思】
「あ、あのな! そうじゃないだろ、ここに来た目的はっ!!」
腰に回された手を振りほどこうと、身じろぎをする。
その度に衣装が揺れて、隠れた素肌がちらりとのぞく。
【浅多 侑思】
「早く、兎を満足させて成仏させないと」
今すぐにでも押し倒したいんだけど。
真剣に俺を心配してる想いを無下にする気にもなれない。
【クロノ】
「楽しみは夜にとっておくか」
抱き寄せていた身体を解放して、ふと空を見上げた。
そこには──白い月が浮かんでいた。
ふっくらと膨らんだ月は、あと少しで満ちるだろう。
「脱がせる……ために着せるなんて、無駄じゃ……」
【クロノ】
「いや、男のロマンでしょ」
右手でシャツをまくり上げる。乱れた衣服から、ちらりとのぞくピンクに上気した素肌が興奮を誘う。
そのまま、もう片方の手でベルトに手をかけると、反抗的な目がこちらを見つめてきた。
【浅多 侑思】
「おい、これじゃ旅行の申し込みができない」
【クロノ】
「別に後でもいいだろ」
【浅多 侑思】
「よくない」
言い切って、心なしか頬を染めて視線を逸らした。
【浅多 侑思】
「お前は、僕とのデート……を楽しみにしてるって言っただろ」
【浅多 侑思】
「……それは僕だって同じなんだ」
見事に耳まで赤く染まっている。これはどうあっても、気のせいじゃない。
こんな可愛らしい反応をされて、手を出さないほうがどうかと思う。
【クロノ】
「それじゃ今から少し楽しんでから、旅の計画立てれば?」
【浅多 侑思】
「却下だ。最初にきちんと準備を立てないと、失敗する確率があがる」
【クロノ】
「いつも以上にしたくてたまらないんだよね。こんなところでお預けされると、俺変になりそう」
【浅多 侑思】
「恐らくそれは、動物界一性欲の強い兎がとり憑いたことで影響を受けているだけだろう」
【浅多 侑思】
「気のせいだ」
【クロノ】
「気のせいって……」
【浅多 侑思】
「それに、あまりに煩悩が多すぎると、インドで善行を重ねたとしても天国へは行けないんじゃないのか?」
その話を聞いて、俺の意思とは関係なく頭上の耳がぴくっと跳ねる。
【ウサギ】
『ソレ、本当ですカ!? 困りまス……!!』
【クロノ】
「いや、別に俺には天国とか関係ないし」
【ウサギ】
『ダメ、ダメでス! ワタシ、天国に行きたイ!!』
ぐわん、と頭の中に棒を突っ込まれてかき回されたような感覚に襲われた。
【クロノ】
「……っく」
お陰でもちろん、気分は萎えて……いいから早く消えて欲しい、と心の底から願った。
【浅多 侑思】
「おい、なんだそれは」
【クロノ】
「郷に入っては郷に従え、だろ」
侑思と一緒に飛行機に乗っている間、帽子をかぶって耳を隠していた。
けど、せっかくインドに来たのだからとターバンを巻いてみた。
【クロノ】
「うーん、でも……頭だけターバンじゃ浮くな」
【クロノ】
「やっぱり衣装も揃えないと」
そんなことを悩んでいる隣で、侑思はガイドブックとにらめっこしていた。
【浅多 侑思】
「まずはホテルに行って荷物を置いて、それから善行が出来そうな場所を巡る」
【浅多 侑思】
「遊んでる暇はない」
【クロノ】
「あ、あそこの店に行こう」
【浅多 侑思】
「僕の話を聞いてるのか」
【浅多 侑思】
「って、うわ……!」
目の前の身体を抱き上げて、とん、と店が立ち並ぶ場所まで瞬間移動をする。
【浅多 侑思】
「おい、公衆の面前で何をしてるんだ……!!」
たくさんの人たちが、いきなり現れた俺たちを驚いた目で見ている。
よくわからない言葉で、何かを言って騒いでいるのも聞こえてきた。
そりゃ、いきなり人間が現れたら誰だってそんな反応をするだろうな。
【浅多 侑思】
「お前は死神とはいえ、もっと常識のある奴だと思っていたんだが……」
こめかみに手を当てる侑思を前に、俺も自分自身に違和感を覚える。
確かに、いつもの俺なら無駄に目立つようなことは避けるのに……と。
【クロノ】
「っ」
考えると、軽い痛みがツキンと頭に走る。
【浅多 侑思】
「どうした?」
【クロノ】
「うーん……なんか、妙な頭痛がしてるんだよな」
【浅多 侑思】
「霊にとり憑かれている影響か?」
【クロノ】
「そうかもしれない。けど、飛行機に乗ったのが原因かもしれないし」
【浅多 侑思】
「そういえば、瞬間移動できるのになぜ、飛行機に乗ったんだ?」
まじまじと見つめてくる侑思を、そのまま、まじまじと見つめ返す。
【クロノ】
「そんなの、一緒に乗りたかったからに決まってるだろ」
【クロノ】
「飛行機で移動するところからデートは始まってるんだから」
【浅多 侑思】
「そ、そうか……」
【クロノ】
「そう。で、さらに雰囲気を出すために……衣装を揃えないとな?」
【浅多 侑思】
「え、あ、おいっ」
乗り気じゃない侑思を連れて店に入る。そして似合いそうな衣装をそれぞれ選んで着替えを済ませた。
【浅多 侑思】
「……これじゃ、まるっきり浮かれた観光客だな」
そう言いながら、まんざらでもなさそうな顔をする。
【クロノ】
「そんなこと気にしたって仕方ないだろ。似合ってるんだから、いいと思うけど?」
【浅多 侑思】
「そ、そうか?」
【クロノ】
「ああ。すごくいいと思うよ。元々、整った顔立ちしてるけど、一層かっこよく見える」
【浅多 侑思】
「あ……ありがとう」
少し恥ずかしそうにしながら、真面目にお礼を言ってくるところがやっぱり可愛い。
エキゾチックな妖艶さもプラスされて、魅力がグッと上がったせいで、こらえきれずに抱き寄せてキスをした。
【浅多 侑思】
「こ、こら! やめろ。こんな人前で……」
【クロノ】
「人前じゃなきゃいいんだ?」
【浅多 侑思】
「うっ……」
【クロノ】
「じゃ、今すぐホテルに向かおうか」
【浅多 侑思】
「あ、あのな! そうじゃないだろ、ここに来た目的はっ!!」
腰に回された手を振りほどこうと、身じろぎをする。
その度に衣装が揺れて、隠れた素肌がちらりとのぞく。
【浅多 侑思】
「早く、兎を満足させて成仏させないと」
今すぐにでも押し倒したいんだけど。
真剣に俺を心配してる想いを無下にする気にもなれない。
【クロノ】
「楽しみは夜にとっておくか」
抱き寄せていた身体を解放して、ふと空を見上げた。
そこには──白い月が浮かんでいた。
ふっくらと膨らんだ月は、あと少しで満ちるだろう。