[期間限定イベント"千夜一夜と月の使者"]浅多 侑思 編
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そろそろ会社から帰って来るだろう。
時間を見計らって部屋へと移動すると、読み通り、侑思がバッグを置いてネクタイへと手を掛けているところだった。
(脱ぐの、手伝ってあげるよ)
どんな反応を示すか、分かっていながら……俺は姿を見せずにスーツに手をかけた。
【浅多 侑思】
「ん?」
ネクタイが勝手に浮かぶのを見て眼鏡の奥の目が、丸くなる。
【浅多 侑思】
「クロノ、お前か?」
きょろきょろと周りを見回す。その慌てふためく顔を見て、すぐにでも押し倒したい気分が高まる。
順序立てて攻めるのが煩わしくなって、ベルトを外しにかかる。
【浅多 侑思】
「なあ、おい……違う……のか!?」
焦った侑思は後ずさろうとして、足を滑らせた。
【浅多 侑思】
「うわっ!」
ベルトを抜き取っている間に、その身体がガクンと後ろに倒れ込む。
【クロノ】
「侑思っ」
さすがにこのままでは危険と感じて、俺は姿を現してすぐさま手を伸ばした。
後頭部が床に打ち付けられないよう抱え、同時に倒れ込む。
【浅多 侑思】
「……くっ」
【クロノ】
「大丈夫か、侑思!」
【浅多 侑思】
「クロノ……、やっぱりお前……か」
【クロノ】
「どこか変な感じするとこ、ない?」
【浅多 侑思】
「変……といえば」
【クロノ】
「あるのか?」
【浅多 侑思】
「……お、お前の……ソコが」
【クロノ】
「ん?」
眼鏡をクイ、と上げて顔を真っ赤にしながら下半身を見つめた。
【浅多 侑思】
「お前のアソコが、盛り上がって当たってる……んだが」
【クロノ】
「ああ」
【クロノ】
「仕事終わりのお前の匂い嗅いだら、つい我慢できなくなって」
【浅多 侑思】
「……て、じゃないだろ。いきなり襲い掛かるような真似っ……」
【浅多 侑思】
「ん?」
怒る侑思の視線が、スッと俺の頭上へと移動する。
迫られた勢いで見えてなかった俺のウサ耳にようやく気付いたようだ。
【浅多 侑思】
「な、なんだこれは!?」
手を伸ばして、頭から伸びるそれをグイと掴む。
【クロノ】
「痛っ」
【浅多 侑思】
「痛いって……まさか、感覚があるとでも……?」
【浅多 侑思】
「飾りじゃないのか……??」
疑いながら、なおも引っ張る。
【ウサギ】
『ウッ……ウウ、や、やめテ……ソコはダメッ……!』
頭の中に呻き声が響いて、ぐわんと不協和音が広がる。
【クロノ】
「ぐ……」
あまりの不快さに耐えきれずに頭を抱え込むと、侑思はハッとして手を離した。
【浅多 侑思】
「す、すまない。まさか、本物とは思わず……」
【浅多 侑思】
「もしや死神は、ある一定時期になるとこんな耳が生える生態なのか?」
【クロノ】
「っ……!」
ただでさえ頭痛が酷くて耐えられないのに、真剣に見当違いなことを言われて死にかけそうになる。
殺されても死なない死神の息の根を止められるのは、もしかしたらド真面目なド天然なのかもしれない。
【クロノ】
「そんなわけないだろ! 何のために死神にウサ耳が生える必要あるんだよ」
頭の痛みが取れて、余裕が出てきて突っ込むと、侑思は真面目な表情を崩さぬままに首をひねった。
【浅多 侑思】
「じゃあ、一体何で……」
【クロノ】
「これは……あんまり言いたくないけど」
【クロノ】
「とり憑かれたんだ」
【浅多 侑思】
「は?」
侑思にツッコんでおいて、こんな事を言い出すのもなんだけど。
実は俺は、死神界から人間界へと移動している途中に変な兎の浮遊霊と目が合って憑依されてしまったのだ。
【浅多 侑思】
「死神が霊にとり憑かれるって……そんな事あるのか」
どうせなら、いっそ笑い飛ばされたほうがネタにできていいのに。
そんな事を思いながら、柔軟性のない目の前の男の、痛いほど真っ直ぐな 視線を受けとめる。
【クロノ】
「俺も、聞いたことない」
【クロノ】
「けど実際に今、こんな状態だから否定はできない」
生を終えた魂を運ぶ側が、その魂に乗っ取られるなんて前代未聞だ。
大変な事態……かもしれないとは思いつつ、侑思に会いたい気持ちの方が勝って、俺はそんな事無視してここに飛んできた。
【浅多 侑思】
「それ、どうなるんだ? 人間だったら呪い殺されたりするのがセオリーだろ」
【浅多 侑思】
「お前も乗っ取られて、あの世に道連れにされるんじゃないのか」
床に押し倒されたまま、真剣に心配をしてくる。
その表情に、ムラムラッと来てしまう。
【浅多 侑思】
「その兎の霊とやら放っておけないだろう、何とかしなければ……」
【クロノ】
「放っておけない、のはこっち」
言って、熱のこもる下半身を押し付けた。
途端、細い腰が揺らぐ。
【浅多 侑思】
「ばっ……バカ、こっちが真面目に……」
【クロノ】
「話なら、スッキリした後ですればいいだろ」
【浅多 侑思】
「ふざけるな!」
【クロノ】
「え……っ」
押し切って、そのまま致そうとした勢いが大きな声で断ち切られた。
【浅多 侑思】
「僕にとって、お前は大切な存在だ。そのお前に何かあったら……」
【クロノ】
「侑思」
ふるふると小刻みに肩が震えてる。そこから、その想いの強さが伝わって来る。
【浅多 侑思】
「自分を大切にしない奴は嫌いだ!」
【浅多 侑思】
「こんな感情を教えてくれたお前が、自分をないがしろにするような真似はするな!!」
怒り混じりのその声は、さすがに胸に響いた。
【クロノ】
「……ごめん」
素直に謝って、俺は侑思の身体の上から降りた。
時間を見計らって部屋へと移動すると、読み通り、侑思がバッグを置いてネクタイへと手を掛けているところだった。
(脱ぐの、手伝ってあげるよ)
どんな反応を示すか、分かっていながら……俺は姿を見せずにスーツに手をかけた。
【浅多 侑思】
「ん?」
ネクタイが勝手に浮かぶのを見て眼鏡の奥の目が、丸くなる。
【浅多 侑思】
「クロノ、お前か?」
きょろきょろと周りを見回す。その慌てふためく顔を見て、すぐにでも押し倒したい気分が高まる。
順序立てて攻めるのが煩わしくなって、ベルトを外しにかかる。
【浅多 侑思】
「なあ、おい……違う……のか!?」
焦った侑思は後ずさろうとして、足を滑らせた。
【浅多 侑思】
「うわっ!」
ベルトを抜き取っている間に、その身体がガクンと後ろに倒れ込む。
【クロノ】
「侑思っ」
さすがにこのままでは危険と感じて、俺は姿を現してすぐさま手を伸ばした。
後頭部が床に打ち付けられないよう抱え、同時に倒れ込む。
【浅多 侑思】
「……くっ」
【クロノ】
「大丈夫か、侑思!」
【浅多 侑思】
「クロノ……、やっぱりお前……か」
【クロノ】
「どこか変な感じするとこ、ない?」
【浅多 侑思】
「変……といえば」
【クロノ】
「あるのか?」
【浅多 侑思】
「……お、お前の……ソコが」
【クロノ】
「ん?」
眼鏡をクイ、と上げて顔を真っ赤にしながら下半身を見つめた。
【浅多 侑思】
「お前のアソコが、盛り上がって当たってる……んだが」
【クロノ】
「ああ」
【クロノ】
「仕事終わりのお前の匂い嗅いだら、つい我慢できなくなって」
【浅多 侑思】
「……て、じゃないだろ。いきなり襲い掛かるような真似っ……」
【浅多 侑思】
「ん?」
怒る侑思の視線が、スッと俺の頭上へと移動する。
迫られた勢いで見えてなかった俺のウサ耳にようやく気付いたようだ。
【浅多 侑思】
「な、なんだこれは!?」
手を伸ばして、頭から伸びるそれをグイと掴む。
【クロノ】
「痛っ」
【浅多 侑思】
「痛いって……まさか、感覚があるとでも……?」
【浅多 侑思】
「飾りじゃないのか……??」
疑いながら、なおも引っ張る。
【ウサギ】
『ウッ……ウウ、や、やめテ……ソコはダメッ……!』
頭の中に呻き声が響いて、ぐわんと不協和音が広がる。
【クロノ】
「ぐ……」
あまりの不快さに耐えきれずに頭を抱え込むと、侑思はハッとして手を離した。
【浅多 侑思】
「す、すまない。まさか、本物とは思わず……」
【浅多 侑思】
「もしや死神は、ある一定時期になるとこんな耳が生える生態なのか?」
【クロノ】
「っ……!」
ただでさえ頭痛が酷くて耐えられないのに、真剣に見当違いなことを言われて死にかけそうになる。
殺されても死なない死神の息の根を止められるのは、もしかしたらド真面目なド天然なのかもしれない。
【クロノ】
「そんなわけないだろ! 何のために死神にウサ耳が生える必要あるんだよ」
頭の痛みが取れて、余裕が出てきて突っ込むと、侑思は真面目な表情を崩さぬままに首をひねった。
【浅多 侑思】
「じゃあ、一体何で……」
【クロノ】
「これは……あんまり言いたくないけど」
【クロノ】
「とり憑かれたんだ」
【浅多 侑思】
「は?」
侑思にツッコんでおいて、こんな事を言い出すのもなんだけど。
実は俺は、死神界から人間界へと移動している途中に変な兎の浮遊霊と目が合って憑依されてしまったのだ。
【浅多 侑思】
「死神が霊にとり憑かれるって……そんな事あるのか」
どうせなら、いっそ笑い飛ばされたほうがネタにできていいのに。
そんな事を思いながら、柔軟性のない目の前の男の、痛いほど真っ直ぐな 視線を受けとめる。
【クロノ】
「俺も、聞いたことない」
【クロノ】
「けど実際に今、こんな状態だから否定はできない」
生を終えた魂を運ぶ側が、その魂に乗っ取られるなんて前代未聞だ。
大変な事態……かもしれないとは思いつつ、侑思に会いたい気持ちの方が勝って、俺はそんな事無視してここに飛んできた。
【浅多 侑思】
「それ、どうなるんだ? 人間だったら呪い殺されたりするのがセオリーだろ」
【浅多 侑思】
「お前も乗っ取られて、あの世に道連れにされるんじゃないのか」
床に押し倒されたまま、真剣に心配をしてくる。
その表情に、ムラムラッと来てしまう。
【浅多 侑思】
「その兎の霊とやら放っておけないだろう、何とかしなければ……」
【クロノ】
「放っておけない、のはこっち」
言って、熱のこもる下半身を押し付けた。
途端、細い腰が揺らぐ。
【浅多 侑思】
「ばっ……バカ、こっちが真面目に……」
【クロノ】
「話なら、スッキリした後ですればいいだろ」
【浅多 侑思】
「ふざけるな!」
【クロノ】
「え……っ」
押し切って、そのまま致そうとした勢いが大きな声で断ち切られた。
【浅多 侑思】
「僕にとって、お前は大切な存在だ。そのお前に何かあったら……」
【クロノ】
「侑思」
ふるふると小刻みに肩が震えてる。そこから、その想いの強さが伝わって来る。
【浅多 侑思】
「自分を大切にしない奴は嫌いだ!」
【浅多 侑思】
「こんな感情を教えてくれたお前が、自分をないがしろにするような真似はするな!!」
怒り混じりのその声は、さすがに胸に響いた。
【クロノ】
「……ごめん」
素直に謝って、俺は侑思の身体の上から降りた。