[本編] 国重 昴正 編
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◆さみしさの欠片◆
こいつの熱を受け入れるのは、これで何度目だろう
こいつは上手いと思うんだが、その割に、余裕のない動きをする
こっちはオッサンだっていうのに、手加減てものを知らない若造が…
と思うのも本当だが、求められてる感じがして、正直悪い気はしない
……俺の人生は、あと何年残っているんだろう
もうオッサンだから、偶にはそんな事も考える
俺の残りの人生が、短かろうが、長かろうが
こいつなしでは生きていけない
全身を満たす、確信的な安らぎを失ったら、もう生きていけない
――ずっと、もうあいつ以外は愛せないと思っていた
――本当は、あいつ以外を愛す事なんか、許されないと思っていた
――どんなに淋しくても、淋しいまま死ぬことが
――それが、優しいあいつを傷付けた罰なんだと思っていた
それを、こいつが許してくれた
死神の鎌で、俺の呪縛を狩ってくれたんだ
だから俺は、俺を許すことが出来て
今、こうしてお前を愛しているんだから
……だから、馬鹿な事を訊くんじゃねぇよ
こんなに熱いお前に抱かれて
さみしさの一欠片だって、溶け残れるはずがねぇだろ
愛してるぜ、俺の死神
俺は、今――、いや、今も、――幸せだ