[本編] 浅多 侑思 編
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◆決意の証◆
両親から見合い写真が送られてきたときから少しずつ、歯車が狂っていくのを感じていた
確かに両親に、恋人がいることは話していない
だから、仕方ないと言えばその通りだ
クロノの事は、いつか伝えようとは思っていた
でもずるずると先延ばしにしてきてしまって
―――その結果、
またあの時と同じことが起きてしまった
(クロノは僕と生きる決意をしてくれていたのに)
(僕は本当に、情けない……)
歯車はずっと危ういバランスで動いていたのに、気付かないふりをしていただけだったんだ
(……またクロノに助けられたな)
クロノが必死に僕に呼び掛ける声が聞こえた瞬間
真っ暗だった空間に、一筋の光が射した
(改めて気付くまで…時間がかかって、すまない)
この思いを貫くことで、どんなに苦しいことがあったとしても
僕には、クロノだけだ
クロノにとっても僕だけだって
そう思えるような何かを、僕は返せているだろうか?
ずっと情けないところばかり見せてきたけど
僕の決意を、クロノにも見届けてほしい
僕の大切な人のこと
今度こそ、両親に話そう
それに、これからは
無理に隠す必要もないのかもしれないんだ
僕が、決断さえすれば
(海外で結婚……か)
そんな選択肢は、堅実に生きてきた僕の人生の中で、ありえるはずもなかった
しかも、男と。いや、それ以前に人間でもない
それなのに
そんな選択肢もあると知った今、
何故だか幸せを感じている自分がいて不思議だ
照れくさくて、冗談はやめろと一蹴してしまったけど
前向きに検討する…くらいは、言ってやってもいいだろうか