[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]浅多 侑思 編
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【浅多 侑思】
「……それで、その兎の霊とやらが浮遊していたのは何か未練などが残っていたから、だろう?」
【浅多 侑思】
「どうすれば成仏してお前の身体から出ていくのか、手掛かりはないのか?」
ベッドに座りなおして、そう問い質されて。
俺は、自分の中にいる兎に質問する。
【クロノ】
(てことだけど、どうなの?)
【ウサギ】
『ソレに対して、お答えするナラ……』
【ウサギ】
『ずばり、インド! デス』
【クロノ】
「は?」
ふざけた声が頭に響いて、俺は素直に感情を表に出してしまった。
昼休みの時間であることを見計らって、透明な姿のまま侑思の会社の食堂へ訪れると。
案の定、通勤途中にでも購入した と思われるインドに関する雑誌を眺めていた。
【クロノ】
「ちゃんと調べてるところが、さすがだね」
【浅多 侑思】
「何事も情報収集をしておくことは重要だからな」
【クロノ】
「それで、いつ行く?」
隣に立つと、雑誌を眺めるフリをしたまま視線だけこちらに向けてくる。
【浅多 侑思】
「実際に行くとなると最低でも1週間は休みを取らないといけない」
【クロノ】
「なら休めばいいだろ」
【浅多 侑思】
「……現実的には無理だ」
正直、できるだけ仕事をしたくない俺にとって
毎日真面目に会社に通い、決まった時間まできっちり働くことが当たり前と思ってるのが理解できない。
【クロノ】
「休んでインドに旅行に行けばその間ずっと2人きりでいられるんだけど」
【クロノ】
「そういうのに興味ないの?」
太ももに手を伸ばし、その内側に指を這わせながら耳元で囁く。
【クロノ】
「そうすれば、誰にも何も気兼ねすることなく毎日、し放題だろ」
【浅多 侑思】
「っ!!」
ついでにペロっと耳たぶを舐めると、イスから転げ落ちるまではいかないものの、手にしていた本を落としてしまう。
【浅多 侑思】
「ば、馬鹿なことを言うな」
【浅多 侑思】
「昨日の話では、お前にとり憑いた霊はジャータカ物語に出てくる兎に憧れて」
【浅多 侑思】
「誰かの為に火に飛び込んでその身を捧げるような、月に肖像が描かれるほどの偉大な善行をして」
【浅多 侑思】
「天国行きの切符が欲しい……と、そう言っていた」
【クロノ】
「ま、要約するとそうだね。それで?」
【浅多 侑思】
「兎がインドに行きたいと言い出したのは、ブッダが過ごした地へ行けば」
【浅多 侑思】
「偉大な善行ができると信じ込んでいるだけで、別段、その場所が重要というわけじゃない。だから……」
さらに続きそうな説明を、ため息をついて遮った。
【クロノ】
「あのさ、正直、兎のことはどうでもいい」
【クロノ】
「それより、これを口実にお前と2人きりで旅行できることが楽しみなんだけど」
【浅多 侑思】
「楽しみ……?」
【クロノ】
「開放的な気分で、いつもとは違うエキゾチックな夜を満喫したい 、ていうのもあるけど」
【クロノ】
「俺は単純にデートしたいだけ」
【クロノ】
「普通、カップルって旅行とか楽しむものだろ」
【クロノ】
「お前は俺とデートするのが嫌なの?」
【浅多 侑思】
「そんなことはない!」
思わず声が大きくなって、周囲の人間が侑思を見つめる。
その視線に気付いて、慌てて何事もなかったようにイスに座りなおした。
そして小声で話しかけてくる。
【浅多 侑思】
「……お前とデートするのが嫌なんて、そんなことは思ってない」
【浅多 侑思】
「ただ、長期休暇を取るのは難しいと言ってる」
つい声を荒げるほど、俺とのことは本気。
それが伝わって来ただけで、今回はよしとしようか……なんて思っていると。
侑思の脇に立った人物が、床に落ちたままの本を拾い上げた。
【綾 上総】
「お前、インド行くのか?」
【浅多 侑思】
「え……あ、綾さん。ありがとうございます」
若いながら副社長を務める人物を前に、恐縮しながら本を受け取る。
【浅多 侑思】
「これは、単純にインドに興味があって読んでいただけで、別に実際に行こうというわけでは」
【綾 上総】
「行って来いよ」
【浅多 侑思】
「え?」
【綾 上総】
「情報は、知識より体験から得た方がいいと思うぞ?」
【浅多 侑思】
「それも一理あるとは思いますが、仕事が……」
【綾 上総】
「お前、有休まったく使ってないだろ。去年からの繰り越し分と合わせてかなり貯まってるって聞いたぞ」
【浅多 侑思】
「それはそうですが……」
【綾 上総】
「丁度いいからまとめて夏休みとって、がっつり消化しろ。コレ副社長命令な」
そう言い切って、それでもなお、煮え切らない顔をする侑思に向かって笑いかける。
【綾 上総】
「有能な奴は、休息も仕事のうちと割り切ってきちんと取るもんだぞ」
去り際のその言葉に、俺は大いに頷いた。
【クロノ】
「これで、何の問題もなくなったわけだ」
【浅多 侑思】
「確かに、そうなるな」
こうして、インドへと行くことが決定した。
有給休暇の申請が受理された侑思は、家に帰って準備を始めた。
パソコンに向かって、旅行会社のサイトを見ている。
【クロノ】
「あっちに着いたら、まずは民族衣装だな。どんな服がいい?」
【浅多 侑思】
「何言ってるんだ? 真っ先に考えるべきは、どうやって善行をするかだろ」
【クロノ】
「だから、俺の最初の楽しみは……」
イスに座る侑思の背後から手を伸ばして、思い切り抱きしめる。
密着したことで体温が上がったのか、首元には軽く汗がにじんでいて俺を誘う薫りがした。
【クロノ】
「布地の少ない衣装を着せて脱がすこと」
シャツの裾から手を忍ばせ、胸の突起を掴む。
【浅多 侑思】
「……んっ」
肩がビクッと震えて、さらに匂いが強くなる。
「……それで、その兎の霊とやらが浮遊していたのは何か未練などが残っていたから、だろう?」
【浅多 侑思】
「どうすれば成仏してお前の身体から出ていくのか、手掛かりはないのか?」
ベッドに座りなおして、そう問い質されて。
俺は、自分の中にいる兎に質問する。
【クロノ】
(てことだけど、どうなの?)
【ウサギ】
『ソレに対して、お答えするナラ……』
【ウサギ】
『ずばり、インド! デス』
【クロノ】
「は?」
ふざけた声が頭に響いて、俺は素直に感情を表に出してしまった。
昼休みの時間であることを見計らって、透明な姿のまま侑思の会社の食堂へ訪れると。
案の定、通勤途中にでも購入した と思われるインドに関する雑誌を眺めていた。
【クロノ】
「ちゃんと調べてるところが、さすがだね」
【浅多 侑思】
「何事も情報収集をしておくことは重要だからな」
【クロノ】
「それで、いつ行く?」
隣に立つと、雑誌を眺めるフリをしたまま視線だけこちらに向けてくる。
【浅多 侑思】
「実際に行くとなると最低でも1週間は休みを取らないといけない」
【クロノ】
「なら休めばいいだろ」
【浅多 侑思】
「……現実的には無理だ」
正直、できるだけ仕事をしたくない俺にとって
毎日真面目に会社に通い、決まった時間まできっちり働くことが当たり前と思ってるのが理解できない。
【クロノ】
「休んでインドに旅行に行けばその間ずっと2人きりでいられるんだけど」
【クロノ】
「そういうのに興味ないの?」
太ももに手を伸ばし、その内側に指を這わせながら耳元で囁く。
【クロノ】
「そうすれば、誰にも何も気兼ねすることなく毎日、し放題だろ」
【浅多 侑思】
「っ!!」
ついでにペロっと耳たぶを舐めると、イスから転げ落ちるまではいかないものの、手にしていた本を落としてしまう。
【浅多 侑思】
「ば、馬鹿なことを言うな」
【浅多 侑思】
「昨日の話では、お前にとり憑いた霊はジャータカ物語に出てくる兎に憧れて」
【浅多 侑思】
「誰かの為に火に飛び込んでその身を捧げるような、月に肖像が描かれるほどの偉大な善行をして」
【浅多 侑思】
「天国行きの切符が欲しい……と、そう言っていた」
【クロノ】
「ま、要約するとそうだね。それで?」
【浅多 侑思】
「兎がインドに行きたいと言い出したのは、ブッダが過ごした地へ行けば」
【浅多 侑思】
「偉大な善行ができると信じ込んでいるだけで、別段、その場所が重要というわけじゃない。だから……」
さらに続きそうな説明を、ため息をついて遮った。
【クロノ】
「あのさ、正直、兎のことはどうでもいい」
【クロノ】
「それより、これを口実にお前と2人きりで旅行できることが楽しみなんだけど」
【浅多 侑思】
「楽しみ……?」
【クロノ】
「開放的な気分で、いつもとは違うエキゾチックな夜を満喫したい 、ていうのもあるけど」
【クロノ】
「俺は単純にデートしたいだけ」
【クロノ】
「普通、カップルって旅行とか楽しむものだろ」
【クロノ】
「お前は俺とデートするのが嫌なの?」
【浅多 侑思】
「そんなことはない!」
思わず声が大きくなって、周囲の人間が侑思を見つめる。
その視線に気付いて、慌てて何事もなかったようにイスに座りなおした。
そして小声で話しかけてくる。
【浅多 侑思】
「……お前とデートするのが嫌なんて、そんなことは思ってない」
【浅多 侑思】
「ただ、長期休暇を取るのは難しいと言ってる」
つい声を荒げるほど、俺とのことは本気。
それが伝わって来ただけで、今回はよしとしようか……なんて思っていると。
侑思の脇に立った人物が、床に落ちたままの本を拾い上げた。
【綾 上総】
「お前、インド行くのか?」
【浅多 侑思】
「え……あ、綾さん。ありがとうございます」
若いながら副社長を務める人物を前に、恐縮しながら本を受け取る。
【浅多 侑思】
「これは、単純にインドに興味があって読んでいただけで、別に実際に行こうというわけでは」
【綾 上総】
「行って来いよ」
【浅多 侑思】
「え?」
【綾 上総】
「情報は、知識より体験から得た方がいいと思うぞ?」
【浅多 侑思】
「それも一理あるとは思いますが、仕事が……」
【綾 上総】
「お前、有休まったく使ってないだろ。去年からの繰り越し分と合わせてかなり貯まってるって聞いたぞ」
【浅多 侑思】
「それはそうですが……」
【綾 上総】
「丁度いいからまとめて夏休みとって、がっつり消化しろ。コレ副社長命令な」
そう言い切って、それでもなお、煮え切らない顔をする侑思に向かって笑いかける。
【綾 上総】
「有能な奴は、休息も仕事のうちと割り切ってきちんと取るもんだぞ」
去り際のその言葉に、俺は大いに頷いた。
【クロノ】
「これで、何の問題もなくなったわけだ」
【浅多 侑思】
「確かに、そうなるな」
こうして、インドへと行くことが決定した。
有給休暇の申請が受理された侑思は、家に帰って準備を始めた。
パソコンに向かって、旅行会社のサイトを見ている。
【クロノ】
「あっちに着いたら、まずは民族衣装だな。どんな服がいい?」
【浅多 侑思】
「何言ってるんだ? 真っ先に考えるべきは、どうやって善行をするかだろ」
【クロノ】
「だから、俺の最初の楽しみは……」
イスに座る侑思の背後から手を伸ばして、思い切り抱きしめる。
密着したことで体温が上がったのか、首元には軽く汗がにじんでいて俺を誘う薫りがした。
【クロノ】
「布地の少ない衣装を着せて脱がすこと」
シャツの裾から手を忍ばせ、胸の突起を掴む。
【浅多 侑思】
「……んっ」
肩がビクッと震えて、さらに匂いが強くなる。